よい子さんが投稿した中房温泉(長野/安曇追分)の口コミ詳細

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中房温泉安曇追分/旅館・民宿

1

  • 夜の点数:4.2

    • ¥10,000~¥14,999 / 1人
      • 料理・味 3.5
      • |サービス 3.0
      • |雰囲気 4.2
      • |CP 4.0
      • |酒・ドリンク -
  • 昼の点数:-

      • 料理・味 -
      • |サービス -
      • |雰囲気 -
      • |CP -
      • |酒・ドリンク -
1回目

2012/08 訪問

  • 夜の点数:4.2

    • [ 料理・味3.5
    • | サービス3.0
    • | 雰囲気4.2
    • | CP4.0
    • | 酒・ドリンク-
    ¥10,000~¥14,999
    / 1人
  • 昼の点数:-

    • [ 料理・味-
    • | サービス-
    • | 雰囲気-
    • | CP-
    • | 酒・ドリンク-

背中から伝わる地球の体温。 ゆっくりとまわる宇宙… 時を忘れ、自分自身の存在を感じたい

[長野県安曇野市][来訪回数:2回]
2012/8/25(土)
北アルプス、穂高の山中にある温泉旅館。
360°の星空を堪能できる地熱風呂に魅了され、2回目の訪問。
いつもながら今回も、ふらり信州一人旅である。

大半の宿泊客はマイカー利用であろう。
長野道・豊科ICから 1時間程度。
公共交通の場合、JR穂高駅から路線バスを利用。
長い山道を、くねくねぐねぐね、1時間かけて上がってゆく。
秘境の宿といって良い場所だが、バスで手軽に行けるのは有り難い。

北アルプス、燕岳(つばくろだけ)・餓鬼岳への登山口に位置し、
温泉ファンだけでなく、登山者の基地としても賑わう。
路上駐車(合法)の多さは、とても山中と思えないほど。

少し下ると安曇野市営・有明温泉「有明荘」があるが、
中房温泉に属するのは、こちらの1軒だけである。
日本秘湯を守る会・会員の宿。

建物は新館と本館(旧館)があり、料金が異なる。
私が選んだ本館は、トイレ・洗面所とも共同。
小綺麗な旅館ではなく、昔ながらの湯治場、あるいは山小屋のイメージである。
チェックインに15分くらい待たされたが、それもまた大らかな山小屋ならでは。
隣部屋のおしゃべりや賑やかな酒盛りも、余すところなく聞こえる(笑)
布団敷きもセルフサービス。
(食堂を除き)虫も飛んで来るが、ここは都会とは違う。
私たち人間が、自然の中にお邪魔している…と考えたい。

敷地内の至るところから、90度を越える源泉が湧き出す。
人間では持て余すほどの、地球が持つ莫大なエネルギー。
その醍醐味を味わえるのが、「焼山」で楽しめる地獄蒸しだ。
宿から15分くらい登ったところ、スコップで砂を掘り、
アルミホイルに包んだじゃがいもや卵、ソーセージなどを埋めておく。
(これらの具材は持ち込んでも良いが、宿でも販売されている。じゃがいもは無料!)
15~30分ほど待って、土を掘り返せば、
ゆで卵に焼き芋、ボイルソーセージの出来上がりだ。
地熱はなんと、100度を超えているそうで、裸足では歩けない。
普通に立っているだけでも、汗だくになる。
大地が持つ、予想以上の「火力」に驚かされる。

宿の裏手には、湧水で冷やされたきゅうりが用意されており、自由にいただける。
信州味噌をつけて、パリッ!
すがすがしい山の空気を感じながら、瑞々しいきゅうりを味わう。
山で過ごす休日、これこそ最高の前菜だ。

以下、1泊2日で¥13,401 の宿泊プランである(追加料理を除く)。

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■夕食
18時近くになると、館内放送が入り、全員食堂に集合。
長机に椅子が並ぶ、全くもって飾り気のない空間。
まさに、山の食堂にふさわしい。

テーブルには、料理が予め配膳されている。
海藻入りの刺身こんにゃくは、酢味噌でいただく。

あっさり甘辛く仕上がった山菜が2点。
左手は山くらげ、レタス類の茎の芯にあたる部分を取り出したものだ。
コリコリした歯応えが、ビールのつまみにも嬉しい。

もう一方、太めなのは山うど。
シャッキリした食感に、素材特有のほろ苦さがたまらない。
素朴な味なのだが、ご飯が進む。私はかなり気に入った。

揚物は、ニジマスのつぶら揚げ。
くるんと丸まった姿は、調理法に由来するのだという。
パリパリに揚がったところへ、甘辛いタレが馴染んで旨い。

温かい一品は、豚肉と野菜の陶板焼き。
ご飯は炊飯器にたっぷり、自分で好きなだけよそって頂く。
味噌汁の具は、なめこと豆腐。癖のない優しい風味は、やはり信州味噌か。

さらにこの食堂では、いくつか追加料理が選べる。
 ・信州牛のローストビーフ
 ・信州地鶏のローストチキン
 ・天然かじか(川魚)の唐揚げ
 ・天然かじかの骨酒

私は調子に乗って、信州牛のローストビーフを注文(¥2200)。
もちろん、ガスや電気を使わず、中房温泉の地熱で蒸し上げたものだ。
牛肉の脂の旨味を贅沢に味わえるが、
正直、一人でいただくには、ちょっと量が多かった…

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■朝食
朝6時を過ぎると、山の宿は早くもざわめき始める。
登山者が動き出す時間なのである。
こうした人々のために、宿では通常の朝食に替えて、弁当を用意している。
弁当は夜のうちに受取。精算(チェックアウト)もそのときに済ませる。

私は夜中まで星を見ていたので、ざわめきを耳にしつつ、うとうと眠り続け…
7時半に食堂へ行ってみると、私ひとりが最後の客であった(笑)

和の定番といえる朝食。
鮭、味付海苔、甘辛く炊いたふき、わさび漬、梅干、大根の漬物。
鉄鍋には、温泉水で作る湯豆腐が用意されている。

朝食はどのおかずもあっさりめの味付けで、
塩味強めの味噌汁が、バランスとしては丁度いい。
ボリューム的にも過不足ない。

北アルプス牧場の特濃牛乳を追加注文することができる。
私は出発前、売店で同じものをいただいた(¥261)
ノンホモ牛乳であり、飲む前によく振って混ぜる必要がある。
澄み切った山の空気を深呼吸しながら、飲み干す牛乳。
最高のご馳走である。

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■風呂
1温泉を1旅館で独占しているだけあり、敷地は広大。
その中には、なんと源泉が10本。細かく言えば、10種類の泉質が楽しめるというわけだ。
多くは単純硫黄温泉。ミネラル濃度は低いが、硫黄の香りが比較的強く感じられる、温泉らしい泉質だ。

風呂の数は16。
内湯が7(うち混浴3)、露天風呂が5(すべて混浴)。
そのほか蒸し風呂、足湯、温泉プール、地熱風呂がある。
詳細は公式HPにて → http://www.nakabusa.com/spa/spa.html

この旅館に泊まるだけで、16もの湯巡りが楽しめるのである。一泊で制覇するのは困難だ。
混浴が多いけれど、内湯は全て女性専用時間が設けられているので、慣れない女性でも安心だ。

上述のように、この温泉、源泉がきわめて高温なのが特徴である。
90度以上の熱湯、当然そのままでは入浴できない。
加水すれば簡単に温度を下げられるが、温泉成分が薄まってしまう。

そこで中房では、湧いたお湯を3段式の冷温マスで冷やし(空冷)、さらに間接的に水冷することで、自然に温度を下げる工夫をしている。
浴槽は毎日湯を抜いて清掃しているから、塩素を入れなくても衛生的。
この宿が誇る「加水・加温・循環・着色・塩素殺菌なし」は、手間ひま掛けて実現されているのだ。

ロケーション的には、敷地のはずれにある露天風呂「白瀧の湯」がおすすめ。それも朝が良い。
木洩れ日の中、川のせせらぎを耳にしての入浴。
覆いもなく、実に爽快な気分になる。

そして何といっても、私の一押しは「地熱風呂」。
地熱の強い場所にすのこが敷かれ、掛け毛布が用意されている。
BGMは中房川のせせらぎ。
大地から立ち上る硫黄の蒸気、マグマの温度を背中に感じながら、
満天の星空を独り占めする。

風に吹かれて雲が流れ、
ゆっくり、ゆっくり、宇宙がまわる。

いや、宇宙が回っているのではない。
私が、くるくると回っているのだ。
この温かい、地球という乗り物に寝転がって。

天には星、地には生命。
自分が、宇宙とつながるひとつの存在であることを、これほど強く感じられる場所はない。
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天気に左右されるのが辛いところだが、
もしかしたら人生観が変わるかも…というほどの体験。
私の一押し、機会があれば是非訪れてみて頂きたい。

  • 海抜1462m。天空の温泉宿へようこそ!

  • 北アルプス、穂高の山中にある旅館「中房温泉」

  • 日本秘湯を守る会・会員の宿。日本初の衛星電話もある

  • 昔ながらの湯治場。余分なものは何もない

  • お茶とお菓子で一服

  • 窓の外には、赤とんぼ…

  • 奥に見えるのが、登録文化財・旧湯会所。右手は不老泉

  • 本館・菊。レトロな建物をバックに、素朴な草花が風に揺れる

  • 食堂では、夕食の準備が始まっていた

  • 湧水で冷やされたきゅうりが用意されており、自由にいただける

  • 山をバックに、大振りなきゅうりを丸かじり!豪快な味!

  • フロントで売っている卵で、温泉卵や茹で卵を作って食べることもできる

  • 泉温が非常に高いため、加水せず冷却するのに一工夫。空冷式の温泉冷却塔

  • 焼山へ登る途中、この源泉からは湯気が激しく立ち上っていた。泉温91度という高熱泉である

  • 泉温91度ということで、この砂の中に食材を入れると10~20分で蒸し上がる。汗だらけになりスコップで穴を掘る

  • 〔食材持込〕 焼山の砂中で蒸し上げたバナナ。芋のような食感、甘さが抜け酸味だけが残る

  • 〔食材持込〕 温泉土で蒸したゆで卵。しっかり中まで固ゆでになっている

  • 白滝の湯へ向かう階段

  • 水しぶきをあげ、中房川に流れ落ちる滝

  • 白滝の湯へ向かう道。本当に森の中…思わず深呼吸したくなる

  • 露天風呂(白滝の湯)から見えるのと同じ景色。すがすがしい、心が洗われる

  • 木々が織り成す、光と影

  • 天空の宿に、夜が近づく…

  • 18時近くになると、館内放送が入り、全員食堂に集合

  • テーブルには、料理が予め配膳されている。ご飯は炊飯器にたっぷり、自分で好きなだけよそって頂く

  • 山の上で飲むラガーは旨い!

  • 揚物は、ニジマスのつぶら揚げ。山菜は山くらげ(奥)と、山うど(手前)。野趣あふれる風味と食感は絶品!

  • 温かい一品は、豚肉と野菜の陶板焼き

  • 追加料理:信州牛のローストビーフ(¥2200)ガスや電気を使わず、中房温泉の地熱で蒸し上げたもの

  • 味噌汁の具は、なめこと豆腐。癖のない優しい風味は、やはり信州味噌か

  • 地熱風呂に寝転がって見た星空。たとえゆっくりでも、1秒1秒確実に回る宇宙…

  • 美しい夏の山々、すがすがしい空気に包まれる朝

  • 朝6時を過ぎると、山の宿は早くもざわめき始める。どのおかずもあっさり味で、ボリュームも過不足ない

  • 温泉水で茹で上げた湯豆腐

  • 敷地内できのこの栽培もしている。晩秋には、山の幸が食卓に並ぶのだろう

  • 自然に溶け込む中房温泉

  • 地熱風呂。背中からは地球の体温、眺めるはただ宇宙

  • ワイルドな温泉プール。前回入ったのだが、本当に温かい!

  • 北アルプス牧場の特濃牛乳。太陽を浴びながら、外でゴクリと!

  • さて、そろそろ人々の住む街に帰りますか…

  • JR穂高駅から路線バスを利用。くねくねぐねぐね、1時間かけて上がってゆく

  • 帰り道にはお猿さんも!

  • チェックイン時にもらえる案内図。広大な敷地内には、なんと源泉が10本

  • 露天風呂番付!これは参考になりそう。温泉ソムリエたるもの、せめて上位はすべて制覇したい

2020/08/22 更新

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