yayotoofさんが投稿した木山(京都/丸太町)の口コミ詳細

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木山丸太町(京都市営)、烏丸御池、京都市役所前/日本料理

1

  • 昼の点数:4.8

    • ¥30,000~¥39,999 / 1人
      • 料理・味 4.8
      • |サービス 4.8
      • |雰囲気 4.2
      • |CP 4.9
      • |酒・ドリンク -
1回目

2024/11 訪問

  • 昼の点数:4.8

    • [ 料理・味4.8
    • | サービス4.8
    • | 雰囲気4.2
    • | CP4.9
    • | 酒・ドリンク-
    ¥30,000~¥39,999
    / 1人

清らかな白湯に始まり薄茶に終わる、和の真髄を味わう。


料理長は、木山義朗様。


1981年岐阜県岐阜市生まれ。

“食べることが好き”ということから18歳のときに地元岐阜の日本料理店に入る。

1年半修業後、先輩の勧めもあり「和久傳」に入社し、本店に6年務め、

25歳でJR京都駅構内に開店する「はしたて」の創業料理長に抜擢され、約3年務める。

29歳のときに「京都和久傳」の料理長に就任し6年務めた後、

2017年4月、36歳で「木山」をオープン。

開業わずか一年でミシュラン一つ星獲得。





完全事前予約制。

ランチは、12:00スタートで、三種類

・ランチコース
・昼夜共通コース(時価制)
・焼き蟹付きおまかせコース(時価制/冬期限定) 


ディナーは、18:00または19:30スタートで、二種類

・昼夜共通コース(時価制)
・焼き蟹付きおまかせコース(時価制/冬期限定)


ドリンクは、単品色々。

・もちろんワインや日本酒をお任せで合わせて頂くことも可能

・ノンアルコールは、山椒煎茶やレモングラス焙じ茶など変わり種も





石畳のアプローチを進むと杮葺(こけらぶき)の屋根に出向えられ店内に入り、

赤杉ナグリ壁の廊下を通って各部屋へ。

メインカウンターはヒバ材、L字カウンターの個室は栗、もう一室草庵風の客席を設けて。


カウンターに腰掛けて、只者ではない折敷に息をのみつつ、


まず、まろやかな井戸水の白湯で口を潤して。

この井戸水は木山様すべてのお料理の基本になるもの。

和久傳から独立され店の場所を決めた後に、その土地に良い水脈があることを教えられて、

実際に掘ってみると本当に良い水が湧き出たそう。

そんな井戸水は軟水の中でも硬度が低め。

口当たりがまろやかなだけでなく食材の成分が溶けこみやすいため、まさに出汁向きのお水。


温かい飯蒸しやお粥で胃を開き、

小吸い物で、お椀と異なる出汁を楽しんだ後は、

メインディッシュであるお椀に向けて、引き立ての鰹節、出汁を味わって理解と期待を高める。


待ちに待ったお椀は、まず吸い地から。

出汁から上品におめかしされた吸い地はそれだけでも飲み干したくなる美味しさ。

それをぐっと我慢しつつ、椀種の旨みを徐々に吸い地に滲ませながら頂く。


お造りは、その素材力と仕立てによって圧倒的な美味しさが噛むほどにひろがる。


その後は焼物・揚物・和え物、時に八寸など。


満喫しきったと思うと〆のパレードが。

自分のお腹に合わせて、何種類でも。

その一つ一つが一品料理と変わりないクオリティなので食べ逃すまいと、つい欲張ってしまう。


しかし、甘味は別腹。

水菓子・主菓子(生菓子)と続き、

最後は、薄茶で締めくくる。


井戸水の白湯で始まり、井戸水をつかった薄茶で終わるという粋。





内装やアプローチの設計・建築は、「三角屋」様。


滋賀県高島市の朽木工場と京都市内にある事務所の二か所を拠点とし、最近では「徳ハ本也」や「天風良 にい留」、また「比良山荘」「飯田」「本湖月」などなど(敬称略)、錚々たる飲食店に加え、住宅や海外店舗なども手掛けておられます。

原木から挽いた素材を揃え、常に大工と設計士が切磋琢磨。

実際の建設前に工場内で完成に近いところまで一度組み上げる「仮組」という工程を経ることでより細かいすり合わせを行ったうえで、

その土地の性格や周辺環境・景観に配慮しながら、庭まで含めて設計・建設を行う。

ときに新しい技術や知識を取り込みながら、日本建築に継承されてきた技と心に敬意をもって今の時代に応じたものづくりに向き合い続ける。





5度目の訪問。ネット事前予約。

過去四回は写真NGでしたが今回訪問時はOKとなっていました。

今までも頂いた内容は自分用の備忘録としてメモを残してはおりましたが、やはり写真をみながら思い出に浸ることができるのは嬉しいものです。

勝手な妄想かもしれませんが、今後も写真がOKかどうかは私たちお客側のマナー次第とも思います。

油断せずに、お食事第一で迷惑のないよう写真を撮りたいですね。


お食事は相変わらず美味しすぎました。〆もSサイズで全種類頂き、満腹の大団円。

詳細な感想は後述いたします。


また、お食事の器がどれも素敵すぎますね。

楽焼をはじめとした文化財的なものから、作家ものといった新しいものまで使われており、

食べ終わったあとにお皿を愛でる時間が楽しみの一つでもあります。

より楽しむために陶磁器・漆器・茶器の勉強もしなくてはと思わされます。


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昼夜共通コース+ノンアルコール2杯で、32000円強。

飛び抜けたの美味しさと価格。

再訪確実です。


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お料理の構成は写真にも
補足事項や感想●、解説※は本文で
(※印の内容は自分調べですので誤りを含む可能性がございます)
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まず目に入るのは、秋のすすきの意匠の蒔絵が美しい漆塗りの縁に、只者ではない玉杢目(たまもくめ)をもつ折敷。

この折敷だけでも白飯三杯ですね。


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・井戸水の白湯から

・その後に、一献(食前酒)


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・バイ貝
・銀杏
・もちごめ
・殻付き落花生を茹でて殻を外しペーストにしたもの

(赤楽の器で)



落花生ペーストはもち米と混ざり、大地感のある豆の味わいは穏やかながらうま味がつよく、

貝と合わさるとクリームのソースのようにまろやかに変化。


貝はもっちり柔らか、それでいて歯切れ良く、噛むほどに甘く旨みが広がる。

全体の味わいとしては貝の癖がなく、その美味しさのみをふんだんに満喫できる。

ヨード感は舌が触れた部分からはビビッドに感じられ良いアクセントに。


銀杏もしっとりほっくりと、落花生の味わいと馴染み良く、秋の味わい。


一皿目の立ち位置としてまずは温かい飯蒸しで小腹を満たしつつ胃をひらき、

アルコールを飲まれる方ならそのクッションの役割も果たす。

お凌ぎとしての心遣いを感じます。



※バイ貝:
バイ科に属する貝の総称。
比較的浅瀬に生息しており、全体的に暗く斑点模様があるのが特徴。
磯の香りは強くなく、上品な甘みがある。
また、産地によって殻の色が異なり、殻の色で黒バイと白バイにわけられる。
黒バイは3月から7月、白バイは1年を通して水揚げされる。
秋から冬にかけて北陸辺りで水揚げされるものが良しとされる。

※楽焼:
 楽焼はいわば、固有名詞としての「楽焼」と、普通名詞としての楽焼とに大別される。
 桃山時代には、数寄者から人気のあった「華南三彩」を模した焼物をつくる窯が多く存在していた。「華南三彩」とは緑・黄・褐色の鮮やかな色釉と透明釉を掛けて低い温度で焼き上げた軟陶(高温で焼き締めていない軟らかい陶器)を言い、中国南部で生産された陶磁器を指す交趾焼(こうちやき)の一種である。
 元々そのような窯の1つであったされる樂吉左衛門家の焼き物を、固有名詞の「楽焼」として称する。
 そこから転じて、「華南三彩」がルーツとなっており、手捏(てづくね)で成形し、軟陶胎の素地に鉛釉を用いて作陶する軟陶のことを、普通名詞としての楽焼と称する。
 楽家の楽焼についてはまたいつか説明ができればと思います。


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小吸い物
・長野県下伊那郡の松茸を生のまま、なるべく手で割いてから、
・上から鱧出汁(塩水、酒)をかけてその余熱だけで火を通したもの
・松茸の下には、京都の豆腐



”満月の下で秋風にそよぐ芒”という芒武蔵野の秋景を描いたお椀でしょうか?秋の訪れを感じます。


新鮮な松茸のエキスをたっぷりと含んだ鱧だしは、

滋味深い味わいに、松茸の香りや味わいが鮮烈に溶け込み、

さらに味わいの最後に香ばしいような甘みがグッと伸びてくる。


細かく裂れた松茸の軸はシャキっとして柔らかい香りと甘みがあり、

傘はツルッとして強烈な香りとえぐみのような味わいが癖になる。


お豆腐は、滑らかながら膨らみのある味わいと食感を添えることで、お料理に広がりをもたせて。


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・青柚子
・いくら おろし
・伊勢海老の揚げ
 (殻をオーブンしてパウダーにして衣に)
・焼き茄子、春菊



伊勢海老は、繊維をしっかり感じる火入れながらしっとりと潤いを保って、

特有の磯くささは微塵もなく、力強いうま味。

殻のゴツゴツ感を感じられる、ガリっとした衣が香ばしく香り立ち、

伊勢海老を殻付きで味わうかのような一品。


わずかに日本酒のような香りのするいくらは、プチっと弾けておろしに溶け込む。

そんないくらの美味しさを吸ったおろしは、乾いた印象の衣に潤いを与える。

単体では後味に大根の癖を感じるおろしだが、伊勢海老と合わせて頂くと一切感じることなく、

さっぱり・あっさりとした味わいでそのうま味を引き立てる。


春菊はその土の味の濃さに生命力を感じ、

焼き茄子は線維がとろりと解け、焼きの煙たさがとても心地よい。


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本枯節と荒節の削りたてを直接食べ比べしたあとは、

・最初に飲んだ井戸水でとった昆布出汁に、削りたての鰹節を加えてとったお出汁


鰹の荒節と本枯節は、鹿児島県枕崎市の伝統ある鰹節店『金七商店』様から。
(以前は鮪節も使われておりましたが今は鰹節のいとのこと)



まずは鰹節の濃い味わいが先行。

少し遅れながら甘く穏やかな昆布の甘みと香りが広がる。

後半は両者が混ざり合って旨みが強まりながらもキレが良く。

少し冷めても酸味や雑味は一切感じれられない。



※金七商店:
金七商店四代目であられる瀬崎祐介様は、NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』などでも取り上げられている注目の鰹節職人。


※鰹節の作り方:
生の鰹を原料に、
・生切り=鰹の頭を落として内臓を取り出したりしつつ、その身を適切な大きさに捌き分ける

・煮熟(ボイル)→骨抜き

(・修繕=傷ついてしまった部分や亀裂などに、すり身を塗り込み穴を1つ1つ埋めていく。)

・焙乾(燻製)→荒節完成(ここまでで3-4週間)

・表面削り→カビ付けと天日干し×数回→本枯節完成(最低3-5か月)


※荒節:
燻製により黒い見た目で、魚の風味や燻香が強い。


※本枯節:
カビを拭き取るまえは白~茶色の見た目。
カビがタンパク質と脂肪を分解するので、綺麗で強い旨みを味わえる。
魚の風味や燻香はまろやか。


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お椀
・吸い地:利尻昆布・本枯節・荒節、薄口しょうゆ?
・椀種:花鯛(チダイ)
・椀妻(さしこみ):新潟県のくろさき茶豆の葛豆腐
・椀妻(青み):壬生菜
・吸い口:茗荷



先ほどのお出汁は吸い地へとお色直し。

まずは吸い地のみを頂く。

先程とは印象が変わり、初めから鰹節と昆布の両者が際立って存在しながらもどちらかに偏らない絶妙すぎるバランスに。

決して濃厚なわけではなく、

それだけで飲み干したくなる美味しさ。


花鯛はうるっとした身質がほわほわと解けて、

しっかりとした旨みのある味わいを吸い地に滲ませて、新たなニュアンスを加える。


枝豆豆腐は凝縮感のある濃厚な味わいと香りながらも、

そのふわっとした儚げな食感でバランスがとられており、


茗荷はジャキッと、その新鮮な食感が際立ち鮮明で。

特有の青く華やかな香りはあるが辛みはなく、

お椀全体のアクセントとフレッシュ感を底上げする。



※くろさき茶豆:
新潟市の一部地域の特産品として、2017年に「地理的表示(GI)保護制度」に登録された枝豆の一種。
山形県鶴岡市のだだちゃ豆(白山ダダチャ)の種子が新潟市の小平方集落に持ちこまれ、その後自家採種により地域に適した食味の良い品種が選抜されて「小平方茶豆」となった。
その「小平方茶豆」をルーツにして開発されたとされる8品種が「くろさき茶」として登録されている。
歯ごたえがよく、うま味・甘味が強く、”ポップコーンの香り”にも例えられる独特の香りが特徴。


※壬生菜:
京みず菜の仲間で、葉がやわらかく、細長いへらのような形をした「京の伝統野菜」のひとつ。
独特の香味とほのかな辛みが感じられる。


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お造り
・北海道釧路から、とろ
(とろみ醤油)

・焼津から、釣りの白甘鯛
(焼津で昨日夕方に揚がって届いてからひと塩したもの)
(入り酒にさっと潜らせて)

・青梗菜



とろは、筋が少し残るものの脂がさらりと溶け出し、

鮪特有の爽やかな香りがとても高い。

とろみのある醤油で、食感との連続性を持たせつつ香ばしいうま味を付加し、

辛子は、脂によって辛みは感じないが、そのキリっとしたニュアンスで味の輪郭を立たせる。


白甘鯛はとろりねっとりとしながらもだらしなさがなく、活かった芯が感じられる食感で、

煎り酒由来なのか昆布出汁のような甘い香りが鼻腔をくすぐる。

噛むほどにそのうま味と甘みを溢れさす。

ひと塩の塩味があるため、調味を煎り酒にすることで塩分を抑えつつ、さっぱりとしながらもうま味に幅を持たせている。

その素材力とひと塩の仕立ての技術にただただ感服。



※白甘鯛:
食用となる甘鯛は白甘鯛・赤甘鯛・黄甘鯛の3種があるが、なかでも白甘鯛は漁獲量が少なく、味わいも別格とされる。
しっかりとした旨味と上品な甘みがあることに加え、他のアマダイより脂の乗りもよく水分が少なく弾力がある。


※煎り酒:
日本酒に梅干し・鰹節・昆布をいれて煮詰めて濾したもの。
江戸時代に醤油が高級品だったころ、代替品として使われていた。
一般的に醤油と比較して塩分が少なめ。


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焼き物
・クエ
・実山椒醤油はお好みで
・鈴かぼちゃの土佐酢漬け



むっちりぶりんと筋肉質で詰まった身質ながら
甘い脂をじゅわじゅわ広げながらやさしく解ける。


鈴かぼちゃは、南瓜らしくないシャキシャキとした食感が面白く、

さっぱりと軽めの味わいでお口直しとして。

実山椒はその柑橘の香りがパンッと弾け、舌の上に強烈なしびれを残す。

クエの脂と合わせてもかなりしびれが残るので一粒だけ頂きました。




※鈴かぼちゃ:
かぼちゃを若採り(早めに収穫)したもので、手のひらサイズ。
皮、種、ワタ、すべてを生で食べることのできる。
コリコリとした食感とあっさりとした味わいの中に、ほんのりとかぼちゃの風味が感じられる。


※土佐酢:
三杯酢(酢、醤油、砂糖(みりん)を混ぜたもの)に鰹節を加えた調味料。
まろやかな酸味と出汁のうま味が特徴。


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・梨とアスパラと芹の白和え



和え衣は豆腐のざらつきを残して。

程よい大豆の味わいとどこか酸味のような味わいを感じて、さっぱりと。


芹とアスパラは、風味はそれほど感じずシャキッとした食感を楽しむ


梨はじゅるりと含んだ果汁が、和え衣のさっぱりさとどことない酸にマッチする。


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・天然の舞茸の天ぷら
・天然の香茸の天ぷら



衣はザクザクと。

舞茸はサクリと歯切れ良く、その香り高さと甘みが強烈で。


香茸は、空気と水分の含みのある食感から、

濃くエッジの効きながらもえぐみのない香りと、

暗く香ばしい、醤油のような旨みと甘みが伸び、

それでいてわずかな苦味が味をしめる。


※香茸:
マツバハリタケ科のきのこで、独特の強い香りで知られる高級茸。
傘は中央部が柄の根元までくぼんだ漏斗型で、その表面は尖った粗い鱗片で覆われる。
裏側には針状の突起ある。


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新そばのクレープで包んで頂く
・蕎麦の実
・無花果ソース
・笛吹鯛のフライ

・サラダセロリ
・甘酢漬けの万願寺とうがらし



ふわっとしっとりなクレープ生地に包まれて柔らかい口当たり。

まず無花果の青い香りが熱で上がってきて、

そこからフライの味わい。

衣がザクっと香ばしく、身がほわっと解けて深い旨み。


無花果の甘さが滲み重なりつつ、

次にくるのは、サラダセロリや万願寺とうがらしの青みや香り、甘酢の酸味。

全体のフレッシュさと水分を底上げしつつ軽やかさを演出。


後半〜余韻はクレープの甘さとともに鯛を味わって。

一口の中で、風味の移り変わりを楽しめる一品。


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・平井牛のシャトーブリアンのすき焼き風
・火を入れた卵黄をソースに

・小松菜
・栗の渋皮煮



平井牛は、口入れた瞬間の口当たりはガサっとして一見堅いが、噛むほどに繊維がスルスル解けて溶けていく。

一噛み一噛みごとに柔らかく柔らかくなっていくという、驚きの肉質。

和牛の濃ゆい香りと旨みと脂の甘さを、

割下の甘い香ばしさがキリッとした輪郭に整える。


卵黄ソースはふわっとして口当たりよく、まろやかなコクを与える。


付け合わせはすき焼き風ではなく、炊き合わせように丁寧な仕立てで。


小松菜はシャリシャリと歯応えよく、出汁が淡く滲み、

渋皮煮はほっくりではなくしっとりとして、渋みなく上品な甘み



※平井牛:
京都府南丹波市にある「京都丹波牧場」様の黒毛和牛。
天然水と健康的な飼料、ストレスフリーで細やかな肥育環境、30~36ヵ月に至る長期肥育というこだわり。


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〆の食事は、五種類から、いくつでも選択可能。
量の調整やお代わりも可能です。

・唐墨の出汁茶漬け

・カンパチ漬け丼

・鱧のフライの玉締め丼

・ちりめんじゃこご飯(全卵or卵黄orなし)

・貝出汁ラーメン


●それぞれ簡単な感想を
<唐墨の出汁茶漬け>
まず出汁自体が美味しく。

出汁によって温まることで、唐墨の食感が半生のようにやわくなり、さらに香りが立って。

唐墨の日本酒の香りに、ネギが絶妙にマッチ。


<カンパチ漬け丼>
包丁の切れ味と漬けの効果か、口当たりがつるりと心地よく、

活かった(いかった)食感=歯ごたえが良く。


<鱧のフライの玉締め丼>
鱧は、サックリふわっと。

滋味のある穏やかな旨味をフライにすることで押し上げて。

玉締めはそのマーブルな食感で、全体を包み込むことで、

お腹満ちているはずなのに、さらさらと頂けてしまう魔法をかける。


<ちりめんじゃこご飯(卵黄を選択)>
じゃこは塩気が程よく、鰹節でその香りとうまみがプラスされ、

山椒の柑橘感と辛みが箸をすすめさせ、

卵黄はまろやかにうま味を補強。


<貝出汁ラーメン>
〆も最後と油断していると、

『猪一』様から仕入れている麺に、時が止まるような衝撃をうけて。


口当たりは感じたことのない滑らかさ。

麺の表面を何か薄くふわっと滑らかな膜が包んでいるかのよう。

されどしっかりと腰があるのがとにかく不思議で、

噛むほどにじわっと甘くなる。

そんな麺に一切引けを取らないお出汁は、5種類の貝から、季節によって配合をかえて。

潮汁の色合いながら癖はなく、うま味と心地よい香りだけを抽出している。


薄切りの牛(サーロイン?)と行者大蒜?オイルをあわせて。


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水菓子
・洋梨のジュース



とろりとして、程よく残る繊維感に果実味を感じつつ、

香り高い甘みでリセット。


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主菓子
・むかごの蒸し羊羹



黒糖のようなミネラル感がありながらも上品で雑味のない甘みは、上質な和三盆の味わいと推測。

空気感がありつつもっちりとした生地は、しっとり潤っていて、むかご由来の粗めの粒感が楽しい。



※砂糖:
サトウキビやてんさいのしぼり汁を熱して
→そのまま丸ごと結晶化させるものが「含みつ糖(黒糖、和三盆、赤糖など)」

→一方、熱することで出来た結晶と蜜を分離することでまず、粗糖を作成。
粗糖は未だ不純物が多いため、貨物船に積み、消費地の近くで二次精製を行うことでって、商品として流通する精製糖を作る。
これらの精製を行ったものを総じて「分みつ糖」と呼ぶ
(精製されたショ糖の結晶を乾燥させたものが「グラニュ糖」、グラニュ糖に”ブドウ糖と果糖を成分とした糖液”をコーティングしたのが「上白糖」、グラニュー糖を結晶化させた残りの糖液をさらに煮詰めたのが「三温糖」)


※和三盆:
「竹糖」という品種のサトウキビを絞り煮詰めては上澄みをとり、またそれを煮詰めていき、黒砂糖をつくる。
黒砂糖は糖蜜を含みしっとりとしているので、それを台の上で研いでいき糖蜜を抜いていく。
これを三日間おこなったことから和三盆と言われる。


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・お薄(薄茶)を点てていただいて



海苔のような青い香り。

まず旨みと甘みがくると、

口を締めるような苦さが続き、

ゆったりと味わいが細くなっていく。

清らかな井戸水を使った薄茶で有終の美を飾って。


  • すすきの意匠の蒔絵が美しい漆塗りの縁に、只者ではない玉杢目(たまもくめ)をもつ折敷。

  • ・井戸水の白湯

  • ・バイ貝 ・銀杏 ・もちごめ ・殻付き落花生を茹でて殻を外しペーストにしたもの (赤楽の器で)

  • ・バイ貝 ・銀杏 ・もちごめ ・殻付き落花生を茹でて殻を外しペーストにしたもの (赤楽の器で)

  • 赤楽

  • 長野県下伊那郡の松茸

  • ”満月の下で秋風にそよぐ芒”という芒武蔵野の秋景を描いたお椀

  • 小吸い物 ・長野県下伊那郡の松茸を生のまま、なるべく手で割いてから、 ・上から鱧出汁(塩水、酒)をかけてその余熱だけで火を通したもの ・松茸の下には、京都の豆腐

  • 小吸い物 ・長野県下伊那郡の松茸を生のまま、なるべく手で割いてから、 ・上から鱧出汁(塩水、酒)をかけてその余熱だけで火を通したもの ・松茸の下には、京都の豆腐

  • ・天盛りは青柚子 ・いくら おろし ・伊勢海老の揚げ  (殻をオーブンしてパウダーにして衣に) ・焼き茄子、春菊

  • ・天盛りは青柚子 ・いくら おろし ・伊勢海老の揚げ  (殻をオーブンしてパウダーにして衣に) ・焼き茄子、春菊

  • 鰹の荒節と本枯節は、鹿児島県枕崎市の伝統ある鰹節店『金七商店』様から。

  • ・最初に飲んだ井戸水でとった昆布出汁に、削りたての鰹節を加えてとったお出汁

  • お椀 ・吸い地:利尻昆布・本枯節・荒節、薄口しょうゆ? ・椀種:花鯛(チダイ) ・椀妻(さしこみ):新潟県のくろさき茶豆の葛豆腐 ・椀妻(青み):壬生菜 ・吸い口:茗荷

  • お椀 ・吸い地:利尻昆布・本枯節・荒節、薄口しょうゆ? ・椀種:花鯛(チダイ) ・椀妻(さしこみ):新潟県のくろさき茶豆の葛豆腐 ・椀妻(青み):壬生菜 ・吸い口:茗荷

  • お造り ・北海道釧路から、とろ (とろみ醤油) ・焼津から、釣りの白甘鯛 (焼津で昨日夕方に揚がって届いてからひと塩したもの) (入り酒にさっと潜らせて) ・青梗菜

  • お造り ・北海道釧路から、とろ (とろみ醤油) ・焼津から、釣りの白甘鯛 (焼津で昨日夕方に揚がって届いてからひと塩したもの) (入り酒にさっと潜らせて) ・青梗菜

  • お造り ・北海道釧路から、とろ (とろみ醤油) ・焼津から、釣りの白甘鯛 (焼津で昨日夕方に揚がって届いてからひと塩したもの) (入り酒にさっと潜らせて) ・青梗菜

  • 焼き物 ・クエ ・実山椒醤油はお好みで ・鈴かぼちゃの土佐酢漬け

  • 焼き物 ・クエ ・実山椒醤油はお好みで ・鈴かぼちゃの土佐酢漬け

  • 焼き物 ・クエ ・実山椒醤油はお好みで ・鈴かぼちゃの土佐酢漬け

  • ・梨とアスパラと芹の白和え

  • ・梨とアスパラと芹の白和え

  • ・天然の舞茸の天ぷら ・天然の香茸の天ぷら

  • ・天然の舞茸の天ぷら ・天然の香茸の天ぷら

  • ・天然の舞茸の天ぷら ・天然の香茸の天ぷら

  • 新そばのクレープで包んで頂く ・蕎麦の実 ・無花果ソース ・笛吹鯛のフライ ・サラダセロリ ・甘酢漬けの万願寺とうがらし

  • 新そばのクレープで包んで頂く ・蕎麦の実 ・無花果ソース ・笛吹鯛のフライ ・サラダセロリ ・甘酢漬けの万願寺とうがらし

  • ・平井牛のシャトーブリアンのすき焼き風 ・火を入れた卵黄をソースに ・小松菜 ・栗の渋皮煮

  • ・平井牛のシャトーブリアンのすき焼き風 ・火を入れた卵黄をソースに ・小松菜 ・栗の渋皮煮

  • ・唐墨の出汁茶漬け

  • ・唐墨の出汁茶漬け

  • ・カンパチ漬け丼

  • ・カンパチ漬け丼

  • ・鱧のフライの玉締め丼

  • ・鱧のフライの玉締め丼

  • ・ちりめんじゃこご飯(卵黄)

  • ・ちりめんじゃこご飯(卵黄)

  • ・貝出汁ラーメン

  • ・貝出汁ラーメン

  • 水菓子 ・洋梨のジュース

  • 水菓子 ・洋梨のジュース

  • 主菓子 ・むかごの蒸し羊羹

  • 主菓子 ・むかごの蒸し羊羹

  • ・お薄(薄茶)を点てていただいて

2024/11/13 更新

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