7回
2018/10 訪問
孤軍奮闘。でも益々楽しみ!
コラボイベントではお会いしていたものの、久しぶりに黒森さん単独の『クロモリ』にお伺いすることができました。宮城県初の料理マスターに選ばれた責任感からというわけではないでしょうが、前菜から様子が随分と違っていて、しっかりとインパクトのある冷菜が3つ並んでいます。
石巻産のヤリイカを老酒漬けにした上海蟹の内子で和えたもの。
志津川産のタコの中国茶煮。
角田斎藤豚のスネ肉とスッポンの煮こごりをスパイシーなソースで。
小岩さんの選ぶ旨味たっぷりなBlanc de Noirのシャンパーニュとよく合います。
でも次は、ガラッと方向を変えて身体に優しく沁み渡る薬膳スープ 。
スッポンスープをベースにフカヒレ、ナマコ、冬虫夏草、クヌガサ茸、朝鮮人参他様々な素材が入っていて、ミニ佛跳牆の様です。
写真で見てはいた上海蟹餃子ですが、実際に食べたらしっかり餃子として美味しく、良い意味で予想を裏切られました。
気仙沼カツオ 塩釜 ひがしものを山椒、ネギ、生姜のタレで。
定番の角田斎藤豚のチャーシュー。大豆を砂糖とレモンで煮たものが添えてありますが、肉と一緒に食べると味わいが変わります。
お口直しに採れたてのルコラ。
真打ちの一つ、フカヒレ。今回は気仙沼産青ザメの尾ビレでした。毎回いろいろなことにチャレンジされているのクロモリさん独自の味の追及は、まだまだ進化の途中のようですが、毎回美味しく、そして安心していただくことができます。「渡部飯」用には角田産ササニシキのご飯。
伊豆沼産の蓮根に角田産の合鴨を使ったレンコンモチは、その日にとってきた名取のセリと一緒にいただきます。
真打ちその2は南三陸産40頭吉品鮑。こちらもクロモリさんらしい優しい味わいが特色ですが、余韻はひたすら長く感じます。
仙台牛のランプに黒胡椒ソースとキタアカリのマッシュポテト。どうってことの無い仙台牛が見事な料理になってしまうソースの旨さに驚かされました。
〆は比内地鶏のスープに宮城産小麦を使ったKUROMORI麺。
まだまだ食べられるとお願いして、上海蟹&チャーシュー炒飯も追加で作っていただきました。
デザートは、宮城伝統のイチヂクのシロップ煮をつかったマーラーカオ、杏仁豆腐、クルミ。
お茶をいただきながら、料理についての熱い思いのお話をしていると、あっという間に時間が過ぎてしまいます。
仙台・宮城では孤軍奮闘なのが現状ですが、早く後を追う料理人やお店が出て、仙台・宮城そして東北の食が盛り上がってくれることを願っています。
2019/08/26 更新
2018/02 訪問
雰囲気とともに魅力的もまたアップしてます
週末仙台ツアーの目的は、リニューアルオープンしたクロモリさん。
少しイメージの変わった扉を開いて店内に入ると、ロケーションの良さを生かして落ち着いて食事を楽しめる内装と、また少しグレードアップした調理場が待っていました。
内装のリニューアルがあろうがなかろうが、お料理の進化は止まりません。
定番のフカヒレも、今回はアオザメの尾ビレ。
太い繊維とよりクリアなスープととろみのバランスが最高でした。
チャーシューも一段と魅力的になり、新しくメンバーに加わったソムリエさんとのコンビネーションのおかげで、楽しい時間が過ごせました。
2018/02/18 更新
2017/09 訪問
上へ上へ、どんどん上ってください!
週末食べ歩きの旅、2日目は仙台へ移動。
地元の方によると、とっても珍しいのだそうですが、空は高く青く晴れ渡り、気持ちの良いお天気でした。
向かった先は『クロモリ』さん。
美味しいものには目がない方々とご一緒しての訪問ということで、なんだか緊張していらっしゃたそうですが、いつも通り、とっても楽しい時間を過ごすことができました。
前菜はクラゲの冷菜、生湯葉の四川ソース、いんげんの香り炒め、油淋茄子、そしてお店に入ってすぐ目に入った、野田鴨と齋藤豚び叉焼と豚トロ胡椒焼き。齋藤豚の美味しさにはいつも感動します。
続いて気仙沼産ヨシキリザメ尾びれの煮込み。上品な旨味とともにフカヒレそのものの味と香りを味わえるのが、クロモリさんらしいところ。
点心はまず、海老蒸し餃子、フカヒレと自家製貝柱の蒸し餃子、加賀蓮根入り広東焼売。
同じように見えて、一つ一つが進化しています。
続いてカレー風味の揚げ餃子。サクサクの食感と餡のバランスが最高でした。
そして、角田齋藤豚の上湯小籠包。今回は20日寝かせて旨味Max。スープの旨さがガツンと効きます。
そんな旨味の感動をあっさり超える、干し鮑の煮込み。宮城県だからできる贅沢を堪能しました。
〆はまず、香麺。具材なんていらない、シンプルですが癖になります。
スープを残しておいて、次の炒飯を2度楽しみ。さらに中華風リゾットまで作っていただき、お腹いっぱい!
デザートももちろん手抜き無し。
次に開く引き出しは何だろうと、楽しみにしながら新幹線に乗りました。
2017/09/04 更新
2017/06 訪問
懐の深さと努力の大きさに、感謝
運の良いことに、二週連続の仙台。もちろん『クロモリ』さんにやってきました。
点心中心という事は同じですが、それぞれの内容を変えて対応して下さいました。
前菜の盛り合わせは、クラゲの冷菜、ブドウ海老の老酒漬、鰹の椒麻ソース、トマトの甘酢漬、スナップエンドウ、齋藤豚の炭焼き叉焼。
ヨシキリザメ尾ビレの煮込みに渡部飯を出してくださるところは定番。クロモリさんのために特別に育てているという鳥を使った地鶏の揚げ物は、香り、味、食感、旨みのどれをとっても最高の美味しさです。
点心の旨さについては先週書いた通り。
カブ入り大根餅や漢方牛の煮込み揚げパイなど、メインをはってもおかしくない品が普通に出てくるところも同じです。
22日間寝かせてとろける旨さを出すお肉を使った小籠包は、何とも例えようの無い凄さです。
普段食べる四川風とは全く違う、お豆腐の美味しさと自家製豆板醬の美味しさが光る麻婆豆腐とご飯で〆て、最後は杏仁豆腐とカスタードクッキー。
たった一週間の進化に驚きました。
2017/06/09 更新
2017/06 訪問
点心もしっかり別世界。凄い!
最初の訪問ですっかりはまってしまい、早速リピート。今回はクロモリさんの極めるもう一つのジャンルである点心が主役のメニューをいただきました。
スタートのお皿は、角田 野田鴨のブラッドオレンジソース、サワラの椒麻ソース、シャコの甜醤油ソースの3品がのったもの。食感も味わいも温度感も異なる3品の組み合わせですが、前菜の盛り合わせなんてレベルではなく、いきなりの全力投球です。
次は、齋藤豚を使った叉焼と豚トロの炭焼きレモン塩。伊達鶏の焼き物も追加していただきました。
豚トロは、さばいで3日の齋藤豚を一年寝かせ特製のレモン塩で仕上げた物。想像を超えた美味しさに思わずお代わりしてしまいました。
気仙沼岡干・吉切鮫 尾鰭の煮込みは、クロモリさんならではの清らかな味わい。小さなご飯を添えてくださいますが、今はこれ「渡部飯」と呼ばれているそうです⁉
点心はまず蒸し物からで、海老蒸し餃子、ソラマメとワタリガニと海老の蒸し餃子、フカヒレの蒸し餃子、自家製干し貝柱と新玉ねぎの焼売。
モッチリとしていて味わいのある皮に包まれたそれぞれの餡は、もちろん作りたてで最高の状態。しっかりしたと個性と食べ応えがあります。
続いての揚げ物は、大根揚げ餃子。今の時期だからこその淡い味わいの大根の美味しさで楽しませてくれます。
白神のアスパラガスを使った五目春巻き。温泉卵を使い、旨味とまとまり感をだしているそうですが、味、香り、彩り、食感全てに対する気遣いが伝わります。
ハイライトはやはり齋藤豚を使った上湯小篭包。
毎朝人数分だけ新鮮なバラ肉を包丁でたたき、上湯の煮こごりも必ず毎日作って仕込む事が、美味しさお秘訣だそうです。
雪菜お漬物と海老の炒飯で〆のはずでしたが、我慢できずに香麺も追加。これがまた素晴らしい!
最高のスープと麺があれば、具なんて不要な事がよくわかります。
デザートは、ココナッツミルクプリンに杏ソース。
ゴマの香りが素晴らしい出来たてのマーラーカオで終了。
炭水化物の多い点心なので、完全にお腹一杯になりましたが、満足感もMaxでした。
2017/06/04 更新
2017/03 訪問
宮城県と本物の素材への愛情が溢れんばかりに伝わります。
名古屋でのランチを終えてから新幹線を乗り継ぎ、やって来たのは仙台。
今回の目的は、KUROMORIさんです。
とても信頼する方からのご紹介ですので期待も大きかったのですが、結果はそれを遥かに上回る素敵な出会いとなりました。
点心が美味しいと聞いてはいたのですが、それは昼のコースのみ。楽しく健やかに美しくなる料理をテーマに、夜は8000円から20000円のコースが用意されています。
前菜の盛り合わせからのスタートでしたが、どの品も手がかかっていながら繊細な味。特に叉焼はメインにしてもおかしくない美味しさで、いきなりおかわりしたくなりました。
次に出てきたのが吉切鮫尾鰭の姿煮。立派なサイズなのはもちろんですが、繊維の一本一本をしっかりと楽しみながら、良質なフカヒレをしっかりと味わう事ができる、そんなお料理です。気仙沼の生産者に通い、研究を重ねているからこその味だそうです。
仙台では鴨を使った芹鍋が有名ですが、それをお皿に表現した、鴨のローストに芹を添えた一品。臭みや嫌な脂を一切感じない合鴨はもちろんですが、炒めた芹がたまらなく旨くて感動します。
スッポンと白菜の蒸しスープは、ひたすら滋味深く、季節野菜の蟹餡かけからは、大地のパワーがしっかり伝わってきます。
40頭干し鮑煮込みは、とても丁寧に時間をかけて調理された物で、鮑そのものの味と旨みを堪能できる料理になっているのがKUROMORIさんのスタイル。オイスターソースは使われていませんし、このお料理だけでなく、全て無科調です。
〆は、塩漬けにしたホウボウと卵に大葉を加えたシンプルな炒飯。ヒラメとアサリのスープと合わせるとまた世界が変わります。
コースは終了なのですが、まだまだ食べたい欲求をおさえられずにお願いしたところ、担々麺を作って下さいました。刀削麺とスープの絡み具合が最高です。
杏仁豆腐と胡麻団子がデザートと聞くと平凡なようですが、とんでもない。きちんと作ればここまで美味しくなるんだと、改めて実感しました。
ずいぶん長いレポートになりましたが、本当はこの10倍は書きたい位。
通わなければいけないお店にまた一つ出会うことができました。
2017/03/21 更新
週末食べ歩き、東北。二日目の目的は仙台の『クロモリ』さん。
スタートは薬膳スープから。とっても美味しかったし、こんなコースの始まりもいいなって、素直に思えます。
先ずは点心の大根餅。以前は冬にしか出さなかった大根餅ですが、大根の力のある無しに関係なく、食べる度に感動します。
エビ蒸し餃子は、今回ワタリガニの旨さが加わりこれまた流石の一品!
続いて小籠包にウニ。小籠包そのものの美味しさは抜群。スープ多めという仕立ても面白かったのですが、宮城県産のウニをそのままのせてしまったのがとっても残念。うま味調味料代わりに使える便利なウニですが、小籠包にのせただけでは、料理とは呼べません。宮城県産というだけで質がともなっていなかったのも大きな問題です。
クロモリさんの弱点は魚。この日の蒸した赤ムツも、たぶん仙台の飲食店では1・2を争う美味しさに仕上がっているのでしょうが、他の技術が突出して素晴らしいのに比べ、アラだけがめだってしまいます。
斎藤豚 のチャーシューは鉄板の美味しさ。
フカヒレの煮込みは、最高のヨシキリザメの尾ビレを選んでいただいたこともあってフカヒレそのものの美味しさがさらにはっきりとしてきました。スープの雑味も消えたので、煮込んでさらに美味しくなります。他では食べられない感動の味です。
クラゲで口の中をさっぱりと切り替えた後は、干し鮑。
化学調味料やオイスターソースを使わず、干し鮑そのものの美味しさを引き出した相変わらずの美味しさ!
さらに進化を期待してしまいます。
次の鶏も、「パリッツ!」「ジュワッツ!」と最高の仕上がり。本当にクロモリさんの調理の技術には感心します。ただし、残念なのは鶏の質。明らかに肥育期間が短く、餌や飼育環境に問題を感じてしまいます。
軽くだしてくださる麻婆ナスも 目の覚める旨さでした。
〆のクロモリ麺、今回は鳥とシジミのスープでしたが、旨味は濃いけど独特のクセがあるシジミと、食感以外特徴の薄いクロモリ麺ではバランスが取れていないように感じました。
気分を変えるためにお願いした炒飯。こちらはいつ食べても文句なし、最高の美味しさでした。
最高の点心と最高の広東料理を自在に組み合わせ美味しく表現できるのは、クロモリさんならでは。
次回新店舗での飛躍がさらに楽しみです。