よい子さんが投稿した花仙庵 仙仁温泉 岩の湯(長野/須坂)の口コミ詳細

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花仙庵 仙仁温泉 岩の湯須坂/料理旅館、カフェ

1

  • 夜の点数:4.2

    • ¥30,000~¥39,999 / 1人
      • 料理・味 4.0
      • |サービス 3.2
      • |雰囲気 4.0
      • |CP 3.5
      • |酒・ドリンク 3.7
1回目

2019/04 訪問

  • 夜の点数:4.2

    • [ 料理・味4.0
    • | サービス3.2
    • | 雰囲気4.0
    • | CP3.5
    • | 酒・ドリンク3.7
    ¥30,000~¥39,999
    / 1人

山里の魅力を引き出す和洋折衷の料理、魅力的すぎる施設。温泉旅館がたどり着いた、一つの極致。

[長野県須坂市]
2019/4/12(金)
須坂中心街の南、菅平山麓にある温泉宿。
日本秘湯を守る会・会員宿。

■立地
長野市の南東、上田市の北東にあたる。
国道406号沿い。いずれのルートでも主要道を走るので、アクセスは良好。
4月でも沿道には雪が残るが、国道は完全に除雪してあるので心配ない。

・長野/名古屋方面から
 長野道・須坂長野東ICを下りて、菅平・小布施方面へ。
 3つ目の信号「幸高町」を右折、県道58号 "幸福ライン" に入る。
 道なりに 6km東進し「仁礼町」を右折。国道406号を 3km南下、仙仁川を渡ったら左折して到着。
 須坂長野東ICから10km、車で20分弱。

・東京方面から
 上信越道・上田菅平ICから国道144号を12km北上。
「菅平口」で左に分岐し国道406号へ。18km北上して到着。
 上田菅平ICから30km、車で45分程度。

・公共交通の場合
 長野電鉄・須坂駅から長電バス「仙仁行き」に乗車。そこから45分、仙仁バス停下車。
 およそ 1時間に一本は出ているので、山の温泉にしては便利な立地といえる。

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■設備
平成元年(1989)創業、仙仁川沿いの段丘、山肌に沿って建つ。
広い敷地を有するが、全18室と客室数を少なく絞っている。
最大客数の3倍以上のスタッフを擁し、ホスピタリティが隅々まで行き届いているという。
確かに、いつの間にか「名前」で呼ばれているあたり、接客力の一端を感じる。

非常に人気のある宿で、特に土曜泊は、1年先でないと空かないほどだという。
毎月1日に、11ヶ月先の分まで予約開始となる。
今回は金曜泊とすることで、空きを発見。

チェックインは14時。
駐車場に車を滑り込ませると、スタッフが待ち構えており、さっそくご案内。
小さな庵の門をくぐり、仙仁川を渡るアプローチに、期待感が高まる。
川床は温泉の鉄分で赤く染まり、その脇にはカタクリの花、ふきのとうがあちこちに顔を出している。

温かな雰囲気のロビー、天然木をそのままくり抜いたようなテーブルが存在感十分。
丁寧に点てられたお抹茶と、よもぎ香る和菓子のウェルカムサービス。
駐車場から客室まで、スタッフが途切れなくアテンドしてくれる。

高低差のある地形に建てられており、良い意味で迷宮のような複雑な構造。
建物の真ん中に大樹が生えていたり、入り組んだ先に秘密の小部屋があったり、
自然なのにイレギュラー、館内を歩くだけで退屈しない斬新な設計。
一方で階段が多く、バリアフリーでないことは留意しておきたい。

館内の至るところにラウンジがあり、宿泊客はどこでも好きなように時間を過ごすことができる。
蔵書の数、4000冊を誇るという。
生姜風味の金平糖、ぶどう飴、コーヒーや紅茶など、いずれも飲み放題。

屋上には自然の風が心地よいテラスと、ハンモックや安楽椅子を備えたサンルームがある。
ほかにもハンモックは各所に設置され、どこでも気ままに昼寝することが可能。

一方、最近の宿によくあるエステやスパは存在しない。
あくまでも自然に癒やされる宿、というコンセプトだろう。
ついでに無粋な「売店」もない。

4月の信州、山間はまだ肌寒いわけだが、
浴衣と足袋で心置きなく歩き回れるよう、温泉を利用した床暖房に加え、
随所にオイルヒーターが備えられている。

あと一つ感じるのが、館内各所(極めて近い間隔)にお手洗いが設置されていること。
パブリックスペースのトイレ設置数で競ったら、間違いなくこの宿が世界一になれると思う。
もちろん、どこを利用しても非常に清潔で気分が良いわけだが、
このような状況を維持する上では、裏方さんの大いなる尽力があるわけで…

以下(3名1室)1名¥30,340のプランをご紹介。

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■客室
エアコン・オイルヒーター・空気清浄機・冷蔵庫×2・ミニキッチン・電子レンジ・ポット・冷水ピッチャー・
テレビ・スピーカーシステム(CD+Bluetooth)・金庫・ウォシュレットを装備。
客室内禁煙(館内に喫煙所あり)。

和室と洋室、二間が隣り合っており、両方の良さを楽しむことができる。
まずは和室から。
8畳間、その床の間には「然」と一文字、凛とした書が掛けられている。
自然の然とも読めるし、あるがままという意味にも捉えられる。

鉢には色とりどりの野草を生けられ、客室に山の息吹を運ぶ。
ホタルブクロ、スターチェリー、山里の柿葉など。
館内には至るところに生花が飾られ、その労力たるや相当なものと思う。
客室数が少ない宿だからこそ可能な、和のおもてなしである。

テレビは一応用意されているが、小さな障子で目隠しされており、
「できれば非日常を味わって」という宿のメッセージが聞こえてくるようだ。
代わりに絵本などの用意あり。

洋室の方へ歩を進めれば、ソファーと椅子がゆったりと配されている。
3人用の部屋なのに、椅子の数はそれ以上。
どれでも好きなところに腰掛けてください、という贅沢な心配りだ。
BOSEのコンポ、ヒーリング系のCDも用意されており、好みのBGMを流してリラックスできる。

テラスは広く取られており、外へ出て日光浴を楽しむことができる。
面白いのは、テラスの床から杉の大木が生え、空へと真っ直ぐ抜けていること。
もとからあった木々を可能な限り残した、共生思想を感じる建築である。
(と言うのは簡単だが、設計・建築には高い技術を要したと思う)

浴衣と作務衣、2種類の羽織りもの、さらにフリースガウンが用意される。
化粧水として「へちま水」もどうぞ。お手洗いは品の良いお香の香り。

冷蔵庫は 2台あり、片方は空、もう一方には有料ドリンクが入る。
「セロリの酒粕漬」は無料でいただける。シャキシャキと香り良くて美味しい。

歓迎菓子はきなこ飴と、「仙人焼」マタタビ粉末と蕎麦粉の薄焼き煎餅。ひとひねり効いている。
ピッチャーには柿の葉茶と、天然の冷水。
いずれも夕食後に取り替えられ、満タンになっている。

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■温泉
大型の洞窟風呂(混浴)、内湯・露天風呂(男女各1)、貸切風呂(4)を有する。
深夜からチェックアウトまで入浴可能。
タオルは浴室に用意されており、客室から持ち運ぶ必要はない。

特筆すべきは、貸切風呂を 4つも備え、空いていればいつでも自由に入れること。
客室数が18と少ないので、ピークタイムを除けば、満室になってしまうことも少ない。
いずれの貸切風呂も、内湯と露天を両方備えており、果てにジャグジーや寝湯まで付いているのだから、
これだけで満足できてしまう。

源泉かけ流しで、これだけの浴槽を維持するには、相当な湯量が必要である。
ここは仙仁温泉の一軒宿。
豊富な湯量を確保できることが、温泉旅館として一番の強みといえるだろう。

泉質は単純温泉。有効成分の量は少ないが、その分 湯あたり(かえって体調を崩すこと)がなく、
万人にやさしい湯といえる。
お湯はぬるめで、長く入っていられるのが私好み。

もう一つ特徴的なのは、岩肌をくり抜くように造られた洞窟風呂だ。
なんと「奥行30m」、ランプのほのかな灯りだけが照らす空間。
入口の足下は砂利なので、足裏への刺激があり、ツボ押し効果も期待できそう。
奥の源泉へ近づけば近づくほど、硫黄の匂いと温泉蒸気が濃密になり、サウナのような趣となる。

アスレチックめいた高低差もあり、入浴というより探検に近い感覚。
子どもなら夢中になってしまうかもしれないが、ケガには気を付けて。
お湯はかなりぬるめなので、落ち着いて長時間の入浴も可能。
ちなみに混浴なので、男性・女性とも湯浴み着の着用が必須である。

洞窟風呂や内湯へ向かう途中には、氷水で冷やされたプチトマト(アメーラトマト)が用意してあり
行きに 1つ2つ、また帰りに 2つ3つ、口に入れてしまうことは間違いない。

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■夕食
食事処「櫓」にて提供。
川沿いの森を見渡せる、落ち着いた個室のテーブル席へご案内。

◎林檎ビネガー
 食前酒代わりの一杯。
 信州らしさが感じられるし、お酒が飲めない人でも楽しめるのは良い工夫。
 まろやかな酢っぱさで、食欲増進の効果も期待できそう。

◎冷酒「渓流」(¥648)
 須坂市・遠藤酒造。地元で昔から愛される、さっぱり淡麗系の一杯。
 真ん中に窪みのある冷水カラフェ、その窪みには氷とともに、山スミレが一輪添えてある。
 なんと粋な演出だろうか、一同思わず唸ってしまう…
 旅人として心惹かれる地元の銘酒を揃え、かつお値段が安い(!)のも魅力的なポイント。

◎前菜3種盛
 筍の皮、椿の葉、カタクリの花をあしらって登場。
 さっそく視覚からも「山の幸」が感じられる。

 一品目は、カタクリのおひたし。
 高山植物として人気のカタクリだが、この宿の敷地内には不思議なほど群生している。
 それを惜しげもなく、おひたしで。花まで食べられるのだから驚きである(^-^)
 黄色くぷちぷちしたのは、イワナの卵だという。

 同じ籠に添えられるのは、ふきのとうと人参の松風、
 ふきのゼリー寄せ。出汁の香りと繊維質の食感が際立つ、面白い趣向である。

 二品目は、木の芽(葉山椒)で和えた筍。
 パウダー状に粉砕した山椒の香りが、まさに鮮烈!

 三品目はウドに甘味噌、その奥に少量の玉子炒め。
 炒め物には、玉ねぎ・わけぎ・椎茸・ツナが入っている。
 これは一皿ドカンと出たら、ごはんが進みまくるおかず。少量なのであとを引く美味しさ!

◎煎り玄米スープ
 黄金色の鰹出汁をコンソメに、煎り玄米をクルトンに見立てた一杯。
 品の良い和風出汁の旨味が、身体に染み渡る。

◎山里清流のお造り
 シナノユキマス、鯉のあらい、鯉の酢締め。
 昆布醤油、フルーティーな酢味噌、生姜と玉ねぎのドレッシングで食べ比べ。
 甘草の葉っぱが台紙の代わりとなり、野趣溢れる。

 3種の刺身と 3種の調味料で、9通りの味が楽しめる。
 シナノユキマスは、はっきり分かる旨味の強さ。
 鯉のあらい(刺身)は驚くほどの透明感で、繊細な川魚の味。
 酢締めは酢加減が上品、氷でキンと冷やしてあるから、ザクザクと食感が快い。
 川魚だけでここまで満足させる、素材と仕掛け。家族も大絶賛です。

◎ふきのとうの天ぷら
 これは定番! 信州の春を語る上で、外せない季節の味。
 塩でストレートに、ほろ苦さを楽しむ。サクッと揚げ具合も文句なし♪

◎山女の塩焼き
 白煙を上げながら大鉢が登場! 囲炉裏をそのままテーブルに運んだような、楽しい演出。
 串に刺さっているのは、天然物のヤマメ。
 炭火で焼かれているから、外はパリッと、中までほっくり。
 天然の塩気も丁度良い塩梅。
 ヤマメのほか、ラディッシュ・ねぎ・玄米団子の串焼きも楽しめる。

◎信州須坂産 アスパラガスのソテー
 朝どれのアスパラガス。びっくりするほど太くて、甘いこと、この上なし!
 マイルドなクリームソースも、素材の味を邪魔せず技ありの味付け。
 もしかしたら一番印象に残ったのは、この一皿だったかも。

◎新玉ねぎと新生姜のすり流し
 季節の食材を、ポタージュ風のすり流しで提供する… 和洋折衷の発想力。
 新玉ねぎの甘さを活かし、薄味で上品に仕上げてある。
 ピンクペッパーの香りも効かせつつ。

◎和牛フィレ肉 杉の香焼き
 杉の葉とともに、土鍋でうやうやしく登場(^-^)
 上質な赤身をレアに焼き上げており、断面は食欲をそそるローズピンク。
 あえて「脂身の少ない赤身」を選ぶあたり、客層を分かっているなーと思う。

 素晴らしい肉質で柔らかく、食べ飽きず、するするっと口の中に収まる。
 ふきのとう味噌で食べても、岩塩で食べても、レモン・本わさびで食べても美味!
 熱した石の上に並べてあるので、最後まで温かいまま堪能できる。

◎箸休め(いちごゼリー)
 カップで供される可愛い一品。
 手作りなのでプチプチ、種の食感まで感じられる。思った以上に濃厚な風味♪

◎甘鯛の道明寺蒸し
 蓋をあけると、ふわりと桜の香り~ 紫色の器も目に美しい。
 道明寺の下に、甘鯛が隠れている。
 あくまで薄味、上品な味付けに、安曇野わさびの香りが鮮烈。

◎食事
 鶏つくねと筍のにゅうめん、野沢菜・大根醤油漬・ふきのとう味噌。
 味噌汁でなく、三つ葉の香るにゅうめんを持ってくるあたり、相当に考えられた構成だと思う。
 大根醤油漬も、しみじみ美味。

◎デザート
 バニラアイス・抹茶ムースとフルーツで、さっぱり系。
 レモングラスとペパーミントのハーブティーでシメ。


全品にわたり、天然素材の味わいを生かした和食らしい調理で、
味はもちろん、目で見ても楽しめる工夫が凝らされていた。
内容・ボリュームとも文句なし、大満足!

温泉の滝を横目に外へ出れば、美しくライトアップされた庭園が "もう一足" を誘う。
竹林の方へ出てみれば、サラサラと仙仁川のせせらぎが聞こえてくる。
綺麗に整備された散策路と、自然の草木が、人にとって丁度心地よい調和を見せる。
高い空に冷え冷えと三日月。

館内に戻れば、温かいライトに照らされたラウンジが誘惑してくる。
4,000冊の蔵書、ほろ酔い頭でタイトルを眺め、
ぺらぺらと頁をめくるのも、いとをかし。

貸切露天に一人佇み、静寂の森を眺めていると、何も考えなくて良い贅沢がこみ上げる。
湯上がりは屋上テラスへ赴き、ハンモックでひと眠り…
おっと、湯冷めしないうちに、部屋に戻るか(^-^)

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2019/4/13(土)
目覚めれば、もう真っ青な空!
さっそく着替えて屋上テラスへ出向けば、新鮮で冴えた空気が自分を包み込む。
浴衣の外にもう一枚、風の衣をまとったような気分になる。

その足で内湯へと向かえば、まだ誰もいない浴槽に、青い朝日が音もなく反射する。
頭の中をカラにして、肩まで温泉に浸かる。
心の底までカラになったら、軽くなったお腹を抱えて、みなが集う朝食会場へ向かおう。

昨晩とは異なる食事処「真善庵」。入口には巨大パンプキンがお出迎え。
窓の外は竹林、BGMはクラシックピアノ。
穏やかな日差しが差し込む食卓。

特筆すべきは、ビュッフェではないのに、
8:30~10:00までの間なら、いつでも好きなときに食事処へ行けば良いというスタイル。
ちょっと寝坊したり、ちょっと長湯に浸かりたい気分でも大丈夫。
せっかくの休日、会社に出勤するみたいに時間を気にしなくて良いのは有難い(^-^)

■朝食
◎小松菜とルッコラの野菜ジュース
 まさに採れたて、搾りたての感じが、グラスのふちから伝わってくる。
 フルーツやヨーグルトの甘酸っぱさも加わって美味しい!

◎サラダ
 こちらも通り一遍のものではない。
 長野県産の分厚いロースハムを前衛に、こごみ・紅芯大根・玉ねぎ・人参が入り、彩り豊か。
 自家製と思われる胡麻ドレッシングの風味も好ましい。

◎お盆に並ぶ小鉢たち
 うどのきんぴら、りんごのマヨネーズ和え、小松菜おひたし、漬物三種。
 一見ごぼうのように見えるうどは、歯触りと土の香りが豊か。
 マヨネーズ和えはそうめん南瓜かと思ったら、食べ進むうち、どうやら林檎であるらしいと気付く。
 食べながら何だろう、と推理し合うのも楽しい。

◎焼魚
 昨晩刺身で供されたシナノユキマスの塩麴焼。もっちりとした肉質。
 たっぷりのポン酢大根おろしと、ふんわり食感の厚焼玉子を従えて。
 温かい料理は、食べ始めてから運んできてくれる心遣いもある。

◎温泉鍋
 卓上コンロで熱された片手鍋の蓋をあければ、そこには温泉鍋。
 豆腐に山芋のすり流し、人参・三つ葉を加え、温泉水で炊き上げた一品。
 ごく薄味なので、ポン酢をつけていただく。
 素朴で、地に足のついた味わいが、身体に染み渡る。

◎蕎麦粥
 主食は、白飯の代わりに「蕎麦粥」が現れる。
 ぷちぷちとした穀物の食感、鰹出汁がよく効いており、これまた奥の方まで沁みる美味。
 身体にやさしいだけでなく、実際に美味しいのだ。
 信州らしさも感じられ、優れた献立の設計だと思う。

◎味噌汁
 あっさり上品な味わいで、細長く茶色いキノコ(天然えのき茸?)に加え、
 菜の花・甘い新玉ねぎが入り、具材充実。

◎デザート
 温泉水のゼリーに黒蜜を添えたものと、フルーツの盛合せ。
 木漏れ日を映すモーニングコーヒーでシメ。

野菜がふんだんに盛り込まれ、天然食材の魅力がストレートに表現されていた。
かなりのボリュームだったが、たくさん食べても胃にもたれない内容。
母も無事完食できたようで何より!
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チェックアウトは11時。
ぎりぎりまで温泉に浸かり、館内を散策し、ゆっくりと進む時間を満喫した。
最後、仙仁川に架かる橋上で記念写真を撮っていただき、短いバカンスは幕を閉じた。

スタッフの方とのやり取りで、一番印象に残ったのは、
駐車場側の高台に、何か建物を新築しているようだが、それが何であるか尋ねたとき。
「社長が従業員向けに、温泉に浸かれる場所を新設しているんです」との回答。

そのほか、一般に繁忙期とされるクリスマスや正月も、こちらの宿は「定休日」であるという。
優れたおもてなしを目指すなら、まず従業員自らが幸せであること。
それを実践する経営方針、見事の一言であると感じる。

金曜・土曜に訪れようと考えている方は、是非ともその前後に一日休みを取って、
ピークを外して宿泊することを勧めたい。
それだけの価値がある宿であることは、先行レビュアの皆さんは勿論、私が保証したい。

  • 国道406号・須坂市仙仁地区。山深い地方だが、道路はよく整備されている

  • 国道406号の沿道に潜む、花仙庵・仙仁温泉「岩の湯」。仙人のキャラクターがトレードマーク

  • 駐車場も広くて安心。東京をはじめ、関東圏・中部圏の宿泊客が幅広く集まる

  • あゆみ入りて、ふるさとの小さき庵に着きぬ

  • 唐箕の上に、木綿とネコヤナギ、赤い薔薇

  • 川を越えていくアプローチ。山中というロケーションを上手く活かしています

  • 仙仁川の流れに沿う、仙仁温泉の一軒宿。立体的な構造で、一日中滞在しても飽きない工夫に満ちている

  • 太い梁、堂々とした木組みが印象的なフロント

  • ロビーは温かな雰囲気。天然木のテーブルも存在感があります

  • 丁寧に点てていただいたお抹茶で、まずは一服

  • ウェルカム和菓子は、よもぎときなこが香る餅菓子。マゼンタ色のすみれも鮮やか

  • もとから生えている「木」を出来るだけ残した、非常にユニークな設計。アップダウンはあるが、それが楽しい

  • 一部屋で、和洋両面の趣を味わえる。こちらは和のエリア

  • ホタルブクロ・スターチェリー、山里の柿葉などを組み合わせた生け花

  • 懐かしいダイヤル式電話機。使い方が分からない人も増えているという

  • こちらは洋のエリア。ゆったりとしたソファー、気が向けばテラスにも出られる

  • テラスは広めに取られ、外の椅子で過ごすことも可能

  • よく整えられた洗面スペース

  • 可憐な色合いのツツジ。館内・室内に飾られる「生花」は、圧倒的な質と量!

  • 歓迎菓子は、マタタビ粉末と蕎麦粉の薄焼き煎餅(左)、きなこ飴(右)

  • 冷蔵庫の中には、セロリの粕漬(無料)。粋な計らいです

  • 迷路のような構造、屋上にはテラスがある。館内を探検するごとに、楽しい発見がある

  • テラス脇のサンルーム。外光が差し込み、ほんわか暖かい幸せな空間

  • 高低差のある敷地を活かし、温泉の滝が流れている。敷地内を散策するだけでも楽しい

  • 入浴の前後には、氷水で冷やされたプチトマト。これは頂くしかありません

  • おひとつ、いかが?

  • 名物の仙人風呂。恐ろしいほど奥に深い洞窟で、蒸気が溜まるので天然サウナの趣です

  • 洞窟風呂入口。奥はかなり深くて、若干アスレチックめいた高低差もあります

  • 館内には4つの貸切風呂を有する。少人数の宿なので、どれかには入れることが多い

  • それぞれの貸切風呂に、内湯・露天が一つずつ付く。非常に贅沢な設計で、温泉好きとしても満足度が高い

  • 仙仁温泉の分析書。濃度スコア600の単純温泉、マイルドで湯あたりしない感じ

  • 一人でちょっと音楽を聞いたり、読書するのに良さそうな空間。本当に贅沢な空間の使い方です

  • 光射し込む一室。普通なら客室を作りますが、そうしないところがもはや「王者の貫禄」です

  • 椅子も可愛い~ 全部に意味もなく、座りたくなる(笑)

  • ぬくもりを感じる、木の玩具。子ども連れでも一日中楽しめそう

  • あちこちにハンモックや、安楽椅子が供えつけられている。本当に「ゆっくり時間を過ごす」ことの贅沢を感じられる

  • 夕暮れ時、移り変わる空を眺めながら、夕食会場へ向かいます

  • 今宵のご馳走は何かな? 期待が高まります~

  • 川沿いの森を見渡せる、落ち着いたテーブル席

  • 私たちは少人数用の個室にご案内。周囲を気にせず、ゆったりと料理を満喫できます

  • 食前酒代わりの林檎ビネガー。信州らしいし、お酒が飲めない人でも楽しめ、食欲増進の効果も

  • 遠藤酒造「渓流」(¥648)。冷酒の演出が粋すぎて、一同思わず唸ってしまう

  • 前菜3種盛。筍の皮、椿の葉、カタクリの花をあしらって、視覚からも「山の幸」が感じられる

  • カタクリの茎とイワナ卵のおひたし(なんと花も食べられる)、ふきのとうと人参の松風

  • ふきのゼリー寄せ。繊維質の食感が際立つ、面白い趣向

  • 木の芽で和えた筍。パウダー状に粉砕した山椒の香りが、非常に鮮やか!

  • 手前はウド、奥は玉ねぎ・わけぎ・椎茸・ツナ・玉子の味噌炒め。少量なのであとを引く美味しさ!

  • 煎り玄米スープ。自然な出汁の旨さが、身体に染み渡る

  • 山里清流のお造り。生姜と玉ねぎのドレッシング、醤油、酢フルーティーな味噌で食べ比べ

  • シナノユキマス(上)は旨味が強く、鯉のあらい(左下)は驚くほどの透明感!

  • 鯉の酢締め。酢加減は上品、よく冷やしてあるのも快い食感につながる

  • ふきのとうの天ぷら。塩であっさりと頂く、サクッと揚げ具合も文句なし

  • 焼き物登場。囲炉裏をそのまま卓上に運んだような、楽しい演出

  • 笹の間から、ヤマメが見え隠れ~

  • ヤマメの塩焼き。炭火で焼かれているから、中までほっくり。日本酒が進みます

  • 信州須坂産・アスパラガスのソテー。マイルドなクリームソースで

  • びっくりするほど太くて、甘いんです。今回一番印象に残ったのは、これかも

  • 新玉ねぎと新生姜のすり流し。この素材を、ポタージュ風のすり流しで提供する発想に驚かされる

  • 新玉ねぎの甘さを活かし、薄味で上品に仕上げてある。ピンクペッパーの香りも効かせつつ

  • 杉の葉とともに、土鍋で提供されますのは…

  • 和牛フィレ肉・杉の香焼き。熱した石の上に置かれており、アツアツが供される

  • 脂の少ない赤身を、レアに焼き上げている。非常に柔らかく、味噌をつけても塩を振っても美味♪

  • 岩塩・レモン・本わさび。一切れずつ違う味で楽しめるのも、贅沢な気分

  • カップで供される、いちごゼリー。思った以上に濃厚な風味!

  • 甘鯛の桜蒸し。蓋をあけると、ふわりと桜の香り~ 器そのものも美しい

  • 桜餅(道明寺)の下に、甘鯛さんが隠れてます。安曇野わさびの香りも鮮烈

  • 鶏つくねと筍のにゅうめん、野沢菜・大根味噌漬・ふきのとう味噌。最後まで手抜きな

  • バニラアイス・抹茶ムースと水菓子。ここまで内容・ボリュームとも申し分なし

  • レモングラスとペパーミントのハーブティーでシメ。お見事でした!

  • 抜群の美味しさだったのは「アスパラ」、記憶に残る盛り付けは「山女」。前菜の「山菜摘み」という表現も楽しい

  • 須坂市の「清流」、小布施の「本吉の川」、池田町の「大雪渓」など、地元・長野の酒にこだわる

  • 落ち着いた書斎風のラウンジ。客室数を絞り、パブリックスペースを配している余裕の設計に、凄みを感じる

  • 願わくばこんな宿に連泊して、書斎で新しい本に目を通すなんて… 憧れる時間の使い方です

  • 夜は川沿いがライトアップされ、思わず散歩に誘い出されてしまいます

  • 一枚羽織って外に出てみれば、煌々と照らす月と、輝く星たち☆

  • 夜の貸切露天。静寂の森の中、ひとり佇む贅沢

  • 早朝のテラス。この涼やかな空気感、伝わるといいな

  • まだ早い朝日が差し込む内湯

  • 朝の食卓。外は竹林、さわやかな日差しが差し込みます

  • 小松菜とルッコラの野菜ジュース、フルーツの甘酸っぱさもあって美味しい!

  • サラダには分厚いロースハム・こごみ・紅芯大根が入り、内容充実。胡麻ドレッシングの風味も良い

  • うどのきんぴら、若いりんごのマヨネーズ和え、小松菜おひたし、瓜漬、白菜漬、小梅。

  • シナノユキマス塩麴焼、ポン酢大根おろし、ふんわり厚焼き玉子

  • まだら模様がお洒落な片手鍋。中身は何かな?

  • 山芋のすり流しを加えた温泉鍋。豆腐・人参・三つ葉が入る、食べて味わう温泉の恵み

  • そば粥。ぷちぷちとした穀物の食感、出汁がよく効いており、身体の芯に沁みる美味

  • 蕎麦を食す機会は多いが、蕎麦の実となると非日常の世界。ある意味、高級な肉よりご馳走です

  • 味噌汁も具沢山♪ 天然えのき・菜の花・甘い新玉ねぎが入る

  • 朝のデザートは黒蜜温泉ゼリーと、フルーツの組合せ

  • 木漏れ日を映すモーニングコーヒー

  • 釣鐘状の姿が可愛い、アセビの花

  • 敷地内には、カタクリの花が見事なまでに群生。夜の食卓にも登場する

  • ふきのとうも、あちこちに… 山の恵みを身近に感じます

  • 秘湯スタンプ、GETだぜ!

2020/05/01 更新

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