レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!
1位
1回
2016/05訪問 2016/05/27
地下鉄「赤坂見附」徒歩5分のビル地下1階にある老舗懐石料理店
2016年5月下旬。再訪。
昨日はクラブツーリズム主催のランチ会に参加。2月の四ツ谷「北島亭」以来4か月ぶり。今回はミシュラン2つ星の赤坂にある「懐石辻留」。昨年9月以来2回目の訪問。
こちらは私がこれまでいただいた外食で最も美味しいと感じたお店。夜のコースを特別に、お出していただいている。32000円。今回は7名の参加。珍しく男性4名女性3名と男性の方が多い。いろいろと食べ歩いているような方が多かった。前回と同じ入って左手の畳敷き和室椅子席。
3代目ご主人の辻義一氏の次女の方のご挨拶で開始。先付は「塩雲丹」、向付は「鰈、胡瓜、青とさががり、莫大、山葵」。「塩雲丹」は、本当に程よい塩加減。「ロ」の印入りの北大路魯山人のお皿で出された向付も美味しかった。正直言ってお刺身の美味しいお店は高級日本料理店でも、あまりない。
メニューを見て「莫大」って何とお尋ねになった方がいらした。お刺身に付け合わせの海藻のような物だが実は木の実だそうだ。指先のような大きさの物を水に浸すと大きくなるので莫大という。水に浸した瓶入実物を持ってきて見せていただいた。勉強になる。
椀盛は「鱧葛叩き、つる葉、長ひじき、柚子」。関東でも最近は食するようになった鱧。昔、作家の谷崎潤一郎氏が夏になると鱧を食しに京都まで、わざわざ通われていたそうだが辻留が銀座に出店してからは「これで京都まで行く必要が無くなった」と仰られたとか。日本料理は椀刺しで腕が分かると人形町「濱田屋」の社長さんが仰られていたのが印象に残っている。
口取は「小鯛寿司、はじかみ、車海老旨煮、ほたて貝味噌煮、合鴨ロース塩焼、一寸豆甘煮」。一寸豆とはの質問に「空豆のことを言います」と配膳をしてくださっている辻氏の御長女の方が教えてくださった。焚合は「小茄子、きざみ柚子、あわび、絹さや」。今の私の食生活では茄子をいただく機会はない。嬉しい。
長女の方にお聞きしたら、こちらは一人でも大丈夫だとのこと。嬉しい。最近は料亭や高級日本料理店でも一人でも大丈夫というお店が増えた。理由はともあれ私のような孤食老人には、ありがたい。
それはともかく焼物は「福子塩焼き、木の芽酢」。ご存知のように福子は鱸の2、3年魚のこと。酢物は「芽芋、うずら、三つ葉、黒ごま」。私は食べ物に好き嫌いは無いが、酢のものは若干、苦手。それでもこちらの酢物は品の良い酸味なので美味しくいただける。
留椀は「赤だし、ちぎり麩、茗荷」、御飯が「しそ御飯」、香物は「朝瓜、沢庵、牛蒡醤油漬」。美味しい。これだけで何膳でもご飯がいただける。普段は、こんな食事、ずっとしていない。御飯など電子レンジでチンだもんなと感慨深い。
果物は「メロン、さくらんぼ」。このメロンがまた、何とも言えない甘みがある。菓子は「よひら」、薄茶は「千代昔」。昔は洋菓子一辺倒だったが近年、和菓子が好きになった。それでもこちらの和菓子は一段と和菓子を好きにさせる。
最後にこちらに30年ほど勤められるという料理長さんのご挨拶と今日の料理の説明で終了。量といい上品なお味といい満足なお食事会だった。
2015年9月下旬。
昨日は、クラブツーリズムのランチ会に参加。今回は赤坂にある老舗懐石料理店「懐石辻留」。地下鉄「赤坂見附駅」徒歩5分のビル地下1階にある。今回の参加費は32000円。22名参加。
夜の懐石献立メニューとあるので旅行社の手数料を考えると夜の25000円のコースのようだ。3カ所の個室に別れて行われた。私の会場は12名参加の畳敷き和室での椅子席。床の間の掛軸は能役者の観世栄夫氏の書。花活けの器は北大路魯山人の作だそうだ。お値段もそれなりの額だがこれまで行った日本料理店で一番美味しかった。
先付は「いか、いくらあえ三つ葉」向付「しまあじ錦糸瓜、穂しそ、岩のり、山葵」が一緒に出される。最初から美味しい。いかも美味しかったが、しまあじが脂が乗って美味しい。有名店でも正直言って刺身が美味しいと思う事はあまり無いのだが、こちらは美味しかった。以前、濱田屋のご主人が和食店は椀差しの美味しさで評価が決まると言って居られたが、次の椀物共々その条件に当てはまった。
椀盛は「鱧、松茸、茅宝連草、柚子」。料理長さんのお話では時期的に、この椀の主役は松茸だそうで確かに松茸も美味しいが鱧も美味しかった。鱧は、いったん旬を過ぎた後に、もう一度美味しくなる時期とのことだが上品な美味しさ。
田楽は「いちじく、ごまみそ」。いちじくが柔らかくそれでいて、ごまみそを添えることで甘くなりすぎずに素敵だ。口取は「鯖寿司はじかみ、車海老旨煮、子持鮎、子芋衣かつぎ、枝豆」。全て美味しいが鯖寿司と子持鮎が好きだ。
焚合は「焼茄子、にしん、生姜」。秋茄子は嫁に食わすなというが茄子が柔らかく美味しい。焼物は「甘鯛幽庵焼」。高級料理店でのコース料理でも全品が美味しく感じるという事はないが、こちらの料理は、どれも美味しい。初めてだ。
酢物は「宝連草北寄貝菊花ごま酢あえ」。私はどちらかというと酸っぱいものはあまり好きではないが、こちらの酢物はさほど酸っぱくなく上品な味。留椀「赤出し、湯葉、なめこ」、御飯「つまみ御料干かます、板わかめ」、漬物「柴漬、沢庵、なら漬」。一品出しの場合、洋食でも和食でも半分ほどでお腹がいっぱいになるのだが、こちらは量も十分なのに、いくらでもいただけるほど美味しい。
ここで料理長さんが登場。本日のメニューの解説。分かりやすい。果物は銀座千疋屋の「グレープフルーツゼリー、ぶどう」。さすが千疋屋。菓子が「花野」。そして薄茶が「千代昔」。
いやーっ、美味しかった。私は自分の味覚に自信があるわけではないので、こちらの料理が日本一かどうかは分からないが、私がこれまでいただいた、お店の料理の中で間違いなく、こちらが一番好きだ。良い冥途の土産ができた。感謝の一言。
2位
1回
2015/10訪問 2015/10/11
地下鉄「白金高輪駅」徒歩8分「三田ハウス」1階にある老舗フレンチの名店
2015年10月上旬。
昨日はクラブツーリズムのランチ会に参加。今回は白金高輪にある老舗フレンチの名店「コートドール」。ミシュランの1つ星フレンチ。参加費15000円で約20名の参加。男性は私1人。この日は家を出るのが遅れ地下鉄「白金高輪駅」に着いた段階で12時の開始時刻に間に合わない可能性があったのでタクシーを利用。1メーター。会場に到着すると、まだ4、5名の方が遅れていて開始したのが12時20分。ネットでの評判通り派手さはないが落ち着いた良い感じのお店で従業員の方も皆、好感が持てた。1皿目は「赤ピーマンのムース、フレッシュソース」。いやーっ美味しい。最初から、何とも言えない美味しい1皿。この日のお料理は、どのお料理も美味しかったが私は、この1皿目が一番印象に残った。2皿目は「鰆の燻製、カラフル大根添え」。正直言って私は燻製料理でこれまで美味しいと思ったことがない。しかし、こちらの鰆の燻製は初めて燻製料理で美味しいと持った。嫌な燻製料理の風味がなく非常に上品な味。3皿目は「カスベ茹で上げシェリーバターソース」。こちらの名物料理だそうでカスベとはエイのことだそうだ。よくかき混ぜて召し上がってくださいとのお話なのでそうした。確かに名物料理たる所以が分かる1皿。
私は高級店での外食には、つまらない日常からの逃避、非日常を期待している。それだけに料理の味だけでなくレストランの内装やサービスなども非日常を味あわせてほしい。それだけに賛否両論はあるにしろトゥールダルジャンや閉店したマキシムドパリ東京の派手で、ごてごてした雰囲気が好きだ。しかし、それらのお店とは対照的にこちらは味も含めて上品なたたずまい。これはこれで好きだ。4皿目は「仔鴨のロースト季節の野菜添え」。これまで鴨料理で美味しいと思ったことも、あまり無いが、こちらの料理は十分満足。デザートは「高原花豆のシロップ煮」。大きめの花豆が2個。砂糖を使わずに、コトコトと煮たてたそうだが栗に似た味で美味しい。さらに「白ワインのムースケーキ」。一見チーズケーキのようだが全く違う。印象に残った。最後がコーヒーと小菓子。チョコレートと一緒にお召し上がりくださいとのことでそうした。ほろにがチョコレートがコーヒーとマッチして一層、味が引き立つ。和食もそうだがフレンチのコース料理も全皿美味しいという事は、まず無い。この日のメニューは全て美味しかった。初めてかもしれない。私にとっては文句なく一番のフレンチレストランだ。
3位
1回
2015/10訪問 2016/06/01
地下鉄「白金高輪駅」徒歩8分の所にあるミシュラン2つ星和食店
2015年10月中旬。
昨日はお昼からクラブツーリズムのランチ会に参加。今回は三田にあるミシュラン2つ星日本料理店「晴山」。1週間前に参加した同じ三田のフレンチ「コート・ドール」に続いて2週連続。地下鉄「白金高輪駅」から徒歩8分ぐらいのビル地下1階にある。会費11000円で20名参加。こちらのランチ会でも評判の良いお店。恐らく男性は今回も私一人ではないか。申し込み順でカウンター席からと言うことで申し込みが遅れた私は奥のテーブル席。今回はお品書きがないので若干心もとない。先付は「いくらとほうれん草をクルミで和えた物」。よくかき混ぜて召し上がってくださいとのことでそうする。まろやかな美味しさ。最初から期待通りのスタート。椀物は「帆立の真薯」。蓋を開けると蓋の裏に富士山の絵。器や料理を目でも楽しめる日本料理の嬉しさ。勿論、料理も文句なし。焼物の器も素朴ながら素敵。こちらの器は唐津焼が多いそうだ。「魳とギンナン、薩摩芋の天ぷら」。ギンナンの香ばしさと薩摩芋の天麩羅の甘さが印象に残った。噂通りの美味しさだ。
4品目は「宮崎牛のローストビーフ」。ローストビーフも美味しくないものも多いが、さすがにこちらの物は違う。肉自体も美味しいし、日本料理的な味付けも一層肉の旨味を引き立たせている。5品目は「芋饅頭に穴子、春菊」。こちらのお料理に共通の何か心を温かくさせるような味。本日の御飯は栗ご飯。いつもは美味しくてもお替りはしないがこの日はお替りをしてしまった。私は赤出汁の濃い目の味は好きではないがこちらの留椀は穏やかな薄味で美味しい。香の物を載せた鯛の器が可愛らしい。デザートは「梨にゼリー、生クリーム載せ」。これが又、抜群に美味しい。沖縄産の何とかという赤砂糖と和三盆を使っているそうだが生クリームとゼリーの相性が絶品。単なるゼリーと生クリームと思ったら大間違い。ここで店主の山本料理長がご挨拶に登場。まだ36歳だったか若いが噂通り好感の持てるお人柄。予約を入れればランチに一人でお伺いしても大丈夫とのこと。通常のランチは、今回よりもかなりお安い。満足至極のランチ会だった。お値段を考えれば、これまで行った日本料理店の中で一番といっても良いと思う。ちょっと残念だったのは今回のコースにお造りが無かったこと。有名店でも美味しいお刺身はめったに、いただけないので、こちらのお造りをいただいてみたかった。ともあれ大満足。
4位
1回
2015/06訪問 2015/07/04
2015年6月下旬。
昨日はクラブツーリズム主催のランチ会に出席。今回は恵比寿にあるミシュラン3つ星フレンチレストラン「ガストロミー・ジュエル・ロブション」。言わずと知れた恵比寿ガーデンプレイスにそびえ立つシャトーレストランだ。こちらの2階にあるダイニングルームを貸し切り。60名参加、参加費25000円。ミシュラン3つ星レストランは個人で利用した昨年の「カンテサンス」以来。アミューズ、デザートを含め全7皿。飲み物代は別料金。私は近年、酒類を飲むと眠くなり体がだるくなるので普通のお水。6人程度で1テーブル。参加者は圧倒的に中高年女性が多い。男性は10%程度。シェフのご挨拶で12時スタート。アミューズブーシェはシェフのお話だとこちらのモナコ店で出されていてご自身もモナコの研修で覚えたという一品。前菜は「ズワイガニなめらかアヴォガドのフォンダンにトマトのジュレとウニを添えて」。濃厚なウニと爽やかさが一体となり美味しい。2皿目は「フォアグラ、プランチャで焼き、パルメザンチーズのリゾット、椎茸と共に」。私はリゾットは、あまり好きではないが今回のお料理は、フォアグラや椎茸との組み合わせにバターの風味が良かった。どうしても次のメニューが出てくるまで時間がかかるので間が持たず、美味しそうなパンを薦められると食べてしまう。今回はサイズが小さかったので6種類ほどいただいた。勿論、美味しい。
恵比寿ガーデンプレイスにあるミシュラン3つ星フレンチ「ジョエル・ロブション」。魚料理は「スズキ葱のエテュベとシトロネルの香りのクレーム」。味はもちろんだが盛り付けも綺麗。まるで素敵なお城を連想させる。シャトーレストランと銘打つこちらに相応しい。肉料理は「牛フィレ肉ポワレにし、ロブション風ポテトのピュレ人参、季節の茸、こくがある赤ワインソースと共に」。次々出されるお皿も素敵なお皿だ。さすがミシュラン3つ星抜かりがない。こちらの肉料理のロブション風ポテトのピュレでミシュラン3つ星をいただいたと言っても過言ではないとシェフがおっしゃられていたが確かによく出されるメニューだが一味違う。そして濃厚なラム酒が利いているシャーベット。さらに「ローズ、ライチのムースに赤いベリーを合わせて」のデザート。個人的にはドライフルーツは好きではないが綺麗な見た目に美味しくいただいた。最後がコーヒーと小菓子でオシマイ。今回は次のお料理が出てくるまで時間がかかり2時間の予定が2時間半かかってしまった。普通こういった場合、途中でお腹がいっぱいになってしまうのだが今回はさほどではなく十分楽しめた。さすがミシュラン3つ星シャトーレストランであった。
5位
1回
2015/07訪問 2015/07/19
2015年7月中旬。
昨日はクラブツーリズム主催のランチ会に参加。今回は赤坂にあるミシュラン2つ星日本料理店「赤坂菊乃井」。35名程の参加で貸し切り。風情のある佇まい。6席ある掘りごたつ式のカウンター席でいただいた。考えてみれば、このところ毎月ミシュラン星付きレストランでのランチ会に参加している。夜はさっさと寝るのでランチ会で十分。ありがたいことだ。クラブツーリズム主催のランチ会に参加して、いつでも口コミで評判が良いのがこちらのお店。山田錦のお神酒でスタート。こちらの本店は京都にある老舗。今回の参加費は15000円也。猪口は「生雲丹豆腐、山葵餡」。濃厚な味でありながら上品。私は好きだ。普段食べている合成山葵と違い鼻にツンとこないのが嬉しい貧乏人である。八寸は「鱧寿司、サフラン生姜、甘鯛水玉胡瓜、川海老、胡麻酢和え(朝瓜雷干し、利休麩)、花穂紫蘇、床節、蛸の子」。蘇民将来子孫也と書かれたお札が下げられている洒落た飾りが素敵だ。鱧は関東ではあまりいただかない。私も鱧を初めていただいたのは40代後半だった。関東でももっと食べれば良いのにと思う。
向付は「明石天然鯛、鱧落とし、黄韮、山葵、土佐醤油、梅肉醤油」。瓜を切り抜いて器にしたものが涼しげで素敵。まさに日本料理は目で楽しむ。蓋物は「冬瓜饅頭、海老、京隠元、木の芽餡」。私は冬瓜など自宅ではまず、いただけない。こういったお店ならではだ。焼物は「鮎塩焼き蓼酢」。美味しい。小ぶりだが頭から丸ごといただける鮎を2尾。初めに生きた鮎を籠に入れ「この鮎を使わせていただきます」と勢いよく跳ねている鮎を見せていただける。最近、こんな美味しい鮎をいただいたことがない。強肴は「黒豚角煮、じゃが芋あん、モロッコ隠元」。これも美味しかった。中華の角煮とは一味違う濃厚な中にも上品なあっさり感がある。御飯は「鱧御飯、木の芽、粉山椒」。留椀は「牛蒡すり流し、揚げ牛蒡、黒胡椒」。今回は時期的に鱧料理が多い。私は普段いただけないので嬉しい。留椀も個人的に赤出汁があまり好きではないので良かった。水物は「蕨餅、八つ橋アイスクリーム」。京発祥の日本料理店らしく水物も上手に和洋折衷。美味しかった。確かに口コミで言われるように外れがないお店という感じだ。参加者の中には季節ごとに参加しているといった方もいらした。1人でも予約を入れていただけば大丈夫とのこと。これまでいわゆる高級店に行っても期待が大きいせいか、美味しいのだが期待ほどではないお店が多かった。それだけに、こちらは期待を裏切らないお店だと思った。
6位
1回
2015/09訪問 2015/09/09
地下鉄「人形町駅」徒歩1分ミシュラン3つ星創業百余年の老舗料亭
2015年9月初旬。
昨日はクラブツーリズム主催のランチ会に参加。今回は人形町にあるミシュラン3つ星料亭「玄冶店濱田屋」。地下鉄「人形町駅」から徒歩1分の所にある創業百余年の老舗料亭。クラブツーリズム主催のランチ会もこちらは今回が初めて。32名参加。参加費25000円。ドリンク1杯サービス付。早めの参加者には店内を案内していただいた。待合室も趣があった。現在のお店は昭和30年に建築。木造3階建て。1名から多人数までのお部屋が用意され各部屋お庭付。私たちは2階のお部屋を使用。各部屋に有名画家の掛軸が掛けられている。三代目の三田社長のご挨拶ご説明を聞きながらランチ会開始。サービスドリンクはグラスビールをお願いした。梅酒の食前酒と先付は「毛蟹、白ずいき、針生姜、加減酢、崩しゼリー掛け」と「胡麻豆腐、雲丹、山葵、薄葛餡」。胡麻豆腐が美味しかった。毛蟹も美味しい。胡麻豆腐は美味しいお店が多いが、こちらの物は一段と穏やかな美味しさ。蟹は美味しいと感じるお店が少ないが久しぶりに美味しい蟹料理がいただけた。
もともと「玄冶店(げんやだな)」という地名は、徳川家の御典医であった岡本玄冶(1587~1645年)に由来。玄冶は3代将軍家光が痘瘡を病んだ折りに見事にこれを全快させ、一躍その名を高めたといわれている。又、歌舞伎の舞台としても有名。 歌舞伎で「お富さん」「切られ与三」といえば、お富と与三郎の情話を描いた世話物の名作「与話情浮名横櫛(よわなさけうきなのよこぐし)」。店内の天井は近年改装した2室を除いて1枚杉で出来ており現在ではこのような天井にするのは無理とは三田社長のお話。その後、挨拶にお見えになった女将さんの三田啓子さんも東日本大震災の時も全く建物は壊れなかった。自分たちが心配したのはお椀類が壊れることだったが、これも全く無事だったとのこと。それにしても女将さんは綺麗な方だ。社長のお話で創業者の先々代がそのお店の善し悪しは料理の「椀、刺し」を見れば分かると言って居られたとのこと。そのお料理、椀盛は「萩糝薯、松茸、あざみ冬瓜、輪柚子、清汁仕立て」。美味しかった。さすがに椀刺し勝負と言われるだけのことはある。造りは「鮪、鯛、縞鯵、他あしらい」。又、器も造りの器共々、目利きは出来ないが綺麗で見事な器だ。
「濱田家」の名は、花街として知られた芳町(現在の人形町周辺)の芸者置屋「濱田家」に始まる。 「濱田家」の芸者貞奴は、日舞に秀で、彩色兼備の誉れが高く、時の総理伊藤博文など名だたる元勲からも贔屓にされた名実ともに日本一の芸者であったという。のちに彼女は日本初の女優、川上貞奴として知られることになる。置屋としての「濱田家」は、明治の末に店を閉める。しかし創業者である三田五三郎が大正元年に開業する際、貞奴から由緒ある「濱田家」の名を譲り受けたことにより料亭「濱田家」が誕生した。さてお料理。焼物は「鱸蓼味噌焼き、柿、もろ胡瓜、くるみ、白酢和え」。煮物が「加茂茄子オランダ煮、蒸し鮑、石川芋、伏見とうがらし、薄葛餡」。今回のお料理では椀物と煮物が美味しさで特に印象に残った。御飯は「帆立、海老、茶豆、かき揚丼、赤出汁、香の物」。かき揚丼は分量少な目だが、もう一膳というところが良いのだろう。水菓子は「桃、豊水、巨峰、シャインマスカット、百花密アイス」、甘味が「しるこ」。冷たいものと暖かいものが楽しめる。ミシュラン3つ星料亭のお料理、満足。こちらのランチは水木土のみ営業。事前予約のコース料理は15000円と25000円の2種類(サービス料15%消費税別)。今回のランチ会の料金は25000円だが旅行社の手数料を考えると15000円のコースだと思う。なかなか一人では行けないお店なので価値があった。ちなみにフジテレビの女子アナ三田友梨佳さんはこちらの社長女将夫妻の娘。
7位
1回
2015/10訪問 2015/10/03
銀座5丁目並木通りのビル4階にあるミシュラン2つ星和食店(2)
2015年9月下旬。
一昨日、クラブツーリズム主催のランチ会でミシュラン2つ星和食「銀座小十」にお伺いした。こちらは以前、ミシュラン3つ星だったが去年2つ星になり話題になったお店。銀座5丁目並木通りのビル4階にある。同じビルの地下1階には同系列のカジュアル店「銀座奥田」がある。今回は22名参加。参加費は26000円。前日の赤坂「懐石辻留」に続いての連日のランチ会。9月は初旬にやはりミシュラン3つ星、人形町「濱田屋」さんにもお伺いしたし中旬には友人の誕生祝で大手町のフレンチ「アマン・ザ・レストラン」も行った。1カ月で高級店4店は少しやりすぎだと思うが、ありがたいことだ。今回の会場は私は4名定員の個室。出来ればカウンター席が良かったが、これは旅行社が決めるので仕方がない。カウンター席は帰り際、奥田料理長に見せていただいた。前日の辻留に比べると現代風な感じだ。お料理は、まず付出し「渡り蟹、車海老、若布酢ゼリー」。大きな葉の上に出された。お洒落だ。何の葉か聞いたが忘れた。申し訳ない。酸っぱいものは好きではないが、これは美味しかった。付出しは、もう一品「生雲丹、蒸し鮑、焼茄子ずんだ和え」。同じ雲丹や鮑でも、こういった美味しい料理には、なかなか巡り合えない。茄子にしても私は日常ではいただく機会が無い。椀は「海老新丈、松茸」。これが非常に美味しかった。これだけ美味しい海老新丈はちょっと記憶にない。同席の方々も「凄く美味しい」とおっしゃられていたが、今回の料理で最も印象に残った。器も秋らしく蓋に月、蓋を開けると兎の絵が描かれている。和食ならではの楽しみ。造りは「鰹、真鯛、〆鯖」。お塩と醤油でいただく。
焼物は「天然大鰻蒲焼き、魳、松茸巻焼き」。今や珍しくなった大きな天然鰻の蒲焼。琵琶湖産。天然鰻でも珍しいのに大物となると、かなり珍しい。蒸さずに焼いたそうだが肉厚で食べごたえがある。3切れだが同席のご婦人が鰻嫌いだとかでご自分の分を同席の方に分けていただいた。盛り付けも秋らしく綺麗だ。煮物は「冬がん蛸小倉煮南京、青茸オクラ」。蛸が柔らかく美味しい。「食事」は「鱧、松茸御飯、青の物、赤だし汁」。このところ松茸や鱧をいただく機会が多い。ありがたいことだ。赤出汁は、あまり好きではないが、こちらの物は濃すぎず美味しくいただけた。「デザート」が三種ぶどう、梨ゼリー寄せ」。見た目も涼やかで目でも楽しめる。白い球状の物が梨。今風の内装などで現代風のしゃれた日本料理という感じの日本料理を堪能できた。特に椀の海老真丈が抜群に美味しかった。又、天然鰻の蒲焼も印象に残った。
8位
1回
2015/04訪問 2015/04/21
2015年4月中旬。
先日、クラブツーリズムのランチ会で四谷紀尾井町にある料亭「福田屋」へ行った。22500円也。昭和14年創業の老舗料亭。昭和20年に虎の門から紀尾井町へ移り平成7年大改装。今はビルになっている。JR四谷駅を降り上智大学脇の緑豊かな歩道を行くと左手にある。ビルにはなったが雰囲気は十分。2階にある一番広い「葵の間」で15名参加で行われた。やはり中高年の女性が多く男性は私を含めて4名ほど。なかなか料亭に行ける機会はないのでこういったランチ会はありがたい。飲み物代以外すべて込で22500円という料金設定もこちらの料金設定から見たらリーズナブルだろう。甘味まで含めて全10品。前菜は「桜花押し百合根(フォアグラ)、子持海老イクラ醤油漬、鱚南蛮漬、くこの実、寄せ玉子、天豆艶煮白酢掛け」。メニュー表を見なければ書けない。和食は目で楽しむという事が理解できる。次いで椀は「蛤潮仕立、粒椎茸、姿蛤真薯、ちぎり蓬麩、青梗菜、香り芽」。これが美味しかった。何とも言えない上品な味で満足。造りは「鯛菜花挟み、さより、かつを」見た目も綺麗。現役時代料亭などに行く機会もなかった。配膳のお姉さんに聞くと「今は昔と違って一見さんでも大丈夫ですよ」とのこと。とはいえお値段からしても年金老人にそうそう来られるはずもなし。そういえば添乗員さんが先日の「天ぷら近藤」の時と同じ方だった。
口代りは「まながつお西京菜畑焼、かます焼霜ずし、はじかみ、ペコ玉合鴨重ね山椒焼、丸十レモン煮、柚子胡椒味噌和え」、炊合せが「丸茄子揚荷胡麻あん掛け、海老黄身煮、いんげん、木の芽」こちらが非常に美味しかった。丸茄子揚荷が口に入れると蕩ける。そして御飯が「新生姜ご飯、軸三ツ葉散し」、止め椀が赤出し仕立て、なめこ、豆腐、三ツ葉」、香の物が「野沢菜、胡瓜印篭、赤蕪」。ご飯はお替り自由だったが、年配の方が多いせいか誰もお替りをしなかった。私も、腹八分を心掛けているので、これで満足。美味しかった。最後に水菓子「パイナップル、ゆめほっぺ、あまおう」と甘味「お甘、お薄」が一緒に出てきた。果物も私が日頃いただいているものとは一味違った。これで終了。約2時間。堪能した。帰る時に2階にある鎌倉時代の庄屋の館を移築したという「田舎家」を拝見。中庭ともどもビルの中に入ったとはいえ往時の料亭の良さを十分味あわせていただいた。
9位
1回
2015/04訪問 2015/04/11
2015年4月上旬訪問。
昨日は銀座の「天ぷら近藤」で久しぶりに高級ランチ。ミシュラン2つ星天ぷら店。
3月の中東旅行で利用したクラブ・ツーリズムが9500円で募集していたので参加した。地下鉄「銀座駅」B5出口徒歩3分のビル9階とあったがこれといった看板もないので通り過ぎてから戻って見つけた。エレベーターで9階へ行き小さなエレベーター前がウェイティングスペース。
12時開始間際に滑り込み。入ってすぐのコの字型カウンター席で店主の近藤氏の真ん前の席が空いていたので、そこに案内される。奥にもう少し小さなL字型のカウンター席があり、そちらでは近藤氏のお弟子さんが調理するようだ。
これまでのクラブ・ツーリズムのランチ会の例を見ても個人で行くよりも30%位高い。ま、仕方がない。飲み物を聞かれたがおとなしく、お茶をいただく。締めでご飯を天丼か天茶に千円増しで変更出来るといわれたがダイエット中なので普通の御飯で我慢。
まず車海老の頭からスタート。車海老、北海道帯広産のアスパラガス、茨城産の蓮、江戸前のキスと続く。あっさりしていて美味しい。店主の近藤氏は人柄が良さそうで聞けば何でも気軽に答えてくださる。今回、一番強く感じたのが後味が良いというか胃に負担がかからない天ぷらだということ。近藤氏が再三強調しておられたが油が良いのだろう。太白ごま油と綿実油を3対1の割合で使い温度差のある2つの天ぷら鍋を使う。しばしば油を取り換えておられた。その時はごま油を後ろに置いてある缶から鍋にドバドバドバと入れておられた。天ぷらを載せる紙も頻繁に取り換える。
ランチ、ディナー共2回転。カウンター内で近藤氏が天ぷらを揚げ2人のお弟子さんが下ごしらえなどをする。私は食通でもないし自分で料理など作らないので詳しいことは分からないが少なくとも私がこれまでいただいた天ぷら屋さんの中では後味の良さの点でもこちらが一番だと思う。
キスの後は、茄子、白魚、茸、玉葱、穴子、薩摩芋と続いた。どれも非常に軽く後味が良い。
店主の近藤氏は何度も油と素材の大切さ、特に油の大切さを強調される。
名物の薩摩芋は揚げてから暫く紙に包んで置いておき最後に登場。
隣のお客さんの質問に「紙で包むのは油を吸っていると思われるかもしれませんが、そうではなく、蒸しているんです。包んでいた紙はちっとも油っぽくないでしょう」と包んでいた紙を差し出される。触ってみると確かに油を吸い込んだ感じではない。「うちの天ぷらはヘルシーなんです。胃の悪い方が召し上がると一層分かります。私の家系は高血圧なのですが私は50年天ぷらを揚げていますが健康です。良い油のおかげだと思います。」とのこと。
千葉県産薩摩芋もほっこり美味しい。その後、御飯に赤だし、お新香が出る。ご飯は少な目だが私には適量。最後にデザートの苺が出ておしまい。約1時間強、美味しく楽しいランチ会を過ごせた。ホール係の女性や若いお兄さん達も感じが良く気持ちよかった。お店を出ると狭いエレベーターホールの待合所には2回転目のランチのお客さんが既に待機。久しぶりに胃に負担のかからないヘルシーランチだった。お値段はそれなりだが私は天ぷら屋さんでは、こちらが一番好きだ。
10位
1回
2015/05訪問 2015/05/15
2015年5月中旬。
昨日はクラブツーリズム主催のランチ会に参加。今回は広尾のミシュラン2つ星日本料理「分とく山」。13500円。今回も30名程の参加。やはり中高年女性が多い。テレビでおなじみの野崎洋光料理長のご挨拶で始まった。話には聞いていたが外装内装ともに今風でお洒落な感じお店だ。通常は夜の営業のみ。昼はダイナースクラブ主催のお料理教室をもう10年ほど開催しているが新規募集はしていないとか。1階2階を使用。私は2階のテーブル席。甘味も入れて全8品。「先付」は「アスパラ豆腐生うに荏胡麻たれ」。濃厚な味と荏胡麻の食感が素敵だ。「前菜」は「鱚新茶干し、蓴菜もずく、筍海老挟み揚げ、独活牛肉巻き、穴子飯蒸し」。どれも見た目が涼やかで味もあっさりシンプルヘルシー。椀は「合奈目切り重ね、加賀太胡瓜、五三竹かもじ」。一貫して上品な薄味。野崎料理長さんも1階2階掛け持ちで興味深い話を面白可笑しく話してくださる。好感が持てるお人柄。「今回の料理はお茶で出汁を取った料理が数品。料理は素材の持ち味を出すのが一番。出汁出汁と必要以上に拘るのはおかしい。料理界の商売優先の間違ったセールストークを信じていらっしゃる方も多い」とのご指摘。データを上げてのご説明に非常に納得。造りは「真子鰈、イサキ、湯葉、海苔蒟蒻、蕗、防風」。防風とは漢方でも使われる食材。
「中皿」はこちらの名物「鮑の磯焼き」。よく海苔を混ぜて食べてくださいとのことでそうする。ここまでの料理は野崎料理長がおっしゃるように素材の味を十分に引き出すためかシンプルな味付けでヘルシー。「強肴」は「桜海老真薯、翡翠茄子、オクラ、浅月、紅葉おろし」。桜海老真薯が美味しかった。これまでの薄味になれたせいか他のお客さんの中からは少し刺激が強いとの意見もあったが私は美味しく感じた。野崎氏の軽妙なお話で「海老は桜海老が丸ごと食べられて一番美味しいんですよ。伊勢海老は高いお金がとれるだけ」。「食事」は「新茶雑魚御飯」。これも美味しかった。思わずお替りもいただいてしまった。「甘味」は「フルーツゼリー白玉レモン蜜掛け」。野崎料理長のお人柄とお話が楽しく、素敵な時間が過ごせた。旅行社の添乗員の方のお話だとこちらのお店では毎月、ランチ会を組んでいるが「鮑の磯焼き」以外は毎回別メニュー。どこのお店でそうとは限らない、野崎さんのお人柄もあってリピート率が高いとのお話も納得。話は変わるが6月30日でフレンチの老舗「マキシムドパリ東京」が閉店。クラブツーリズムでは6月28日にランチツアーを組んでいるので23000円と多少お高いが是非、ご参加くださいとのこと。マキシム東京は3、4回行った事があるが時代遅れと言われようが私は好きだった。閉店は残念。28日は試験なので参加できない。ま、仕方ない。
2015年は1年を通して比較的数多くのいわゆる高級店へお伺いする機会に恵まれた。
過度にミシュランをありがたがる気持ちはないが星付きレストランに9軒初訪問する機会を持てた。
私も若くないので、あと何年食べ歩きが出来るか分からない。それだけに、ありがたい1年だった。
1位の「辻留」2位の「コート・ドール」は日本料理、フレンチで、過去、私が訪問したレストランの中での1位と言っても過言ではない。3位の「晴山」も良かった。4位から10位までは甲乙つけがたい。
この10軒以外にも素晴らしいお店は、たくさんあった。
私は一人で食べ歩きをする。
それだけに一人で行けないお店にクラブツーリズムという旅行社主催のランチ会で訪問できたのは、料金が割高であっても感謝したい。充実した一年だった。