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こんな駅知らんかった。
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正面
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入口から奥を見る
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お通し。
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穴子の包み蒸し¥780
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赤鶏のたたき¥700
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新生姜と小海老のかき揚¥780
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飛騨牛のステーキ¥2000
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うめくらげ¥260
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あさりの酒蒸し
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仔牛のタン塩¥890
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酢豚¥800
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砂ずりにんにく炒め¥530
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銀だら味噌焼き¥1200
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手作りギョーザ¥330
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静岡銘柄豚ロースステーキ(かぼすで)¥700
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大将と女将と仲間達。
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最初に申し上げておくが、この店のオーナーは私の友人である。
とは言えこの日の再開は約17年振りだったのだが。。。
或る共通の友人から「東谷(ヒガシタニ)が大病してたやろ、あいつ復活して店に出てるらしいで!」
。。。とゆう、驚くべき噂を聞いたのが8月末のことだった。
この店のオーナー東谷内匠(タクミ)氏、50歳。病気で社会復帰はムリかもと聞いていたのである。
「そらっ!快気祝いも兼ねて1回店行ったらなアカンやんけ!!」。。。とゆうわけでこの日になった。
某フレンチ・レストランのシェフをやってる友人と、某寿司屋の大将をやってる友人と3人である。
「イキナリ行ったらビックリしよるなぁーーっ!!」
なにしろサプライズ大好きなオッサン3人である。仕事なんか早退しちまって南海電車に乗った。
しかし遠い!「羽倉崎」などと言う駅名は初めて聞いた。なんと!もうすぐ和歌山県ではないか!
夕方の5時に梅田で待ち合わせて、着いたら6時過ぎていた。
小さな駅。目指す居酒屋 おぶりがーどは駅を出て100mも歩いただろうか?スグに分った。
「いらっしゃーい」「いらっしゃいませー」・・・女将さんと若大将の元気な声が響く。
肝心の大将、キョトンとしておる。「どっかで見た事ある奴やなぁ」とゆう顔。
結局、自己紹介しないと分ってもらえなかった・・・「それでもツレか!!」
昔からぶっきらぼうな奴だった。17年振りだからと言って、別に大袈裟に喜ぶこともしない。
「お薦め料理は何やねん!?」と聞いても、「そんな!バリバリのプロ相手に言えるかいな」やて。。。
「まぁ、飛騨牛とか豚とか鶏とかは特別なルートで入ってるからお得かなぁ・・・。」
「お薦めあるねやんけ!!よっしゃ!オーダーするど!快気祝いや!喰いまくったるからな!」
※お通しには、ポテトサラダと胡麻豆腐、オモロい取り合わせやなぁ~。
※穴子の包み蒸し¥780、先ず同行の寿司屋が唸った。「エエ穴子使こてるやん!」
出汁も濃くない味付けで美味い!
※赤鶏のたたき¥700、驚いた。こんなアッサリとした鶏肉は初めて喰ったかも知れない。
※新生姜と小海老の掻揚げ¥780、牛蒡の笹掻きも入る。上質の油でシャキッと揚がっている。
天ツユは敢えて薄味。素材の味が活きている。
※飛騨牛のステーキ¥2000、甘い、柔い、美味い。しかしだ!こんなイイ肉は鉄板に乗せて欲しくなかった。
ドンドン熱い鉄板の上で焼けていってしまうからだ。勿体なかったなぁ~。
※うめくらげ¥260、箸休め代わりに注文。アッサリと口腔内が蘇生する。
※あさりの酒蒸し、幾らか失念。チャンと白出汁をとってるのだ。新鮮なあさりが活きる。
これも上品な薄味。美味いっ!
※仔牛のタン塩¥890、敢えて塩を少なめに焼く。上質・新鮮なタンは張りがあって、しかも甘い。
「肉は特別ルート」と言うだけの事はある。タレや塩の味ではなく、肉の味で喰えるのである。
※酢豚¥800、酒のアテとゆうよりは、飯と一緒に喰いたい味。
※砂ずりにんにく炒め¥530、プリプリの砂ずりに薄目の味加減。それだけに、にんにくチップと合う!
※銀だら味噌焼き¥1200、肉厚の銀だら。飽くまでも薄味。兎に角、この店は素材を大切にする。
※手作りギョーザ¥330、にんにくは少なめ。明日、会社に堂々と出勤出来るギョーザ。
※静岡銘柄豚ロースステーキ(かぼすで)¥700、これは驚いた!こんなに美味い豚は初めて。
にんにくチップなんか載せないでほしかった。これが豚肉の味だったのか!感動した!!
3人の内「寿司屋」が下戸で、その分滅茶苦茶喰いやがった。完璧に割り勘負け。それでも安いが。
この店他のメニューも凄い。オムライス、ラーメン、うな丼、スパゲティ、ピザ、うどん、蕎麦、お造り。。。
とにかく何でもある。アイスクリームまである。徹底した「地域密着型居酒屋」なのである。
現に私たちの後から家族連れが入って来て、ガキがオムライスとかメンチカツを喰っていたし、
更には、寂しげなオッサンが一人で入って来て、酒は呑まず、飯と魚とトンカツを喰っていた。
味はマジで美味い!知る人ぞ知る料理人二人が感服していたのだから、間違いなかろう。
特にその材料には驚いていた。例えば雲丹は北海道産の上物。それを¥700で出していたが。
普通、その値段で出すのは無理なグレードの高級品だそうだし。
「たらの白子ポン酢」に使っている「タラ」が「スケトウダラ」ではなく「真鱈」なのも驚いていた。
大将の東谷氏、何やら治療法も薬もないような難病で 今まで二度ほど死線を彷徨ったらしいが、
不屈の生命力でもって復活している。流石に80kgを超えていた体重も68kgに落ちたらしいが。。。
2度の入院の間は、女将さんと長男の若大将が頑張って店を支えていたそうだ。
「また、いつ何時再発するか分らへんけどね、頑張るわ」相変わらず無愛想に決意を語っていた。
美味かった。よく喰って、よく呑んだ。
「おいっ!東谷!死ぬなよ!特に師匠より絶対先に死ぬなよ!」料理人同士、熱い思いが迸る。
「うんっ!ありがとう!わかってる!」相変わらずぶっきら棒に肯く。
「こんな遠いとこ、もう二度と来ぇへんからな!!」
「わかってんがな!来ていらんわ!」
「オブリガード」・・・ポルトガル語で「ありがとう」とゆう意味だ。
女将さんも、若大将も、そして東谷大将も、何度も言ってた「ありがとう!」
元気な姿を見せて貰えた。そしてその素晴らしい仕事振りに、かえって元気を貰えた気がした。
「東谷!こちらこそやっ!ムイト オブリガード!!」
羽倉崎駅の改札口。東谷大将、いつまでも手を振っていた。