よい子さんが投稿した麺屋 忠兵衛 煮ぼうとう店(埼玉/岡部)の口コミ詳細

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麺屋 忠兵衛 煮ぼうとう店岡部/ほうとう、郷土料理、麺類

1

  • 昼の点数:4.0

    • ¥1,000~¥1,999 / 1人
      • 料理・味 3.7
      • |サービス 3.2
      • |雰囲気 3.7
      • |CP 3.5
      • |酒・ドリンク -
1回目

2020/12 訪問

  • 昼の点数:4.0

    • [ 料理・味3.7
    • | サービス3.2
    • | 雰囲気3.7
    • | CP3.5
    • | 酒・ドリンク-
    ¥1,000~¥1,999
    / 1人

コシが凄い、旨味がすごい! 渋沢栄一氏も好んだ郷土料理、東京人はこういう味が恋しいんです。

[埼玉県深谷市]
2020/12/5(土)
渋沢栄一記念館の近く・血洗島にある、郷土料理「煮ぼうとう」専門店。

場所は… JR深谷駅から北西へ7km。
熊谷方面から国道17号バイパスを西進、矢島交差点を右折。
そこから2km北上し、信号のある小さな交差点を左折すると到着する。
定休日なし。昼のみ営業(11:30~14:00)

渋沢栄一記念館から西へ徒歩10分。
渋沢氏の生誕地「中の家」に隣接するので、見学と合わせて訪問するのがお勧め。
店舗前にも駐車場があるが、中の家の公共駐車場(無料)も利用可能。

公共交通の場合、深谷駅からコミュニティバス "くるリン" で記念館まで行ける。
バスは1日5往復。2020年12月時点のダイヤでは、
[行き] 深谷駅北口10:55発→記念館11:20着 [帰り] 記念館14:42発→深谷駅15:06
を選ぶと、記念館・中の家見学と、煮ぼうとうをセットで楽しめるだろう。
もし乗り遅れたらタクシー、¥2000程度で駅まで到達できる。

今年9月、渋沢栄一記念館を事前予約して見学。
日本における資本主義の父として、東証・みずほ銀行・東急・東京ガス・秩父セメント・
東洋紡・王子製紙・キリン・サッポロ・帝国ホテルなど、実に100社を超える企業の設立に携わった凄い人。
2021年のNHK大河ドラマ主人公、2024年からの一万円札の肖像としても話題。
ドトールコーヒー会長(深谷出身)が市に寄贈した "渋沢アンドロイド" から、道徳経済合一説の講義を受け、大満足の一日に。

そんな偉人が、こよなく愛した郷土の味。
9月は時間の都合で立ち寄れなかったので、今回改めて体験に訪れた。

旧家を思わせる、風情たっぷりの建物。
客席は左右に分かれており、左は靴を脱いで上がる畳敷き、右は靴のまま入る土間のような空間。
合わせて4人掛けテーブル×12卓程度。全席禁煙。BGM無し。

土曜の12時すぎ、なんと満席に近い盛況ぶり。大河ドラマ効果だろうか?
畳の間の奥にある掛け軸は、渋沢栄一氏の直筆であるという。
店員さんは、地元の方と思われるおばあちゃんたち。
変に洗練されすぎず、ローカル感を残した温かい対応が好印象。

お品書きは、以下2種類だけとシンプル。
 煮ぼうとう(単品)、煮ぼうとう・とろろご飯セット
ほかにホットコーヒーもあり、わりと人気のようだ。

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■煮ぼうとう・とろろご飯セット(¥1100)※税込10%
深谷の郷土料理。地元では "にぼうと" と呼ぶ。
群馬で "おっきりこみ" といわれる麺料理と同じである。
深谷は埼玉県の北部、群馬にほど近い立地なので、やはり共通性があるのだろう。

麺はきしめん以上に太くて平たく、山梨のほうとう以上に「コシが強い」。
製麺時の加水率が低いため、このコシが生まれるのだという。

かけうどんの場合、麺を茹でる工程と、温かいつゆを作る工程は別々であるが、
日常食だった煮ぼうとうは、麺と具をそのまま煮込んで(茹で汁を捨てずに)完成させるため、
麺にまぶされた小麦粉が汁に溶け込み、若干「とろみ」が出るのも特徴。
醤油味であり、味噌は基本使わない。
「出汁の風味」が非常に豊かで、塩加減も薄すぎず濃すぎず、ちょうど良い塩梅。
汁の美味しさには、本当に唸らされる。

また、この店の煮ぼうとうに関しては、非常に具沢山なところもポイントの一つ。
「深谷ねぎ」のほか、鶏肉・椎茸・ごぼう・人参・大根・白菜・油揚げが入り、三つ葉がトッピングされる。
山梨のほうとうと異なり、かぼちゃは入らない。

ねぎは、特産品だけあって、さすがに甘い!
こんなに甘いねぎは、なかなか出会えない。脇役にするのが惜しいレベルだ。
椎茸やごぼうも、ざっくり大きくカットされており、じわりと汁が染み出る美味しさ。

全般に、単に素朴な美味しさと片付けるレベルではなく、
「美味しさを極めた郷土料理、洗練された家庭料理」の域に達している。

◎とろろご飯&漬物
 もっちりとした食感のとろろ。山芋は、地元・深谷産にこだわる。
 出汁醤油で上品に味付けられているので、ラーメン&ライスのように、
 煮ぼうとうの汁と一緒に味わうのが良いと思う。
 ちなみに漬物は、山芋昆布漬け。山芋尽くしである♪
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渋沢氏は、東京北区の王子(飛鳥山)に居を構えたが、帰省の際には毎回「煮ぼうとう」を所望したという。
分かる~ こういう美味しさは、なかなか都会では出会えない!
東京暮らしの中で、ときどき無性に恋しくなるのは、今も昔もこういった味ではないかと思う。

特にこれから、寒い季節にはぴったり。
「渋沢栄一も食べた、深谷ねぎの煮ぼうとう」…身体も心も温めてくれる逸品だ。

  • 煮ぼうとう・とろろご飯セット(¥1100)。群馬で「おっきりこみ」と呼ばれるものと同じ、北関東の郷土料理

  • 半端ではない旨味! 麺のゆで汁を捨てないので少々トロミがある。鶏肉・椎茸・ごぼうなど具沢山

  • きしめんより太く、平たい麺。伝統的に加水率が低いので、素晴らしいコシを味わえる

  • 深谷ねぎ。特産だけあって、驚くほど甘い!

  • 地元・深谷産の山芋を使用。淡い味付けで、煮ぼうとうの旨いスープと抜群の相性

  • 床の間にあるのが、渋沢栄一氏直筆の掛け軸「天意重夕陽 人間貴晩晴」

  • 麺業としては、明治38(1905)年に創業。こちらのお店としては、まだ新しいようだ

  • 古い民家を改装した、味わい深い店舗。煮ぼうとうの素朴なイメージにぴったり

  • 渋沢栄一翁ゆかりの食べ物とあっては、食べずには帰れない。ランチのみの営業

  • 大きな「煮ぼうとう」のバルーン。その隣には、ふっかちゃん(深谷市ゆるキャラ)の自販機

  • メニューは煮ぼうとうのみ」この潔さに心惹かれる。とろろご飯の山芋も、地元産にこだわる

  • 東京から深谷へ帰省する都度、煮ぼうとを所望した渋沢氏。ご馳走は要らないという遠慮の心もあったのだろう

  • 掛け軸の意味。人生において無駄な時間はないが、特に晩年が重要だと説く

  • 渋沢さんが好んで食したのは事実。今回食べてみたが、確かに美味しいので納得した

  • 左側の立派な門が、渋沢栄一氏の生誕地「中の家」。煮ぼうとうは右手です

  • (おまけ)渋沢栄一氏の出生地「中の家」。実業家として成功した後も、たびたび東京から訪れたという

  • (おまけ)感染症対策のため中に入れないが、当時の雰囲気を庭から眺められる

2021/01/11 更新

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