4回
2017/12 訪問
優しさに包まれる。
あの名店京都未在出身の宮坂氏がオープンした京料理の店「宮坂」。
2回目の訪問。近々未在に行く予定があるのだけど、その前にもう一度行ってみようと。
前回は夏の終わりころでまだ暑かったけど、すっかり冬になりどんな食材が出るのか楽しみ。
この日嬉しかったのは、たまたま運良くとれたという新潟の尾長鴨の炭焼き。
鴨の血の風味がしっかりと味わえ、力強い味わい。鴨の肝のソースをつけるとさらに旨さが倍増する。
こうやって肉が1品でも出ると全体的に華やかさが出ていいね。
相変わらずため息が出るほど出汁が美味しい。
白甘鯛と胡麻豆腐のお椀、体に染み入る優しい味わい。
煮物や茶碗蒸しもシンプルなつくりなのに突き抜けて美味しいのはこの出汁のおかげだろう。
すぐきの煮物や漬物にまでさりげなく切れ目を入れて食べやすいようにしてあったり、
クリスマスに向けてさりげなく柊の葉っぱと実が八寸に飾られていたり、デザートにもスターフルーツが乗っていたり、
宮坂さんのちょっとした優しさと心遣いが染み入る。
ご飯は炊きたて直後のまだ芯のある状態から、
時間がたつにつれてだんだんとふっくらしていくという過程を味わわせてくれる。
おかずがいらないと思えるご飯、毎日玄米から精米し炊く水にもこだわっているそう。
2回目でさらに好きになってしまった。
また季節を変えて訪問したいなあ。
・ずわいガニ湯葉金目
・お造り(青森ヒラメとえんがわ、大間の中とろ)に肝醤油、柑橘塩、醤油昆布
・白甘鯛胡麻豆腐のお椀
・新潟尾長鴨炭焼きに肝ソース
・箸休め、のどぐろの茶碗蒸しにかぶら
・八寸(いくら、しろばいがい、堀川ごぼう蒲焼き、かます棒鮨、鰆の藁燻し、くもこ(たらの白子)、ホタテの玄米粉揚げ、なまこ、菊菜おひたし、あん肝煮と能登もずく、根室バフンウニと京都湯葉)
・すぐき煮物
・佐世保クエ、マツバガニ酢の物
・ご飯(近江米)
・漬物と自家製生カラスミ
・石川小芋赤出汁
・鯛と九条ネギのフライ
・そばがきに丹波黒豆と白あん
・りんごアイスにフルーツ、オレンジゼリー、スターフルーツを乗せて
・抹茶
2017/12/08 更新
2017/08 訪問
あの未在を超えるかもしれない。
南青山の根津美術館そばにある和食「宮坂」。
京都の未在出身、オープンして間もなくミシュラン二つ星というすごい勢い。
おまかせは28,000円(税サ別)というのは今の高騰する東京の和食の中ではやや良心的な部類か。
ゆったりとした配置のカウンターは6席、それに個室。
シンプルな内装、ほんのり近くの根津美術館の虫の声が聴こえる。
ちなみにこちら写真NGなので、ページトップの写真もおみやげの塩むすびだけw
しかしながら、実際はそれはもう素晴らしいお料理の連続で写真に残せないのが残念すぎるほど。
大きく瑞々しい蓮の葉にのせられた葛まんじゅうの中には茶豆のペースト、
その周囲には醤油のジュレが縁取り、なんとも夏らしい一皿にため息。
もちもちした葛と粒感を残した茶豆が楽しい。
この蓮の葉はわざわざ京都から直接取り寄せているそうで、
8月にしか出会うことができないそう。
お造りは天然真鯛ときめ細やかなサシが美しいマグロ、確かな素材。
未在では醤油をゼリー状に固めたものが出てきたけど、こちらでは醤油と昆布を合わせたもののほか、
柑橘を絞って塩を入れたものとわさびが添えられて。
次のお椀が凄まじく美味しかった。
房総のアワビに岩手の松茸の香りが蓋を開けた瞬間ブワッと飛び出す。
出汁がこれまたすごい、力強いかつおだしがアワビや松茸の素材に負けていない。
そして加賀きゅうりに丁寧に入れられた包丁、硬い皮が一変して面白い食感のアクセントに。
箸休めにと出てきたのは桑名の蛤が入った冷たい茶碗蒸し。
蛤の旨味がしっかり出た茶碗蒸しは、しゃくしゃくとレンコンの食感も面白い。
続いての八寸は言葉で表現できない美しさ。
佐島のタコや紫雲丹、鰻に鱧の子、トマトのすり流し…素晴らしい素材が1品ごとに丁寧に仕上げられ、
見た目も美しく、どこから手を付けて良いものか悩むほど。
対馬の煮穴子と賀茂茄子の炊合せに、長良川の鮎を塩焼きでまるごと頂き、
キンメの炙りに毛蟹と素晴らしい食材のオンパレードにもう悶絶。
最後のご飯は炊きたて直後のまだ芯のある状態から、
時間がたつにつれてだんだんとふっくらしていくという過程を
少しずつ味わわせてくれる。
白米だけでこんなに美味しいと思ったのは初めてかもしれない。
鱧の蒲焼を添えてくれたけど、これはこれで美味しいが、無くても十分にいただける。
漬物も、こんなに美味しい漬物を食べたことがあるだろうかというほど旨い。
シンプルな白米のお供としては最強だった。
デザートは胡麻豆腐これが何ともいえずクリーミー。
加えていちじくのアイスにフルーツまで出て、かなりの量だった。
未在のようなピンと張り詰めた緊張感もなく、
宮坂さんとのカウンターでの話も楽しく、ここ最近の和食ではトップクラスに良いと思った。
この冬は未在の予定もあるけど、もしかしたら東京で十分かもしれないな。
2017/09/01 更新
南青山の根津美術館そばにある和食「宮坂」。
京都の未在出身で、オープンして間もなく(2020年も)ミシュラン二つ星、食べログアワードでもシルバーに選ばれた名店。
こちらも現在は店内営業自粛しており、4月20日月曜日より鯖 棒寿司の販売を始めたとか。
鯖寿司大好きなので早速予約し、仕事帰りに取りに行った。
予約方法:お電話にて前日まで
受渡時間:16:00~19:00
販売内容:鯖の棒寿司 6,600円(税込)
自家製昆布醤油1,100円(税込)※数量限定
やっぱり鮨系はテイクアウト向いているよなあと思う。
家に持ち帰るのに多少時間がかかっても味が落ちないし温め直しの心配もない。
こちらの鯖棒寿司は、ゴマ入りのシャリに肉厚の鯖がよくなじんでおり、その間にはさりげなく花山椒が。
鯖は季節柄か脂のりも適度で締め具合も程よく優しいお味、花山椒の風味がいいアクセントになっている。
トップは昆布でカバーされてるんだけど、これが柔らかな食感で鯖とご飯の邪魔をしなくていいなあ。
さすが宮坂さんという上質な仕上がりの鯖棒寿司、コロナ時期しか食べられないのかな?
今後もお店に伺った時のお土産とかで買えるといいんだけど!