よい子さんのマイ★ベストレストラン 2015

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マイ★ベストレストラン

レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!

マイ★ベストレストラン

1位

民宿 青岬 (土佐清水市その他 / 海鮮、料理旅館)

1回

  • 夜の点数: 4.0

    • [ 料理・味 4.0
    • | サービス 3.2
    • | 雰囲気 3.2
    • | CP 4.2
    • | 酒・ドリンク 3.0 ]
  • 昼の点数: 3.5

    • [ 料理・味 3.5
    • | サービス 3.2
    • | 雰囲気 3.2
    • | CP 3.5
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    ¥10,000~¥14,999 -

2015/11訪問 2015/11/21

遠く黒潮の海を見やる、足摺岬の民宿。幻の美味・清水サバのしゃぶしゃぶは、感動を呼ぶ本物の味!

[高知県土佐清水市]
2015/11/1(日)
足摺岬の民宿。特産品「清水サバ」を使った料理が圧巻。

高知市から南西へ、車で4時間…
四国最南端・足摺岬を一目見ようと、160km離れた土佐清水市へ。

岬までは、半島中央の県道348号(足摺スカイライン)を使うのが最も安全。
眺望は楽しめず、急カーブが続き、かなりの高低差を超える必要はあるが、
全区間 2車線が確保されているので安心できる。

宿の場所は、足摺岬展望台から西へ6km。
途中、短い区間ではあるが、すれ違い不能の山間道路があるので要注意。
街灯もない隘路なので、ぜひ日暮れ前の到着を目指したい。

建物前に車を停めて玄関を入ると、
ちょうど「笑点」の軽妙な音楽が迎えてくれた。

土佐のいごっそうな親父さんと、はちきんな女将さん、二人で切り盛りする宿。
この日の宿泊客は、私とほかに1組のファミリーだけ。良きかな。
静寂が心地良い。

以下 ¥11,340の宿泊プラン(1名1室1泊)についてご紹介。

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■施設
鉄筋コンクリート2階建て、全10室の宿。

お風呂は共同。シャンプー類・ドライヤー完備。
清潔で、十分な広さを持つ浴槽である。
お湯がぴったり満タンまで張られているのが、一つのおもてなしなのだろうと感じる。
温泉ではなく普通のお湯だが、心地よく寛ぐことが出来た。

トイレ・洗面所は共同。
清潔で、ウォシュレット完備なので文句なし。

廊下には共用の冷蔵庫、給水器、マンガ本の詰まった本棚がある。
あちこちに、宿のご主人または女将が書かれた標語(?)が張られており、味わい深い。

屋上には、屋根つきの展望所が設けられており、ほぼ360°の眺望が確保されている。
台風上陸で有名な場所だけあって、この日も強風が吹き抜けていた。
あいにくの天候だったが、太平洋を見渡せば気分は爽快だ(^-^)

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■客室
8畳のタタミ部屋。一人で泊まるには十分すぎる広さ。
エアコン・テレビ・ポット・ドレッサー(鏡台)装備。

夕食の間に、布団は敷いて下さる。
窓からは、(少し距離はあるが)南方に広がる太平洋が眺められる。

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■夕食
朝夕ともに食堂にて。
時間は柔軟に決められる。今回は入浴後、18:30でお願いした。

食堂には、4人掛けテーブルが並ぶ。
全席禁煙で、BGMとしてFM放送が流れている。

ビール・日本酒のほか、焼酎や梅酒などの用意あり。

◎土佐佐川の地酒「司牡丹」(¥540)
 最初の1合は常温で。
 私は飲むとすぐ赤くなるのだが、
 食堂の照明は蛍光灯なので、赤さが目立ってちと恥ずかしい(笑)

 次の1合は熱燗で。お銚子が持てないほどの飛切燗だが、
 ゆっくり食べ進むうちに丁度良い温度になる。

◎姿造り
 今回の目玉。清水サバ、カンパチ、メバチマグロ!
 これ全部自分のですか? という感じの豪勢な盛り!
 バックには、足摺岬のシンボルである椿の枝葉が飾られる。

 清水サバは、土佐清水港の特産品であり、
「目の前(足摺岬に近い海域)で獲れる」もの。
 その日水揚げされたばかりの新鮮なサバを、プロが確認して捌くから、
 安心して刺身で食べられる。
 都会ではなかなか食べられない、産地ならではの贅沢である。

 食べてみると、ザクザクとした筋肉質で、旨味のノリが違う!
 甘みが強い地元の醤油が、これにぴったり合う。
 今まで食べてきたサバの「脂っこい」イメージを完全に覆す味。
 数切れはペロリといただける。

 刺身にするサバは保存が利かないので、食べられるかどうかはその日の天候・運次第。
 時期的には今頃(10月前後)が旬と言えるそうだが、
 今年はサメが多く、サバが逃げているのか、水揚げの無い日が多いと聞いた。
 そんな中、飽きるほど食べられるのはラッキー&幸せ!

 このサバ、塩焼きや味噌煮にしても美味しいんだろうな。
 いろいろな調理法で食べてみたい。

◎清水サバのしゃぶしゃぶ
 今回の目玉、第二弾。
 薄切りにした清水サバを、熱湯にさっとくぐらせて、
 表面がほんのり桜色、淡い霜降りになったところをいただく。

 数秒ほど熱することで、サバの食感が劇的に変わる。
 ポン酢と大根おろし、そして仏手柑を搾ったフルーティーなタレを
「たっぷり包んで」いただく。
 ただでさえ美味な刺身を超える、素晴らしい美味しさ(´▽`)

 宿の方も「この食べ方が一番美味しい」と自信作の様子。
 間違いありません!

◎りゅうきゅう
 ハス芋(田芋)の茎。ずいきの一種。
 その名の通り沖縄から伝えられたもので、
 洗ってぬめりを取ったり、下ごしらえが大変なのだそうだ。

 この小鉢は、りゅうきゅうをアジの身とともに酢漬けにしてある。
 ザクッザクッという、芋の茎ならではの食感を満喫できる。
 酢の効いた尖った味なので、刺身を食べる中での箸休めとして効果的。

◎イカの姿煮
 この宿の名物料理だという。
 丸のままのイカを柔らかく煮てあり、箸で簡単に切り分けることができる。

 中にはイカのワタがたっぷり入っており、旨味十分。
 味付けは醤油+砂糖。酒を誘う味だし、ごはんにも合う。

◎サバのバッテラ
 土佐清水名産のサバを、鮨でも味わえる。
 こちらはきっちり酢を効かせた、お馴染みのシメサバ。

◎カツオのたたき
 たっぷりの玉ねぎとともに、さっぱりとマリネ風で。
 柑橘の爽やかさに、すり胡麻の香ばしさも加わる。

◎かぼちゃのそぼろ煮
 挽肉入りのあんを掛けたかぼちゃ。期待以上に甘くて美味しい。
 今回の旅で、高知野菜の美味しさを何度も感じることができた。

◎グラタン
 海老・茄子・椎茸入りのグラタン。味濃いめで、これはビールに合いそう。
 和風御膳の中に洋風料理が一品入ることで、楽しい変化を付けてくれる。

これ以外にも写真に撮った通りの料理が出て、
満腹度125%、もう入りません!

量だけでなく、質にもこだわった海の宿の料理。
なお、2月頃に来ると「ブリしゃぶ」が味わえるという。
そちらにも興味があるな~。

食後は特にすることもないので、食べログの下書きだけささっと書いて(笑)
早めに消灯することにした。
強風とともに、雨が窓ガラスに叩きつける音を聞きながら、シャットダウン。

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2015/11/2(月)
目が覚めると、窓の外はあいにくの曇り空。
大雨でないだけ、ラッキーと考えよう。

■朝食
最終スタートが 7:30ということで、その時間でお願いした。

サバの一夜干し、玉子焼、ひじき煮、昆布佃煮、梅干し、椎茸の味噌汁、
ウインナー、野菜サラダ、ブルーベリーヨーグルト。
和洋半々、充実した内容だ。

メインは、卓上コンロで焼き上げるサバの一夜干し。
玉子焼はほんのり甘くて、おかずにもなる味付け。
なかなか美味しく焼けている。

味噌汁に椎茸が入っているのは珍しい。

サラダにはたっぷりで、野菜好きな私としては嬉しい。
醤油と胡麻、2種類のドレッシングが用意される。
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部屋の布団は、チェックアウトまで片付けされないので、
休日の醍醐味(?)二度寝も楽しめる。

何といっても、清水サバの美味しさに驚かされた。
レンタカーを借りて、はるばる160km走ってきた価値があった。
今回の旅行まで、名前も聞いたことが無かったので、町を挙げてPRした方が良い。
グルメに興味のある方であれば、是非一食の価値あり。

贅沢な料理、気兼ねなく過ごせる雰囲気、リーズナブルな価格。
海辺の民宿に求められる要素を兼ね備えた、十分お勧めできる宿である。

  • 幻の清水サバが、食べきれないほど一杯。なんと贅沢なことでしょう!
  • 湯鍋にさっとくぐらせて、ほのかに霜降りになるくらいが食べ頃
  • 厚焼き卵も美味しく焼けて、ウインナーとともに良いおかずに

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2位

直ちゃん (延岡 / 食堂、鳥料理、郷土料理)

1回

  • 昼の点数: 4.0

    • [ 料理・味 4.0
    • | サービス 3.5
    • | 雰囲気 3.2
    • | CP 3.5
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - ~¥999

2015/07訪問 2015/09/09

延岡が誇るチキン南蛮、ここに感動の味あり! ちりちりとした衣の食感、さっぱり味がご飯に合いすぎ♪

[宮崎県延岡市]
2015/7/29(水)
JR延岡駅近くにある居酒屋。
「元祖の味」タルタルソース無しのチキン南蛮を守る店として知られる。

旭化成の企業城下町、延岡。
赤と白に塗り分けられた煙突が林立し、いかにも工業地帯らしい光景。
しかし駅から少し離れれば、シャッター通り・貸店舗・空き家・売り家ばかりが並ぶのも、また事実。

駅前通りから一本西に入った通り沿い。
周りにはスナックが多いようで、昼間はのんびりした風情が漂う。

その中で唯一、活気に満ちあふれているのが「直ちゃん」だ。
店前に行列が出来ているのみならず、様子を見に来た車が列をなし、
にわか「チキン南蛮渋滞」を引き起こしている(^-^;)

駐車場については、まさに目の前にコインパーキングがあるので
苦労知らずである(このほか、駅前の有料駐車場が利用可能)。

少し離れたところに、店の駐車場があるそうだが、
この人気ぶりに比して 2台しかないので、あてにしない方が良いだろう。

12時過ぎに到着すると、作業服姿の方が店頭に数名並んでいる。
紙に名前に書く等はないので、ただ黙って列の後ろにつけば良い。

平日であるから当然、会社員のランチ利用が多い様子だ。
それに加え、夏休みの家族旅行と思われる方々も。
話によれば、開店(11:30)前から並ぶお客さんも、決して珍しくないという。

グリーンの暖簾を眺めながら、20分ほど待っただろうか。
直射日光のあたる店前で並んでいるうち、汗がダラダラ(笑)
日焼け止めは必須である。

ようやく入店!
店内はカウンター8席、4~6人掛けテーブル×4卓、小上がり4人卓×2。
少なくともランチタイムは禁煙。BGM無し。

明るくて清潔感のある店内。灼熱の外と違い、エアコンが嬉しい。
若いスタッフの方々が、元気よく働いている。
目の前で次々と、定食が出来上がってゆく。

ランチメニューは、シンプルに 3種類。
 ・チキン南蛮 ・日向鶏タタキ風定食 ・鶏モモ焼定食
 ・ビール中瓶 ・ノンアルコールビール

ライスは、大(¥50)・中・小(¥50引き)から選べる。
お代わりも可能。

地元の方のお話を聞いていると、たたきが美味しいらしい。
目の前をジュージューいって通り過ぎてゆく「モモ焼」も、大いに食欲をそそる。

だが観光客がこの店に求めるのは、やはりチキン南蛮だろう。
地元の方は「南蛮」と言って注文している。

居酒屋のまかないとして生まれた、宮崎・延岡の名物料理。
のちに洋食店に導入され、タルタルを掛けた形で定着したが、
この店は、まかない時代のシンプルな味を引き継ぐ、数少ない店として人気がある。

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■チキン南蛮定食(¥900)
小鉢・お新香・味噌汁付き。
この店のチキン南蛮は洋食ではなく、あくまでも和食のカテゴリーである。

◎チキン南蛮
 特徴的なのは、衣の表面の「ちりちりとした」揚がり具合。
 肉に片栗粉をまぶした後に、溶き卵を絡めて揚げる(通常と逆)ことで生まれるという。
 驚いたのは、肉の片側にだけ衣がついており、もう片方には衣が無いこと。

 フライドオニオン あるいは たたみいわしを思わせる食感。
 この不思議な ちりちり感は、ほかでは絶対に味わえない。
(チキン南蛮が有名な他店に行ったが、このように優れた食感は無かった)

 鶏は、柔らかいムネ肉を使用。身の柔らかい「日向鶏」を使っているそう。
 余分な油っぽさがなく、淡泊で上品な味。
 ちりちりに甘酢ソースがよく絡み、大変な美味である。

 これは… ごはんが進み過ぎて、危険なレベル(笑)
 ビールもいいが、どちらかと言えばごはんに合う味。
 さっぱりした和風の味付けだから、そう感じられるのだろう。

 卓上にはマスタード、ゆず胡椒の用意があるので、
 一切れずつ、味わいを変えて楽しむこともできる。
 個人的には 甘酢+ゆず胡椒の組合せが、九州らしくて気に入った。

 千切りキャベツがたっぷり添えられる。
 ウスターソースを掛けて完食!

◎味噌汁
 椎茸が入り、風味の良い味噌汁。
 さすが和食屋さん、味噌汁にも手抜きなし(^-^)
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こんなに美味しいなら、いつか夜に来店し、
焼酎とともにチキン南蛮やたたきを味わってみたい。

今回の旅で、最も印象に残った料理のひとつ。
宮崎市から100km、高速道路を走って来た価値は十分にあった。

  • ちりちりとした、表面の揚げ具合が美味に直結
  • 〔ランチ〕チキン南蛮定食(¥900)。これは文句無しで美味しい!
  • 注目! ちりちり衣は、チキンの表側にだけ付いている

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3位

ドゥー・クルール (広瀬通、あおば通、仙台 / ダイニングバー、カフェ)

1回

  • 夜の点数: 3.7

    • [ 料理・味 3.5
    • | サービス 3.7
    • | 雰囲気 3.7
    • | CP 3.2
    • | 酒・ドリンク 3.5 ]
  • 昼の点数: 3.5

    • [ 料理・味 3.5
    • | サービス 3.5
    • | 雰囲気 3.5
    • | CP 3.2
    • | 酒・ドリンク 3.7 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥3,000~¥3,999 ¥1,000~¥1,999

2015/10訪問 2015/10/15

本町で愛された「ドゥー」が、カフェ食堂としてリニューアル! 仙台での思い出を作ってくれた、私にとって忘れられない店。

[宮城県仙台市][来訪回数:前の店から数えて 70回]
2015/10/10(土)更新
青葉区中央、クリスロードの一本北にあるカフェ食堂。

本町(勾当台公園の南向かい)から移転し、2015年2月10日に新装オープン。
コンセプトは「カフェ&バール」から「カフェ&食堂」に切り替わった。

店名はフランス語で「2つの色」という意味。カフェと食堂、両方の色を持たせたいと命名したそうだ。
お酒を飲む人も、飲まない人も楽しめる店作りが目標とのこと。

場所は、人気タルト店「キルフェボン」の向かい側。
ビルの2階、入口は少し分かりにくいが、居酒屋「ねぎぼうず」の入口近くを探してみよう。

以前に比べ、かなり広くなった店舗。
客席は L字カウンター6席程度、テーブル20席程度。
全席禁煙。BGMは洋楽が流れる。

特徴的なのは、花と緑がふんだんに取り入れられていること。
メインのテーブル席は、中央部にフラワーアレンジメントが配置され、
向かい側からの視線が自然に遮られるよう、工夫されている。
このため、この8席はカウンター的な運用となる。

このほか、やや奥まった位置にあり、個室的な雰囲気を持つ 4人掛けテーブル、ペア用ソファー席もある。
もちろんカウンター席で、店員さんと会話しながらの一人飲みも楽しい(私はいつもこれ)。
以前の店に比べ、使い方の幅が広がった印象だ。

客席増に対応して、スタッフも増員となった。
謎めいた(笑)オーナーシェフ・天真爛漫な女性店長は以前のまま、
うら若き店員さんを複数人プラスして、パワーアップを図る。

厨房がかなり広くなったのも、特筆すべき点。
前店クローズから 1ヶ月の充電期間を経て、ますますパワーアップしたメニューに期待大だ。

〔アラカルト〕旬野菜とゆでたまごの農園サラダ、ポテトフリット、トマトのビーフンカッペリーニ
  生ハム盛合せ、豚バラ肉のボルケッタ、伊豆沼農産 白ソーセージ、ムール貝のシードル蒸し
〔ガレット〕カマンベールと生ハム、とろ~りたまごときのこ、白ソーセージとポテトサラダ
〔肉料理〕国産鶏の照り焼き赤ワイン風味、豚しゃぶ にんにく醤油だれ、牛すじ肉のトマト煮込み
〔パスタ〕オイルサーディンのアーリオオーリオ、柚子胡椒風味のボンゴレ、くるみとレーズンのミートソースフジッリ
〔オーブン料理〕カマンベールときのこのグラタン、魚介のブイヤベース、丸ごと鯛のパエリア(要予約)

以前はワインの店というイメージだったが、今はビールやロングカクテルがよく売れている様子。
種類は少ないながら、日本酒・焼酎・泡盛がレギュラーメニューに入ったのも、大きな変化だ。

デザートは、(よく雑誌に載る)ふわふわフレンチトーストに加え、
市内の人気パティスリー「カズノリ・イケダ」から、華やかなケーキを取り寄せている。

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■自家製 赤のサングリア(¥594)、お通し(¥324)
グレープフルーツ、オレンジ、リンゴ、カシスなどを漬け込んだ赤ワイン。
ほのかな甘味とほろ苦さ、最初の一杯に最適。

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■フルーツビール「ニュートン」(¥810)
ベルギー産・リンゴ果汁入りの瓶ビール。
ワイングラスに移して飲むと、リンゴの甘い香りが華やかに広がる。
香りは甘いが、味はほどよく甘い程度。誰にでも飲みやすい味わいだ。

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■にんじんとオイルサーディンのサラダ(¥626)
人参の甘味が生かされたキャロットラペに、黒胡椒の風味付け。
人参たっぷりで、いかにも栄養ありそう!

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■ハニーマスタードのポテサラ(¥380)
ハードフライのバゲット添え。
マスタードが確かに香る! まったりとして適度な酸味が、お酒を進ませる。

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■玉ねぎのブリュレ(¥626)
見た目はクレームブリュレ。でも…
スイーツに見えて、実はそうではない、斬新な一品。

表面はバーナーで炙られ、パリパリの食感が楽しいキャラメリゼ。
その下に隠されているムースは、なるほど、確かに玉ねぎだ。
玉ねぎ本来の香りと甘みを、しっかりと活かした一品。

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■ランプフィッシュのキャビアとクリームチーズムースのパフェ(¥734)
こちらも「スイーツみたいな、おそうざい」。
キラキラ光るキャビア、プチトマトとオリーブオイルの彩りが美しい。

チーズムースは甘くなく、ワインに合わせたくなる味。
下にはシリアルが敷き詰められており、意外とボリューム感もある。

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■昆布〆鯛と生ハムのマリネ(¥626)☆4.0
女性店長の創意工夫が詰まった一品。昆布〆鯛に、生ハムに似たニュアンスを感じての組合せ。
貝割れ・紫玉ねぎが添えられる。

生ハムと昆布〆鯛が、何層にも重ねてある。まずは別々に食べてみる。
生ハムは深みと渋み、熟成の旨味。
昆布〆鯛はほんのり昆布の香り、さっと振られた塩がアクセントに。

次は、生ハムと鯛をこわごわ、一緒に口に入れてみる。
なんと! 肉と魚なのに、一緒に口に入れても違和感がない。
肉と魚が共存できる料理って、鍋くらいしかないんじゃないか? これはすごい発明!

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■かぼちゃのスパイシー春巻き(¥756)
クミンで香り付けした揚げ春巻き。中にはホクホクのかぼちゃが詰まっている。
どこかカレーのような風味、かぼちゃ&スパイスという組合せも面白い。

パリパリの皮は、ビールにもワインにも好相性。
ボリュームもしっかりあるので、シェアするにも最適な一皿。

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■クミン風味の唐揚げ(¥842)
オーナーシェフ渾身の作、いかにも食堂らしい一品。

クミンは、カレーの香りを作る主要スパイス。
カウンターに運ばれてきたときから、美味しそうな香りが広がる。
結構しっかりした味付けなので、つまみにもいいが、やはりごはんが欲しくなる味。

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■〔13~17時のみ〕フレンチトースト・塩バターキャラメル&ラムレーズンアイス(ドリンクセット¥1166)
アパレイユ(卵液)に一晩浸し、焼き上げるフレンチトースト。
この店の大人気メニューである。

表面は軽く揚げたようなきつね色、中はオムレツのようにとろん♪
もう、パンがベースになっているとは思えない。

最初はそのまま。
ふわりと甘くて、ナッツが食感のアクセントになる。
さらに塩キャラメルソースを掛けると、焦がしキャラメルの香りが加わる。

アイスに入ったレーズンは、ラムの風味豊か。これだけでもワインのつまみになりそう(^-^)
しっかり抽出された紅茶と好相性。
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この場所に根を張り、より一層魅力的な店になることを願いつつ。
もう、毎週のように立ち寄ることは出来なくなったけれど、遠くから応援しています。
頑張って(^-^)

p.s. 2015年末の新店舗構想も楽しみです! 今度は寒い冬にぴったりな、アレのお店!?

  • 白のグラスワインと、きのこのマリネ。これだけでさっと帰る夜も、また良し
  • 塩漬け豚のプッタネスカ(¥1058)。パルメザンチーズの香りが広がる
  • 外はカリッと、中はとろ~ん♪ 塩キャラメルソースを掛けると、焦がしキャラメルの香りが加わる

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4位

キュルノンチュエ (高山市その他 / 惣菜・デリ)

1回

  • 昼の点数: 4.0

    • [ 料理・味 4.0
    • | サービス 3.5
    • | 雰囲気 3.5
    • | CP 3.2
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥4,000~¥4,999

2015/09訪問 2015/11/29

めくるめく魅力、フランス風ソーセージ! 珍しい「白かび熟成」はもちろん、全てのソーセージが美味♪

[岐阜県高山市]
2015/9/21(祝)
清見町にある、フランス風ソーセージ・ハム専門店。
「白かびの熟成ソーセージ」が名物。

レストランではなく、持ち帰りのみであるが、
食べログ得点 3.8 近くをマークする、肉食通には有名な店だ。

場所は、高山西インター近く。
インターを下りて左折、国道158号を700mほど進み、看板を目印に左手の細道に入る。
細道は分かりにくいので、カーナビや食べログの地図を参考にして進もう。

店までの300mほどは、田んぼのあぜ道のような、すれ違い不可の道となるので
対向車が来ないか、確認しながら慎重に進もう。
(私は運転ビギナーなので、途中で詰んでしまった…恥)

キュルノンチュエ。
フランス語で「美味しいものであなたを降参させて、何故いけないの?」という意味らしい。
ソーセージといえばドイツが思い浮かぶが、このお店は「フランス風」というのがポイント。

一面田んぼという牧歌的風景の中、赤い屋根が映える。
フランスで3年間の修業をした店主が、燻製の名産地・ジュラ山地の気象・風土と似た場所を探した結果、
こちら飛騨清見に落ち着いた、ということのようだ。

店に入ると、天井から吊されている豚の腿肉が目に入る。
ショーケースには、20種類は超えようかというソーセージたち。

いずれも鹿児島の黒豚を使用。
用いる塩には、フランス・ゲランドの天日乾燥塩と、愛媛・伯方の塩をブレンドするこだわりだ。

テイクアウトだけの店だが、試食のため、席に誘導される(試食は17:30まで)。
店内は清潔感ある山小屋風の建物で、広くてゆとりのある空間。
テラス席もあり、レストランが開けそうなスペースだ。

席につくと、その天井から無数のソーセージが吊り下げられているのが見える。
なるほど、これが名物の白かびソーセージか!
まるでチンアナゴが海底に並んでいるような、妙に楽しげな光景だ。

皿に乗せられてきたのは、以下の6種類!
〔ドライ〕[05]白かび熟成の乾燥ソーセージ、[12]モンベリアールの乾燥ソーセージ、[13]チョリソの乾燥ソーセージ
〔常温〕 [48]コンテチーズ入り燻製加熱ソーセージ
〔ソテー〕[03]モンベリアールのソーセージ、[46]プロヴァンス風ソーセージ  ※[ ] 内は商品番号

いや、これでワインが付いたら、立派な前菜の一皿になりそうな内容。
これをタダで提供してくれるのだから、恐れ入る!

両親と一緒に食べて、どれを買うか慎重に検討。
両親は私と違い、珍しいものを好む性質ではない(^-^;)
特に父はもと調理師で、ワインより日本酒党ということもあり、結構保守的…。
さて、白かびソーセージは受け入れられるのだろうか(汗)

父「なんだ、この腐ったカビみたいなのは」
(カビです)
父「…うん、食べてみると違和感はないな、買っていくか」
まさか父に認められるとは!

冷蔵ソーセージ・乾燥ソーセージともに要冷蔵のため、
持ち帰りには保冷バッグ(¥108)をお願いするのが安心だろう。

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■ドライセット(3本¥2200)
白かび、チョリソ、プロヴァンス風乾燥ソーセージの3本セット。
冷蔵で4週間ほど保存できるので(食べ頃は2週間まで)、食通へのプレゼントにも最適。
厚さ1~2mmにスライスし、そのままでいただく。

◎[05]白かび熟成の乾燥ソーセージ
 カマンベールチーズの外側を覆うのと同じ、白くてさらさらした「美しいかび」。
 フランスから空輸で取り寄せた白菌胞子。1ヶ月掛け、肉のタンパク質を旨味成分へと変化させる。
 これにより独特の芳香と、複雑な旨味が生まれる。
 かびを取り除く必要はなく、そのまま食べられる(チーズと同様)。

 ドライソーセージではあるが、中はキラキラルビー色。
 いわゆるサラミに、カマンベールチーズの香りをまとったものと考えれば良い。
 一言でいえば芳醇。そこへ、黒胡椒が強めに効く。
 これは是非とも、フルボディの赤ワインに合わせたい。非日常の酒肴に!

◎[13]チョリソの乾燥ソーセージ
 おなじみの唐辛子入り。
 確かに旨味が深い。食感はかなりハード。
 肉の香り、燻製の薫りが良い。

 噛み締めるたびに旨味があふれ出し、黒コショウの風味が後を引く。
 いわば「スルメのような」ソーセージ。
 赤ワインとの相性は間違いなし。

◎プロヴァンス風乾燥ソーセージ
 ドライトマト入りの乾燥ソーセージ。
 これまた味わい深い。肉の旨味に加え、わずかにトマトの酸味も感じられる。
 室温で脂が溶け、キラキラと光るのも美しい。

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■[03] モンベリアールのソーセージ(4本204g¥1122)
クミンで風味付けしたソーセージ。
袋を開けるともう、美味しそうな薫り。
燻された薫りが立ち上って… もう、これだけでワインが飲めそう!

フライパンで熱すれば、さらに薫りが立ってくる。
キッチンシートを敷いた上で焼けば、自らの油で揚がるように焼けるので、追加で油を敷く必要はない。

パリッと皮が破れ、中から脂が滴り落ちる!
こんなにジューシーなソーセージ、一般に売っているものではそうそうないだろう。

噛み締める肉の旨味。噛みごたえ。スモークの芳香。
するめのように、噛むたびに旨味が溢れる。
ああ、質実剛健の美味!

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■[23] トゥールーズのソーセージ(4本205g¥1189)
豚もも肉の粗挽きソーセージ。上質な脂身。
「芯まで熱々にして」食べて下さいとのこと。
フライパンで焦げ目が付くまで焼いたあと、念のため電子レンジでちょっとだけ加熱。

スパイスが粒のまま入っている!
ガブリと。
充実した肉感。肉の塊を口にしたかのようなミシミシ感。
ほど良い塩加減、豚脂の旨味と甘み、香辛料の薫りが一体となって押し寄せる。

くどさは全くなく、さらりとした後味。調味料で、無理に味付けしていないからだろう。
だからまた、もう一本食べたくなる。
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なお、インターネットでの取り寄せも可能。
https://www.curnontue.jp/products/list.php

この立地にあって、食べログで話題になるのは伊達ではない。
高山の地で花開いた、素晴らしき美味。
ここまで来て立ち寄らないのは、人生をほんの少し、損している。

  • 乾燥ソーセージ3種、温かいソーセージ3種を人数分出してくださる。太っ腹!
  • 白かび熟成の乾燥ソーセージ。カマンベールチーズの香りをまとったサラミ、という感じ
  • [左]モンベリアールのソーセージ、[右]トゥールーズのソーセージ

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5位

あや菜 (松本、西松本 / 郷土料理、居酒屋)

3回

  • 夜の点数: 3.7

    • [ 料理・味 3.5
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 3.5
    • | CP 3.5
    • | 酒・ドリンク 3.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥4,000~¥4,999 -

2019/02訪問 2019/03/17

兎と鹿と粕汁で、信州の冬を堪能。いつ訪れても心温まる、文字通りの「家庭」料理店。

[長野県松本市][来訪回数:6回]
2019/2/15(金)
松本城の南、中町にある家庭料理の店。
店舗情報は、1回目の "行った" をご参照あれ。

今年の松本は雪が全くなく、東京とさほど変わらない気温であることに驚かされる。
昨年来たときは、恐ろしいほどの底冷えで、ホテルまで震えながら走ったものだが…

店に入ると、いつも変わらず、おばあちゃん・お母さん・息子さんの三人体制。
息子さんは2歳半とのこと、来るたびに大きく、お兄ちゃんっぽく成長しているのが微笑ましい。
お店ではマスコット的存在、午前中はお母さんと一緒に山菜採りに従事するなど、立派な戦力の一員だ(^-^)

おばあちゃんは長年店を支えてきた前店主だが、営業中はお孫さんの相手にほぼ専念。
お母さんが、ほぼ一人で店を切り盛りする。
そんなところが、この店の魅力である。

今宵のおすすめは…
 ゆでたてグリーン野菜、焼きピーマン、自家製正油こうじ冷奴、納豆とチーズの出汁巻き玉子
 茄子とおもちの揚げだし、湯豆腐、蒸しカキポン酢、ワカサギの柳川、白魚のかき揚げ
 鹿肉のタタキ、鹿肉のキャベツメンチ、鉄板ジンギスカン、白湯スープのうさぎ鍋、粕汁雑煮

今回は事前に連絡を取り、この時期オススメの三品を用意しておいて頂いた。
山菜が豊富な春、キノコが豊富な秋もいいが、冬の松本ではどんな味に出会えるだろう?

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■お酒
◎冷酒「中甼」初しぼり原酒(¥750)
 蔵の街・中町(松本市中心部)の地下水で仕込まれた、文字通りの地酒。
 初しぼりだけあってフレッシュ、キリッと辛口な印象の一杯。

◎熱燗「大雪渓」(¥540)
 北安曇郡池田町の地酒。
 しみじみと旨く、いかにも山里の食材にフィットする。

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■セリ・なずなのお浸し(お通し)
セリの香りと、なずなのシャキシャキ感で日本酒が進む一品。
なずなって、七草粥の時期以外には、ほとんど聞かないよね…
Wikipediaを調べてびっくり、たぶん誰もが知っている、あの "ペンペン草" だ。
かつては冬の貴重な野菜とみなされ、漢方薬としても利用されるようだ。

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■わさび茎のお浸し(お通し)
これ、子どもの頃に大好きだったんですよね~
醤油辛くなく、かなりピリッと鋭い辛さ。
茎の中心部が空洞になっているのが面白い。空芯菜みたい。

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■白湯スープの南信産ウサギ鍋(¥1680)
出ました、ウサギさん!
11~2月に限り狩猟が許されるので、自然と冬の味ということになる。
洋食の素材としても使われるが、パイタンという中華風アレンジは、この店ならでは。

よく鶏肉に似た食味といわれるが、実際どうだろうか。
一口目の印象は、鶏肉をやや硬めに、コリコリさせたような感覚。
少し骨張った地鶏のような? 味は淡泊で、確かにクセがない。

もう一切れに箸を伸ばすと、今度はまるでホルモン(マルチョウ)のように
柔らかくとろけるような部位に出くわした。
このように食感の良い脂身は、ウサギの一つの特徴であるとう。

春菊・白菜・人参・ねぎ・椎茸・豆腐・マロニーなど、野菜チームも具沢山で、酒が進む。
物珍しさだけでなく、しっかり満足感のある一品。

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■鹿肉のキャベツメンチ(¥800)
今度は鹿さん! 今宵は、ダブルジビエで勝負である。
カラリと色よく仕上がったメンチカツ、中をあけると挽肉がぎっしり詰まる。
薬味入りのポン酢で、あっさりサッパリと頂く。
こちらも全くクセがない。鹿は赤身部分が多いので、くどさがなくて
何となくヘルシーな印象。ざくざくキャベツもいい仕事をしている。

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■あや菜風 山賊焼き(¥1300)
松本名物、大振りな鶏もも肉の唐揚げ。
一人では持て余すほどのボリューム、本来は二人以上でシェアするのが良いのだろうが、
今宵はこれ一品で、酒と向かい合うことにしよう。

ニンニク醤油をガツンと効かせてあり、濃い味なので酒が進む。
さらに言えば、むしろ白飯が欲しくなる(笑)
これ一皿あれば、ごはんが2~3杯はいけそうだ。衣がクリスピーなのも私好み♪

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■粕汁雑煮(¥650)
私の実家では、粕汁を食べる習慣がなかったので、昔から憧れていた味の一つ。
鮭を筆頭に、本当に具沢山! 大根・人参・れんこん・椎茸・白ねぎなど、ゴロゴロ野菜がたっぷり入る。
味噌と酒粕が織りなすドロッと濃厚な味わいに、八幡屋磯五郎の七味唐辛子を振り掛けると、
これがまた、ぴったり合うんだよなぁ(^-^)

餅も2つ入っていて、シメとしての食べ応えも十分。
正月以外で雑煮をいただくと、意味もなく嬉しい気分になる♪
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このほか バレンタイン記念として、松本の老舗和菓子店「開運堂」謹製の
「真味糖」チョコレート掛けバージョンをいただいた。

チョコレートの内側は真っ白、マシュマロのようなメレンゲのような、
いや、和製ヌガーというのが適切か。
単体で食べると、驚くほど甘い菓子と言われているが、苦味の効いたチョコレートを
採用しているので、全体としてバランス良く仕上がっている。
正直、開運堂さんはノーマークだったので、次回の松本訪問時にぜひ立ち寄りたい。

すっかり気分良くなって、お会計¥5560。
私と同世代の店主とも、地元情報などいろいろお話できて満足。

息子さんは写真が大好きなようで、私のスマホに手を伸ばし、エンドレス連写(笑)
本当に可愛らしく、また半年後? 1年後? の成長を見られるのが、
私にとって、松本を再訪する楽しみの一つなのである。
[長野県松本市][来訪回数:4回]
2017/1/7(土)更新
松本市街・中町通りの家庭料理/郷土料理店。

松本に来ると、いつも立ち寄ってしまう店。
店主のお子様は、前回お邪魔した頃よりだいぶ大きくなって、ほとんど泣かず大人しくしておられた(´▽`)

赤ちゃんの成長を見守りながら呑める店。
旅先であるからこそ、このアットホームな感じがなんとも心地良い。

店舗情報については、1回目の「行った」をご参照あれ。

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■善哉酒造「中甼 なかまち」初しぼり原酒(¥780)
松本城下で、松本の澄んだ地下水で醸される、スーパーローカル地酒!
この日鏡開きしたばかりの、出来たてホヤホヤ(´▽`)
原酒ならではの、フルーティーな香りがたまりません!

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■りこぼうのいくらおろし(9月訪問時)
「りこぼう」と呼ばれるきのこが登場。正式名ハナイグチ。
コリコリとした歯応えが秀逸。長野では広く知られ、きのこ採りでは人気の的だという。

塩味をいくらで補うところが贅沢。
いくらのぷちぷち感、これがまたすごいんです!
山の幸と海の幸の競演、この店を代表する一品と言ってよい。

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■鹿肉のタタキ(9月訪問時)
店主お得意のジビエ料理。
ジビエについては、良い肉をいかに仕入れるか、そのルートを持つ店かどうかがポイント。

まさにルビーのような、艶やかな肉色。
食べればミルキーな香りが印象的。もちろん変なクセは感じない。

ポン酢と醤油が用意され、食べ分けることができる。
薬味はニンニク・生姜・ミョウガに加え、「わさび漬」もあるのが信州らしい。
一人で食べるとなかなかのボリュームだが、いろいろな味で最後まで飽きずに楽しめる。

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■茄子とおもちの揚げ出し(¥880)
甘辛い味付けで日本酒が進む一品。
餅を食べれば、まだまだ正月気分(´▽`)
もっちり食感がたまらないですね~ おなかにもたまる♪

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■ソーメンちゃんぷる~(¥700)
店主は、平塚(神奈川県)の沖縄料理店に勤めていたこともあるそうな…
シンプルな塩味、コク深い出汁を吸った素麺が、また旨いんですよね。
冬の松本で出会う沖縄の味、それもまた乙なものではないですか。
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結局閉店まで居座ってしまうのも、いつも通り(笑)

肩肘張らない家庭料理の魅力。
今度は、前から気になっている餃子かコロッケで一杯やってみようか。
[長野県松本市][来訪回数:2回]
2015/9/11(金)
松本市街・中町通りの家庭料理/郷土料理店。
お母さんが山で採ってきたきのこなど、信州の食材を使った料理が魅力。

新宿から、高速バスに揺られること3時間。
長野県の中央、漆黒の名城を戴く松本に到着である。

こちらのお店は、白壁の蔵造りが続く街並み「中町通り」から、少しだけ南へ入ったところにある。
JR松本駅から徒歩12分。松本城へは9分と観光に便利な立地。

城下町らしい、白い漆喰の外観。
店内はカウンター10席、4人掛けテーブル×1卓。

BGMはクラシックやジャズ。一人男が似合う空間だ。
松本はオーケストラの活動が盛んな街だけに、音楽関係者の来訪も多いという。

お母さんと娘さん、二人で切り盛りする小さな店。
お母さんはきのこ採りの名人。店ではお客の話し相手と、お燗を担当。

娘さんは私とほぼ同世代の、若き料理人。専ら、奥の厨房で料理を作っている。
一人での調理ゆえ、料理が出るまでには少し時間がかかる。

メニューは季節により異なる。手書きのイラストが可愛らしい。
 きのこおろし、きのこ汁、きのこうどん、きのこと秋野菜の天ぷら、秋鮭ときのこのホイル焼き
 あや菜風山賊焼き(鶏)、塩イカきゅうり、鹿肉のタタキ
 ジャコねぎ豆腐、自家製ふきたっぷり味噌、納豆とチーズの出汁巻き玉子、揚げ出汁茄子
 自家製ギョーザ、鶏もつのネギ塩炒め、長芋のトロトログラタン、ジャコと山椒の香り焼きおにぎり etc.

ごはんは、長野産コシヒカリを使用。
その日に採れた(私たちにとっては)珍しいきのこ、
鹿肉、鮭の白子など、普段あまり食べる機会のない食材に興味を惹かれる。

お酒は、地元でしか飲めない地酒「中町」が一押し。
その他ドリンクの品揃えも、なかなかユニーク。
 焼酎の天使割り(熊笹パウダー入り)、わさびサワー、長野産トマトのレッドアイ、アップルビア…

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■松本・善哉酒造「中町」ひやおろし(¥680)
出来立て、秋の味!
中町の湧水で仕込み、この町でしか販売されない、文字通り地産地消の酒。
旨味十分で、山里の幸といかにも相性が良い。

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■お通し・金時草となめこのお浸し(¥500?)
沖縄では「ハンダマ」と呼ばれる金時草。
ぬめりがあり、ほのかに紫色の樹液が染み出す健康食品。

なめこは近所の山で採ってきた天然物で、スーパーで見る普通のナメコとは全くの別物!
お通しというより、十分に一品として通用する中身・ボリュームである。

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■塩いかきゅうり(¥530)
塩いかとは、ボイル済みのいかを塩蔵して保存性を高めた、内陸県ならではの味覚。
塩抜きしてから食べる。塩を抜き過ぎると味気なくなるので、塩抜きの具合が重要だという。

いかは柔らかく、ごくわずかに塩味が残っている(決して塩辛いものではない)。
パリパリとしたきゅうりと共に食す、爽やかな酒肴だ。
茗荷の爽やかな香りとほろ苦さが、ポイントとして良く効いている。

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■鶏もつすき(¥780)
鶏ホルモンを甘辛く煮込んだ、松本近辺の郷土料理。
「母から娘へ伝える味」だという。

お隣の山梨でも鶏もつ煮が人気であるが、こちらの場合、全体を玉子とじにしてあるのが特徴。
皮・腸・キンカンなど、コリコリとした部位を中心に様々なホルモンが入る。
そのままでも美味だが、善光寺「八幡屋礒五郎」の七味唐辛子を掛けると、風味がぐっと高まる。

かつては(年老いて硬い)農耕馬の肉より、自宅でシメた鶏肉がご馳走だったという。
あらゆる部位を無駄なく美味しく頂くため、各家庭ごとの味付けで、家族全員分が大鍋で作られた。
山里の生活が偲ばれる一品である。

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■初もの・雑きのこおろし(¥730)
三種のきのこ・大根おろしに加え、贅沢にいくらを和えた一品。

「りこぼう」時候坊と呼ばれるアミタケの一種、「フウセンタケモドキ」風船茸もどき…
1時間半ほど掛けて、周囲の山へ毎日きのこ採りに行くのだという。

きのこも良いが、いくらの食感が実に素晴らしい! 
プチプチどころではなく、ブチ☆ブチ☆と一粒ひと粒が主張してくる。
さすがに今は、長野まで鮭が上ってくることは無いそうだが、筋子を買ってきて家で醤油漬けにするという。
これは文句なしで美味。

茹でると裏のひだが真っ黒になるが、食べられるきのこもあるという。
アミタケの中には、天然で赤紫色をしていて、かつ美味しいものもあるんだとか!

お母さん(店主)は、30年間ここ中町で飲食店を営んできて、一度もきのこに当たったことはないそうだ。
猿や鹿に会うことは日常、カモシカや熊と遭遇したことも一度や二度ではないという。

日本酒を2杯いただいて、お会計¥3900。
お話好きな母娘との会話も弾み、一人でも楽しく美味しく呑むことが出来た。


★2016/3/4(金)再訪
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■山雅ビール(¥540)
松本を本拠地とする Jリーグチーム、山雅(やまが)FCオフィシャルドリンク。
合い言葉は「緑に染め上げろ!」

生ビールにブルーキュラソーを加えた、森のような色のビアカクテル。
山雅FCの専用グラスで供される。
後味として、ほのかにリキュールの柑橘が香る。

今夜のお通しは、茄子の挽肉あんかけ。旨味たっぷり!

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■生ふきのとうの酢味噌
加熱前のふきのとうを食べるのは初めて!
採ってから時間が経つとエグ味が出て、とても生では食べられないそうだ。
新鮮なふきのとうが手に入る土地ならではの一品だ。

見た目はなんとなく、キャベツみたい。
ざくざくっと刻まれ、柚子酢味噌が掛けられている。
爽やかな春の香りで口中が満たされ、あとから苦味が押し寄せてくる(^-^)
山里の野趣あふれる味わいだ。

この、ふきのとうの香りを堪能するには…
次はやっぱり、お燗でしょう!

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■長野「大雪渓」お燗
熱めが良いか、ぬるめが良いかを聞いてくれる。
こうした家族経営の居酒屋で、好みの温度を聞いてくれる店は初めてだ。
今日は、ぬるめでお願いしよう。

カウンター近くに鎮座する、電熱器(ニクロムヒーター)のお出ましだ。
なんと30年以上、使い続けているらしい。

お酒を注いだぐい呑みから、いかにも旨そうな香りが立ち上る。
アルコール感が落ち着き、まろやかさと、ふくよかな甘酸っぱさが融合。
和酒の魅力は、お燗で引き出される。

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■豚バラナンコツのトロトロ煮(¥880)
安曇野放牧豚を使用。店主入魂の自信作だ。
どこを食べても、コラーゲンのとろとろ感であふれている。

少し濃いめの醤油味が、つまみとしては嬉しい。
柚子の香りが確かに和風、女性調理人らしい繊細さも感じられる。

気付けば、お母さんもお猪口片手に、晩酌タイム突入!
この家庭的な雰囲気、好きだなぁ~
ちなみに、お母さんは野球のイチロー選手が大好きなんだとか(´▽`)

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■ふきのとう天ぷら(¥800)
今日はもう一度、旬を味わいたい!
出てきた天ぷらは、花が開いたような美しい姿。
ほろ苦さに加え、薄い衣の軽やかさまで、なんだか春らしい。

天つゆは、出汁の香りが素晴らしい。
この出汁だけで、お酒が美味しくいただけそう。
塩も出てくるので、2種類の味でふきのとうを楽しめる。
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お会計 ¥4800。
気付けば、お母さんもお猪口片手に、晩酌タイム突入(´▽`)
この家庭的な雰囲気、好きだなぁ~

壁に掛かっている 2枚の絵が気になり、尋ねてみると
店主とお母さん、それぞれの肖像画だという。
誰が描いたのか? このあたりのお話は、ぜひお店で直接聞いてみてほしい。

次回は、信州ジビエ・鹿肉のタタキをお願いしてみよう。
[お店のFacebook]
https://www.facebook.com/%E5%AE%B6%E5%BA%AD%E6%96%99%E7%90%86-%E3%81%82%E3%82%84%E8%8F%9C-599122143528700/timeline/

  • 白湯スープの南信産ウサギ鍋(¥1680)。春菊・人参・椎茸・豆腐・白菜・ねぎ・マロニーなど野菜もたっぷり
  • 鹿肉のキャベツメンチ(¥800)。薬味入りのポン酢で、あっさりサッパリと
  • 味噌と酒粕が織りなす濃厚な味わい。餅も粘り強くて美味でした!

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6位

茶茶 (高山 / 麦とろ)

2回

  • 昼の点数: 3.7

    • [ 料理・味 3.7
    • | サービス 3.2
    • | 雰囲気 3.5
    • | CP 3.2
    • | 酒・ドリンク 3.5 ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥3,000~¥3,999

2019/10訪問 2020/06/20

100%自然薯にこだわる「とろろ屋さん」。とろろ大好きな父曰く、この店が暫定ナンバーワン!

[岐阜県高山市][来訪回数:3回]
2019/10/5(土)
高山の北東・丹生川にある、とろろ料理店。
店舗情報は、1回目の "行った" をご参照あれ。

一般に、山芋や大和芋をすって作る「とろろ」だが、
粘りの強い自然薯(じねんじょ)だけを使うこだわり。
うちの父はとろろ大好きで、各地のとろろ料理を食べ歩いているが、
今のところ、こちらの店が暫定ナンバーワンだと明言する。

築250年の合掌造り。国道158号に面し、堂々とした面持ちである。
駐車場も広く、安心して停められる。
かなり広い店内で、観光バスの団体客も余裕で受け入れる。
窓辺には、飛騨地方の郷土玩具・土雛が飾られる。

メニューはとろろ料理中心だが、飛騨牛ステーキなども味わえるので
幅広い楽しみ方が出来そうだ。
デザートの「自然薯とろろプリン」も気になる存在。

熱いお茶と同時に、自然薯せんべいが1枚供される。
料理の提供はスピーディー!

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■ノンアルコールビール
銘柄は「サッポロプレミアム」。お通しはきゃらぶき。
ノンアルコールでもお通しが出るのは、サービス精神を感じる(お代に入っているだろうが)

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■すっとろ(¥1080)※税込10%
自然薯とろろをすり下ろし「出汁で伸ばさず」そのまま提供する料理。
1回目の来店時、最も印象に残った一品。
面白いくらい、びよーんと伸びる様子は、チューインガムを思わせる。
醤油とわさびでシンプルに味わう。

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■長焼きとろろ(¥1080)
自然薯とろろをすり下ろし、蒲焼のタレでうなぎのように焼き上げた料理。
下面には海苔を貼り、うなぎの皮のように見せるとともに、味わいを深めている。
ビールにも日本酒にも合う逸品。

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■とろろ御膳・竹(¥1980)
前菜・とろろめし・とろろそば・とろろ揚げ・お新香・デザートのセット。

◎前菜
 茹でると繊維がほどける「そうめんかぼちゃ」。久しぶりにお目に掛かる食材。
 酢の物仕立てでサッパリ。

◎とろろ揚げ
 自然薯とろろをすり下ろし、海苔で巻いた揚げた一品。
「芋の香り」と「海苔の香り」がはっきり感じられ、しかも両者の相性が良い。
 塩で食べるので、とろろの風味がよく伝わる。

◎とろろめし
 とろろはすり鉢でたっぷり届けられる。
「芋の粒々」が感じられる、若干粗めのおろし加減が、野趣を感じさせて好印象。
 出汁の効かせ具合も上手である。

 とろろといえば、その相棒は「麦飯」と昔から決まっている。
 麦飯は全員分がお櫃に入ってきて、お替わり自由。
 ただ、とろろ自体がおなかにたまるので、お替わりまで、たどり着かないはず…

◎とろろそば
 冷たいつゆの山菜そば。
 蕎麦自体へ平凡なものだが、出汁の効いたとろろを掛ければ、ご馳走である。
 とろろ、トロトロの幸せ♪

◎お新香
 飛騨名物の赤かぶ漬。さっぱり甘酸っぱい味わいが、旅情を高める。
 甘辛いきゃらぶきも添えられる。

◎デザート
 手作りのトマトゼリー。これは面白い趣向。
 トマトは丹生川村(現・高山市)の特産品として知られる。
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お会計はクレジットカード利用OK。
生の自然薯も販売しているので、お土産として買っていくのも良いだろう。
また別棟で、地元の農作物や飛騨土産を販売しているので、道の駅的な使い方も可能。

観光客でぎゅうぎゅうの飛騨中心街から離れ、
落ち着いた食事場所を探している方には、大いにオススメできる一軒である。
[岐阜県高山市]
2015/9/19(土)
高山市郊外・丹生川町にある、自然薯とろろ料理店。

高山から平湯温泉・上高地方面に向かう国道158号沿い。
JR高山駅から車で20分程度。
高山インターからも、同じく車で20分程度(県道89号経由)。

「じねんのむら」と名付けられた敷地内には、土産物店、五平餅などのテイクアウト店もあり、
十分な規模の駐車場が確保されている。

こちらの店舗は、世界遺産・五箇山(岐阜-富山県境)から移築された合掌造りとのこと。
200年にわたり生き続けてきた古民家だ。
豪雪地帯ゆえ、雪が積もらないよう急角度に組まれた屋根が特徴である。

店に入るとまず、自然薯そのものや、自然薯を使った和菓子などの販売コーナーがある。
普段あまり目にすることのない生の自然薯は、一度見ておく価値がある。

自然薯(じねんじょ)はヤマノイモとも言い、
とろろにして食べる点では「長芋」と似ているが、全くの別種である。
長芋が白くて太いのに対し、自然薯はゴボウのように黒くて細長い。

150名収容可という店内。テーブル席・座敷席とも多数。
全席禁煙、バリアフリー対応。

客層は老若男女さまざま。
観光バスの団体も来店していたが、広々としたスペースなので、
狭苦しさ・騒がしさは感じない。

メニューの一部を紹介すると…
〔とろろ〕単品とろろめし
     雅(とろろめし、自然薯そば、サラダ、香の物)
     松(雅+刺身)
     竹(雅+とろろ揚げ、小鉢)
     梅(雅+刺身、とろろ揚げ、小鉢×3)
     山の香(梅+長焼きとろろ)
〔一品〕 むかご天ぷら、むかごチーズ揚げ、すっとろ、とろろ酢の物、とろりんプリン
〔牛肉〕 飛騨牛サイコロステーキ御膳、飛騨牛朴葉焼きステーキ御膳 etc.

まずはお通し代わりに、お茶菓子が供される。
自然薯を使った甘口せんべい。ポリポリと素朴な食感。

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■冷酒「やんちゃ酒」(¥648)
思いがけぬ、美しい演出に驚き!
デキャンタを氷で冷やし、秋桜を一輪挿して。

やんちゃ酒は、飛騨古川・蒲酒造場が醸す、やや辛口の酒。
特にやんちゃな父には、ぴったりの日本酒である。
私はドライバーのため、飲んでいないのだが (^-^;)

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■とろろ定食・竹(¥1944)
テーブルいっぱいに展開される、山の幸の数々。

◎ささげのおひたし
 高山でよく見る豆。いんげんと同様、長細いさやごと食べられる。
 あっさり、サクサクした食感が魅力。

◎むかごの白和え
 自然薯の子ども(地上の茎にできる芽)。
 揚げて食べることが多いので、白和えは珍しい。
 ほっくりとしたむかごの食感を、あっさり味で楽しむ一品。

◎揚げ物
 自然薯とろろの磯辺揚げ、野菜2種。
 とろろは出汁で溶いていないもの(後述の"すっとろ")が使われているので
 相当な粘りがあり、独特な食感を楽しめる。
 父からは「古い油の匂いがする」と指摘あり。

◎麦とろ
 すった自然薯を出汁で伸ばしたとろろが、すり鉢で供される。
 出汁の比率が多いので、粘度は低く、ふわりとろーりした感覚だ。

 ごはんは、飛騨コシヒカリと麦のハイブリッド(麦飯)。
 人数分まとめて、大きなお櫃で供される。

「少なめのご飯」にたっぷりとろろを掛け、薬味を乗せて食べるのがオススメとのこと。
 出汁多めなので、とろろの味は濃いめ。自然とごはんが進む!
 芋×米なので、しっかり満腹になる。

◎そば
 椀入りの小盛りそば。
 自然薯とろろを掛けることにより、とろろそばとして楽しめる。
 一膳で、麦とろごはん+とろろそばの両方が味わえるのは嬉しい。

◎香の物
 赤かぶ漬け、沢庵、野沢菜の三種盛り。
 高山名物の赤かぶは、酸味さっぱりで美味しい(^-^)

◎トマトゼリー
 見た感じ、滋賀の赤こんにゃくかと思った!
 甘みはほとんど無く、トマトの酸味にこだわったストイックな味で
 口の中がさっぱり♪

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■すっとろ(¥1080)
出汁で伸ばす前の、すり下ろしたままの自然薯、つまり「素のとろろ」。
薬味(ねぎ・わさび)とともに海苔で巻き、醤油を少しつけていただく。

長芋とろろと異なり、濃い褐色なのがはっきりと確認できる。
これはすり下ろされた自然薯の、黒い皮に由来する。

粘り気は、驚くほど強い。
すっとろの塊を箸でつまんで持ち上げると、結構な重さにも関わらず、
そのままどこまでも持ち上がってくる。
トルコアイスよりも強力な粘性。とろろというより「つきたての餅」に近い!

この粘り気を体感するだけでも、注文する価値がある。
これほどまでに粘りが強いからこそ、通常は出汁で伸ばして食べるのだ、
ということが納得できる。とても勉強になる食べ物だ。

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■天薯・栗(¥864)
店舗入口の和菓子コーナーで、お土産として購入。
冷凍状態で売られており、自然解凍→冷蔵で5日間の日持ち。

原料に自然薯を使った、蒸しパンのような和菓子。
薯蕷饅頭のアレンジともいえる。

カステラのように棹状で、間に栗と小豆が挟んである。
栗入りは秋季限定。天然の色合いが美しい。

口にすると、ぼそぼそと崩れる食感が、なるほど「芋」を感じさせる。
鹿児島名物の「かるかん」にも似ている。

甘さはかなり控えめ。プレーンなので、生地の食感が際立つ。
現代的な味わいなので、ふだん和菓子を好まない層にも支持されそうだ。
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ちなみにこちらのお店、三重県菰野町に姉妹店がある。
自然豊かな郊外という共通点はあるが、遠く離れているのが面白い。

常日頃、あまり接する機会のない自然薯。
おなかいっぱい食すれば、きっと高山旅行の思い出になるだろう。

  • 出汁で伸ばした自然薯とろろ。引きが強く、出汁の風味も存分に感じられるご馳走です
  • 麦めし少なめ、とろろ多めのバランスが、お店の推奨。出汁が効いていて美味しい~
  • 箸で持ち上げると、まるでガムのように驚異の粘りを示す

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7位

謝甜記 貮号店 (元町・中華街、石川町、日本大通り / 中華粥、中華料理、飲茶・点心)

1回

  • 昼の点数: 3.7

    • [ 料理・味 3.7
    • | サービス 3.2
    • | 雰囲気 3.7
    • | CP 3.5
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥1,000~¥1,999

2015/10訪問 2015/10/04

貝柱や鶏の旨味がギュッと詰まった中華粥。五色の肉、ピータンが織りなす食感の妙… 横浜中華街の価値を感じる一軒。

[神奈川県横浜市]
2015/10/3(土)
中華街にある、中華粥メインの中華料理「しゃてんき」2号店。
同ジャンルとしては、現在国内ランキング4位の人気店。

場所は、中華街の朝陽門(東門)から入って大通りを進み、2つ目の角を左折。
ちなみにこの角には、謝甜記の本店がある。
そのまま上海路をしばらく歩いて、右手にある。

お粥の店だけあって、朝8:30から営業!
観光の方なら、ホテルの朝食を辞退して、こちらでお粥モーニングにするのも一興だろう。

紅い服着た、サンタのおじさんが目印。
土曜14時、店前に3組ほどの行列。
中国(台湾?)の方も並んでおり、現地人にも認められる味と言ったところか。

なかなか列は進まず、歩道に列を作りはじめた。
後の予定があったため一度諦め、16時頃に再訪したところ すんなり入店できた。

客席は 2人掛けテーブル×3卓、4人掛けテーブル×4卓、8人掛け円卓×2。
BGMは中国ポップス。

店内は明るく落ち着いた雰囲気で、清潔感十分。
その中に、店員さんの中国語が飛び交う。

ファミリーやカップルが多いけれど、女性のお一人様もいらっしゃる。
円卓があるので、大人数の会食にもぴったりだ。
この日は学生グループが、和気あいあいと中国粥を楽しんでいた。

中華粥のメニューはかなり豊富で、どれにしようか迷ってしまう。
〔魚介系〕ふかひれ、あわび、貝柱、海老、三鮮(白身魚・ツブ貝・イカ)、
     五目粥(三鮮+海老・野菜)、魚生粥(あとから刺身を入れる)
〔肉系〕 五味粥(後述)、豚肉、牛肉、鶏肉+椎茸、玉子、ピータン
〔ホルモン系〕牛肚(ハチノス)、牛ミノ、三及(豚レバー・豚モツ・豚肉)
〔その他〕野菜粥、白粥

お粥はたっぷりの量で出てくるので、少食の方は「中碗」ハーフを頼むのが良いだろう。
パクチーなどの追加トッピングも可能。

中華粥以外にも、名物の梅醤炸花鶏(梅味噌付き 鶏唐揚げ)や、各種点心が楽しめる。

席につくとすぐ、千切りのねぎ醤油(粥の薬味)、ザーサイが供される。
お粥が出てくるまで、まずはザーサイを楽しみつつ、冷たいプーアル茶を一杯…

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■お通し(ザーサイ ¥0)
なかなかに塩味もあるが、あとからピリ辛がやってくる。
絶妙な味わいで、酒があったら進みそう。
今日は車で来たから、自粛であります…

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■山東水餃子(3個¥450)
せっかくだから、点心も楽しんでいきたい。
千切りネギの風味と、醤油だれでいただく水餃子。

小籠包とは異なり、肉汁は控えめ。
本場の餃子らしく、皮が美味しい餃子といえる。

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■五味粥(普通盛¥1020)
「ういかゆ」牛肉・豚肉・豚スネ肉(痩肉)・鶏肉・ピータン入り。
肉系オールスターの中華粥である。

ラーメンと同サイズの丼に、たっぷりと盛られてくる(普通盛の場合)。
真っ白で美しい粥…
その上に浮かぶのは、油条(揚げパン)・青ねぎ・そしてパクチー。

「具は中に隠れてマスー」と、店員のお姉さん。
レンゲを入れると、五色の肉がすくい上げられる。

さっそく一口。なるほど、これは旨味が濃い!
塩味もそこそこあり、非常に食欲をそそる味わいに仕上げてある。
乾燥牡蠣・乾燥貝柱・鶏丸ごと一羽を入れ、生米から 4時間掛けて炊き上げるという。

具は惜しみなく入っており、食べ応えは十分。
揚げパンは粥に馴染んで、麩のような食感に。メニューに書かれていない、肉団子の姿も見える。

肉には下味がついているので、味が薄すぎるという不満も感じず、最後まで一気に食べられる。
千切りねぎ醤油を入れると、さらに味が強まっていい感じに。

食感の面で特筆すべきなのは、具として入っているピータン。
粗く刻まれており、ゼラチン質のむっちりした感じが、淡泊な粥に適度なアクセントを与える。
この組合せはさすが、長年洗練された中国の食文化というものだろう。
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店の向かい側にはお粥工場(?)があり、持ち帰り用の品を買い求めることもできる。
これは、お土産に良さそうだ。

せっかく中華街に来たなら、一般的な中華料理店では食べられない美味に出会いたい。
この店は、まさにそんな願いを叶えてくれる良店だ。

  • 白いキャンバスに浮かぶのは、油条(揚げパン)・青ねぎ・そしてパクチー
  • レンゲを入れると、五色の肉がすくい取れる。下味がついており、旨味充実です!
  • 山東水餃子(3個¥450)。肉汁は控えめ、本場らしく「皮が美味しい」餃子だ

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8位

Gatito (大井町、立会川、鮫洲 / バー)

2回

  • 夜の点数: 4.0

    • [ 料理・味 3.5
    • | サービス 3.5
    • | 雰囲気 3.5
    • | CP 3.2
    • | 酒・ドリンク 4.2 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥6,000~¥7,999 -

2019/11訪問 2019/11/30

和洋中にエスニック、どんな料理でも受け止めるテキーラの世界。本格的なおつまみコースを堪能♪

[東京都品川区][来訪回数:28回]
2019/11/16(土)
JR大井町駅の南にある、テキーラ専門バー。
店舗情報は1回目の "行った" をご参照あれ。

最近ご無沙汰していたが、テキーラに関心をお持ちの婦女子3名とともに訪問。
テーブル席を事前予約し、餃子など軽い食事を依頼して伺ったのだが、
ここまで本格的なコース仕立てになるとは、想定外だった(^-^;)

お品書きが用意され、それぞれの料理に合わせたテキーラのペアリング提案まで
書いてあるのは、流石テキーラマエストロの店ならでは。
ウイスキー・ウォッカ・ジンなど、他の酒類を一切置かない潔さも、他に類を見ないのでは。

テキーラはざっくり3種類、
ブランコ(樽熟成なし・透明)、レポサド(短期熟成・金色)、アネホ(長期熟成・褐色)
に分類され、それぞれに合う料理タイプが存在する。
さらに炭酸割り、マルガリータをはじめとするカクテルといったバリエーションもあり、
素人なりに、料理とのマリアージュを考えるのは楽しい時間。

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■おつまみコース(要予約)
◎いちじくの生ハム巻き
 白ワインに合う料理は、基本的に透明なテキーラ(ブランコ)を合わせれば間違いない。
 生ハムの塩気で、いちじくだけでなく、テキーラの甘みも引き出される。

◎柿のサルサ&チップス
 秋の季節感が、このような形で表現されるとは想定外。
 柿のほのかな甘さが、コーンチップスに合うのも意外。

◎アボカドの明太子乗せ、干しホタルイカ
 アボカドは植物感のある食材なので、ハーバルな香りのブランコと相性が良い。
 ホタルイカ、普段なら迷うことなく日本酒を合わせるアテだが、
 ここでは、テキーラ「アラクラン」を試してみたい。
 感じ方は人それぞれだが、日本酒の吟醸香に似ているという人もいるそうだ。

◎豆腐の梅かつお燻製ダレ、いぶりがっこチーズ
 燻製系のつまみには、スモーキーな香りを持つ「メスカル」がピタリと合う。
 テキーラの仲間だが、原料となる植物が若干異なり、ワイルドな風味を持つ。
 個人的には、グリーンのガイコツボトル(KAH)が一押し。
 これは間違いない組合せだと思うので、是非試していただきたい。

◎野菜スティック with ハラペーニョ味噌ソース
 付け味噌は結構辛口。これでもマスターとしては抑えた辛さだろうが(笑)
 生野菜にはブランコというのが定石だが、
 ほのかな熟成香のあるレポサドを持ってきて、味噌の風味に寄り添わせても良さそう。
 この味噌だけでもテキーラが呑める!

◎自家製ぬか漬け
 蓮根・大根・パプリカの三種。テキーラバーとは思えない、手の込んだ一品。
 特に蓮根はサクサクの食感を残しつつ、中までしっかり味が染みて美味!
 私を含め、4名全員に大好評だった。

◎真だこのカルパッチョ・ナンプラーソースにパクチー添え
 一般的にテキーラは、香りにクセのある料理と好相性なんだとか。
 特にナンプラーのような魚醤、パクチーのような植物系は、
 樽熟成のない透明なテキーラ(ブランコ)とぴったり合うと思う。
 タコのしっかり食感を楽しめて、ちょっと強めの塩加減も、アテとして計算されている。

◎五香粉が香るザーサイとキノコのマリネ
 ここであっさり系の一品。
 五香粉とは、八角・肉桂(シナモン)・丁子(クローブ)・花椒など、
 5種類のスパイスをブレンドした、中国の調味料。

 ほのかに甘い香りで、さっぱりした味わいの料理なので、
 テキーラも、ほのかに甘い熟成香のあるタイプ(レポサド)が合うと思う。
 中華風の料理も難なく受け止める、テキーラの懐の深さを感じる。

◎ごぼうと牛肉のサルサ餃子
 餃子専門店というと、マスターに怒られそうだが(笑)
 それくらいのこだわりを持って作られている餃子たち。
 オススメは、テキーラハイボールとの組合せ!

◎北海道産かぼちゃとレーズンのサブジ
 クミンシード・ターメリックなどのスパイスを効かせたインド料理(野菜の炒め蒸し)
 かぼちゃの濃厚な甘さ、レーズンのようなドライフルーツには、
 間違いなく長期熟成のタイプ(アネホ)が合う。

◎あんぽ柿とチーズのタルティーヌ・アガベシロップ掛け
 テキーラと同じ原料のシロップを使い、統一感を持たせた一品
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満腹になるまでいただいて、お会計は1名¥7000程度。
(テキーラの量次第なので、あくまでご参考)

和洋中からエスニックまで、どんな酒肴にも合わせられるプレミアムテキーラ。
その懐の深さを、改めて実感させられた夜だった。
[東京都品川区][来訪回数:14回]
2016/10/30(日)更新
大井町にあるテキーラバー。
メキシコ料理を主なベースとした、創作料理も楽しめる。

JR大井町駅(atre側/中央口)を出て、京浜東北線の線路沿いに
大森方面(南)へ歩くこと5分。
商業地域をすっかり離れ、こんなところに店があるのか… という住宅街の中。
ほんのり温かい灯りと、小さなバーが見つかる。

扉を開け、小箱へと足を踏み入れる。
カウンター5席、テーブル2卓。
21時までは禁煙タイム、これはバーとしては貴重な試みである。

女性オーナーバーテンダーは、私と同い年くらい。
テキーラ・マエストロであると同時に、温泉ソムリエという肩書きも
お持ちなのが面白い(私と同じ!)

ほかに男性バーテンダー・女性バーテンダーが一人ずついらっしゃる。
過度な喧騒は無く、なかなか良い空気感だ。
ちなみに店名は、スペイン語で「子猫」の意味らしい。

バックバーには、数十本のテキーラが並ぶ。
そのほとんど全てが、竜舌蘭100%使用、混じりっけ無しのプレミアムテキーラだ。
焼酎でいえば、甲類ではなく本格焼酎といったところか。
産地(テロワール)・原料の性質・蒸留方法・熟成方法ごとに
異なる香りや味わいを鑑賞しながら愉しむ、オトナのための酒である。

さて、この日のフードメニューは…
 ・笹かまピリ辛サンド ・タコライス ・豆腐とアボカドのサラダ
 ・エローテ ・かきのスモークオイル漬 ・ふき味噌の油揚げピザ
 ・干しホタルイカ ・三ツ葉の和風ワカモレ

テキーラと相性の良い、辛味を取り入れたメニューが多い中で、
思いきり 和風な品も置いているのが面白い。
熟成していないテキーラ(ブランコ)は、焼酎に近い風味とも言えるので
これが意外と合うかもしれない。マスターにオススメの合わせ方を聞いてみよう。

なお、バーテンダーさん一人で営業している場合、調理が必要なつまみは
多少時間が掛かることに留意されたい。

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■氷なしテキーラハイボール 「アガバレス」ゴールド
1杯目はビールも良いが、この店に来たなら、早速テキーラハイボールを頂きたい。
氷なしのスタイルは、なんと、銀座の名店・ロックフィッシュ直伝だという。
確かに、氷が入っていないのに十分な冷たさがあり、かつ味が濃いように感じる。

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■メキシカンモヒート(¥1000)
テキーラ×ライム×ミント。モヒートのレシピを基に、ラムをテキーラに替えたもの。
フレッシュミントの清涼感、しゅわしゅわ感が夏にぴったり♪
以降、チェイサーはすべてこのグラスに入れてくれるので、
ライム×ミントの風味を、何度も楽しめる(^-^)

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■わさびマルガリータ
ベースとして使われるのは、静岡産の生わさびを、丸ごとテキーラ(ブランコ)に2日間漬け込んだもの。
鼻にツンと(痛みが)来ることはないものの、わさびならではの鋭く澄んだ香りがはっきりと感じられる。
アルコールの働きで、わさびの辛味成分が弱まり、独特な香りが強調されているようだ。
これは大変面白い、静岡県のご当地カクテルにしてもよいのでは!

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■パパラッチ(¥1188)
この店のオリジナルカクテル。センセーショナルな香りからイメージして命名。
自家製スパイステキーラを使用。
クローブ・シナモン・ブラックペッパー・ジンジャーがバリバリ効く。

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■プレミアムテキーラ各種
 ブランコ…60日未満の熟成。透明で、一般に粗削りだが、テキーラらしい青い香り。
 レポサド…1年未満の熟成。淡いゴールドで、酒質は落ち着き、軽く樽の香りが出る。
 アネホ …1年を超える熟成。濃い褐色で、樽の風味が深く出てダークラム・ウイスキー風に。

この日は「雫」「チナーコ」「901」の 3杯、いずれもブランコをいただいた。
どのテキーラも個性豊かな味わいがあるので、出来ればストレートでじっくり味わいたい。

原料に由来する植物的な香りが鼻を抜け、ほんのりとした甘さが喉を通る。
度数は40度のものが多く、ウイスキーやラムと同程度だ。

◎オチョ(8)ブランコ飲み比べ
 出来たばかりの2015年製と、2013年製の飲み比べ。
 製造年だけでなく、原料となるアガベの畑が異なる(テロワール違い)。
 同じ作り方・酵母だというが、明らかに香りが違う。感覚を研ぎ澄まさなくても、分かるレベル。
 2015年の方が張り詰めた香り。2013年の方がゆるくてマイルド。
 2年間でも瓶の中にあることで、酒質が落ち着くのだろうか。

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■サングリータ
トマトジュース+オレンジジュースに、タバスコやブラックペッパーで辛味をつけたもの。
テキーラのストレートを飲む際、これをチェイサーにするのが現地流。
酸味も辛味も、テキーラには無い味なので、これを飲むことで味覚がリセットされ、さっぱりと次へ進める。
もちろん、量的には少ないので、水を飲むことも忘れずに(酔います!)

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■餃子
こちらのマスターはカレーだけでなく、大の餃子好き。
旅行の際は研究を兼ねて、一日4食餃子ということもあるとか!
裏メニューなのだが、常に冷蔵庫に常備されているのが素晴らしい(^-^)

熱したフライパンで、じっくりと蒸し焼きに。
油を少し回しかけ、待つことしばし。
手作り感あふれる餡は肉がぎっしり♪ 野菜やニンニクの香りが感じられる。
餃子とテキーラのマリアージュが楽しめるのは、おそらくこの店だけではないだろうか?

◎メキシカン餃子
 人気の裏メニューシリーズ。
 挽肉に加え、ハラペーニョ・クミンなどのスパイスがたっぷり入っている。
 その目的は香り付けであり、激辛ではないので、誰でも安心して食べられる(^-^)
 醤油やラー油ではなく、塩を付けて食べるのがポイント。
 テキーラとの相性良し。本当に!

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■エローテ(¥800)☆3.7
なんだか、とても気になる料理名(笑)
メキシコ・アメリカ西海岸の料理だという。
要は「炒めたとうもろこし」を指すのだが、それを美味しく食べるためのソース類に
各店ごとの工夫があるのだという。

Gatitoさんの場合、炒めたとうもろこしの上に、カッテージチーズとチリパウダー、
さらにパクチーを入れる(苦手なら外せる)。
パクチーを入れるのは、マスター考案のオリジナルだが、これが大きなポイント。

ちょうど良いピリ辛感で、コーンのプチプチ感と天然の甘さが最高!
コーンの甘味、チリの辛味、それをまろやかにするチーズ、エスニックな香りを与えるパクチー。
この全てが、パズルのようにぴったり合う! とても完成度の高い味。

テキーラは、甘すぎないものが合うとのことで、
レポサド(軽い熟成、淡いゴールド)のオススメをお願いした。
ハラペーニョを入れて激辛にすることも可能だが、
私はあまり辛いのは得意でないので、まずは入れずに作っていただいた。

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■豆カレー
何だか、赤い鍋でぐつぐつ煮込まれているらしい。
尋ねてみると「豆カレーです、辛いです」とのこと(^-^)
店主のカレー好きが昂じて、作ってしまった一品。今回はハーフでいただいた。
カウンターに登場した途端、おお、これはすごく良い香り!

ひよこ豆に加え、挽肉たっぷりのキーマカレー仕様。
生姜が香り、バサッと振り掛けた黒胡椒が香る。
正直、平凡なカレー屋なら、舌を巻いて逃げだしそうな出来。
こんなカレーがあるのなら、お昼にでも来たい。
まぁ、店主も寝る時間が必要だから、ランチ営業が始まることは無さそうだが(^-^;)

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■燻製醤油で食べる コンビーフ卵ご飯
こちらも大人気の裏メニュー(笑)
千駄木「腰塚コンビーフ」をほぐして使用。

卵は黄身だけを使用。
こだわりのある卵のようで、箸で掴んで持ち上げられるほどしっかりした黄身。
ハラペーニョを添え、トリュフソルトを振り掛けて提供される。

自分で好きなだけ、燻製醤油を掛けていただく。
この香りが素晴らしい!

食べてみると、コンビーフ・ごはんというバラバラの味が、
燻製醤油と卵がまとめ役となることで、上手く調和する。

コンビーフは赤身部分が多く、肉を食べている充実感のあるもの。
ハラペーニョピクルスの酸味も快い。

これは禁断の味かも!
コンビーフ独特の香りが苦手でなければ、オススメできる。
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ちなみに、那覇ニューパラダイス通りに「エローテ」という 2号店があるという。
無論(残念ながら)エロとは無縁であり、前述のメキシコ料理名から取られたもの。

沖縄に支店を開いたのは、単に沖縄が好きだから…とのこと。
この大らかさ、さすがはテキーラ好きのマスター。
3店舗目は、ぜひ秘湯のある町に展開していただきたい(笑)

珍しいテキーラの品揃えも十分だし、それを引き立てる料理も見るべきものを持つ。
適度にカジュアルな、肩の凝らない接客も心地よい。

  • 一杯目はすだちのテキーラトニックで乾杯! 甘みのバランスが丁度良く、爽やかな余韻を残す
  • いちじくの生ハム巻き。白ワインに合う料理は、白いテキーラ=ブランコに合わせたい
  • ごぼうと牛肉のサルサ餃子。オススメはテキーラハイボールとの組合せ!

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9位

竹風堂 小布施本店 (小布施 / 和菓子、甘味処、郷土料理)

1回

  • 昼の点数: 3.7

    • [ 料理・味 3.7
    • | サービス 3.5
    • | 雰囲気 3.7
    • | CP 3.5
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥1,000~¥1,999

2015/05訪問 2015/05/11

「栗おこわ」と聞いてピンと来なくても…一度は是非食べるべき。栗の持ち味を最大限に引き出した逸品!

[長野県小布施町]
2015/5/5(祝)
小布施中心街の栗菓子・栗おこわ専門店。1893年創業の老舗。
昼食目的で訪れた。

緑豊かで、モダンな和風建築が立ち並ぶ小布施(おぶせ)。
「栗」という地域の特産を活かし、何軒も立ち並ぶ立派な栗菓子店をはじめ、
葛飾北斎ゆかりの寺院・美術館・カフェ・雑貨店・酒蔵などが
町を行き交う観光客の五感を楽しませる。

この町で、栗菓子の有名店を 3つ挙げるとするならば、
桜井甘精堂小布施堂、そしてこの竹風堂だろう。

竹風堂の本店は、国道403号沿いに位置する。
小布施スマートICから車で6分、長野駅から車で40分。
店舗脇に 90台収容の駐車場(お店利用で 2時間無料)が完備されている。

電車の場合は、長野電鉄・小布施駅から、徒歩9分。
立地的には、小布施の町の、南側の玄関口ともいえる。
それにふさわしく、立派な建物。

入ってみると、1Fにはさまざまな栗菓子が並び、
土産物を求める観光客で大変混雑していた。

お菓子の品揃えは、まさに栗・栗・栗のオンパレード!
 ・栗ようかん ・栗かのこ(きんとん) ・栗の干菓子(方寸)
 ・栗あんパイ ・栗まんじゅう ・栗あんしるこ ・栗の甘納豆
 ・栗の水ようかん ・栗蒸しようかん
 ・栗入りどら焼き ・栗入りきんつば ・栗もなか

食事処のメニューは、以下のような感じ。
 ・山里定食(栗おこわ、山菜煮物、むかご、味噌汁、お新香)
 ・山家定食(上記に加えて食前酒、にじます甘露煮)
 ・栗あんソフトクリーム
 ・栗あんしるこ ・お抹茶と栗ようかん ・クリーム栗あんみつ ・栗みぞれ氷
 ・マロンアイス ・シナノパープル(ぶどう)アイス ・ところてん ・りんごジュース

栗おこわは持ち帰りも人気。

食事していく場合、(混雑時は)1階の受付で、席の予約と料理の注文をする。
番号を渡され、待合室で待機するのだが、ここが非常に広くて快適。
ここを客席にすれば何十席と作れるだろうが、あえて作らないところがすごい。

それほど待たずに、2階の食堂へご案内。
客席は小上がり5卓、8人掛けテーブル×1卓、24人掛け×3卓。

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■山里定食(¥1080)
名物の栗おこわに、山菜の煮物・むかご・味噌汁を合わせた定食。

◎栗おこわ
 お店によれば「1972年、小布施で初めて栗おこわを売り出した」のが、竹風堂なのだという。
 9~10月にかけて、1年分の栗を収穫し、手むき・蜜漬けして保存しておくのだという。
 手むきには相当の労力が掛かるが、栗農家の方々の内職としても重要なのだそうだ。

 その栗が、おこわには惜しげもなく使われている。
 すべて国産、主に小布施産というこだわりだ。

 口に入れるとほろりと崩れ、柔らかく、また天然の甘みが広がる。
 蜜漬にされているといっても、砂糖による甘さは最低限に抑えられていると実感できる。
 あくまで穏やかな、天然の甘みが、栗の香りと一緒に広がる。

 もち米のもっちりした表情も、特筆すべきもの。
 見た目にはそれほどのボリュームに見えないが、実に食べ応えがある。

◎山菜の煮物
 ぜんまい、油揚げ、人参などが、品良く甘辛味で煮付けられている。
 しっかりと出汁の旨味を活かして調理されているから、味は濃くないのに物足りなさを感じない。

◎むかご
 山芋の子ども。千曲川の河川敷で栽培されているという。
 甘辛く炊きつけてあり、ポテトのような、ほっくりとした柔らかさがある。

 説明によれば「くるみ胡麻和え」とのこと。
 食べるだけでは香りに気が付かなかったが、あとから聞いてなるほど~。

◎味噌汁
 信州味噌の味噌汁は、塩分も穏やかに感じられ、あっさりと淡麗な味わい。
 毎朝かつおぶしを削り、出汁を取る調理法を続けていると言う。

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■どら焼山(¥211)
栗粒入りのどら焼き。日持ちは10日間。

白餡(手亡豆)をベースに、栗をプラスした栗餡。
甘さは控えめで、しみじみと山の香りが広がる。

餡の中には柔らかい栗の粒々、ときどき大きなのも入っている。
食感にも変化があって面白い。

皮は、はちみつの風味が感じられ、こちらも優しい甘さ。
お茶がなくても食べられるレベル。
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なお本店のほかに、支店もいくつかある(長野駅善光寺松本上田軽井沢など)。

食通をうならせる栗おこわ、その脇を固める滋味豊かな山里料理、
風味豊かな栗のお菓子、さらに眺めの良い2階席も加えれば、もう無敵である。

信州・小布施の豊かさを満喫できる、名実ともに兼ね備えた銘店である。

※近くには同グループの経営で、雑貨を扱う「自在屋」がある。
 なかなか楽しい品揃えなので、食後にのぞいていくことをお勧めしたい。

  • 栗強飯(おこわ)、天然の栗ならではの魅力を十二分に引き出す。さすが老舗の技
  • 山里定食(¥1080)。鰹節を削って出汁を取る、信州味噌汁も味わって
  • 山菜の煮物。出汁の旨味がしっかり、これは逸品だ

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10位

マルカンデパート大食堂 (花巻 / 食堂、ソフトクリーム、ラーメン)

1回

  • 昼の点数: 3.7

    • [ 料理・味 3.5
    • | サービス 3.2
    • | 雰囲気 4.2
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - ~¥999

2015/04訪問 2016/03/08

【2016/6/7閉店決定】花巻名物の巨大ソフトクリームに出会う感動! ナポリかつを完食する喜び! ここでしか味わえない!

[岩手県花巻市]
2015/4/1(水)
花巻市街地にある、デパート上層階の大食堂。
デパート食堂ならではのノスタルジーと、巨大ソフトクリームが人気の店。

宮沢賢治が暮らし、愛した町・花巻。
その片隅に、いまも食べロガーにとってのイーハトーブ(理想郷)が現存しているのだ。

場所は JR在来線の花巻駅(東口)から、南東へ徒歩15分。
車の場合は、デパートの駐車場があるほか、近くの市営駐車場(30分¥100)を利用可能。

ランドセルや子ども向け衣料が並ぶ 1階から、エレベーターで目指すは 6階。
扉が開くと、左右いっぱいに広がるサンプルケースと、飴色のステンドグラスに迎えられる。

まさに「大食堂」の名に恥じない、6階フロア全体を使った展望食堂。
700人を収容可能だという。

そして、その店内を「埋め尽くす」といっても過言ではないほどの客、客、お客さま。
元気なお年寄りたち、若い女性のお一人様、お子さま連れの家族連れなど、属性は多種多様。

水曜日のランチタイム、観光客はおそらく少ないだろう。
人口10万弱の都市とは思えないほどの賑わい、まさに花巻市民の胃袋を満たす、という表現がぴったりだ。

さて、この食堂の使い方であるが…
(1)エレベーター側にあるサンプルケースを見て、食べたい料理を選ぶ
(2)レジで食券を購入
(3)席を決めて座る
(4)通路を行き交うウェイトレスさんに食券を手渡す

どれだけ種類があるか、分からないほどのメニュー数…
洋食、寿司、ラーメン、そば、トンカツ、丼、定食、デザート、何でもあり!
この中から、何を食べようか迷うのが、大食堂の醍醐味だ。

忙しく動き回る女性店員さんは、今でいうメイドさんルック。
セルフサービスではないので、片付けは店員さんに任せて良い。
(昭和の時代、セルフの店なんて無かったなぁ)

窓側は満席だったので、そこから一つ内側の席につく。
レトロな形の割り箸入れ、熱いお茶が出てくる魔法瓶、すべてが微笑ましい。

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■ソフトクリーム(¥180)
全長20センチはあるだろうか?
ぐるぐる、ぐるぐる、ぐるぐる… いったい何巻きあるのか分からない。

マルカンデパート、いや花巻の伝説的存在。
土日の場合、提供に50分掛かることさえあるらしい(今回は水曜のため、5~6分で出てきた)
ソフトクリーム巻き職人の技量が試される商品ともいえよう。

この勇姿を前に、写真を撮らずに我慢できる人は少ないだろう。
先行レビュアさんが「ピサの斜塔」と表現されているが、まさにその通り。
底にある支持容器の加減で傾きが変わるので、まずは可能な限り水平を保つことが大事。

口に入れる前に、少し考えた。
溶けきる前に完食するのが、私に与えられたミッション。
気付けば、私の右手は割り箸を握っていた。

ソフトクリームの命である、表面の凹凸(くねくね)を、割り箸で平らにならしつつ食べ進む。
見た目が、ジェラートのようになってゆく。
こうすることで空気に触れる面積を減らし、溶けてゆくスピードを遅らせようと考えたのである。

味は濃厚でもあっさりでもない、ちょうど良いミルキー感。
甘すぎないので、続けて食べても飽きはこない。

半分以上食べ進むと、中心部分に空洞が現れ、ほっとする(笑)
先ほどの作戦が功を奏し、表面が平らになったソフトクリームはほとんど溶けることなく、
最後まで美味しくいただくことができた。

最後、ふにゃふにゃになったコーンも、ご愛嬌(笑)

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■ナポリかつ(¥660)
B級グルメの女王・ナポリタンと、パワーランチの代表格・とんかつのコラボレーション。
この食堂で、ソフトクリームに次ぐ名物商品と聞けば、チャレンジしない訳にはいかない。

大きめの皿にどっさり盛られたナポリタン、その上に寝そべるトンカツ、脇を固める生野菜(レタス&大根)。
ボリュームは200点満点。
パルメザンチーズとタバスコが添えられる。

実際の提供タイミングとしては、ソフトクリームと交戦中であったため、
二手に分かれた敵をどう対処するか…手に汗握る攻防が始まった!

スパゲティは、ナポリタンとしてはやや細目、
もちろん柔らかい麺だが、ふにゃふにゃとまではいかない。

懐かしのケチャップ味に、油がまろやかさをプラスする。
具はハム・豚肉・玉ねぎ・マッシュルーム。

バランスが取れていて、なかなか美味しいナポリタンだ。
食べても食べても減らないように見えるが… 気のせいか…
前半はそのまま、後半はチーズ&タバスコでパンチを効かせて戦うのが定石だろう。

トンカツにも箸を伸ばそう。
肉は厚すぎず、薄すぎず、これもまた良し。
これだけでちょっとしたトンカツ定食が出来そうな… 決してミニサイズではないのだ。

最初からソースが掛けられているが、これが普通のウスターソースではない。
赤ワインを効かせてあるのか、少し焦げ感があるというのか、
ほろ苦みのある、大人っぽい味のソースなのである。

生野菜の方には、白くて酸味のあるフレンチドレッシングが掛けられている。
戦闘終盤は、この野菜が本当にありがたく思えてくる(笑)
野菜と一緒に、カツを攻略してゆく!

最後の方は、ナポリタンに掛けるべきパルメザンチーズを、ソフトクリームに掛けそうになるほど錯乱しかけたが(笑)
なんとか、なんとか完食!
なんという充実感であろうか!
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私が食べている間も、お客さんは全く減らず、むしろ賑わいは増すばかり。
作られた昭和レトロの世界ではなく、今まさに「生きている」現役のデパート食堂。

デパートは 1959年創業、半世紀を過ぎて老朽化も進んでおり、この形であと何年営業できるか。
「伝説」になってしまう前に、花巻まで足を運ぶ価値は十分にある。


※2016/3/8 追記
新聞報道によれば、2016年6月7日をもって百貨店の閉店が決まったとのこと。
ビル老朽化により耐震基準を満たせず、補修・建替に多額の費用が掛かることから、営業継続を断念したという。
上記レビューでの私の懸念が、思いのほか早く、現実のものになってしまった。

せめて、このソフトクリームだけでも、市内のお店で引き取ることは出来ないか。
地方都市とは思えない賑わいを見せていた、花巻を代表する名店だけに、
このまま伝説として消え去るのは非常に惜しい。

多くの方が働いていただけに、地域雇用の問題も気になる。
復刻版として、花巻駅の近くに小規模なレストランを構え、マルカンの名を引き継いでも良いのではないか。

ともあれ、まずは現状の姿を目に焼き付けておきたい。
残された時間は、あと3ヶ月。
週末やゴールデンウィークなども利用し、食べロガーの皆さんには是非とも一度、
花巻まで足を伸ばし、この空間を味わってみて頂きたい。

  • ソフトクリーム(¥180)。これぞ花巻名物、甘すぎず適度なミルキー感、いける味です!
  • 長く伸びたテール部分も、ここでしか見られない造形美。すごい重量感だ
  • 箸を使って整形! これで空気に面する面積が減り、溶けにくくなる(はずだ)!

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