2回
2020/02 訪問
小牧で40年、ステーキ店として愛され続ける実力店。牛肉の質・火入れとも上等で、野菜の使い方にも工夫を感じる。
モエ・シャンドンで乾杯♪
本日のオードブル。ステーキ店としては珍しく、和洋中の料理が盛り込まれている
左下にふきのとう・百合根の天ぷら、スモークサーモン、中央に青柳貝の酢味噌、奥にサワラ西京焼
肉料理の店だけに、豚の角煮も手抜きなし! 赤身がトロっとほぐれる美味しさ
本日ステーキとなる素材のお披露目。室内が暗く、手ブレしちゃいました…
国産和牛ミスジのグリル。菜の花・山芋・いんげん・舞茸などのソテーと一緒に
ミスジは薄切りだが、脂が乗って堂々の存在感。メインの前に、食欲を増進する役目を果たす
カブのポタージュ。冬が旬の食材を使うところが粋です
あっさりとした中に、オリーブオイルとベーコンのコク
スズキのポワレ、ブイヤベース仕立て。キノコもいい味出してます
あっさりとした白身魚に、香味野菜やオマール貝の旨味をプラス
パン三種盛り合わせ。オリーブオイルとローズソルトで
朴葉焼サーロインステーキ・フォアグラ乗せ。肉質は非常に柔らかく、旨味も十分。ミディアムレア、火入れの加減も過不足なし!
朴葉味噌の旨味と、肉の旨味が渾然一体。普通のステーキとは違う、美味しさがあります
食後のデザートはクレームブリュレ。マンゴーソルベとフルーツで彩られる
カラメル部分がもう少しパリッと薄ければ、より良い仕上がりになると思う
同行者さん、改めてお誕生日おめでとう~☆
和風庭園は趣豊かに整えられており、外を眺められる客席も良さそう
合掌レストラン大蔵。1971年創業、遠く富山県五箇山の合掌造を移築したという
夜になれば木々がライトアップされ、趣を深める
2020/06/13 更新
2013/03 訪問
築300年・合掌造りの建物でいただく、朴葉焼ステーキランチ。野菜たっぷりのコース設計が嬉しい!
[愛知県小牧市]
2013/3/2(土)
国道41号沿い・小牧インターの近くにあるレストラン。
合掌造りの建物で、朴葉焼ステーキをはじめとする洋食コースを味わえる。
フードアナリストの会報誌を読み、実家近くということで興味を持った。
家族に話したところ、30年以上前に行ったことがあるという。
そんな古くからあったとは!
富山県五箇山の集落から合掌造りの民家を移築し、1971年にオープン。
築300年の建築は、紛れもない「本物」である。
以来40年余、周囲はアミューズメント施設に取り巻かれ、
国道上には名古屋高速が伸びるなど、周囲の環境は大きく移り変わってきたが、
合掌造りが持つ堂々とした佇まいは、時代にゆらぐことなく健在だ。
今回は、土曜のランチタイムに伺った(予約なし)。
午後の日差しに、開放的な日本庭園が映える。
池には鯉が泳ぎ、庭には椿が咲く。その脇では、ふきのとうが顔を出している。
合掌造りの中へ。
左手のオープン席に案内してもらった。
(ほかに半個室のテーブル席、祝い事や接待に使える座敷席あり)
オープン席には、4人掛けのテーブルが10卓ほど。
客層は女性二人組やファミリー、お年を召したご夫婦など幅広く、概して落ち着いた雰囲気だ。
あえて人工照明を控えることで、外光の輝きが感じられる空間となっている。
見上げれば、しっかりと編み込まれた茅葺き屋根。
モダンな中に、手仕事の美しさ、300年の重みが感じられる。
ランチタイムもディナーと同様、プリフィックスのコース料理となっている。
メニュー本の先頭にある「簾 Ren」は、鹿児島産黒毛和牛の朴葉焼ステーキをメインとするコース。
スープまたは味噌汁、ライスまたはパン、アイスクリームまたはデザート、食後のドリンクが選択可能。
私はこの「簾」をオーダー(¥2940)。
父は、黒毛和牛のサーロインステーキをメインに据えた「悠」¥3990。
母は、同じく黒毛和牛の薄切りステーキをメインとする「來」¥2079を注文した。
このほか、ハンバーグや海老フライのランチ、鮮魚をメインに据えたランチ、お子様セット、
飛騨牛や松坂牛のプレミアムステーキランチが用意されている。
ウェイトレスから歓迎の挨拶を受け、会食スタート。
最初に用意された大皿は「見せ皿」で、一品目が出るまでテーブルの華となる存在だ。
蝶が羽根を広げたような、大胆な模様。
テーブルセットには箸が含まれる。お年寄りと一緒でも安心だし、我々としてもやっぱり食べやすくて嬉しい。
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◎季節の前菜(3月)
ガラスの角皿でサーブ。「気合の一皿」と添え書きが。
あとにステーキが来ることを意識してか、魚貝類を中心とした、和洋折衷の面白い構成。
・岐阜農園のグリーンサラダ
・青柳(貝)
・スモークサーモン、ピンクペッパーを散らして
・サゴシの西京焼、筍
・ほたるいかのアヒージョ
サゴシとは、出世魚・サワラの幼名。炙られた薄皮のサクッとした食感、香ばしさが秀逸。
たった一切れだからこそ、あとひく旨さがある。
ほたるいかは、まさに春先取り、「はしり」の食材。
エリンギやキャベツとともに、ガーリック風味のオリーブオイル漬け(アヒージョ)に。
深みのある味に、思わずワインが欲しくなる。
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◎毎朝手仕込み ざる豆富
軽く塩が振られており、そのまま口へと運ぶ。
豆乳そのもの、プレーンで奥行きのある香り!
まったりとろけるような口当たりに、両親とも驚きの声を上げていた。
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◎季節野菜の味噌ディップ
目にも鮮やかな自然の彩り!
きゅうり、セロリ、人参、ラディッシュ、ブロッコリー、里芋。六種六色の味わいだ。
特に、「白の野菜」として里芋が入っているのが面白い。
ディップは名古屋らしい赤味噌。酸味があって濃厚、どんな野菜にもぴったり合う。
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◎コーンスープ
基本に忠実なポタージュ。カリカリのクルトン♪
ここまでやや変化球の構成だっただけに、王道のステーキへと流れを作る、
コースにおいて重要な存在だ。
ところで、スープは味噌汁と変更することが可能。
あいにく当日は品切れで試せなかったが、この店の味噌汁がどんなものか、非常に興味がある。
春なので、旬のあさり汁だったろうか。きっと、季節感ある素材で提供してくれるはずだ。
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◎パンまたはライス
パンはバゲットと、バジルのフォカッチャ。
バジルの香りが予想以上、口いっぱいに広がる。
オリーブオイルとローズソルトで食す。
ライスは、新潟産こしひかりを使用。
あとに来るステーキと一緒に頬張れば、思わず笑顔が広がる美味しさだ。
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いよいよメイン…
サーロインステーキ(or プレミアムステーキ)を選択した場合、焼く前に肉そのもののお披露目がある。
ほどよくサシが入った、立派なサーロイン。
合掌造りの天井から差し込む自然光に照らされ、天然のピンク色がより美味しそうに見える。
◎黒毛和牛の朴葉焼ステーキ
カートに乗せられて、3名分のステーキが登場!
目の前でステーキソースが掛けられると、じゅわっと弾ける音とともに、盛大に湯気が上がる。
否が応にも、食欲をそそる瞬間だ。
ステーキが朴葉の上に乗せられているのが、外観上最大の特徴。
これはもちろん、飛騨地方の郷土料理「朴葉味噌」をモティーフとした盛り付けだ。
朴葉味噌は、葉の上で味噌を焼くことで、味噌の焦げ付きを防ぐとともに
「葉の香ばしさを味噌へ移す」効果を狙った生活の知恵だ。
ステーキを乗せた場合、鉄板の熱からワンクッション置かれるため、肉が硬くなりにくいだろうし、
余分な脂を吸う効果があるのでは…と推測する。
ナイフを入れると、中心部がピンクに残り、これまた良い感じのレア具合。
ステーキソースは、生姜醤油の風味。
肉汁滴るステーキを口に入れ、ライスとともに味わう。…至福である。
食べ始めるまで分からなかったが、ステーキの下にはぎっしり野菜が敷き詰められている。
玉ねぎ・かぼちゃ・いんげん・人参・ししとう・菜の花・クレソン。
単なる「添え物」以上のボリュームがある。
私はこの構成、非常に気に入った。
肉ばかり食べ続けると、いくら美味しくても、やはり最後の方ではくどさが出てくる。
野菜と一緒に食べることで、ラスト一口まで飽きることなく味わえるのだ。
しかも野菜の種類が豊富だから、一口ごとに趣が変わる。
特に女性には、支持されること間違いなしのステーキだ。
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◎ラ・フランスのソルベとカタラーナ、コーヒー
ソルベは、洋梨の繊細さを生かした、あっさりとした味わい。
カタラーナは、クレームブリュレの親戚といった感じのデザート。
表面のカラメル層は厚めで、バリバリとした食感が楽しい。中はとろーり濃厚なカスタード。
カタラーナは、フランス・カタルーニャ地方のお菓子で、
牛乳を使わずクリームだけで作る点が、一般的なクリームブリュレと異なるのだそう。
食後のコーヒーをじっくり味わいつつ、ランチコースの余韻に浸る。
たまには、こんな家族団らんもいい。
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ウェイター・ウェイトレスは若い方が多く、熟練したサービスとはいかないが、
精一杯おもてなししようという気持ちが伝わってきて、好ましい印象だ。
さすが、郊外で40年生き抜いてきただけはある。
契約農家の野菜をふんだんに使い、リーズナブルな価格で飽きさせないコース構成、
空間の価値も加味すると、非常に満足度の高いランチであった。
小牧周辺では間違いなく、お勧めに値する実力店だ。
合掌レストラン「大蔵」富山県五箇山の合掌造りを移設。1971年から続く名店だ
ランチは¥1680から、ディナーは¥2480から。肩肘張らずに楽しめる金額だ
灯篭と池のある日本庭園。アミューズメント施設に囲まれ、ここだけ静かな雰囲気を保っています
エントランス。左手は鯉が泳ぐ池です
あえて照明を落とすことで、外光の輝きがひときわ感じられる空間に
近代化改修がなされてはいるが、築300年の重みは本物だ
噂の「見せ皿」。蝶が羽根を広げたような姿。前菜が届く前に下げられる
前菜のサラダ、青柳、スモークサーモン、さごし西京焼、ほたるいかのアヒージョ
前菜の一品。季節先取りのほたるいかをアヒージョに。間違いなく、ワインが進みそうな味!
二品目はざる豆腐。クリーミーな口当たりとはこのこと! 大豆本来の香りを感じます
新鮮野菜の味噌ディップ。赤味噌は濃厚で、野菜を美味しくいただける
目にも鮮やかな自然の彩り。六種六色の味わいだ
基本に忠実なコーンポタージュ
バゲットとバジルのフォカッチャ。オリーブオイルとローズソルトでいただきます
これからステーキになる、黒毛和牛サーロインのお披露目です。エリンギや菜の花も一緒に焼いちゃいます
朴葉焼ステーキ、三丁あがり! 生姜風味のステーキソースをじゅじゅっと掛けて
黒毛和牛の朴葉焼ステーキ。この日は鹿児島産を使用
ミディアムの焼き加減。ジューシーな黒毛和牛、たっぷり敷かれた野菜と一緒にいただきます
こちらは黒毛和牛薄焼きステーキ。薄くてもレア感ある仕上がり、ボリュームも十分です
デザートは洋梨のソルベとカタラーナ、クレームブリュレの親戚。デザートフォークにも注目!
最後は温かいコーヒーでシメ! ¥3255の価値は十分、大満足のランチでした
日本庭園には椿の花。春を告げる、ふきのとうの栽培も
昭和46年開業という歴史。五箇山の合掌造りは世界遺産となり、当時以上の知名度を誇る存在に
スタンダードな黒毛和牛ステーキランチ「簾」レン¥2940。薄切りステーキなら「來」¥2079
ハンバーグや海老フライのランチ¥1869、サーロインステーキは¥3990
こちらはステーキ単品。鹿児島黒毛和牛、飛騨牛のサーロインとフィレが並ぶ
最後に控える大御所は、なんといっても松坂牛!
(おまけ)合掌造りの故郷・富山県五箇山と、愛知県小牧市の位置関係
2013/03/07 更新
[愛知県小牧市][来訪回数:2回]
2020/2/23(日)
国道41号沿い、小牧コロナの近く(村中新町)にあるステーキ店。
店舗の詳細情報は、1回目の「行った」をご参照あれ。
築300年・五箇山から運ばれてきた合掌造りの建物でいただく、朴葉焼ステーキがウリのお店。
実に7年ぶりの訪問となる。
今回は同行者と、私の両親を交えたお食事会に利用。
ディナーコースは¥4400から、¥5500・¥6820・¥7920・¥10120などの設定あり。
ステーキは基本がサーロインで、追加料金でフィレも選べる。
和のアプローチを進み、庭園の設えを眺めながら入店。
客席は160席、ゆったりした配置で、かなりの大箱といえる。
全席禁煙。
今回は個室を希望し、半地下のような部屋に案内いただいた。
静かで落ち着ける空間ではあるが、人によっては、やや閉塞感を感じるかもしれない。
前回も思ったが、カトラリーに箸が含まれるので、
ナイフ&フォークを使い慣れていない方でも、気を張らずに食事できる点が良いと思う。
デートにも、家族揃っての会食にも、安心して使えるレストランである。
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■12000円スペシャルコース(¥13,420)※税・チャージ込
◎本日のオードブル
和洋中の料理が、ワンプレートに盛り込まれている。
・サワラ西京焼
・ふきのとうと百合根の天ぷら
・青柳貝の酢味噌
・自家製スモークサーモン
・豚の角煮 バジルソース
洋食店としては驚きのある組合せ!
春を感じるふきのとうやサワラが出てくるのも面白いし、
自家製の豚角煮は、お酒の進むコク豊かな味わい。
前菜を食べ終わったタイミングで、ステーキにする肉のお披露目がある。
分厚くカットされた和牛サーロイン。焼き上がるのが楽しみである。
◎国産和牛ミスジのグリル
スープの前に、軽めの肉料理がお出まし。
サーロインの隣で、希少価値とされるミスジ部位。
薄切りでも十分な旨味が感じられ、食欲をそそるアペタイザーの役割を果たす。
菜の花・山芋・舞茸・さやいんげんのソテーとともに、さっぱりといただく趣向。
◎カブのポタージュ
旬を迎えたカブを主役に据えた、季節感たっぷりのスープ。
少量の刻みベーコンと、オリーブオイルでコクをプラス。
あっさりとした味わいの中に、さらっと旨味を感じさせる一品。
◎スズキのポワレ
ムール貝とキノコを煮込んだ、ブイヤベース仕立て。
淡泊な味わいのスズキを、貝とキノコの旨味で満足度たっぷりに仕上げる。
ブロッコリー・いんげんなど、脇役の野菜たちも上手くはまっている。
このお店、先ほどから見ていて、野菜使いが上手だと思う。
◎自家製パン
バゲット・ライ麦パン・フォカッチャの3種。オリーブオイルとローズソルト(岩塩)で。
フォカッチャにはローズマリーを練り込み、香り良く焼き上げている。
◎朴葉焼 和牛サーロインステーキ フォアグラ乗せ
ミディアムレアでお願いした。肉の断面は綺麗なチェリー色で、肉質は非常に柔らかい。
火入れ・肉質ともハイレベルだと思う。
飴色の玉ねぎをたっぷり閉じ込めた朴葉味噌ソースは、少量でも存在感があり、
肉汁と渾然一体、その美味しさを引き立てる。
付合せはチンゲン菜・玉ねぎに加え、ごぼうというのが個性的。
その食感と土の香りが、ステーキに寄り添う。
なるほど、期待以上の美味。
流石、この地で40年、ステーキ店として継続している底力を見せてくれる。
◎クレームブリュレ、コーヒー
プリンの表面を焦がしたクレームブリュレに、マンゴーアイスとフルーツをトッピング。
手を掛けた一品だと思うが、カラメル部分がちょっと厚めで重たく感じられた。
もう少し薄く、パリッと軽やかに砕ける食感だと、より良かったかな。
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同行者と両親の顔合わせも、これで3度目となって私は安心。
このまま穏やかに、今と変わらず仲良く暮らせますように♪