1回
2020/03 訪問
夢かマコトか,しかしパンの実体は充実
異世界譚のグルメものという反則的設定で売っているマンガやラノベが少なからずあるが,それが具現化したようなパン屋である.あるいは,宮沢賢治の世界か.夢で見たような,そんな既視感もある.
場所は七尾と羽咋の中間くらい,中能登町という地名通りの能登半島中間部,山の中というほどではないが,道に迷ったか親戚でもいなければ訪れないような,小さな集落の中にある.
ご主人の実家の伝統的日本家屋をごく簡単に改装した研究所となっている.
ここで売られているパンは自家栽培小麦で天然酵母なので,発酵は自然と低めで抑えられており,パンの充実感や風味がすごい.
いやむしろパンというより,パンと穀物の中間のものというほうが実態に近いのかもしれない.
いちいちパンのサイズも大きく,本当に漫画かアニメの世界のようである.ギャートルズ肉のパン版といったような.
このような圧倒的な存在感のパンはこれまで見たことがなく,概念を覆すような衝撃すら覚える.
買い求めたアイテムの紙袋は,パンを買ったとは思えないほどずっしりとしている.
スコーンが300円,でかいパンはだいたい最小サイズで1000円ほどとパンの価格としては高めなのだが,食べてみるとまったく高いと思わせないところがある.
立地や周囲の環境,ご主人の飄々としたたたずまいも加味されて,これは必ず訪問すべき店だと思わせられた.
2020/04/09 更新
理想を極大化したパン
2020/04/08 更新