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よろめき食い道楽記
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よろめきコールマン (男性・神奈川県) 認証済
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1回
昼の点数:4.5
2011/10 訪問
「今しかないもの」の価値が最高となったお料理を愉しむ
【初訪問:2011年10月】マイレビュアーのお一人であるloropiana様のレビューに強く惹かれ、いつかは伺いたいとメモしておりました。普段に比べると高級な食事、食べ慣れていなくて初めてのお店ですから、よりお手軽なお昼のコースからお願いしてみよう、と思いました。すっかり秋らしくなった頃、週末のお昼にどうかと誘ってみるとOKがでたので、予約をいたしました。なおこちら縁さんは事前予約が必須であり、席が空いていても飛び込みで伺うことはできません。例えば入り口辺りには、お昼のお料理が3150円、5250円の二種であることを明示するものがでております。これを見て興味をもってその場でお店に入ったとしても、準備されている料理は基本は予約分だけとのことで、食事をいただくことはできません。食事を通して思ったのは、ご主人がとても真面目に、かつ基本に忠実に、もてなしをされることに心がけていらっしゃることです。それは堅苦しいとか作法がっちり、というものではありません。少なくとも客である私たちは、全く気遣いなど無用でした。何しろお店の粋な暖簾に、わざわざ「ねこや」という諧謔を染めるような楽しいご主人です。他のお客さんが居られず一組だけという贅沢な状況でしたので、食事の合間の色々なお話も楽しいものでした。お料理のことは勿論、京都のこと、その他にも我々お客から話題を引き出して盛り上げる。ご主人を通して、色々な物事に触れた気がいたします。カウンターに向かって7席の店内。茶釜から上がる湯気を見て、我々を待って準備をしていただいた時間を感じました。そこからほうじ茶をいれて出していただき、お願いしていた食事が始まりました。正面で料理の最後の仕上げをされるご主人、奥の柱にかかっている生けた酢橘が季節を語っています。緑色の実が付いた小枝は、その日にいただくお料理をなんとなく仄めかすものでもあったのかもしれません。○お昼のおきまり (税別 5000円)*先付 柿の練り胡麻添え*造り 鯛、いか、しまあじ*椀物 鱧、鯛と松茸:鱧と鯛のすり身が、小豆すこしと一緒に角形に整形されたもの。とても柔らかく、口中でほろり、ととけました。*焼物 かます:厚くて脂ののったプリっとしたもの。酢橘。自家製の美味しいゆべしが添えてありました。*蒸物 いくらの飯蒸し:生いくらがあるこの時期だから、と自家製で。大葉、山葵。*煮物 鰻の印籠と蕪:鰻の骨を抜き、代わりに牛蒡をさして焼いたものを印籠焼、というそうで、この手間をかけた後に、鰻をブツ切りにして煮たもの。台には柔らかく煮た蕪が使われていました。酢橘の皮が針の様に刻まれて薬味として乗っていました。*食事 かまどだきのごはん 赤だし(松茸と粟麩) 漬物(蕪、昆布山椒)*水菓子 ミルクかんお料理の他に、二人でお奨めの冷酒を一合いただき、税込みで一人当たり6000円ちょっとのお会計でした。こちらのお店の名前、そして最近出版されたグルメ本の記事から、少し創作色があるのかも、と勝手な想像をしていました。ところがそんな要素はどのお皿にも感じられず、「今しかないもの(旬があって短いもの)は、大切にせんとあかんのです。」というご主人の言葉どおりの、真っ正直な季節のお料理でした。それがご主人のお人柄を映したものであろうことは、照れで反語的に言われた「(予約客しか受けない理由は)責任とるの、嫌ですから。」「(京都のお料理やさんは)どこも、結構なお金取っているでしょう?」という言葉に現れていると思います。どの一皿にもご主人の考えや手間、時間が、お客の想像以上にかけられたものだと思います。そんなお料理をいただくのに、客である私達のちょっとした緊張を楽しいお話で「くずし」ていただき、色々な意味で心地よく圧倒された一時でした。あっという間に過ぎた二時間以上、笑顔でお見送りいただき、満足してお店を辞しました。
2011/10/26 更新
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日本酒あり
焼酎あり
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ソファー席
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【初訪問:2011年10月】
マイレビュアーのお一人であるloropiana様のレビューに強く惹かれ、いつかは伺いたいとメモしておりました。普段に比べると高級な食事、食べ慣れていなくて初めてのお店ですから、よりお手軽なお昼のコースからお願いしてみよう、と思いました。すっかり秋らしくなった頃、週末のお昼にどうかと誘ってみるとOKがでたので、予約をいたしました。なおこちら縁さんは事前予約が必須であり、席が空いていても飛び込みで伺うことはできません。例えば入り口辺りには、お昼のお料理が3150円、5250円の二種であることを明示するものがでております。これを見て興味をもってその場でお店に入ったとしても、準備されている料理は基本は予約分だけとのことで、食事をいただくことはできません。
食事を通して思ったのは、ご主人がとても真面目に、かつ基本に忠実に、もてなしをされることに心がけていらっしゃることです。それは堅苦しいとか作法がっちり、というものではありません。少なくとも客である私たちは、全く気遣いなど無用でした。何しろお店の粋な暖簾に、わざわざ「ねこや」という諧謔を染めるような楽しいご主人です。他のお客さんが居られず一組だけという贅沢な状況でしたので、食事の合間の色々なお話も楽しいものでした。お料理のことは勿論、京都のこと、その他にも我々お客から話題を引き出して盛り上げる。ご主人を通して、色々な物事に触れた気がいたします。
カウンターに向かって7席の店内。茶釜から上がる湯気を見て、我々を待って準備をしていただいた時間を感じました。そこからほうじ茶をいれて出していただき、お願いしていた食事が始まりました。正面で料理の最後の仕上げをされるご主人、奥の柱にかかっている生けた酢橘が季節を語っています。緑色の実が付いた小枝は、その日にいただくお料理をなんとなく仄めかすものでもあったのかもしれません。
○お昼のおきまり (税別 5000円)
*先付 柿の練り胡麻添え
*造り 鯛、いか、しまあじ
*椀物 鱧、鯛と松茸:鱧と鯛のすり身が、小豆すこしと一緒に角形に整形されたもの。とても柔らかく、口中でほろり、ととけました。
*焼物 かます:厚くて脂ののったプリっとしたもの。酢橘。自家製の美味しいゆべしが添えてありました。
*蒸物 いくらの飯蒸し:生いくらがあるこの時期だから、と自家製で。大葉、山葵。
*煮物 鰻の印籠と蕪:鰻の骨を抜き、代わりに牛蒡をさして焼いたものを印籠焼、というそうで、この手間をかけた後に、鰻をブツ切りにして煮たもの。台には柔らかく煮た蕪が使われていました。酢橘の皮が針の様に刻まれて薬味として乗っていました。
*食事 かまどだきのごはん 赤だし(松茸と粟麩) 漬物(蕪、昆布山椒)
*水菓子 ミルクかん
お料理の他に、二人でお奨めの冷酒を一合いただき、税込みで一人当たり6000円ちょっとのお会計でした。
こちらのお店の名前、そして最近出版されたグルメ本の記事から、少し創作色があるのかも、と勝手な想像をしていました。ところがそんな要素はどのお皿にも感じられず、「今しかないもの(旬があって短いもの)は、大切にせんとあかんのです。」というご主人の言葉どおりの、真っ正直な季節のお料理でした。それがご主人のお人柄を映したものであろうことは、照れで反語的に言われた「(予約客しか受けない理由は)責任とるの、嫌ですから。」「(京都のお料理やさんは)どこも、結構なお金取っているでしょう?」という言葉に現れていると思います。どの一皿にもご主人の考えや手間、時間が、お客の想像以上にかけられたものだと思います。そんなお料理をいただくのに、客である私達のちょっとした緊張を楽しいお話で「くずし」ていただき、色々な意味で心地よく圧倒された一時でした。あっという間に過ぎた二時間以上、笑顔でお見送りいただき、満足してお店を辞しました。