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鮎のブイヨン
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スペシャリテのまるごと火入れの蕪
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メインの短角牛のロースト
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メインにあわせブルゴーニュ3種
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ごろっとチェリーが
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ハーブティー
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今年の夏休みは甲州ワイナリー巡りと決まり、その前に東京での用事がありました。なかなか伺えないフレンチのお店のランチを探していたところ、マイレビューアー数人が絶讃されているこのお店が目に止まりました。素材の特性を科学的に活かして調理する分子ガストロノミーのお店で東京でもトップクラスの評価でした。幸いネット予約で土曜日のランチが予約できました。数日後には満席になっており、人気の程が窺えます。
当日はとても暑い日で、大きな荷物もありタクシーで向かいました。外まで丁寧にお出迎え頂きました。
事前のウエブ情報で、メニューをチェックして、最初は4800円の二つのコースから選ぼうと考えましたが、この季節の鮎料理の記事に惹かれ、奮発して7500円の『おでかけ』に決めました。
ブランドブランのシャンパーニュで喉を潤し、コースをお願いしました。
コースの内容は以下の通りです。
おでかけ
本鮪、雲丹、紅芯大根、日向夏、シェリー酒を2口で
美しい夏の風景〜2013
生き生きと焼いた鮎とその澄んだジュと、自家製うるかのガストリックと山山椒のオイル、マンゴー、ラディッシュ、パンプルネル
定点〜
丸ごと火入れした蕪とイタリアンパセリのエミュルション、バスク黒豚のシャンボンセック&ブリオッシュ
雨の滴のように〜
フォアグラのナチュラル、加賀大胡瓜とメロン、茗荷、レーズンのチャツネと丁字、金蓮花の葉と花
大地の味、大地の香り〜
岩手短角牛ロース肉の炭火ロティとバジルのエミュルション、賀茂茄子、ジロールダ茸、スベリユヒ、黒オリーブ、夏トリュフ
ビングチェリーの赤ワインマリネとトンカ豆のムース、コーヒーのアイスクリーム&ピスタチオのブリニ、オレンジのクリームを纏って
おしゃべりのひととき
アミューズは綺麗な3層で、泡の中に鮪や雲丹が入ったものとシェリーのシャーベットです。口当たり良く食欲をそそられます。これからのコースが楽しみになり一気にテンションが上がります。シャンパーニュにあわせ美味しかったです。
ここからは 、一皿ごとに少量のワインをおすすめでお願いしました。
コースを選ぶきっかけになる鮎ですが、その前にガラス製をお猪口を選んで鮎のブイヨンを頂きました。3日間かかるとのこと、灰汁が出るまで煮込んだスープを濾さずに凍らし、冷蔵庫でゆっくり解凍する時の融点の違いを利用して透明なスープを抽出するとのことです。しっかりとした鮎の出汁が感じられますが、川魚のくさみがありません。鮎は骨のついた側が香ばしく焼かれ、うるかで味付けされており、半身はしっとりと優しく仕上がっていました。山椒の効いたマンゴーピリリと刺激的です。いずれの焼き具合も火加減が絶妙です。また、ここで出して頂いたワインにも驚きました。うるかのくさみに合わせ、赤ワインでした。山梨・津金のBEAU PAYSAGE la montagne メルロー100%です。ミントやい草のような鼻に抜ける刺激的な香りのワインで鮎との素晴らしいマリアージュです。このお皿の最後は、ブイヨンを頂いたお猪口に少量の日本酒を頂き、山椒の辛味を洗い流し、日本の味わいに一区切りをつけます。
丸ごと火入れの蕪は、開店以来の定番とのことです。じっくりと火の入った蕪は素晴らしい歯応えです。パセリのアクセントが効いています。黒豚の塩気が程よく本当に美味しいです。季節ごとに組み合わされる食材が違うとのことで、違う組み合わせも是非頂きたいと思いました。これには2種類の白で熟成して濃い色になったものとフレッシュな透明なものの組み合わせです。どっしりとした旨味があります。
フォアグラは低温で火入れのされており、しっとりとクリーミーです。メロンや胡瓜の緑が映え見た目にも夏を感じる一品です。爽やかに頂きました。これには赤と白の2種類です。赤はロワールの日本女性が造るカベルネフラン、白はアルザス・マルクテンペのピノブランでした。この赤ワインもミントの感じが効いたワインでした。マルクテンペは我が家ではお気に入りの造り手です。程良い甘みでフォアグラとの相性はとっても良かったです。ソムリエが言われるには、ソーテルヌの貴腐とフォアグラの相性はもちろん良いが、手を掛けたここのお料理には甘みの少ない味わいの深いワインをあわせるのがシェフの考えとのことです。しっかり堪能させて頂きました。
メインのロースのロティは、香ばしく絶妙な火の通りで、久しぶりに本当に素晴らしい肉料理を頂いたという印象です。黒オリーブやトリュフの香りも最高です。事前にメイン用のナイフは選ばせてもらえます。ワインはブルゴーニュの村違いで3種です。ドメーヌ・ドルーアン・ラローズ Chapelle Chambertin Grand Cru 2007をはじめ、シャンボールニュジニーなどの1er以上のものでした。特にChapelle Chambertinは程良い飲み頃で美味しかったです。2006年の他の村名も時間をおくと開いて爽やかな酸味が良かったと思います。
デザートの前にチーズをすすめられ、お腹にも余裕があったため一人分を分けてもらいました。これにはシャンパーニュ地方の白ワインです。シャンパーニュになる前の酵母の香りがしっかりするものでした。ブルーチーズやウオッシュタイプにもあう、しっかりしたものでこれも素晴らしい組み合わせでした。
デザートは真ん中から割るとチェリーやピスタチオのブリニがごろっと出てきます。甘酸っぱいチェリーやコーヒーの風味がこれも素晴らしいお味です。
爽やかなハーブティーとお茶菓子です。チュッパチャプスの中には昔懐かしいプチプチが詰まっています。その他も美味しいお菓子でした。
とにかく視覚からはいる感じと、理論的に計算され構築された料理法が演出する味わいの一連の流れは最初から最後までインパクトがあり本当に楽しめました。何よりも一皿ごとに合わせてもらったワインとのマリアージュは感動の一言で、担当のソムリエさんには大感謝です。今回はワインだけで1人10000円超なりましたが、内容と満足度を考えれば納得です。
最後は、丁寧にお見送り頂き、大満足のなかお店を後にしました。
なかなか伺えるお店ではありませんが、違う季節に是非伺いたいと思いました。