無料会員登録/ログイン
閉じる
公式
お店の営業情報は店舗関係者によって公開されています。
The Tabelog Award 2025 Gold 受賞店
食べログ 日本料理 EAST 百名店 2025 選出店
気になるお店はこちらで保存ができます
電話なら予約できることがあります
閉じる
054-626-2587
最新の情報は直接店舗へお問い合わせください。
駿河湾の一分は杉山氏の掌で咲き誇る
師走の暖簾に変わりました
最初はジンジャーエールをいただきます
田中六五の65/13
お通しの碗です
静岡県の奥山から届いた自然薯を卵白とともに蒸して、生唐墨の塩味でいただきます。でもそれだけでは有りません。その自然薯の皮を炭火で焼いて、深山の土の香りを添加しました。お出汁の旨味が静かに寄り添い、ワガママな舌も胃も歓喜の波に飲み込まれました。完全無比のスターターです。
鯵の砧巻き。胡瓜から酢漬けした大根にアップデート。胡瓜巻きより正直、口に合いましたヾ(≧▽≦)ノ
砧巻きのアップ
由比の銘酒
島根から静岡の市場に届いた鮟肝。サスエ前田さんのお眼鏡にかない、低温でじっくり蒸し上げ、紅葉おろしと小葱のポン酢でいただきます。まさにシルキータッチ!
藤枝の銘酒です。40度のぬる燗でいただきます
白甘鯛です。昆布と節系のお出汁の旨味に葛打ちしたツルッツルの白甘食感、焼茄子の香ばしさと黄柚子の爽快な香りでいただきます
6kgのキジハタと障泥烏賊のお造りです。障泥烏賊は塩でいただきました
障泥烏賊です。噛めば噛むほど、甘い!
このキジハタの地味は抜きんでておりました。さすがサスエ前田さんからの逸品
藤枝の銘酒。季節限定の松下米です
6kgのキジハタです。太い繊維で肉質は強く、甘い脂が程よく乗っておりました
伊勢海老です。自身の運命を悟ったのか、ギーギーと鳴いておりました
アサハタレンコンの揚げ真薯。お出汁で割った白味噌餡が抜群にウンマイ\(//∇//)\
菊川の銘酒です
伊勢海老の炭火焼きの味噌乗せ。以前から供されてきましたが、今夜の仕立てが完成系かも(^◇^)
こちらで何回となくいただいた伊勢海老の炭火焼きですが、今夜の仕上がりがNo.1でした。個体の差なのかな?いやいや洗練に洗練を重ねた成果でしょ\(//∇//)\
壬生菜です。付け添えとしては完璧
箸休めのブロッコリーの炭火焼き。地味が濃ゆい!
栃木の銘酒です
群馬の銘酒
金目鯛の炭火焼き。スペシャリテです。松笠を炭火で仕上げているので、他店の太白回しかけと比べてしつこく無い
この皮だけで一合、飲めちゃいそう\(//∇//)\
煮えばなの新米です
ピエモンテのバローロ。リリース直後の早飲みですが、むしろ鴨地味を引き立てるにはベストな選択かも、鴨だけに・・・、グフッ\(//∇//)\
大分から今朝届いた天然親ガモと子ガモ
胸肉とモモ肉を合わせ盛りにしていただきました
天然ナメコのお味噌汁
奥がアカヤガラのフライ。手前が甘鯛の西京味噌漬けの炙りです
〆のご飯物です
焼津沖、おそらく定置網かな、何十本も揚がったなかで漁師さんのお眼鏡にかかった三本だけ、サスエ前田さんに卸すために船上神経〆した逸品。
この鰤は日本海の鰤のようにメタボくどくなく、爽快なお味でした
漬け鰤ご飯の二膳目です
デザートのラフランスです。もんすごく、アンマイ\(//∇//)\
キンつばです。カボチャが入っておりました
〆のお抹茶です。淹れる際の静寂な空間が好きです。お話を続ける礼儀知らずの叔母さまには残念\(//∇//)\
駿河湾の神の手は杉山氏の掌で脈打つ
この夜は焼津の懐石、【温石】さんにお伺いしました。
前回は初夏の六月。およそ四か月ぶりの焼津行となりました。ご一緒するのは、いつもの代理店系紳士と自称元峰不二子嬢。
焼津駅で待ち合わせ、すっかり陽の落ちた通りを半時間ほどかけてゆっくりと歩きます。
到着したのは六時過ぎ。
早目に解錠していただき、温石の庭を経由して奥から入室。カウンターの角を利用して三名が並びました。
ラッコは喉が渇いたので、珍しくジンジャーエールをお願い。その後は三名で八種類の日本酒を嗜み、唯一無二の都内では絶対に味わえない心地良い空気感に漂います。
さてさてそれでは本題。
いただいたコース内容は以下の通り。
ひとつひとつのコメントは写真欄に記載しておりますので、画像と一緒にお楽しみいただければ幸いです。
そしてご馳走様でした。
<まとめ>
いつものことながら清澄な空気感。おもてなしの心遣いが静かに深く刺さります。
今回で三十一回目の訪問となりましたが、同じ季節でも同じ月でも、以前の仕立てからさらなる変化が・・・!
他店ではアレーーーーッ、以前の方が良かったのにな、と感じることもままありますが、杉山氏のヒトサラヒトサラは着実、堅実にブラッシュアップ。
とりわけこの夜は、黒舞茸こそお目にかかれなかったものの、天然の箒茸や松茸、いぐち茸、焼津沖のどうまん蟹(浜名湖から家出したようですヾ(≧▽≦)ノ)、甘長米粉揚げの生シラス鋳込みなどなど、感涙の舌鼓。
いつにも増して感服した夜となりました。
<コース内容>
⚫︎落花生豆腐:
・葛練り
・無花果:三島
・銀杏
⚫︎鯵胡瓜巻
⚫︎茹で物:
・カマス:焼津
・ほうき茸:天然、静岡
・タタキネギ
・お汁:魚骨の炊き汁
⚫︎椀物:
・イトヨリダイ:焼津沖
・焼茄子
・柚子
⚫︎お造り:
・マゴチ:焼津沖
⚫︎揚げ物:
・甘長唐辛子
・生シラス
⚫︎茹で物:
・どうまん蟹:焼津沖
・紫蘇の実:塩麴漬け
・甲羅出汁ご飯
⚫︎焼き物:
・椎茸:藤枝
⚫︎焼き物:
・白甘鯛:炭火焼き、焼津沖
・栗チップ
・実山椒醤油
⚫︎口直し:
・青蜜柑葛氷
⚫︎箸休め:
・長芋素麺
・生ウズラ卵
・鰹節
⚫︎炊合せ:
・太刀魚:衣揚げ
・いぐち茸
・オクラ
・石川小芋
⚫︎ご飯物:
・炊き込みご飯:二膳
・花鯛
・舞茸:天然
・大銀杏茸:天然
・松茸:静岡
・栗ご飯:二膳
・塩〆酢〆花鯛ご飯:焼津沖
・副菜:鰯生姜煮
・香の物
・お味噌汁:豆腐
⚫︎デザート:
・フルーツ:
・シャインマスカット
・梨
・薄皮どら焼き
⚫︎抹茶
<お酒類>
日本酒は八種類ほどいただきましたが、その内二種は45度のぬる燗、35度のひと肌でご提供。
どのお酒かは忘れてしまいました。
無念\(//∇//)\
・ジンジャーエール
・ミネラルウォーター
・大七:純米生酛、ひやおろし、福島
・磯自慢:特別純米、東条特A山田錦、静岡
・無窮天穏:齋香、生酛純米大吟醸、佐香錦、島根
・初亀:特別純米、ひやおろし、原酒、静岡
・御日待屋:開運、吟醸生酒、福光/山田錦、静岡
・七本鎗:純米、無有、2023、玉栄、滋賀
・白隠正宗:辛口純米、秋あがり、静岡
・森本:限定樽酒、純米、静岡
4.55
お店の入り口
今夜は珍しく、ジンジャーエールでスタート
福島の銘酒です
三島産無花果と落花生豆腐。落花生と葛の練りソースと銀杏をトッピング
これも開店当初からご用意されている小鉢ですが、進化が止まりません
鯵の胡瓜巻きは三階建て、アハッ\(//∇//)\
焼津の銘酒。限定品です
焼津沖で獲れたカマスの蒸し物。下敷きは天然ほうき茸。薬味はタタキネギと魚の骨を煮出したお汁です
カマスは焼いても美味しいけれど、蒸しもウンマイ
天然のほうき茸です。魚骨のお出汁を吸って、抜群にウンマイ
出雲の銘酒
カマスの断面にポワソンナクレが煌めいています
イトヨリダイと焼き茄子のお椀です
柚子の皮は食べちゃダメダメ。香りだけです。鰹節の一番出汁に溶け込む焼き茄子の焦げた香味とイトヨリの脂。絶品です
お造りは地物のマゴチです
マゴチを薄造りに仕上げました
このマゴチが抜群にウンマイ
藤枝の銘酒
天然舞茸と天然大銀杏茸。一本だけですが、静岡の松茸も隠れておりました
1kg超えの地物のどうまん蟹。浜名湖が有名ですが焼津沖です網にかかりました。その親指です
どうまん蟹の親指のアップ
お猪口と並べると、その大きさが分かりやすいかも\(//∇//)\
生シラスです。これからある物に射込みます
甘長唐辛子の米粉揚げです
米粉揚げした甘長唐辛子の中に生シラスを射込みました。シラスに揚げ物の余熱が加わり、ほんのりと甘くなりました
開運です。掛川の銘酒です
どうまん蟹の親指。柱状節理が美しい。奥はどうまん蟹を湯掻いた煮汁で炊いたご飯です。右手の奥は紫蘇の実の麹漬けです
柱状節理のドアップ。蟹は親指が一番、美味しい\(//∇//)\
どうまん蟹とその茹で汁で炊いたご飯
滋賀の銘酒
炭火で蒸し焼きにした藤枝産の椎茸。溢れるグアニル酸に朦朧としてしまいました
地物の白甘鯛の炭火焼き。栗チップをトッピング。薬味は実山椒醤油です
ため息が出るほどウンマイ。実山椒醤油の塩味と栗チップの甘味、白髪ネギの爽快な香りの三位一体\(//∇//)\
口直しです。
青蜜柑を葛でまとめて凍らせました。これはガリガリ君サイズで欲しい
沼津の銘酒。これだったかなぁ、35度のひと肌でいただいたのは・・・?
鰹節の下には長芋素麺が潜みます
季節柄、お月見仕立て、アハッ\(//∇//)\
地物の栗ご飯。栗は焼いて炊いて仕込みました
菊川の銘酒。杉樽仕込みの限定品です
上から時計回りにオクラ、いぐち茸(傘の裏側がスポンジ状のモフモフです)、太刀魚衣揚げ、石川小芋の焚き合わせ
松茸と舞茸の炊き込みご飯。炭火焼きした花鯛も加わります
鰯の生姜煮
花鯛、松茸、舞茸の炊き込みご飯。二膳ほどいただきました
秋はキノコの炊き込みご飯何一番です
軽く塩〆、酢〆した花鯛の半身を三枚ほどトッピング
二膳目の栗ご飯です
豆腐入りのお味噌汁
二膳目の花鯛、舞茸、松茸の炊き込みご飯
デザートのフルーツは梨とシャインマスカット
二つ目のデザートは薄皮仕立てのどら焼きです。〆の抹茶に合わせました
杉山氏のたてる抹茶
駿河湾の天祐は杉山氏の掌で満ちる
焼津です。
今夜は凡そ七ヶ月振りに、こちらの【温石】さんにお伺いしました。
ご一緒するのは、自称『かとうれいこだったかも・・・』女史。
学生の頃はクリソツでモテモテだったと言いたいんだろうけれど、うん?
自称なので、まっいっか、グフッ\(//∇//)\
更に偶然にも、チーム佐野鮨のイケメン紳士も加わり、カウンターのコーナーに仲良く座ります。
さてさてそれでは本題。
いただいたコース内容は以下の通り。
ひとつひとつのコメントは写真欄に記載しておりますので、画像と一緒にお楽しみいただければ幸いです。
そしてご馳走さまでした。
<まとめ>
定番の鯵胡と金目鯛の炭火焼きもその味わいが進化。加えて今夜は焼津沖の定置網に迷い込んだ本鮪まで登場。
かなり珍しい訪問客ならぬ訪問魚。
その赤身は漬けご飯、大トロ部位はネギマのシャブシャブ仕立てにしてご提供。
通い始めて六年目だけれど、その魅力は尽きることがありません。
日々の研鑽と客人への温かい眼差し・・・、好きだなぁ、グフッ\(//∇//)\
⚫︎先付け:
・鯵胡瓜巻き:胡麻、タタキ梅
・メバル:蒸し、昆布出汁餡、二杯酢
・ジンドウイカ:玉葱餡、ルッコラ、蕗、蕨
⚫︎椀物:
・白甘鯛:管ごぼう、温石の森の柚子
⚫︎向付:
・真ハタ:焼鏝仕上げ、三日目
・泥障烏賊
⚫︎揚げ物:
・葉生姜:真薯、久能山産
・柴漬け
⚫︎蒸し物:
・カマス:タタキ葱、焼津
・モロヘイヤ
⚫︎箸休め:
・ズッキーニ:炭焼き、藤枝
・トマト
⚫︎焼き物:
・金目鯛
・実山椒醤油
⚫︎強肴:
・枝豆:擦り流し
⚫︎ご飯物:
・混ぜご飯:新生姜
・小鰯:炊き
・お味噌汁:オクラ
・香の物:キャベツ、胡瓜、大根
・一膳目:本鮪ねぎま、焼津、折戸茄子
・二膳目:太刀魚、甘長唐辛子
・三膳目:本鮪漬け
⚫︎デザート
・甘夏の紅茶ゼリー寄せ:浜香の香り
・蓮根餅
⚫︎抹茶
<お酒>
・生ビール
・磯自慢:純米大吟醸42、焼津
特A東条少分谷産特上山田錦
・開運:純米、涼々、山田錦、掛川
・森本:純米、勘造り六十五、菊川
・播州一献:純米吟醸
播州多可町産渡船弐號、宍粟
・霜:ロゼ、2024、甲州
・志太泉:純米吟醸、辛口、山田錦、藤枝
・鳴鏑:清酒、雄町、御殿場
・志太泉:開龍、純米原酒、山田錦、藤枝
日本酒は三人でシェアしたので、三合弱くらい
4.54
津軽海峡を抜け、下北の尻労を右折して三陸の延縄も逃れた本鮪。黒潮にぶつかったところでスピードダウンしたのか、焼津の定置網に迷い込みました\(//∇//)\
鯵胡は三階建ての特別仕様。炒りごまの風味と梅の酸味、塩〆の塩味で美味しくいただきました。
金目鯛の炭火焼き。薬味は実山椒醤油です
焼津産の白甘鯛。管ごぼうで見通し良く。庭の温石の森から摘んだ小さな柚子の香りが心地良い
イカは耳が好き(^◇^)
初夏なので涼しげな暖簾
最初は生ビール
焼津の銘酒。特A東条少分谷産特上山田錦の限定品です
鯵胡のアップ。あーうー、頬ずりしたい、グフッ\(//∇//)\
由比産のメバル蒸し。昆布出汁をゼラチンでゆるめの餡にして二杯酢を掛けました
掛川の銘酒。初夏の軽く涼しいお酒でした
この器はお魚の眼をイメージした作家さんの作品です
ジンドウイカのアップ
遠火で軽く熱を加えたジンドウイカ。名残りかな?付け添えはルッコラ、蕗、蕨。それらを玉葱餡がまとめます
菊川の銘酒
宍粟の銘酒
素敵な酒器です。備前かな?
お造りは真ハタと泥障烏賊の二点盛り
真幡は皮目を炭で焼鏝仕上げ。炭の香りが心地良い
泥障烏賊です。ネットリ感が半端無い
真ハタです。皮目に軽く熱が入り、食感の変化を楽しめます
今夜も呑んでしまう\(//∇//)\
久能山産の葉生姜の真薯。手前はしば漬け
甲州のロゼワイン。カマスに合わせました
カマスの蒸し物。モロヘイヤの上にちょこんと乗っかります。トッピングはタタキ葱
カマスの蒸し物のアップ
箸休めの炭火焼き。ズッキーニとトマト
藤枝産のズッキーニ。ビールの小瓶くらいの太さにビックリポン。
甘いトマト。恐らくアメーラかな?
炭火焼きのズッキーニ。内側には芳醇な水分を含んでおりました
藤枝の銘酒
魚はお腹が美味しい\(//∇//)\
枝豆の擦り流し。すり切り一杯です\(//∇//)\
御殿場の銘酒
ご飯は新生姜の混ぜご飯。奥は焼津の定置網にかかった本鮪のシャブシャブです。ネギマ仕立てでご飯のお供に
底には折戸茄子
ネギマを追加。杉山氏がそっと置いてくれました(^◇^)
藤枝の銘酒
ご飯の準備が進みます
小鰯を軽く炊きました
二膳目は地物の太刀魚の炭火焼きと甘長唐辛子
太刀魚のアップ。この個体の脂は抜群にうんまい
三膳目はシャブシャブと同じ個体の赤身漬け
赤身漬けのアップ
甘夏の紅茶ゼリー寄せ。浜香の香りがアクセント
海岸に群生する浜香(ハマゴウ)。杉山氏が手揉みして香りを引き立て、皆様にご案内。ユーカリのようなミントのような爽快な香りが立ち込めます。
中には何が入っているのかな?
答えは蓮根餅でした
裏紀香が開いてくれました。お爺ちゃん思いや、アハっ
仕上げは抹茶
サスエ前田さんの宣伝です
駿河湾の慈愛は杉山氏の掌で溢れる
土曜日の夜です。
焼津です。
今夜は秋の食材を楽しみに、二か月振りのこちら、【温石】さんにお伺いしました。
ご一緒するのは、お鮨屋さんの予約でいつもお世話になっている女史。
ご存知の通り、低気圧の影響で大荒れの天気が予測される中、ああっ、どないしよ・・・
いつもなら駅からノテノテと歩くけれど、おそらく足元がグシュグシュになっちゃう。温石さんでは靴を脱いで上がるので、これは申し訳ないよな。
歩かないとして、駅からタクシー・・・
いやいやいや、止まっているのを見た事がないし、待ったとしても予約時間前にお店に到着できるか確約できない・・・
在来線が止まる可能性もあるので、早めに駅に着いたものの、フムゥ・・・
そこで、元峰不二子嬢の出番。
『バスがあるわよぉ〜』
『えっ、えっ、ほんま?』
デジタル・リテラシーの低い典型的アナログ脳のラッコ。それを補うリケジョの不二子嬢。
『あっ、バスが入ってきた』
『アレじゃないかしら。時間通りだし』
慌てて乗り込むラッコと不二子嬢。
焼津水産高校前で降りて、【温石】さんまでのルートを検索。
『おっ、意外に近い』
『ダショォ』と鼻高々な女史。
強風に煽られながらも、歩く事数分でなんとか到着。
でも予約時間までまだ40分ほどが。
この雨では周りを散策できないし中にも入れない。
グフッ、この課題をどう解決するか?
しかし、ラッコと不二子嬢は持っている。
ガチャ、ガチャガチャガチャと鍵の開く音。偶然扉が開くと『あっ、xxxさま、すぐにお部屋をご用意しますので、少々お待ちくださいませ』と、馴染みの女性がニコッと微笑みます。
『うわぁ、有難うございます。助かりました』
中に入ると『これでカバンをお拭きください』と手には大きめのハンディタオル。滴を綺麗に拭っていると、『お部屋がご用意出来ましたので、そちらでお待ちください』と奥の個室にご案内。
温かいお茶も出していただき、静かに会話するラッコと不二子嬢。
ふううううっ、嬉しいなぁ。
雨が降ろうが冷え込もうが、時間になるまで中に入れないお店も多い中、流石の【温石】さん。懐石の優しい御心遣いが肌に染み入ります。
しかし超人気店になれば、色んなお客さんがいらっしゃるのもまた事実。
懐石の真髄をご存知ないのか、杉山氏がお茶をたてている際にも大きな声ではしゃぎ続けるお客人。
思わず唇に指をあて、お静かに、と促すラッコ。
過分なことかもしれませんが、最低限の礼節はもてなされる側にも必要かなと・・・
さてさて前置きが長くなりました。
いただいた内容は以下の通り。
ひとつひとつのコメントは写真欄に記載しておりますので、画像と一緒にお楽しみいただければ幸いです。
そしてご馳走さまでした。
<まとめ>
なんと言っても、今夜は駿河湾のうすばはぎ!
淡白だけど滋味深い身に加え、その肝醤油が最強。皮剥の肝より遥かに上質な脂に悶絶してしまいました。
今年豊漁の白甘鯛も何かが違う。
八幡浜産が一番と思っていましたが、産地ありきではないことを今更ながらに痛感。
釣って水揚げして手当して、その全ての工程に携わる方達の真摯さが、その味わいを形成するのかな。
自家製柚子胡椒の塩味でその滋味が爆発。
久しぶりの知床牛のシンシンにも感激。
肉質も申し分無いけれど、火入れが完璧。炭の魔力は言うまでもなく、小一時間をかけてじっくりと丁寧に仕込むその技量あってこそ。
<コース内容>
⚫︎焼き茄子:
・ずんだ
・枝豆:刻み
⚫︎鯵胡瓜巻
・梅肉
⚫︎椀物:
・イトヨリダイ
・シメジ
・黄柚子
⚫︎お造り:
・うすばはぎ
・茗荷
・肝醤油
・塩
⚫︎揚げ物:麻機蓮根
⚫︎伊勢海老:炭火焼き
・栗チップ
⚫︎椎茸:炭火焼き
⚫︎カマス:炭火焼き
・空芯菜
・春菊ソース
⚫︎白甘鯛:炭火焼き
・自家製柚子胡椒
⚫︎知床牛:炭火焼き
・海老芋:磐田
・ほうれん草
⚫︎ご飯:
・一膳目:炊き上がり
・二膳目:黒舞茸
・三膳目:メカジキ
⚫︎お味噌汁:
・豆腐
⚫︎香の物
⚫︎デザート:
・ラフランス
・どら焼き
⚫︎抹茶
<お酒>
・生ビール
・船中八策:純米超辛口、ひやおろし、高知県
・亀泉:純米吟醸原酒、ひやおろし、土佐
・開運:純米、ひやおろし、掛川
・大七:純米生酛、ひやおろし、二本松
・初亀:純米吟醸、秋あがり、藤枝
・森本:純米吟醸原酒、もったいない卸し、菊川
・アルザス:ピノグリ
4.56
ウスバハギです。皮剥よりデッカいお魚ですが、より滋味深い
知床牛のシンシン
黒舞茸の炊き込みご飯
巨大な伊勢海老。目が充血しています。目薬が必要かも\(//∇//)\
イトヨリダイとシメジ
焼きナス。ずんだとの相性が抜群。焼き目の香ばしい苦味も大人の味
定番の鯵の胡瓜巻
お椀の登場
上蓋の裏側。渡り鳥かな?
ウスバハギです。手前の肝醤油が破壊的にウンマイ
ウスバハギの肝醤油。脂分が強いので醤油が入っていても、こんなにポテっと固まります
肝醤油にウスバハギを乗っけたところ
伊勢海老がガンを飛ばします\(//∇//)\
デッカい伊勢海老。赤目が怖い\(//∇//)\
頭を二分割して味噌ソースを作ります
横たわる伊勢海老。このポッチャリ感が好き
熱そうです\(//∇//)\
尻尾が反ってきました
甲羅は井伊の赤備え色になりました
伊勢海老に栗チップを乗せました。薬味は頭の味噌ソース
この塊はシンシンで間違い無し\(//∇//)\
知床牛のシンシンの登場です。これから小一時間、じっくりと炭火で炙ります
麻機蓮根のおかき揚げ
グアニル酸の塊
カマスを炙ります
レアなカマス。空芯菜と春菊ソースでいただきます
白甘鯛です。自家製柚子胡椒でいただきます
蕪の炭火焼き
炊き上がりのご飯
舞茸の芳香に朦朧としてしまいます
香の物
お味噌汁
メカジキです
メカジキご飯
ラフランスです
小さなどら焼き
最初は生ビール
高知の銘酒からスタート
土佐の銘酒
掛川の銘酒
菊川の銘酒
福島の銘酒
藤枝の銘酒
〆のアルザスのピノグリジオ
備前かな?
素敵な酒器
今夜の表のお酒
個室で時間までのんびりと休憩
駿河湾の果実は杉山氏の掌で香り立つ
土曜日の夜です。
焼津です。
今夜はおよそ三か月ぶりのこちら、【温石】さんにお伺いしました。
数日後に中秋の名月とは言え、まだまだ残暑の熱が収まらず、汗をにじませながら駅からニ十分の道のりをノテノテノテ。
ご一緒するのは自称、裏紀香嬢・・・!
どうも藤原紀香さんをイメージしているようですが、縦横に偏倍がかかっているように見えるのは、ラッコの老齢カスミ眼のせいか、グフッヾ(≧▽≦)ノ
まっ、自称ですからね、それは良しとして、思わず笑ってしまったのは杉山氏の仕込み。
というのも日本酒メニューの紹介文に『墨廻江:藤原紀香のようなふくよかさからのキレ』(写真をご参照ください)との記載が・・・
『もしかして、アタシのこと?』
『そんなん、知らん』
『どうして分かったのかしら?』
どうもラッコの反応が耳に入らないらしい・・・
その会話を聞いていた杉山氏。
『書かないで、とは伝えていたのですが、書かれてしまいました』と、照れ笑い。
以前のラッコと自称紀香嬢の会話を記憶されていたのか、はたまた単なる偶然なのか?
それは分からないけれど、一気に気分を良くしたノリノリのお嬢。
『ふくよかさからのキレって、どんなんやろ?』
『試してみるぅ~、高いわよぉ~』
『要らん、誰が試すかいな、グフッ』
『あら、お酒のことよ、エヘッ』
周囲の失笑を買いながら、『それでは冷おろしからいきましょうかね』とラッコ。
『久しぶりだから、呑んじゃうわよぉ』とお嬢。
さてさてそれでは本題です。
いただいたコース内容は以下の通り。
ひとつひとつのコメントは写真欄に記載しておりますので、画像と一緒にお楽しみいただければ幸いです。
そしてご馳走様でした。
<まとめ>
以前からのスペシャリテもブラッシュアップ。
牛肉こそ揃っておりませんでしたが、白甘鯛に鰻、エボ鯛、鱧、真旗に加えて地物の野菜が並びます。
〆の抹茶を点てる姿に静かに見入りながら、今夜も素敵なばんげを過ごすことが出来ました。
<コース内容>
⚫︎先付:
・落花生豆腐
・落花生:葛寄せ
・無花果
・隠元
・鯵の胡瓜巻:焼津
・梅肉添え
⚫︎椀物:
・イトヨリダイ:焼津
・冬瓜
・ツルナ
・切り柚子
⚫︎お造り:
・真羽太:焼津、6kg
・茗荷
・薬味:本山葵、醤油、塩
⚫︎揚げ物:
・翡翠ナス
・田楽味噌
⚫︎炊合せ:
・蛤
・空芯菜
・栗:素揚げチップ
・銀杏
・葛煮餡
⚫︎蒸し物:
・椎茸:藤枝
・黄身醤油
⚫︎強肴:
・鱧:湯引き、愛知
・ネギソース
⚫︎箸休め:
・温麺
・柚子胡椒
・出汁:鱧、蛤
⚫︎焼き物:
・白甘鯛:焼津
・実山椒醤油
・万願寺唐辛子:ピクルス
⚫︎口直し:
・長芋:素麺仕立て
・ウズラ卵
・鰹節
⚫︎焼き物:
・鰻:白焼き
・折戸なす:清水
・オクラ
⚫︎ご飯もの:
・一膳目:
・エボ鯛:炭火焼き
・獅子唐
・二膳目:
・冷し胡麻出汁茶漬け
・胡瓜の醤油漬け
・おにぎり:
・揚げ玉葱
・お味噌汁:豆腐
・香の物
⚫︎デザート:
・シャインマスカット
・梨
・翡翠餅:ズンダ
<お酒類>
・ジンジャエール:自家製
・鳳凰美田:純米吟醸、ひやおろし、小山
・伯楽星:純米吟醸、ひやおろし、大崎
・山形正宗:純米吟醸、秋あがり、天童
・開運:純米、ひやおろし、掛川
・霜:2023, Rose, 甲州
・森本:純米、蔵出し限定初呑み切り 2024、菊川
・杉錦:菩提酛純米吟醸、藤枝
・手取川:秋、純米、辛口、白山
・船中八策:純米、超辛口、ひやおろし、高知県
・墨廻江:大吟醸、600K、石巻
4.56
お酒のメニュー
最初は自家製ジンジャエール
落花生の葛寄せとイチジク、豆腐は温製です
落花生の葛寄せだけでお酒が一合、呑めちゃいそう
限定銘酒です
地物の鯵の胡瓜巻き。塩味と酸味がちょうど良い
イトヨリダイが出てきました。恐らく、お碗の具材ですね
宮城の銘酒
器も中秋の名月に因みます
地物のイトヨリダイ。冬瓜とトッピングの辛子の相性が抜群でした
8kgの真羽太の柵からお造りを用意します
真羽太です。薬味は塩と醤油と本山葵
真羽太。これは抜群にウンマイヾ(≧▽≦)ノ
天童の銘酒
翡翠ナスの揚げ物。手前の田楽味噌との相性が抜群
翡翠ナスを小麦粉と片栗粉をまぶして軽く揚げました
掛川の銘酒
蛤と空心菜の炊き合わせ。栗の素揚げチップが全体をまとめます
藤枝産の椎茸の蒸し煮。黄身醤油でいただきます
甲州ワインのロゼです
愛知の鱧の湯引き、ネギソースです
菊川の銘酒
地物の白甘鯛の炭火焼き。実山椒醤油でいただきます。緑色は万願寺のピクルス
藤枝の銘酒
白山の銘酒
口直しです
鰹節の下には長芋素麺とうずら卵が隠れていました
清水の折戸ナスの炭火蒸し焼き
炊き立ての新米です
鰻の炭火焼きです
鰻の白焼きと折戸なす、オクラ
高知県の銘酒
エボ鯛の炭火焼きとしし唐
〆のお膳です
一膳目はエボ鯛の炭火焼きでいただきます
二膳目は冷たい胡麻出汁でお茶漬け風に
お茶漬けにもエボ鯛を乗せました
三膳目はオニギリです。トッピングは揚げ玉葱
デザートです。梨とシャインマスカット
シャインマスカット、大好き
翡翠餅。中身はずんだです
最後のお抹茶
駿河湾の艶麗は杉山氏の掌で弾ける
土曜日の夜です。
焼津です。
季節ごとにお伺いしている【温石】さん。
初夏の艶麗を求めて焼津駅からノテノテノテ。
六時半ちょっと前にお伺いすると、他の七名のお客様はすでに外待ち中。
鍵が外されご案内がスタート。
ラッコは、正面の上がり框から靴を脱いで着席。程なくすると、仕込みがひと段落ついたのか、杉山氏が奥から現れ、一人一人に丁寧なご挨拶。
通い始めて五シーズン目となりましたが、食べログゴールドに輝いても微塵も変化しない謙虚な姿勢。
実るほど頭を垂れる稲穂かな。
恐らく、日々、ご自身の料理に対する心構えを問われているのでしょう。ひとつ「出来た」と納得されても、更に視界が開けることで、次の課題が自然に浮かんでくるのかな。
ご自身の成長は感じられても、懐石の真髄はそれ以上に奥深く、大きくなっても相対的に小さな自分に向き合い続ける、そのお気持ちの表出・・・!
この五年間のお付き合いを俯瞰し直して、そんなことを考えながら、一皿一皿の艶麗と銘酒の数々に心地良く漂うラッコでした。
さてさてそれでは本題です。
ひとつひとつのコメントは写真欄に記載しておりますので、画像と一緒にお楽しみいただければ幸いです。
そしてご馳走さまでした。
<まとめ>
神は細部に宿る。
目と鼻と舌でそれを感じ、脳幹を経由した味覚中枢で爆発。
最後のお点前を静かに見つめながら、ただ一言、感謝。
<コース内容>
知床牛も食べさせて、なんて我儘はもう言いません。今夜の魚のラインナップは完璧でした。
⚫︎鯵の胡瓜巻き:焼津
・梅肉
・炒り胡麻
⚫︎白ミル貝:愛知
・炭火焼鏝
・ルッコラ:お浸し
・自家製マスタード
・新玉葱餡
⚫︎豆鯵:
・風干しの唐揚げ
⚫︎お椀:
・カマス:葛タタキ
・新蓮根
・つるな
・柚子
⚫︎お造り:
・ヒラ鯵:炭火焼鏝
・真ハタ:炭火焼鏝、背カミ
⚫︎揚げ真薯:
・葉生姜
⚫︎虎河豚:
・炭火焼き
・アスパラガス
・黄身酢
⚫︎ズッキーニ:藤枝
・朝どれ(直径10cm)
・炒り玉葱
⚫︎えぼ鯛:
・蒸し
・春菊
・タタキトマト
⚫︎真旗:
・頰肉
・炭火焼き
・実山椒ソース
⚫︎枝豆:
・擦り流し
⚫︎炊き合わせ:
・金タラ:別名ヨロイイタチウオ、ヒゲダラ
・揚げ餡掛け
・賀茂茄子?
・オクラ
⚫︎ご飯他:
・一膳目:新生姜
・二膳目:金目鯛の鎌の炭火焼き
・三膳目:新生姜、おこげ
・香の物
・お味噌汁:豆腐
⚫︎煮麺:
・蛤
・黒七味
⚫︎デザート:
・夏みかんゼリー
・浜香シロップ:石津浜
・半熟カステラ
・とうもろこしアイス
⚫︎お抹茶
<お酒>
お店の女子にお任せしました。
⚫︎生ビール
⚫︎天狗舞:山廃、能登杜氏 中 三郎、白山
⚫︎初亀:純米吟醸、Blue、藤枝
⚫︎森本:特別純米、掛川
⚫︎開運:大吟醸、能登流、伝 波瀬正吉、掛川
⚫︎雨後の月:純米吟醸、呉
⚫︎磯自慢:純米大吟醸、焼津
4.54
風干しして揚げた小さな豆鯵。このサイズでないと苦味が先立ちます
駿河湾の虎河豚の炭火焼き
賀茂茄子?とオクラが寄り添います
蒸したエボ鯛。春菊の苦味と叩いたトマトの甘味と酸味が調和しておりました
駿河湾の艶麗にウットリ\(//∇//)\
玄関
最初は生ビール
鯵の胡瓜巻。脂が乗ってきて更に美味しくなりました
白山の銘酒。杜氏四天王の一人、中三郎氏の集大成。これは美味い(^◇^)
愛知の白ミル貝。炭火を焼鏝のように軽くあて、芳ばしい香りを演出。新玉葱餡とともにいただきます。奥は自家製マスタードとルッコラのお浸し
風干ししているので旨味が凝縮。梶の葉の緑が映えます
ホントに小さな豆鯵。仕込みの大変さに感嘆してしまいます
藤枝の銘酒の夏酒
汁物椀の登場
カマスの葛タタキ。新蓮根のお団子が下に隠れています。緑はつるなとお店の庭に自生している柚子の赤ちゃん
カマスの斬り口に浮かぶ真珠のような煌めき。ポワソンナクレ!
左が新蓮根のタタキ
炭火でじっくり超太のズッキーニを炙ります
菊川の銘酒
奥が真ハタの背カミ部位。炭火を軽くあてて脂を引き出します。手前はヒラ鯵。真ハタと同様、焼鏝仕上げ
ヒラ鯵です。お腹と背中。抜群にウンマイ
真ハタの背カミ部分。筋肉質にウットリ
形からして河豚かな?
九谷焼の素敵な器です
揚げたての真薯。フワフワでした。中の葉生姜がアクセント
虎河豚です。この形状をいただくのは初めて。黄味酢との相性が抜群でした
能登杜氏の伝える開運。これも最高にウンマイ
ズッキーニの炭火焼き。トッピングは炒めた玉葱です。直径は10cmくらい。この太さでないと炭火のパワーに負けてしまいます。
中はとってもジューシーです
呉の銘酒
真ハタの頰肉。カマの部位を炭火の串焼きで供します
真ハタの頰肉です。もはや鶏肉のような食感でした
真ハタの頰肉を実山椒ソースでいただきます
真ハタの炭火焼きの内側。半レアです
枝豆の擦り流し
ヨロイイタチウオの揚げ餡掛け
磯自慢の温石オリジナル純米大吟醸
一膳目の生姜ご飯
二膳目の混ぜご飯用に金目鯛のカマを炭火で焼いてほぐします
香の物
豆腐のお味噌汁
二膳目。金目鯛のカマの炭火焼きの混ぜご飯
蛤の煮麺。お出汁はもちろん、蛤です。黒七味がアクセント
蛤です
三膳目のおこげご飯
焼津の近くの石津浜に自生しているハマゴウ(浜香)。スタッフの方が隙間時間を利用して手摘みされているそう。ミントのような香りがしました
夏みかんゼリー。ハマゴウのシロップがかかっています
半熟カステラと玉蜀黍アイスクリーム
抹茶
駿河湾の慈悲は杉山氏の掌で揺れる
土曜日の夜です。
焼津です。
三ヶ月振りにお伺いしたのは、こちらの【温石】さん。隣には一昨年のクリスマス・イブ以来の二回目となる元・峰不二子嬢。
もともと昨年秋にご一緒する予定のところ、ラッコの勝手な都合で内幸町の松茸フライに浮気させてしまいました。
その後の二次会のバーで『松茸より駿河湾のお魚が良かったかもぉ』と恨めしそうな元峰嬢。その穴埋めに、今日のこの夜とあいなりました。
焼津駅の改札で待ち合わせ、夕闇迫る街中をノテノテノテ。いつものように、すれ違う街人はわずか数人。
静寂に包まれたこのアプローチがいつにも増して心地良い。ササくれて傷んだ心の襞が優しく癒されます。
程なくしてお店の玄関に到着。
暖簾には筍がデザインされておりました。旬ですものね、客人を迎える実直なお気持ちが、嫌味なく自然に伝わります。
さてさてそれでは本題。
いただいたコース内容は以下の通り。
ひとつひとつのコメントは写真欄に記載しておりますので、画像と一緒にお楽しみいただければ幸いです。
<まとめ>
通い始めて五年目ですが、三月にお伺いするのは二回目。その三年前の献立を確認し、そうかそうか、赤座海老の季節だな、なんて予習に余念のないラッコ。
しかし登場したのは、艶めかしい煌めきを放つ赤銅色の物体。布巾を取ると、アイヤァ・・・、十年ものと思しき巨大な伊勢海老。
裏で〆たばかりなので、ギィギィという肉声こそ発しませんが、断末魔の力を振り絞っては、その毛むくじゃらの前脚でラッコを威嚇。
大丈夫だよぉ〜!
ラッコは北寄貝と赤貝しか食べないからね!
あっ、ウソウソウソ。
今は仮の人間の姿だから、ごめんね、美味しくいただきます、グフッ(^◇^)
加えて焼津沖の白甘鯛、鰆、エボ鯛、真鯛のカルテット。この四人はすべて他店の主菜を軽く凌駕する味わい。
『前田さんの目利きと前処理が全てです』と港のジャイアンを讃える杉山氏。
いやいやいや、駿河湾の魚の底力と前田氏の確かな目利きと前処理、そして天井世界にまで昇華させる杉山氏の技量、この三点があってこそのこと。
まさに、トリニティ!
三位一体の成果を目と舌と脳で堪能した二人。
次回は食材の端境期となる五月にひとりでお伺いします。
<コース内容>
⚫︎鯵:焼津
・砧巻き
・胡瓜
・米麹
・大浦ごぼう
⚫︎炭火焼き:
・平貝
・ホワイトアスパラ
・馬上杯
・ホワイトアスパラ:濃縮茹で汁
⚫︎南蛮海老:焼津
・ケール
・殻出汁
⚫︎お椀:
・白甘鯛:焼津
・筍:藤枝?
⚫︎お造り:
・真鯛:焼津
・白ミル貝:玉葱微塵切り、愛知
・蕨
・じゃがいも:酢漬け
⚫︎おかき揚げ:
・ネギ
⚫︎伊勢海老:焼津
・炭火焼き、半レア
・菜の花
・ソース:伊勢海老の味噌
⚫︎箸休め:
・椎茸:炭火焼き
⚫︎エボ鯛:焼津
・蒸し
・黄身醤油
・春菊
⚫︎鰆:焼津
・炭火焼き
・発酵芽キャベツ
・実山椒ソース
⚫︎お浸し:
・辛子菜
・薄揚げ
・胡麻
⚫︎蛤:
・鍋仕立て
・蓮根つみれ:麻機
⚫︎ご飯:
・一膳目:太刀魚、葉玉葱
・二膳目:蛤鍋の卵とじ
・三膳目:蛤鍋の卵とじ+筍
・香の物
・お味噌汁:豆腐
⚫︎デザート:
・キラピカ
・章姫
・春菊餅:ほんのり温かい
<お酒>
生ビールで気道を確保し、あとは全てお酒にお詳しいお店の女子にお任せします。
冷と燗を織り混ぜ、地酒の芳醇な味わいを最大限に引き出してくださいました。
任せて安心。ただその一言(^◇^)
・生ビール
・森本:炸裂無濾過、特別純米、生原酒、菊川
・初亀:特別純米、無濾過生原酒、藤枝
・白隠正宗:特別純米、静岡誉富士、沼津
・H.森本:純米、必殺山廃仕込み、菊川
・白隠正宗:きもとぶれんど、沼津
4.55
暖簾には季節の筍の図柄が
最初は生ビール
鰺の砧巻き。手前は大浦ごぼうの素揚げ
最初の日本酒は森本からスタート
平貝とホワイトアスパラガスの炭火焼き
馬上杯が素敵
ホワイトアスパラ100本分の茹で汁の煮詰め。玉蜀黍茶のような味わいでした
沼津の銘酒
焼津の南蛮海老とケールの素揚げ。海老の殻出汁がまとめます。これにはエビスキーも悶絶
このお椀は何でしょう?
焼津の白甘鯛と藤枝だったかな?の筍
威嚇する巨大伊勢海老
愛知の白ミル貝です
沼津の銘酒
真鯛と白ミル貝です
目の前であがった真鯛。〆て二日目ですが、弾力がものすごい。旨味も爆裂します
愛知の白ミルには玉葱の微塵切りを合わせました
じゃがいもの酢漬け
横たわるアマビエ嬢みたい
炭火であぶります。胸の脚がパタパタパタ
菊川の山廃です
伊勢海老の炭火焼き。頭の味噌を絡めます
椎茸の炭火焼き
蒸したエボ鯛と春菊。薬味は黄身醤油
沼津の銘酒
大ぶりな蛤です
箸休めの辛子菜のお浸し
蛤と白菜の鍋
蛤出汁が染み込んだ白菜が美味しい
炭火焼きの太刀魚と葉玉ネギのご飯
豆腐のお味噌汁
一膳目
二膳目は鍋をおじやに
三膳目は筍を追加
きらぴかと章姫
春菊餅の仕上げにかかります
季節の春菊餅です
駿河湾の御饌は杉山氏の掌で覚醒する
土曜日の夜です。
焼津です。
今夜はおよそ三か月振りのこちら、【温石】さんにお伺いしました。久しぶりのお一人様です。
昨年も師走に訪れており、その際の駿河湾の鼓動(当時のタイトル)がどのように新たに差配されているのか、愉しみでなりません。
ちょっと早めですが五時半に焼津駅に到着。
人魚姫に挨拶し、商店街を通り抜けます。年の瀬にも関わらず、出逢った地元の方達は数名ほど。ばんげの時間なので皆さん、ご自宅で団らん中なのかな。
さてさてそれでは本題です。
いただいた内容は以下の通り。
ひとつひとつのコメントは写真欄に記載しておりますので、画像と一緒にお楽しみいただければ幸いです。
そしてご馳走様でした。
<まとめ>
初めてお伺いしたのが2019年の8月の夏の日。今回で25回目となりましたが、今夜のお皿がこれまでの頂点。
複数回通うと分かるのですが、変わらぬ仕立てや過度なお化粧でお茶を濁す有名店もある中、杉山氏の進化と真価には目を瞠ります。
引き出しの多さはもとより、日々の弛まぬ努力と研鑽から生まれた駿河湾の御饌。
通い続ける理由がここにある。
<いただいた内容>
杉山氏の真摯なご挨拶から静寂に包まれたお点前にいたるまで、完璧な演出。
演出と書くと何か作為的な雰囲気を感じられるかもしれませんが、そんないやらしい意図はありません。
杉山氏の人格と地場の食材への愛、そして礼節の心から自然に発露する人間力のなせる業、かと思います。
⚫︎落花生豆腐:
・銀杏
・落花生餡
・ロースト落花生
⚫︎鯵の棒鮨:
・鯵:焼津
・おでお牛蒡:富士宮
⚫︎お椀:
・甘鯛:焼津
・黒シメジ
・柚子:温石の庭で自生
⚫︎お造り:
・鮃:西焼津
・縁側
・ジャガイモ酢漬け
⚫︎鮟肝
⚫︎揚げ物:
・太刀魚:焼津
・衣:麻機蓮根
⚫︎船場汁:
・胡麻鯖:焼津
・大根
・鰹節と鯖(カマ、尻尾)出汁
⚫︎どうまん蟹:浜名湖
・半生内子
・蓮根チップ
・追い椎茸:炭焼き、藤枝
⚫︎鰆:炭焼き
・焼津
・実山椒醤油
⚫︎蕪:炭火丸焼き
⚫︎柿とスナップエンドウ:
・胡麻酢掛け
⚫︎知床牛:炭焼き
・シンタマ
・ほうれん草
・海老芋:磐田
⚫︎ご飯:
・一膳目:炊き立て
・二膳目:カマス、酢蓮根、黄身醤油
・三膳目:浜名湖青海苔、唐辛子味噌、エノキ
・四膳目:漬けヒラ鯵
・お味噌汁:豆腐
・香の物:白菜、胡瓜、蕪、赤
⚫︎デザート:
・洋梨
・カボチャのきんつば
⚫︎お手前
<お酒>
・浦霞:純米辛口、しぼりたて、塩竈
・喜久酔:純米吟醸、松下米、藤枝
・國香:純米大吟醸、中取り、袋井
・森本:火の用心、燗酒仕立て、純米、菊川
・開運:無濾過純米、生酒、掛川
・萩錦:生酛純米、静岡
駅前からの長いアプローチのゴールがこちら。なんだか落ち着きます
今夜は最初の落花生豆腐に合わせた旨口の浦霞でスタート
落花生豆腐の進化が止まりません。何度かいただき、時に首をひねる状態もありましたが、今夜のは秀逸。このヒトサラへの想いが昇華したのかな
落花生豆腐と落花生の餡、一時間ほどローストしてクラッシュした落花生。その三種類の鰺の変化を楽しめます
目の前の海の鰺の棒鮨
手前は富士宮のおでお午房の素揚げ。太い管午房のひとつで、その栽培に手間がかかることからなかなか手に入りません
二杯目は松下米の喜久酔。この時期限定の逸品です
目の前の海の甘鯛と黒しめじ
庭で自生した柚子で香り付け
お酒を呑んでいる方には鮟肝がつきます。フワフワな仕上がり。まるでレアチーズケーキです
焼津の西にある砂地の海岸で獲れた鮃
この鮃はスゴイ。超一流の鮨屋のそれに匹敵、いや、それ以上か?手前は酢で和えた馬鈴薯
ヒラメの薄造り。お皿の文様が透けて見えます
袋井の銘酒
焼津に揚がった太刀魚を麻機蓮根の衣で揚げました
蓮根衣の自然の甘さにウットリしてしまいました
ゆっくりと遠火の炭で炙られる知床牛のシンタマ。脂の雫が炭に落ちて、ジュワッ、と白い煙が立ち昇ります
ここで胡麻鯖に合わせる熱々のお燗の登場
焼津で揚がったこの胡麻鯖は真鯖を超えた
お出汁は鰹節に加え胡麻鯖のカマと尻尾からじっくりと引き出しました。骨やアラは雑味が多く、この透徹とした味わいにはたどり着けません
熱燗用の酒器です
どうまん蟹と半生の内子。酒が進む進む、だれか止めてくださいませ
器に残ったどうまん蟹の半生内子は藤枝産の椎茸の炭焼きで残さずいただきます
焼津産の鰆の炭焼き。手前は実山椒醤油
まるで三重の答志島のトロ鰆みたいな脂の乗り
鰆の薄桃色の身。手前には微かに見えるポワソンナクレ
炭火で丸焼きした蕪
茎を手で持って丸かじりします
焼きの入った表面と内側の食感の変化が楽しい
柿とスナップエンドウの胡麻酢掛け
一膳目は炊き上がりで
おこげの用意に抜かりなし
知床牛のシンタマの炭火焼き。枕は磐田産の海老芋です。富田林のそれより、より馬鈴薯に近い食感。年が明けると富田林のようにネットリへの変化するようです
駿河区の酒蔵。萩錦
香の物
豆腐のお味噌汁
二膳目はカマスと酢蓮根の黄身醤油かけ
おこげの下準備が完了
三膳目はおこげご飯。浜名湖産の生海苔とエノキ
以前はエノキなしでしたが。今夜はエノキが追加。食感の変化に花丸でs
四膳目はヒラ鰺の漬け
デザートの洋梨
デザートのカボチャのきんつば
〆のお点前
茶室
駿河湾の恩徳は杉山氏の掌で目覚める
土曜日の夜です。
焼津です。
富士宮駅から静岡に直行。
隙間時間を活かして、ご一緒した女子とふたりで駅ナカのスーパーで地魚を確認し、お土産も購入。
在来線で焼津に移動して、駅前からノテノテノテ。
今夜はいつにも増して街人と遭遇。だってひとりもお会いしなかったことも過去にあるし・・・
なんかあるのかな?
それはともかく予約時間の十分前に路地に入ると、並行して二台のタクシーが逆側から進入。壮年男子の四人連れですね。その後、二人連れの男子も到着し、八席が揃いました。
珍しいことに、女子はラッコとご一緒した博多女子のみ。こんな夜もあるんですね、アハッヾ(≧▽≦)ノ
さてさてそれでは本題です。
いただいたコース内容は以下の通り。
ひとつひとつのコメントは写真欄に記載しておりますので、画像と一緒にお楽しみいただければ幸いです。
そしてご馳走様でした。
<まとめ>
台風十三号の影響で地物の魚が揃うのか、正直ちょっと不安。でもそこはさすが、サスエさんの威光。
台風の影響で以前なら出漁しない波ですが、お伺いすると、やはりサスエさんの影響力なのだそう。
価値がさがらないよう、魚の手当てを漁師さんに指導された話は有名ですが、それで終わらず漁師さんの荒ぶるマインドに火をつけ、今では何隻か出漁。もちろん漁師さんだけにリスクを負わせられないので、魚種にこだわらず前田さんがすべてを船買い。
これなら男気溢れる漁師さんも『そんじゃみゃぁ、出てみっかぁ~』なんて呟くのかな。
そうして入手された魚ですが、焼津沖の鰺も花鯛もジンドウイもエボもアラも金目も、いつにも増して味が濃ゆい。きっとラッコの感動塩が効いているのかな、アハッヾ(≧▽≦)ノ
おまけに湯がきたての活のどうまん蟹まで登場し、ふうううっ、焼津まで足を延ばす訳がここにある!
<コース内容>
⚫︎先付①:
・焼き茄子:揚げ炊き
・胡麻豆腐
・隠元
⚫︎先付②:スペシャリテ
・鯵の胡瓜巻き:焼津
⚫︎先付③
・どうまん蟹:浜名湖
・モロヘイヤ
⚫︎吸物:
・花鯛:焼津
・冬瓜:辛子
・切り柚子:香り付け
⚫︎刺身:
・アラ:8kg
・ジンドウイカ:片面炙り、自家製イカ墨
⚫︎揚物:
・甘長唐辛子:おかき揚げ
・鱧子
⚫︎箸休め:
・長芋月見素麺
・ウズラ卵
・鰹節:削りたて
⚫︎重陽の節句の逸品:
・エボ鯛
・食用菊
・エノキ
・柚子胡椒:自家製
⚫︎焼物:
・金目鯛
・実山椒ソース
●蒸し物:
・椎茸:藤枝
⚫︎箸休め:
・枝豆:擦り流し
⚫︎炊合せ:
・折戸ナス
・オクラ
・知床牛:炭火焼き、ランプ
●ご飯と汁:
・一膳目:新米
・二膳目:カマス、焼き玉蜀黍
・三膳目:おこげ、浜名湖産生海苔
・香の物
・お味噌汁
⚫︎デザート:
・長野パープル
・シャインマスカット
・薄皮どら焼き
●お抹茶
<お酒>
・生ビール:小サイズ
・磯自慢:純米大吟醸、温石コラボ、静岡
・杉錦:温燗、八代亜紀、特別純米、静岡
・磯自慢:純米吟醸、大井川の恵み、静岡
・必殺:温燗、H.森本、遠州自然流、山廃、純米、静岡
入り口
最初は生ビール
揚げた茄子を炊いてから胡麻豆腐と隠元をトッピング。この胡麻豆腐が温泉卵の白味のような食感で、抜群にウンマイ
焼津沖の鰺の胡瓜巻き、ラッコ盛りです
磯自慢の純米大吟醸の温石コラボ酒
どうまん蟹です。味噌は野趣が溢れすぎるとのことで無添加。産卵期になれば打ち子がはいるようです。緑はモロヘイヤ。これでお酒が一合、イケてしまいます
なんでしょう、このお碗?
花鯛と冬瓜です。薬味は和芥子。柚子は香りのみで齧りません
藤枝の銘酒。ぬる燗です。炙ったジンドウイカと合わせ、♪肴は炙ったイカでいい~♪と隣の女子が嬉しそうに呟きます
お造りの二点盛りです
手前がジンドウいか。関東ではヒイカと呼ぶ小さなイカです。片面を炭で焼鏝仕上げ。ゲソもトッピング。黒い粉は自家製のイカ墨です
8kgのアラ。三日目に仕込んだそうですが、身が溶けていない、まったくダレていない。反発する身の強さにビックリポン。やはり焼津沖はモノが違うのか!
万願寺唐辛子のオカキ揚げ。手前は鱧子です
先ずは万願寺をそのままひと齧り。中に空洞ができるので、そこに鱧子をつめます
そして、アムッヾ(≧▽≦)ノ
焼津の銘酒です
なんだこれは?
長芋素麺でした。お腹が落ち着くなぁ、アハッヾ(≧▽≦)ノ
エボ鯛なので、エボい!
お約束の金目鯛。今でこそ他の和食屋さんでも提供されますが、この仕上げのオリジナルは温石さんでは?
H.森本です
炭で焼いて鍋で蒸しました
新米の炊き上がりは香りが違う
枝豆の摺り流しです
知床牛のランプの炭火焼き。底にはオクラと折戸ナスの炊き合わせが隠れます
赤身肉はラッコの大好物
炭火焼きのカマスと焼玉蜀黍の混ぜご飯
香の物
お味噌椀
おこげ
長野パープルとシャインマスカット
ミニどら焼きです
最後はお抹茶で〆ます
駿河湾の神饌は杉山氏の掌で開花する
土曜日の夜です。
焼津です。
お店の近くのお米屋さんで、お米のジェラートをアムアムアムッ。メインストリートに出て、右手に西陽を浴びながら、のんびりと人気のない商店街を南方面にノテノテノテ。
路地を曲がると、先客と思しき二人連れが通りに佇んでおりました。
まだ鍵がかかっているのかな、と訝りながら近付くと、ちょうど暖簾の奥からお店の女子が出ていらしてご案内。
ラッコ達も続いて温石の森(小さな中庭です)を通り抜け、カウンターの端に着席します。
先月はおひとり様でしたが、今夜は以前、軽井沢のイタリアンにご招待いただいた御礼を兼ね、アザブジュバン女史をエスコート。
程なく他の四名の方も揃い、水無月の宴がスタートします。
どんな魚が出てくるのかな?
楽しみ楽しみ。
さてさてそれでは本題。
いただいたコース内容は以下の通り。
ひとつひとつのコメントは写真欄に記載しておりますので、画像と一緒にお楽しみいただければ幸いです。
そしてご馳走さまでした。
<まとめ>
暖簾をくぐると杉山氏がお出迎え。
『Pol Rogerを仕入れていただいたようで、有難うございます。しかも写真だとミレジメでした』とラッコ。
実は数週間前の温石さんのインスタで、静岡の他店にプライベート?でお伺いされた際呑まれただろうボトルが掲載されておりました。
『あへっ、Pol Rogerっすね。ラッコの大好物っす。お店でも呑めるとええなぁ』と軽く呟いていたところ、前日のメッセージで『仕入れておきました』とご案内。
おっ、おおっ、それは嬉しいけど、クリスマスぐらいにしかご提供されたことの無い、泡モノ。
ボトル一本の責任を取らんと男やない、いやラッコじゃない。でもミレジメやからザギンのシースーだと諭吉さんが四人でお釣りの筈・・・\(//∇//)\
『ポルロジェ、ボトルで頂かないとアカンですよね・・・』と、眉毛を八の字にして懇願するラッコ。
『・・・・・』と、ラッコと同じく眉毛を下げながら申し訳なさそに頷く杉山氏。
確かにひとりで一本はキツイよな。それに、いつも通りに日本酒を浴びるようにお呑みになりたい筈・・・
それら全てを察していらっしゃる涼しい笑顔に、ハートがズッキュンやないかい、アハッ\(//∇//)\
そうは言ってもせっかくご用意くださったので、グラスで二杯を所望。残りは隙のない営業トークで、奥の四名のお客様にご提供。
ああっ、良かった良かった。半端に残らなくて何よりでした。
<コース内容>
定番の鯵の胡瓜巻きも、締め方を変えて旨味倍増。
他にも新作だらけの一皿一皿に、常に進化する気概の一端を感じとります。
端境期のこの季節、手に入った食材に愛情を注ぎ込み、時間をかけて珠玉の一皿に昇華させるその技量には、ただただ感動の二文字しか浮かびません。
取り分け、太刀魚の炭焼きはこれまでの他店の焼き上げを遥かに凌駕。独特の体臭を完璧に消し去り、匂いの元となる皮目も綺麗に焼き切ります。
恥ずかしながら、これは言われないと太刀魚とは分かりませんでした\(//∇//)\
⚫︎鯵の胡瓜巻き:焼津
⚫︎芋と唐墨のきんつば:富士宮
⚫︎豆鯵:唐揚げ、焼津
⚫︎お椀:
・メバル:焼津
・管ごぼう
・ツルナ:近くの海岸
⚫︎お造り:
・真羽太
・泥障烏賊
⚫︎葉生姜の揚げ真薯:黄身醤油
⚫︎ズッキーニ:炭焼き
⚫︎真羽太のカマ:炭火焼き、渡嘉敷島のもずく酢
⚫︎南蛮海老:焼津、コリンキー
⚫︎太刀魚:炭焼き、木の芽酢
⚫︎枝豆:擦り流し
⚫︎炊き合わせ:
・クリミ:知床牛
・折戸ナス:一富士二鷹三茄子で有名
・オクラ
⚫︎ご飯:
・一膳目:新生姜
・二膳目:甘長唐辛子、平貝、発酵エシャロット
・三膳目:生海苔おこげ:浜名湖、唐辛子味噌
・四膳目:生シラス
・お味噌汁:隠元、豆腐
・香の物:茄子、胡瓜、蕪、コリンキー
⚫︎デザート:
・桃:日川白鳳、安倍川長田地区
・薄皮どら焼き
⚫︎お抹茶
<お酒>
・Champagne:Pol Rogers、二杯
・早瀬浦:純米、福井
・南部美人:特別純米、岩手
・傳一郎:手造り純米吟醸、静岡
・森本:特別純米、誉富士、静岡
・司牡丹:かまわぬ、生酛純米、高知
知床牛のクリの炭火焼き。底には一富士二鷹三茄子の折戸ナスとオクラが潜みます
沖縄は渡嘉敷島のもずく酢
これが今夜の一番の太刀魚の炭火焼き。薬味は木の芽酢。遠火でジックリと炭の熱を加えるので、繊維が程よく溶け落ち、全く舌や歯に当たりません。これは凄い。今までの太刀魚じゃない(^◇^)
生シラス丼。デカい、太い、美味い
富士宮産の新じゃがの唐墨サンド。唐墨の塩味とマッシュしたジャガイモが超絶、合う
焼津の鯵。『〆方を変えました』とのこと。確かに先月より塩味と旨味が倍増しておりました
焼津前の豆鯵の素揚げ。これもラッコの大好物
葉生姜の揚げ真薯。出来立てなので、フワフワモフモフ食感。薬味は黄身醤油
お椀の登場です
焼津のメバルと近くの海岸に自生しているツルナ。管牛蒡で見通しが良くなりますように(^◇^)
奥が真羽太。サスエ前田さんでカツから捌いて塩締め。雑味が完璧に抜け落ち、旨味だけが身に残りました。手前は泥障烏賊。やはり地物です
この真羽太は抜群に美味しかった。その透き通るかのような旨味に悶絶してしまいました
泥障烏賊
地物のズッキーニの炭焼きです
真羽太のカマの炭焼き
焼津の南蛮海老とコリンキー
枝豆の擦り流し
新生姜の炊き上がり
甘長唐辛子と平貝のご飯
香の物
甘長唐辛子と平貝
お味噌汁
浜名湖の生海苔とおこげ
シズル音が凄い
安倍川沿いの長田地区で栽培されている日川白鳳。日本で一番早く収穫される桃だとか
薄焼きドラ
お抹茶
お茶室です
Pol Rogerです
岩手の銘酒
福井の銘酒
静岡の銘酒
高知の司牡丹
静岡の銘酒
駿河湾の恩賜は杉山氏の掌で揺蕩う
金曜日の夜です。
焼津です。
今夜は一人で皐月の温石さん。
ここ数年、通っておりますが、実は皐月は初めてかも。
一般的には食材の端境期にあたり、正直、難しいと言われている季節ですが、それはそれとして、どのような仕立てで楽しめさせていただけるのか、ある意味、別の期待を抱いて焼津駅からノテノテノテ。
ちょいと早めに到着して、カウンターで生ビールを舐めていると程なく、三組のご夫婦と女史の二人組が到着され、九人での宴がスタートします。
さてさてそれでは本題。
いただいたコース内容は以下の通り。
ひとつひとつのコメントは写真欄に記載しておりますので、画像と一緒にお楽しみいただければ幸いです。
そしてご馳走さまでした。
<まとめ>
黒鮑や赤座海老のように、一目見てこれが今夜の主役、というネタは有りませんでしたが、それでも目の前の海から揚がる縞鯵、エボダイとカマスは最上の逸品。
脇を固める平貝や白ミルなど、県外からの仕入れに苦労された形跡を感じますが、それはもうね、自然を相手にしているんだから、なんら気になりません。
<コース内容>
⚫︎稚鮎:唐揚げ、焼津水産高校養殖
⚫︎鯵:胡瓜巻き、梅肉、焼津
⚫︎新じゃが:きんつば、鯛子醤油漬け
⚫︎お椀:花鯛、焼津、管牛蒡、つるな、山葵
⚫︎お造り:
・縞鯵:焼津
・白ミル:新玉葱おろし、焼鏝仕上げ、愛知
・茗荷
⚫︎太刀魚:蓮根包み揚げ
⚫︎口直し:トマト
⚫︎エボ鯛と春菊:蒸し物、黄身醤油
・追い焼き椎茸
⚫︎カマス:炭焼き、木の芽酢、発酵エシャロット、焼津
⚫︎枝豆:擦り流し
⚫︎アスパラ:胡麻和え
⚫︎平貝:炭焼き、オクラ、丸茄子、泥障烏賊揚げ真薯
⚫︎ご飯:
・新生姜
・空豆と揚げ桜海老
・お焦げと浜名湖アオサ、自家製唐辛子
・鰹漬け
⚫︎デザート:
・グレープフルーツと紅茶のゼリー寄せ
・薄皮どら焼き
<お酒>
いつものお酒にお詳しい女子がペアリングでご提供。
・生ビール:小サイズ
・初亀:純米吟醸、特A東城山田錦、静岡
・森本:特別純米、誉富士、静岡
・司牡丹:かまわぬ、生酛純米、高知
・Chassagne Montrachet:ACMC,
Olivier Leflaive, 2019
・志太泉:ラヂオ正宗、純米吟醸、温燗、静岡
・王禄:渓、純米、島根
・白隠正宗:純米、誉富士、静岡
薬味は発酵エシャロットと木の芽酢
奥が縞鯵。右手が愛知の白ミルの炙り。炭で焼鏝仕上げに
葉っぱは近くの浜で採れたツルナです
どうする家康
お焦げを投入
地物の鯵の胡瓜巻きです。梅肉のアクセントが効いています
焼津水産高校の生徒さんが授業で養殖した稚鮎
新じゃがのきんつば。鯛子の醤油漬けをトッピング
地物の花鯛です。見通しが良くなるよう管牛蒡が添えられます
平貝の炭火焼きとオクラ、焼きナスと泥障烏賊の揚げ真薯です
この縞鯵は垂涎
縞鯵。サスエ前田さんの手当てが素晴らしい
太刀魚のレンコン包み揚げ
揚げ物に合わせ、シャサーニュ・モンラッシュの登場
箸休めのトマト
エボダイと春菊の蒸し物。薬味は黄身醤油です
エボダイが高級魚に変身
黄身醤油に追い焼き椎茸。すき焼きの椎茸をインスパイア
カマスの炭焼きです。定番の金目鯛に食小気味だったので、これは嬉しい
枝豆の擦り流し
枝豆も潜みます
アスパラガスの胡麻和え
新生姜のご飯
空豆と桜海老ご飯
香の物
お味噌汁
浜名湖のアオサ
鰹の漬けご飯
デザート
薄皮どら焼き
〆のお抹茶が好き
静岡だもん
小サイズの生ビール
シャルドネの石灰臭が心地良い
藤枝の銘酒
高知の司牡丹の″かまわぬ″
藤枝の銘酒
王禄です。蔵元から提供温度を指定されているため、ロックでいただきます
菊川の銘酒
静岡の銘酒
玄関
お酒の表メニュー
駿河湾の宝玉は杉山氏の掌で華やぐ
水曜日の夜です。
焼津です。
今日は離日される女子への手向けとして、日本の懐石の神髄を紹介したく、こちら、食べログゴールドの温石さんにご一緒しました。
朝からの冷たい雨も止み、駅からノテノテノテ。
『おっ、第一町人、発見』なんて、静かな通りではしゃぎながら凡そ二十分。
暖簾をくぐると、既にご夫婦が一組着席中。程なく仕事仲間と思しき四人がいらっしゃり、八名の席が埋まります。
ラッコ達を除けば、いずれも地元の方々でしょうか?
平日ですものね、都内からやってくるのはやはりしんどいかも。
その点、有休の余っているラッコは問題無し。たまにはゆっくりと休まないと、アハッ\(//∇//)\
さてさてそれでは本題です。
いただいたコース内容は以下の通り。
ひとつひとつのコメントは写真欄に記載しておりますので、画像と一緒にお楽しみいただければ幸いです。
そしてご馳走さまでした。
<まとめ>
春の終わりは地物のジンドウイカ。鯵も脂の乗ってくる時期となりました。豆鯵の唐揚げに舌鼓を打てば、花鯛の香りにも悶絶。
さらに今夜の出色はエボダイのお造り。
焼津前の定置網のピンピン。健全な脂を含んだしっとり身質に、ただただ深く頷きます。
高級魚とは言えないエボダイですが、サスエ前田氏の完璧な下処理もあり、まさに海の女王に君臨。
『いかがでしょうか?』とドヤ顔の杉山氏。
『エッ、エボい、エモいじゃなくて』とボケるラッコ。
<コース内容>
●鯵:胡瓜巻き、焼津
●ジンドウイカ(ヒイカ):
・ルッコラのお浸し
・自家製マスタード添え
●豆鯵:唐揚げ
●お椀:
・花鯛
・ツルナ:近くの海岸
・管ごぼう
・柚子の花びら
●お造り:
・エボダイ:皮目炙り、焼津
・泥障烏賊
・浜防風
・茗荷
●アスパラガス:おかき揚げ
●黒ムツ(新作):炙り
・春菊のお浸し
・熱した油かけ:丸本の太白/太香のブレンド
●椎茸:炭火焼き
●金目鯛:炙り
・木の芽酢
・白ネギとエシャロット
●鰆:炭火焼き、おまけ
●辛子胡麻浸し:
・蕨
・壬生菜
●トマト
●挟み揚げ:
・太刀魚
・蓮根
・エンドウ
●ご飯:
・煮えばな
・揚げ桜海老
・おこげ:浜名湖青海苔、蛤出汁
・鯛子塩漬け:おにぎり
・香の物
・お味噌汁
●デザート:
・グレープフルーツと紅茶のゼリー
・ミニドラ焼き
<お酒>
・生ビール:小サイズ
・風の森:純米、無濾過生、奈良
・加茂錦:無濾過純米吟醸、新潟
・森本:もったいない卸し、純米吟醸、静岡
・常きげん:超辛純米、石川
・磯自慢:純米大吟醸、温石コラボ、静岡
・風の森:純米、無濾過生、奈良、二杯目
日本酒は三合くらい
お造りの二点盛り
ジンドウイカの炭火焼きコテ仕立て。自生しているルッコラのお浸しと自家製マスタード添え
豆あじはラッコの大好物
揚げ桜海老ご飯
豆あじの勢揃い。後ほど唐揚げでご提供
鯵の胡瓜巻き。大盛りです
地物の花鯛です。縁起物の管ごぼうも嬉しい。トッピングはツルナと柚子の花びら
泥障烏賊です。丁寧な包丁目で歯がなくてもいただけるくらいのネットリ仕立てに変化
このエボダイはまさに白身の女王でした。焼津前の定置網ですが、サスエ前田さんの下処理が完璧
アスパラガスのかき揚げ。箸休めです
黒ムツの炙り。丸本の太白と太香をブレンドして熱した油を振りかけます
地物椎茸の炭焼き
金目鯛の炙り。奥の白ネギとエシャロットの薬味が完璧なハーモニー
別のお客様に提供された鰆の炙りの端っこ
蕨と壬生菜の辛子胡麻浸し
皮を丁寧に切り落としたトマト。酸味と甘味のバランスが最高。産地と品種は秘密です
煮えばな
太刀魚と蓮根の挟み揚げ
桜海老、大好き。だってラッコの本名はエビスキーだもんね
お味噌汁
香の物
浜名湖のアオサと蛤出汁にあつあつのおこげをトッピング。ジュジュジュのシズル音が食欲をそそります
おこげ、大好き
鯛子の塩漬けのおにぎり
グレープフルーツと紅茶のゼリー寄せ
デザートのミニドラ焼き
どうする家康、アハッ\(//∇//)\
〆の抹茶です。今夜のお客様は皆さん常識と良識をお持ちで、しわぶきひとつなく、静かにお行儀良く杉山氏の所作を見つめます
生ビールでスタート
レモン果汁を絞って酸味を強化。これはうんまい。お店の女子のアドバイスにしたがい、最初と最後にいただきました
石川の銘酒
菊川の銘酒
新潟の銘酒
駿河湾の心音は杉山氏の掌で慶ぶ
土曜日の夜です。
焼津です。
凡そ二ヶ月ぶりのこちら、温石さんにお伺いしました。
この日でちょうど二十回目の訪問となりましたが、それだけ長くラッコを惹きつけてやまない魅力とは?
う〜ん、分からない!
いやいやいや、そんなことは無くて、ラッコの器から溢れ出るその魅力を整理できないだけ、アハッ\(//∇//)\
それでは食べログ・ゴールド受賞店の仲間入りを機に、ちょっと考察してみましょうか。
①杉山氏のお人柄:
真摯に真剣に食材に向き合うその姿勢。たまに見せるお茶目なギャップに萌えええっ!
②近くの海と山の宝物:
サスエ前田さんの魚介は言うまでもなく、お米や葉物、根菜に至るまで、静岡の豊穣にただただ感謝。
③その宝物を活かす技量:
地元の食材の地味と滋味を壊さない、繊細で控え目な味付け。都内の有名店でたまに出逢うケバいお皿に食傷気味のワガママな胃も、大満足。
④設え:
静謐な空間に漂う幸福感。
こればっかりは同席する他のお客様次第ですが、空気の読めない居酒屋感覚で騒ぐ客人は稀なので、もし遭遇してしまったら諦めるしか有りません。
⑤情愛溢れるスタッフ:
杉山氏のお人柄同様、みなさん、控え目で適切な距離。お酒や食材にも詳しく、何よりもそのもてなし感が半端ない。
今宵も腰の弱ったラッコの背中にクッションを挟んでくださるし、歩くのが遅いラッコを気遣い、帰りがけに駅までハンドルを握ってくれたお弟子さんにも感謝。
⑥茶道:
温石の名の通り懐石なので、面前でたてる杉山氏の抹茶で今宵の締め。取り出された茶器を眺めながら、固唾を飲んでその作法を見つめます。
静寂、閑寂、清閑、沈静。しわぶきひとつ起きません
⑦ロケーション:
焼津駅前から歩くこと二十分。街灯も少なく道行く町人も稀。裏路地に入り、角を曲がると温石の森から漏れる暖色系の灯り。
車の往来もなく、聞こえるのは火の用心の拍子木の音のみ。
都内では絶対的に有り得ないこの空気感に心の襞が癒されます。
長々と書きましたが、まだまだ語り尽くせません。
有名な懐石料理店は数あれど、こちらほど客人を心よりもてなす、いわば懐石の本質と神髄を大切にされているお店を他に知りません。
間違いなく、食べログ・ゴールドに相応しい名店かと思います。
さてさてそれでは本題。
今夜のコース内容は以下の通り。知床牛こそお休みでしたが、それを遥かに上回る食材の数々。
しかと堪能させていただきました。
ひとつひとつのお皿のコメントは写真欄に記載しておりますので、画像と一緒にお楽しみいただければ幸いです。
そしてご馳走さまでした。
<コース内容>
●先付け①:
・白ミル貝:炙り、三河
・クレソン
・芽キャベツ:素揚げ
・刻み玉葱
●先付け②:
・鯖:棒鮨
・ルッコラ
・自家製マスタード
●お碗:輪島塗
・白甘鯛:駿河湾
・ホウレン草の芽
・しめじ
●お造り:
・泥障烏賊:駿河湾
・鮃:駿河湾
・縁側:駿河湾
●箸休め:
・根深ネギ:おかき揚げ
●焼き物:
・赤座海老:駿河湾
・ブロッコリー:朝採れ、赤座海老の味噌と卵
・エボ鯛:黄味醤油、自家製柚子胡椒、春菊
・金目鯛:山椒醤油
●口直し:
・薄揚げと青菜の辛子浸し
●煮物:
・めがい鮑
・筍
・葛煮
●ご飯と汁:
・一膳目:煮えばな
・二膳目:平貝の炙りと筍
・三膳目:おこげご飯、蛤、浜名湖青海苔
・四膳目:漬けカツオ
・お味噌汁:牛蒡、豆腐
・香の物:赤蕪、白菜他
●デザート:
・章姫
・きらぴか
・春菊餅
●抹茶
<お酒>
・森本:もったいない卸し、純米吟醸、菊川
・喜久酔:特別本醸造、藤枝
・杉錦:菩提もと、純米、藤枝
・森本:火の用心、純米、燗酒仕立て
・池月:純米、石川
・白隠正宗:純米生原酒、富士山の日朝搾り、沼津
・磯自慢:温石、純米大吟醸、焼津
・磯自慢:大井川の恵み、純米吟醸、焼津
日本酒は四合くらい
今宵は最初から日本酒です。菊川の酒蔵です
藤枝の銘酒です
駿河湾の白甘鯛です。特に昆布の旨味が強いお出汁でした
お造りの二点盛り。奥が鮃、右が泥障烏賊です。泥障烏賊には烏賊の墨塩がトッピング
泥障烏賊の千枚切り
藤枝の銘酒です
鮃の脂の煌めきが見えるかなぁ?
鮃の縁側です。肉厚です
根深ネギをおかきの衣をまぶして上げました。箸休めに最適です
菊川の森本を熱燗でいただきます
駿河湾の活の赤座海老です。ハサミを拡げて威嚇します
炭火で炙られる赤座海老
炭火で炙られる赤座海老
赤座海老です。駿河湾産と相模湾産の二種が有るとのこと。その味わいもエサの違いなのか、異なるのだとか。今夜は目の前の駿河湾産です。
赤座海老の尻尾がカワユイ
炭火で炙った地物のブロッコリー。薬味は赤座海老の海老味噌と玉子です
エボダイの黄身醤油。薬味は自家製の柚子胡椒です
石川の銘酒
こちらのスペシャリテですね。金目鯛の炭火焼き。手前の山椒醤油との相性が抜群です
沼津の白隠正宗。一昨日の2月23日が富士山の日ということで、その日の朝の搾りたてです
箸休めです。薄揚げの辛子浸しです
メガイです。デカい
メガイと筍の葛煮です
炊き立てのご飯
香の物です
筍ご飯に炭焼きの平貝を混ぜ込みます
二膳目の平貝と筍ご飯
炭火で焼いたおこげ。浜名湖の青海苔とともに
焼津の銘酒です
左が章姫、右がきらぴか。いずれも静岡品種。味の違いが分かります
春菊餅です
素敵なお点前です
お抹茶を飲み干したら日輪が見えました
駿河湾の鼓動は杉山氏の掌で轟く
土曜日の夜です。
焼津です。
今夜はおよそ三カ月ぶりのこちら、温石さん。
クリスマスイブというとんでもない曜日ですが、快くご一緒していただく裏紀香嬢に感謝。
いつものように駅からゆっくりと歩きます。
運河沿いの人魚姫には、ええっ?
何故かそこだけ粉雪が舞っている・・・!
よく見れば橋の袂に降雪マシーンらしきものが。
近づいて思わず手にすると、アイヤァ、雪やなくて泡やん。
まさに淡雪ならぬ泡雪、アハッ\(//∇//)\
行き交う人もないまま、派手な飾り付けもない静謐な通りをトコトコトコ。六時半前に暖簾を潜ります。
『今夜はイブなので、グラスのシャンパンもご用意できます』と、ちょっとだけどふくよかになられたような杉山氏。
テタンジェで唇を湿らせつつ、お通しを口にしていると、突然、下っ腹に響く、ッズドゥーーーン、ッズドゥーーーンの大轟音。
聞けば七時から港の防波堤でサプライズ花火の打ち上げが。翌朝のニュースによれば800発の15分。
外に出て、大輪の花こそ目にすることは叶いませんでしたが、なんとも素敵なイブとなりました。
さてさて、それでは本題です。
ひとつひとつのコメントは写真欄に記載しておりますので、画像と一緒にお楽しみいただければ幸いです。
そしてご馳走さまでした。
<まとめ>
三年前からお伺いして今夜で19回目。
定番の金目鯛とシンシンの炭火焼きの他は、全て初めて口にする仕上がり。
杉山氏の引き出しの多さと焼津前(太平洋はみんな焼津前だもんね)のサプライズ花火と魚の鼓動に震えた夜となりました。
<コース内容>
●先付け:
・風呂吹き大根:聖護院大根
・白味噌ペースト
・振り柚子
●お凌ぎ:
・真イカ(スルメイカ)
・肝ソース
●椀物:
・地蛤
・葛和え
●お造り:
・本鮪:中トロ、赤身、焼津、玉葱鬼おろし
・イサキ:茗荷
●揚げ物:
・海老芋:磐田
●蒸し物:
・えぼ鯛
・根深ネギ
・柚子胡椒:自家製
●炭火焼き:
・金目鯛
・椎茸
●箸休め:
・蕪:擦り流し
●煮物:
・真鴨:治部煮
・蓮根団子:麻機
・スナップエンドウ
●ご飯と汁物
・一膳目:どうまん蟹、おじや仕立て、半生内子
・二膳目:知床牛の炭火焼き!シンシン、蓮根チップ
・三膳目:生海苔とお焦げの出汁茶漬け仕立て
・香の物:紅芯大根、長芋、白菜、大根
・ナメコ汁
●デザート:
・イチゴ:章姫、きらぴか
・春菊団子:餡子
●抹茶
<お酒>
・Champagne:Taittinger, Cuvée Prestige
・七本槍:純米酒、濁り酒、長浜
・磯自慢:純大吟、特A東条秋津産特上山田錦、焼津
・火の用心:森本、燗酒仕立て、菊川
・勢:森本、魂醸、蔵元直送!菊川
・磯自慢:純米吟醸、焼津
・Champagne:Taittinger, Cuvée Prestige
〆シャンパンです。
この本鮪はウンマイ。玉葱おろしが合う
知床牛のシンシンと蓮根チップ
蒸し物と記載しましたが、軽く炙っているのかもしれません。地物の根深ネギと自家製柚子胡椒の辛味が合う
どうまん蟹のおじや。内子は半生です
肝ソースの橙色、蕪?の葉の緑、スルメイカの白。杉山氏曰く『ちょっと苦しいけど、クリスマスカラーにしてみました』とのこと。う〜ん、ちゅうか、アイルランドの国旗やん、アハッ\(//∇//)\
イサキです。梅雨が旬の魚ですが、この魚体は旨味が濃く、抜群にウンマイ。聞けばサスエ前田さんの指導のもと、神経〆を施す漁師さんが増えたとのこと。その成果は明らか。
淡雪ならぬ泡雪です
焼津前の蛤です。この後お椀に
風呂吹き大根です。冬なので、最初は温かい先付けです胃を活性化
焼津に揚がった太平洋の本鮪。下田や勝浦に揚げると五割?程度は高く取引されるのに、焼津漁師の意地で地元の港に揚げました。その心意気や良し。
地蛤の葛粉碗。蛤の汗が最高にウンマイ
これはヤバいよぉ〜\(//∇//)\
椎茸の炭焼き
金目鯛の炭火焼き
蕪の擦り流し。滋味溢れる甘さ。この甘さを引き出す手間と技量に感謝します。
真鴨の治部煮。奥は麻機蓮根の団子です
香の物
ナメコ汁
お焦げの生海苔出汁茶漬け
左が章姫、右がきらぴか。デッカくて甘い
春菊のお団子
〆のシャンパン。甘い団子にも合う
バカラのグラスですが、細さが違うので、泡立ちにも違いが\(//∇//)\
最初はテタンジェで乾杯
菊川の銘酒
地酒の森本です
磯自慢の純米大吟醸。温石ラベルです
冬はやはり濁り酒
焼津の銘酒
抹茶。来年は『どうする家康くん』
最後に淹れたての抹茶をいただくと、心底、落ち着きます
駿河湾の天福は杉山氏の掌で誉れとなる
土曜日の夜です。
駅前からノテノテノテ。
重い蒸気を含んだ潮風の漂うなか、裏紀香嬢と薄闇の通りを歩きます。
すれ違う街人は僅かに七人。
静かです。
タクシーで向かわれる方も多いかと思いますが、ラッコのオススメはやはり、徒歩。垂涎の懐石に与るプロローグとして、この時間は欠かせません。
ちょっと早めに角を曲がると、いつもお酒をお任せする、可愛ゆくておおらかな女子が暖簾の前でお出迎え。温石の森を通り抜けて、カウンターの真ん中にご案内いただきます。
奥から現れた杉山氏。
『xxxさん、今日は何軒目ですか?』と杉山氏。
『アイヤァ、夜は一軒目ですよー』とラッコ。
フムゥ。
これは恐らく、ラッコのお腹の事前健診か、アハッ?
さてさてそれでは今夜のコースは以下の通り。
ひとつひとつのコメントは写真欄に記載しておりますので、画像と一緒にお楽しみいただければ幸いです。
そしてご馳走さまでした。
<まとめ>
駅からの長い道のりがプロローグとすれば、最後に点てていただく抹茶がエピローグ。静謐な余韻に浸りながら、凡そ三時間の小旅行を心地良く振り返ります。
多くの名店がひしめく静岡ですが、柔らかい空気と閑寂さを求めるなら、こちらの温石さんで決まりかと。
あっ、もちろん、偶に賑やか目のお客様もいらっしゃいますが、それは致し方ないことで。
でも都内に比べて遭遇確率は低いので、その時は芭蕉のつもりで『蝉の声』とでも思うようにしております。
<コース内容>
●先付:
・落花生豆腐
・無花果
・隠元
●お凌ぎ:
・鯵の胡瓜巻き
●お椀:
・ソコイトヨリ
・冬瓜
●向付:
・ジンドウイカ
・目一鯛
・茗荷
●揚げ物:
・緑茄子のおかき揚げ
・白味噌ペースト
●八寸:
・どうまんがに
・モロヘイヤのお浸し
●箸休め:
・枝豆の擦り流し
・浅利出汁
●焼き物:
・金目鯛の炭焼き
・玉ねぎおろし醤油
・椎茸
●炊き合わせ:
・シンシンの炭火焼き:知床牛
・賀茂茄子
・オクラ
●ご飯:
・香の物:胡瓜、コリンキー他
・お味噌汁
・一膳目:生姜ご飯
・二膳目:カマスと万願寺
・三膳目:鰹の漬け
・生シラスとお焦げ:煎餅仕立て
・四膳目:お焦げご飯、浅利出汁、浜名湖アオサ
・五膳目:カマスと万願寺
●菓子:
・藤稔
・シャインマスカット
・幸水
・焦がしくるみ餅
●抹茶
<お酒>
・生ビール
・磯自慢:大吟醸、焼津
・開運:ひやおろし、純米、掛川
・喜久酔:特別純米、藤枝
・悦凱陣:山廃無濾過純米、瀬尾米、香川
・黒龍:秋あがり、純米、福井
・手取川:秋、純米、白山
知床牛のシンシンです。炭火焼きです。塩だけ。抜群にウンマイ!
浜名湖のどうまんがに。コイツは抜群にウンマカッタ。悦凱陣の燗酒との相性も抜群。緑はモロヘイヤのお浸しです。
ソコイトヨリと冬瓜のお椀。イトヨリダイより更に深いところに生息するソコイトヨリ。顔付きもちょっとだけ異なるようです。身質は捌いた後の処理が完璧なので、ホクホクした旨味の塊でした。
鯵の胡瓜巻き。旬は五月かと思いますが、なんと今シーズン最高の鯵でした。朝に塩〆して夕暮れに巻き、真空ラップして一昼夜、良い感じに馴染んでおりました。親方曰く『鯵の力が全てです』とご謙遜。
お約束の金目鯛。玉ねぎおろしがことの他口に合いました。
炭火焼きのカマスと万願寺とうがらし
落花生豆腐と無花果。落花生の土臭い香りが無花果の甘さを引き立てます。これまでも何度か落花生豆腐をいただきましたが、今夜のこの仕立てが完成形かも。
左がジンドウイカ。いわゆるヒイカです。自家製の墨塩をトッピング。ただただ、アンマイ。右手はメイチダイ。脂が強めなので山葵とお醤油でいただきました
ジンドウイカの片面を軽く炭火で炙りました。このひと手間で甘みと旨味が爆発
緑茄子のおかき揚げ。白味噌ペーストとの相性が抜群でした。
緑茄子のおかき揚げの断面です
椎茸の炭火焼き。噛むと椎茸の汗が迸ります
炊き上がりました。
香の物を乗っけて一膳目。
二膳目はカマスと万願寺とうがらしの混ぜご飯
お味噌汁です
三膳目はカツオの背身の漬けです
お米の炭火焼きお焦げの上にシラスをトッピング。鮮度が良いのでアンマイ\(//∇//)\
炊き上がりのお米を網で挟み炭火でお焦げにします。浅利出汁と浜名湖のアオサ海苔でいただきました
五膳目はカマスと万願寺をおかわりしました
シャインマスカットと藤稔、幸水です
焦がしたくるみ餅
懐石ですから、最後は目の前で点てていただいたお抹茶で余韻を楽しみたい
最初は生ビール
近所の酒蔵、磯自慢からスタート。東条特Aの山田錦に醸造用アルコールを添加するところが粋な酒蔵です
地酒が続きます
地酒は続くよ何処までも、アハッ\(//∇//)\
鳥取県の農家の瀬尾さんのお米。どうまんがにに合わせて御燗で登場。55度の適温です
秋ですね。黒龍です
白山の銘酒
駿河湾の恵雨は杉山氏の掌で紡がれる
土曜日の夕暮れです。
焼津です。
今夜はこちらの温石さん。
”英君の會:入梅の候”に参加しました。
英君とは由比の歴史ある酒蔵、英君酒造さん。
その銘酒の数々、葵区のワイン・日本酒バーのラ・ソムリエールのペアリングの妙、茶懐石 温石の紡ぐ駿河前の宝石。三者三様の個性が響き合う、およそ三時間の饗宴。
楽しみですね。
すぐさま予約し、待つこと二ヶ月。
いつもは一人でお伺いし、静かに温石の空気に漂うところですが、この日はラッコと同じくらい、いやそれ以上に日本酒がイケちゃうひまわり娘をお連れしました。
焼津駅で待ち合わせ、驟雨漂う焼津の街を案内しながら、ノテノテノテ。人通りもほとんどなく、行き交う車もわずか数台。この静かな街並みが好きなんですよね。
さてさて暖簾をくぐると折敷が八枚。
板の正面の桟敷席にひまわり娘を案内し、ラッコはその横に控えます。
ほどなくしてご常連ご夫妻が二組、ラッコと同世代の地元の名士の方がお一人、ラ・ソムリエールの長谷川女史、こちらの方は銀座小十の奥田親方の妹さんです、が揃いました。
英君酒造の望月社長のご挨拶に続き、杉山氏から一言。
お店でペアリングの会を催すのは実は初めて。いつものスタンダードな懐石ではなく、お酒のラインアップに合わせ、スタッフ総出で考えつくした、ちょっと遊び心も交えたメニュー構成なんです、とのこと。
『正直、ドキドキしております』
緊張の面持ちから一転、目じりを下げる杉山氏。
さてさてそれではいただいたものは以下の通り。
ひとつひとつのコメントは写真欄に記載しておりますので、画像と一緒にお読みいただければ幸いです。
そしてご馳走様でした。
<特別コース>
●汲み出し水:由比酒蔵の仕込み井戸水
●枝豆の摺り流し
◆橙の英君:純米吟醸、雄町
●枝豆の含め煮
◆紫の英君:純米吟醸、山田錦
●馬鈴薯の揚げ出し
◆スプラッシュ:純米にごり生酒
●盛り合わせ:
・隠元の胡麻和え
・ピーマンの揚げ浸し
・平貝とネギの辛子酢味噌和え
・オクラとろろ
・稚鮎の唐揚げ
・鯵の棒鮨
◆夏吟醸
●お椀:花鯛、管午房、つる菜
◆緑の英君:純米吟醸、五百万石
●クロムツ:炭火炙り
◆夏の白菊:純米吟醸、、夏キュン、エイキュン
●いしなぎ:炭火焼き
◆山廃純米愛山:燗
●くるみ味噌煎餅
◆紫の英君:純米吟醸、山田錦
●鯵フライ
◆英君:miss Cherry
●ラーメン:蛤と花鯛のお汁
●ご飯:漬け鰹
●デザート:枇杷
◆NG(未発売故非掲載:もうすぐリリース)
背中越しのVサインで喜ぶひまわり娘
英君の會、入梅の候、ということは季節ごとに継続されるかも?
今夜のメニューです
〆にラーメン?
英君酒造の仕込み水。確か井戸水だったかな?
橙の英君、雄町の純米吟醸です
枝豆の摺り流しに合わせたのは橙の英君
枝豆の含め煮と合わせたのは紫の英君。山田錦の純米吟醸。含め煮が超絶、ウンマイ。どぶろくで煮てフライドオニオンでコクを添加。調理方法を聞くととれも自宅で出来ないと納得
左が山田錦、右が雄町の純米吟醸です
じゃがいもを蒸してフードプロセッサーにかけ、葛粉と出汁でまとめ、プルプル状態で揚げました。まるでお餅のような食感です
馬鈴薯の揚げ出汁に会わせるのは濁り酒。ちょっとしたシュワシュワが揚げ脂を中和してくれます
にごり生酒です
奥から時計回りにオクラトロトロ、近所の川の稚鮎と淵源の胡麻和え、鯵の棒鮨、ピーマンの揚げびたし、平貝とネイの酢味噌和えです
夏の吟醸です
花鯛と管午房。英君の仕込み水と昆布の相性は抜群です
五百万石の純米吟醸です
自家製粒マスタードを添えたクロムツの炙り
クロムツはウンマイ
夏の純米吟醸、エイキュンです。キュンキュンしちゃいます
15kgのいしなぎです。近くの海で獲れました
イシナギの炭火焼き。見た目は鶏肉です
イシナギを炭火に近づけます
イシナギの炭火焼き。薬味は玉ネギ
愛山を燗でいただきます。これが一番好きかも
くるみ味噌を炙った煎餅仕立て
このくるみ味噌で一合、呑めちゃいそう
鯵フライです。薬味はコチュジャンのタルタル風
この鯵フライはコチュジャンのピリ辛が合う
赤色の酵母でイチゴミルクのおような見た目。でもウンマイ。鯵フライの脂にジャストミート
温石で初?のラーメン。蛤や花鯛のお出汁でいただきます
漬け鰹のごはん
デザートの枇杷
デザートに合わせたお酒。未発売なのでエチケットは見せられません
最後に緑の純米吟醸(五百万石)をお代わり
愛山の燗酒を追加
今夜の英君のラインアップ
駿河湾の海宝は杉山氏の掌で喜ぶ
土曜日の夜です。
焼津です。
GW二日目とはいえ、焼津はいつもと変わらぬ閑寂さ。駅前から温石さんまでノテノテと散策しますが、どなたに会うこともなく、聞こえてくるのは開け放たれた窓から漏れる晩げの団欒の声のみ。
好きなんですよね、この雰囲気。
予約まで隙間があるので、地元の磯自慢が数多く揃う古い酒屋さんで純米大吟醸42を購入し、温石さんの入り口に。
裏アカウントに良く出ていらっしゃる美人スタッフさんが暖簾の前でお待ちです。
『xxxさん、お待ちしておりました』とにこやかにご挨拶。中に入ると仕事仲間と思しき四人連れの方達が既に歓談中。
板の正面に椅子を引かれたラッコは『すかさず生ビールで』と呟きます。程なく妙齢のご常連女子お二人がいらっしゃり、カウンターは七名となりました。
個室にも三名の家族連れがいらっしゃるようで、変わらぬ御繁盛にこちらも嬉しくなりました。
さてさて、今夜のコースは以下の通り。
ひとつひとつのコメントは写真欄に記載しておりますので、画像と一緒にお楽しみいただければ幸いです。
そしてご馳走さまでした。
<まとめ>
ハシリの鱧、安定の鯵、旬の蓮子鯛。
脂ノリノリの完熟黒ムツに由比の桜海老。
駿河湾の海の宝に囲まれ、このところの不摂生で弛んだ頬が更にゆるゆるになるラッコ。
知床牛の内腿も甘く、炭の力に思わず納得。
次回は六月。豆鯵を楽しみに、じっと良い子でその日を待ち侘びます。
<コース内容>
●先付け:
・鱧の湯引き
・新玉ねぎの微塵切り、フライドオニオン
・自家製粒マスタード
●お凌ぎ:
・鯵の棒寿司:駿河湾
●お椀:
・連小鯛:駿河湾
・焼津の浜の自生つる菜:スタッフさん自摘み
・椎茸
●向付け:
・黒ムツ:炭の焼鏝、昆布出汁かけ、駿河湾
・泥障烏賊:墨塩
・薬味:浜防風、加減酢、塩
●八寸:
・伊勢海老:炭焼き
・アスパラガス:おかき揚げ
●焼き物:
・金目鯛:炭焼き
・薬味:木の芽酢、白髪ネギ
●箸休め:
・蕪:炭火丸焼き
・葉玉葱:辛子酢みそ和え
●強肴:
・内腿炭火焼き:知床牛、餡掛け
・白アスパラガス:菊川
●ご飯:
・一膳目:桜海老、由比、筍
・二膳目:桜海老、筍、金目鯛、空豆、炒り胡麻
・三膳目:内腿炭火焼き、知床牛、本山葵
・四膳目:浜名湖青海苔、蛤出汁、自家製唐辛子
●香の物:胡瓜、白菜、蕪
●お味噌汁:豆腐
●デザート:
・グレープフルーツ:ゼリー寄せ
・孀婦岩カステラ
●抹茶
●ほうじ茶
<お酒>
・生ビール:エビス
・英君:夏吟醸、由比
・加茂錦:純米吟醸、無濾過、加茂
・大七純米吟生酛生原酒、二本松
・志太泉:純米生原酒、藤枝
・磯自慢:大吟醸、特A東条秋津焼津
菊川の白アスパラガスと知床牛。永遠に食べ続けていたいっす
奥はアスパラガスのおかき揚げ。おかきの塩味ですちょうど良い塩梅。手前は炭焼きしたレアの伊勢海老です。お出汁で温めた海老味噌をトッピング
奥が黒ムツ。浜防風がトッピング。手前は泥障烏賊
蓮子鯛のお吸い物。身が甘い。緑は焼津の浜に自生しているつる菜です。スタッフさんが探し回ってようやく自摘みされました。シャキッとした食感と地産地消ですもてなそうとされる努力に感謝
金目鯛の炭焼き。抜群の美味さ。薬味は木の芽酢です
ハシリの鱧です。お出汁で湯引きしました。新玉ねぎの微塵切りとの相性も抜群。ただただため息の連続でした
鯵の棒寿司。肉厚でした。酢の柔らかいシャリが鯵の脂を優しく包み込みます
泥障烏賊です。これから墨塩を乗っけます
お造りの薬味。塩と加減酢です
黒ムツの皮目に炭をジュジュジュジュジューッ。無駄な脂が浮き上がります。この脂が曲者で、熱で変な臭みに変化。それを昆布出汁で洗い流します
伊勢海老です。まだまだ動いています
蕪の炭火焼き。青山のフレンチより美味い
知床牛の炭火焼き。形状からいつものシンシンではないなと思っていましたが、断面の筋肉繊維を見て内腿と確信。これが心地良い甘さ
筋肉繊維が美しい
葉玉葱のカラシ酢味噌和え。箸休めです
最初のご飯は筍と素揚げした桜海老
箸が止まらん、アハッ\(//∇//)\
金目鯛の炭火焼きと空豆を追加
金目鯛の皮目何ウンマイ
知床牛の端っこをそっと隠してご提供。肉好きなラッコを気遣っていただきます
もうね、何も言えねえ\(//∇//)\
浜名湖の青海苔を蛤出汁でおじやに仕上げました。この一膳のために、お焦げをとっていらしたようです
豆腐のお味噌汁
香の物
グレープフルーツのゼリー寄せ
孀婦岩のようなカステラ
最初はエビスの生で
由比の銘酒です
新潟の銘酒、加茂錦です
福島の銘酒です
藤枝の銘酒です
焼津の銘酒です
駿河湾の真価は杉山氏の掌で華開く
土曜日の夕暮れです。
焼津です。
いつも通り、駅前からノテノテと歩き始めます。
お店の玄関に到着するまで、出会った街人はわずかにお二人。通り過ぎた車も片手ほど。
静かです。家々から洩れる灯りもただただ密やか。
ふと見上げると、東の夜空にオリオン座を発見。
首を振ると、ペテルギウス、プロキオン、シリウスの冬の大三角も確認できました。
ふうっ、なんか良いことありそう。
それにしても腰が痛い。
反り過ぎやねん、アハッ\(//∇//)\
予約の十分前に到着。
既に四人組の男子が歓談中。程なくして地元のご夫婦がいらっしゃり、今夜の席は七名でスタートします。
さてさて、いただいたものは以下の通り。
ひとつひとつのコメントは写真欄に記載しておりますので、画像とともにお楽しみいただければ幸いです。
そしてご馳走様でした。
<まとめ>
今夜はなんと言っても、ご近所を泳いでいたアラと宮城沖のめじ鮪、赤座海老の焼きシャブ仕立てが秀逸。
この季節、ともすればありふれた唐墨餅も、お揚げに包んで焼津おでん風仕立てに変身。
肉好きのラッコのために、知床牛のとんび(とうがらし)もご用意いただき、はぁ〜、ふう〜っと、いつにも増して大満足の一夜となりました。
<コース内容>
●鮟肝
●聖護院大根:風呂吹き、自家製柚子胡椒と白味噌で
●唐墨餅入りお稲荷:菜花、黒七味、おでん仕立て
●お椀:イトヨリダイ、しめじ、ほうれん草の芽
●筍:炭火の付け焼き
●アラ:塩と山葵で
●めじ鮪:宮城
・大トロ:焼き霜仕立て、中トロ
・薬味:マスタード、大根おろし、山葵
●赤座海老:焼きシャブ
●ブロッコリー:炭火焼き
●赤座海老の味噌:出汁で温めて
●金目鯛:炙り、白髪ネギと胡瓜の千切り
●口直し:赤蕪の胡麻酢掛け
●知床牛:炭火焼き、シンシン、トウガラシ
●真鯖:押し寿司
●ご飯:
・一膳目:地物の筍
・二膳目:めじ鮪
・三膳目:シンシン、トウガラシ
・四膳目:蛤と浜名湖産青海苔、知床牛の端っこ
●デザート:きらぴか、メロゴールド
●茶菓子:百合根の胡桃茶巾絞り、金柑甘露煮乗せ
●抹茶:志野焼、酒井甲夫作
<お酒>
着席するといきなりくだんのお酒女子が『お寒いので燗酒からいかがでしょうか?』と優しく呟きます。
『アハッ、お任せいたします』とラッコ。
所詮半可通ですからね、地酒に詳しい方に抱かれたほうが楽しい。
おおっ、これか!なるへそ!なんてね、アハッ。
それにしても、知床牛とメルローの組み合わせには溜息の連続。甲州のワイナリーですが、こちらのメルロー、アロマもブーケも半端ない清々しさ。
スワリングを重ねると、緩やかに開き始める淑女の華、いや熟女のセンシティブゾーンの香り。
おおっ、愛しのジョセフィーヌ、なんのこっちゃ、アハッ\(//∇//)\
でも、こりゃ、たまらん。
メルロー100%なんて、トスカーナのマッセートやレディガフィは飲んだことあるけど、それらの銘醸に比肩しちゃうな。
早速通販で購入しちゃお、グフッ(^◇^)
●喜久酔:特別純米、藤枝、燗酒
●森本:純米勘造り、菊川
●初亀:亀、純米大吟醸、二年熟成、藤枝
●森本:純米、火の用心、燗酒、菊川
●傳一郎:純米吟醸、袋井
●開運:無濾過純米、掛川
●メルロー:ルバイヤート、2017、甲州
赤座海老の焼きシャブ仕立て。元々水分の多い海老なので、ボタン海老や甘海老とは明らかに異なる食感。甘みが半端有りません。唯一の子持ちをいただきました
知床牛のトウガラシ。肩肉の一部ですが肉質はモモに近いかも。超希少部位。赤身の王様です。
イトヨリダイのお吸い物。見た目も華やかなお魚ですが、身も甘くてウンマイ
鮟肝です。燗酒とベストマッチ。このポン酢がウンマイ。一滴残さず、飲み干してしまいました。
お揚げの中に唐墨餅が潜みます。焼津はおでんでも名を馳せたところ。お出汁を含んだキツネとの相性も抜群でした。
こちらの酒器も素敵ですね
聖護院大根の風呂吹きです。手前の自家製柚子胡椒がウンマイのなんのって。チビチビとお箸で摘んで燗酒で流し込みます。
地物の筍を炭火でじっくりと火を通します
穂先を指先で摘んでアムアムアムッ。トウモロコシのような味わいやねん
柵の斬り付けを正面から見つめますが、この色艶、大きさ、皮裏の色合いを見ても、なんだかわかりませんでした。答えは近所のアラ。アラッまぁ〜!お約束の戯言で笑いを誘います
宮城沖からめじ鮪が届きます。手前はお腹部位の大トロ。後ろは恐らく背中の中トロです。大根おろしとマスタードがメジの青い脂を斬ります
活の赤座海老。これから炭火地獄だよん、アハッ
赤座海老の尻尾の裏側です。ショッカーみたい、アハッ\(//∇//)\
赤座海老の尻尾です。この朱色は幸せを呼ぶ
地物のブロッコリーの付け焼きです。お好み焼きのキャベツのような香りに悶絶します
赤座海老の頭の味噌です。お出汁で軽く温め、ツマミで供しました
お約束の金目鯛。久しぶりです。変わらぬ美味しさです。
口直しの赤蕪の胡麻酢和え。お皿の流れが美しい
真鯖の押し寿司。脂の素晴らしい甘味に陶然とするラッコ
知床牛のシンシンの部位です
一膳目です
今夜のご飯は地物の筍
二膳目はめじ鮪の赤身です。このルビー色の煌めきに朦朧とするラッコ。さっ、誘われてんのかなぁ、アハッ\(//∇//)\
三膳目はシンシンとトウガラシ。この知床牛の赤身は超絶!
一膳目の途中に、オマケのトウガラシをトッピング
蛤をお出汁に投入。緑は浜名湖産の青海苔です。ご飯の間には、隠した知床牛
シンシンの端っこ部位。最初はおこげかと思いました
シンシンとトウガラシの端っこ。タタキも炭火焼きも端っこが好き
デザートのきらぴかとメロゴールド
百合根を湯掻いて裏漉しし、キャラメリゼした胡桃を包みました。トッピングは金柑の甘露煮です
〆は抹茶。目の前でひとつひとつ、丁寧に仕上げます。器は志野焼。作者は高名な酒井甲夫氏です。素敵ですね。
お酒女子のご提案に従い、こちらの燗酒でスタート
森本です。第六感で仕込まれたそう。こちらのお酒はホントに遊び心満載で嬉しいっす
初亀の二年熟成の純米大吟醸、亀、です。年始にしか出てきません。
森本の火の用心です。その名の通り、燗酒用です
今夜の日本酒ナンバーワンでした
運よ、開けえ〜っ、アハッ\(//∇//)\
このメルローは絶品でした。やはり牛肉は赤ワインに限ります(^◇^)
お店女子が暖簾の後ろに控えていらっしゃいましたが、撮影すると知ると、サッとブラインドに隠れます、アハッ
表のお酒のメニュー
駿河湾の恩恵は杉山氏の掌で耀く
土曜日の夜です。
焼津です。
師走の快晴の中、富士の山を右手に眺めながらやってきたのが駿府の街。
静岡駅のホテルにチェックインし、在来線で焼津に移動。既に夜の帳が降り、車も走らず、道ゆく人も無い通りをノテノテと散策しながら到着したのが、こちらの温石さん。
昨年末と同様、一年の懐石の計をご主人の杉山氏に委ねます。
暖簾をくぐると、既に五名の団体様がカウンターの右側に着席。折敷を見ると左に二名なので、ラッコを含めて八名の客人。
馴染みのお弟子さんや表の女子に挨拶し、板の前に座ります。
目の前には根付きの菜葉が横になっておりました。
湯掻きたてのようですが、えっ、分かんないな、なんやろ?
後でお聞きしましたが、畑に自生しているキバナスズシロ。通称はルッコラ。これだけを譲り受けるために、県内のある爺様の農家を訪れられるのだそうです。
駿河湾を中心とした魚もそうですが、まさに地産地消の鑑。
それに加えて、知床牛のクリ(前腕上部の肩肉)も登場。良く動く部位なので、味は濃く無駄な脂の無い健全な赤身肉。
ラッコにとって、懐石の一年を締めくくる垂涎のお皿の数々に、オヤジの深い吐息が漏れてしまいます。
『素敵なお酒も揃えておきました』と、控え目に囁く杉山氏。
『いつもすいません。有難うございます』と呟き、ラッコの好みを把握されている、ふくよかなお酒女子に全てを一任。
今年一年、舌も胃も喜ぶ口福で幸福な時間を頂戴し、衷心より感謝申し上げます。来年も変わらず、よろしくお願いいたします。
さてさて、コースの内容は以下の通り。
ひとつひとつのコメントは写真欄に記載しておりますので、画像とともにお楽しみいただければ幸いです。
そしてご馳走さまでした。
<まとめ>
静謐な空間。閑寂な間合い。琴線に触れる和の設え。
おひとり様だけど、何故だか、身も心も清らかに温まります。
懐石の真心に震えつつ過ごした至福の三時間。
これは通いますね。
さて、お料理ですが、泥障烏賊真薯も赤座海老の炭焼きも知床牛のクリも唯一無二の味わいでしたが、やはり今夜のナンバーワンは、なんと言っても目の前の海を縦横無尽に駆ける、寒鰆。
今が旬です。
エメラルド色に煌めく秀麗な脂。写真を貼りましたので、是非にともご覧ください。
<お料理>
●前菜:
・蕪の風呂吹き
・蕪味噌
・白糀柚子胡椒
●お凌ぎ:
・泥障烏賊の揚げ真薯
・キバナスズシロ(自生ルッコラ)
・自家製マスタード
・落花生ソース
●お椀:
・イトヨリダイ
・平茸
・ほうれん草の芽
・黄柚子
●お造り:
・泥障烏賊:墨塩
・黒ムツ:炭鏝仕上げ
●八寸:
・麻機蓮根かき揚げ
・ブロッコリー:炭火焼き
・柿の白和え:塩煎り銀杏
・椎茸:炭火焼き、赤座海老味噌添え
●焼き物:
・赤座海老:焼きしゃぶ仕立て
・寒鰆:山椒醤油
●釜炊きご飯:
・牧之原産コシヒカリ、蒸す手前
●炊き合わせ:
・白魚卵とじ
・海老芋:磐田産
・黒七味
●ご飯:
・一膳目:牡蠣、三陸
・二膳目:クリの炭火焼き、知床牛
・三膳目:蛤
・四膳目:桜海老
・五膳目:生唐墨
・六膳目:唐墨、卵黄、クリの炭火焼き
●お味噌汁と香の物:
・天然シメジ
・白菜、ミニ胡瓜他
●デザート:
・紅ほっぺとラフランス
・くるみ餅
●御点前:
・抹茶
<お酒>
●恵比寿:生ビール
●H.森本 勢:純米大吟醸と純米吟醸のブレンド、菊川
●初亀:純米大吟醸、東条産愛山、藤枝
●菊姫 鶴乃里:山廃純米、白山
●開運:無濾過純米、掛川
●正雪:純米大吟醸、由比
●喜久酔:純米吟醸、松下米、藤枝
日本酒は三合くらい
泥障烏賊の揚げ真薯。適度な塩分と自家製粒マスタードの辛味と酸味が絶妙にマリアージュ。ウンマイ。文句無しにウンマイ。
泥障烏賊は自家製の墨塩でいただきます。奥の黒ムツは脂が強いので、茗荷と山葵を合わせます
寒鰆です。薬味は自家製山椒醤油。鰹昆布出汁を塗って、遠火の炭火で時間をかけて丁寧に炙ります。
赤座海老を殻付きで炭火焼きに。尻尾を持ってオランダのハーリングかアシカの餌付けのように一口でいただきます
六膳目は、クリの炭火焼きと乾燥前の唐墨を卵黄で和えました
絵になります
蕪の風呂吹き。トッピングは味噌とお出汁でまとめた蕪ソース。右手は白麹の自家製柚子胡椒。思わずオヤジの吐息が漏れました、アハッ
右手が農家さんに自生しているキバナスズシロ。いわゆるルッコラです。落花生ソースの土の香りが合う!
イトヨリダイと平茸。トッピングはほうれん草の芽と丁寧に削がれた黄柚子。お出汁も完璧
お造り。黒ムツと泥障烏賊です
0.5ミリ間隔の隠し包丁が入っているので、歯がなくても噛み切れます。甘い。ただただ、甘い
黒ムツは柵から切り揃えた後、串に刺して焼き場に。目の前で墨を焼きごてのように皮目にジュー!まるでお仕置きです
麻機蓮根のかき揚げ。次のお皿の仕込みが済むまでの箸休め
炭火焼きのブロッコリー。広島風のお好み焼きのキャベツのようでした
赤座海老です。生きています
エメラルド色の煌めきは健全な脂の証
心の清い方には見えるエメラルド色の脂
柿の白和え。塩煎り銀杏とともに
椎茸の炭火焼きにお出汁で緩めた赤座海老の味噌をかけます。悶絶!
白魚の卵とじ。底には磐田産の海老芋が潜みます。薬味は黒七味
香の物もウンマイ
天然シメジのお味噌汁
一膳目は三陸の牡蠣
二膳目は知床牛のクリ。前腕部の肩肉です。良く動かす部位なので、旨味が濃ゆい!
三膳目は蛤です
四膳目は揚げ桜海老
五膳目は乾燥前の生の唐墨
紅ほっぺとラフランス
胡桃ゆべし
杉山氏自らの手で御点前を。
最初はエビス。右手の緑の菜葉が根付きのルッコラです。もちろん、地物です
ハマっている森本さんのお酒。純米大吟醸と純米吟醸をブレンドされているそうです
分析等はナイショ!って言うのがお茶目ですね、アハッ
菊姫です。ラッコの好みを知るお酒女子に感謝
由比の銘酒
兵庫は東条の愛山。希少酒です。
ワイングラスで香りを楽しみます
掛川の銘酒
藤枝の松下さんの無農薬山田錦
この山田錦はスッキリポン。ウンマイっす。
お酒のメニュー。隠し酒も豊富です
駿河湾の指紋は杉山氏の掌で刻まれる
土曜日の夜です。
焼津です。
前回お伺いしたのが七月の下旬。
次の予約をいつにしようか杉山氏と相談したところ、『十月の中頃であれば、天然黒舞茸が手に入るかと思います』とのこと。
確かに昨年もそうでした。
林業を生業とする山の神(爺様)から直にいただくバスケットボール大の塊。野趣溢れる香りが、カウンターどころか部屋の隅から隅まで充満しておりました。
そして一年後。
数日前から続く秋雨の影響で、舞茸は無理かなぁ、と首を捻りながら予約時間のちょっと前に到着。既に四人連れの地元のご家族と、おひとり様の壮年男子が揃っておいでです。
生ビールで唇を湿らせていると、奥の厨房からお顔を出された杉山氏が手にするのは、黒舞茸ではなく長野産の松茸。
傘も開いているし、名残ですね。
『後ほど、おじやをお作りいたします』と杉山氏。
うっ、そうかそうか。
やはり舞茸に雨は大敵だもんな。内側にまで雨が染み込むから風味が飛んでまう。
『ということは、天然舞茸はやはり・・・?』と問うラッコ。
ニヤッ、と口角を上げてラッコを見つめる杉山氏。
全てを察しました。
天然舞茸の答えは後ほど。
今夜は神戸の精肉店から手を引き、大泉洋氏から紹介された知床牛のシンシンが登場。
黒ムツと赤ムツの食べ比べもご用意いただき、氏の心遣いに感謝の念を禁じ得ません。
いつものごとく無闇な派手さは無く、控え目で落ち着いた優しい味わい。そのお人柄が一つ一つのお皿に投影されているかのよう。
好きだな、杉山氏のお皿。
焼津にまで定期的に脚を伸ばす理由がここにある。
それでは、いただいたものは以下の通り。
定番の金目鯛の炙りは赤ムツに変身しておりました。といっても、他の五名のお客様には金目鯛が並びますので、そのスペシャリテを愛する皆様、ご心配なく。
ひとさらひとさらのコメントは写真欄に記載しておりますので、画像と一緒にお読みいただければ幸いです。
そしてご馳走さまでした。
<お料理>
●落花生豆腐:無花果添え
●椀物:連子鯛と冬瓜
●松茸のおじや:長野
●お造り:
・クロムツ:焼き鏝仕上げ
・鰹:卸し玉ネギ
●麻機蓮根:かき揚げ
●伊勢海老:炭火焼き、穂紫蘇
●赤ムツ:炭火焼き、山椒ソース
●柿の白和え
●シンシン炭火焼き:知床牛
・焼き茄子ブロッコリー添え
●香の物:大根、胡瓜、茄子
●ご飯
・一膳目:唐墨と万願寺の炙り
・二膳目:天然舞茸ご飯、舞茸は6kg
・三膳目:天然舞茸と知床牛の切り落とし
・四膳目:鰹のはらんぼ
●お味噌汁:半天然ナメコと豆腐
●デザート:
・ラフランスとピオーネ
・焦がしくるみ餅
<お酒>
菊川市の森本酒造攻め。
●恵比寿:生ビール
●小夜衣:純米吟醸、菊川
●もったいない卸し:純米吟醸、菊川
●火の用心:純米、燗酒仕立て、菊川
●勘造り 六十五:純米、ぬる燗、菊川
●小夜衣:純米、菊川
日本酒は多分四合くらい。
日本酒のメニューの一部
最初は生ビール
落花生豆腐。葛で固めて、一時間ローストして出汁で割った落花生ソースを掛けました。土臭い香りが無花果とガッチリ握手
長野産の松茸。傘も開いて名残ですね
菊川市の森本酒造の看板
レンコ鯛のお吸い物
レンコ鯛。奥は冬瓜です。柚子は温石の森(手前の中庭です)から
松茸のおじや。これはウンマイ。芳醇な香りに仰け反るラッコ
今夜は森本酒造縛りです
”もったいない卸し”なんて、ネーミングが面白い
お造りです。好みですが、クロムツは塩、鰹は煮切りでいただきます
手前のクロムツは皮目に炭を直接あてて焦がします。いわば焼き鏝仕立て
相模湾のクロムツはウンマイ
地物の伊勢海老の登場です
静岡市の麻機地区の蓮根のかき揚げ。衣は柿の種みたい
森本酒造の火の用心
伊勢海老の炭火焼き
頭の味噌が半レアの身に絡みます
素敵な酒器が並びます
天然黒舞茸。これで三分の一くらいに割った大きさ。辺り一面に舞茸の香りが漂います。仕入れ時は6キロだったそうです
アカムツの炭火焼き。クロムツとの味わいの違いを楽しみます。薬味は山椒ソース。他の皆様には金目鯛の炭火焼きでした
柿の白和え
これも森本酒造
こちらの酒器も素敵
ブロッコリの炭火焼き
牧之原の新米。にえばなです
役者の大泉洋さんにご紹介いただいた知床牛のシンシンの炭火焼き。ブロッコリと焼きナス添え
この知床牛はウンマイ
香の物。これからご飯です
一膳目は炭火で炙った万願寺唐辛子と唐墨
半天然ナメコと豆腐のお味噌汁
黒舞茸ご飯が炊きあがりました
二膳目は舞茸ご飯。天然なので香りはくどいくらいに強い。ハウスものとは全く異なる野趣に溢れます
この酒器も最高
三膳目です。天然舞茸に知床牛の切り落としを混ぜ込みます。これはもう抜群のウンマさ
四膳目は鰹のお腹(ハランボ)
デザートです
胡桃柚餅子
最後は抹茶で締めくくり
お月見に見立てたお椀。金箔と銀箔が見事です
駿河湾の豊熟は杉山氏の掌で悦ぶ
土曜日の夜です。
今夜は焼津の七夕祭り。お店の女子によれば、子供たちの夏休みに合わせて今の時期なのだそう。
マスク姿の『やいちゃん』も登場し、アシスタントに手を引かれて商店街をトコトコ、練り歩きます。
日も既に西の空に隠れ、乾いた海風が心地良い。
今夜は二ヶ月ぶりの『温石』さん。
昂る期待に胸を弾ませながら、お祭りの人だかりを避けるように裏路地をノテノテノテ。
正面の路地に入って玄関先に近づくと、外でお客さんさんの導線を案内している女子がすかさず『xxxさん。こんにちは。お待ちしておりました』とお声がけ。
マスク姿でも分かっちゃうのかな?
お一人様はラッコだけ、と言うことかな?
靴を脱いでカウンターに座るラッコ。
落とした照明。
天井の板の木目の美しさ。
開放感のある大きめの窓。
ふう〜っ!
落ち着きます。
炭のはぜる音を聴きながら、エビスで唇を湿らせます。
奥の厨房から杉山氏が現れます。
『お越しくださいまして、有難うございます』
柔らかく涼しい目元が麗しい。
そのお人柄が手にとるように伝わります。
『今夜もタップリとお願いします』と、恥ずかしげもなく貪欲なラッコ。
いけませんね。うん、いけません。
食べ過ぎはダメダメ。飽食はハートに無駄な脂肪をつけてしまいます。
でもね、それは無理と言うもの。
豊かに熟した静岡の山海の美味が杉山氏の掌で悦ぶそのさまに接すると、そんな小さな決意なんて最初から無いも同然。
さてさて、それでは本題。
いただいたものは以下の通りです。
取り分け、天然スッポン、ハタのお造り、天然鮎の天日干しチップ、ランプの炭火焼きがラッコのワガママな胃を黙らせます。
しかと堪能させていただきました。
次回は秋の天然キノコを求めて十月の膳。
そしてご馳走さまでした。
<お料理>
詳細は写真欄に記載しましたので、画像と一緒にお読みいただければ幸いです。
●蛤とモロヘイヤ
●天然鮎チップ
●天然スッポンと管牛蒡
●新蓮根と炙り唐墨
●本鮪の中トロとハタ
●黒ムツのタタキ
●コリンキーの三杯酢和え
●白茄子かき揚げ
●甘鯛:炙り
●ズッキーニ:炙り
●黒ムツ:炙り
●枝豆の摺流し、朝どれ
●煮えばな
●長崎和牛ランプの炭火焼き:オクラと茄子
●鱧ソボロ甘長唐辛子ご飯卵黄乗せ:一膳目
●ランプ炙りご飯:二膳目
●鰯と鱧と甘長唐辛子ご飯:三膳目
●鱧出汁掛けご飯:四膳目
●糠漬け
●抹茶
●デザート:山梨本白鵬
●デザート:トウモロコシの葛焼き
<お酒>
お酒にお詳しい女子が控えていらっしゃいます。
好みを伝えれば、表メニューだけではなく、色々な隠し酒を提供していただけます。
●生ビール
●小夜衣の詩:純米吟醸、生酒、限定品、菊川
●若竹:純米、島田
●小夜衣:純米、菊川
●初亀:純米吟醸、藤枝
●正雪:純米吟醸、静岡
●磯自慢:大井川の恵み、純米吟醸、焼津
本鮪の中トロとハタ
仕入れ先を変更されたお肉。長崎とのことなので、おそらく雲仙かな?ランプ部位です。炭火にはやはり赤身が合う!付け添えの野菜はオクラと茄子です。
菊川の天然スッポンとクダ牛蒡。配膳する直前でひく山椒の香りが効いておりました。と言っても、スッポンの地味も強い。さすが天然!
卵黄が崩れ落ちます
ハマグリです。モロヘイヤの粘り気、黄身酢の爽快な酸味、トロミを付けたハマグリの出汁が三位一体。しょっぱなからKOでした。
藁科川の天然鮎を一時間ほど天日干し。無駄な水分が抜け、炙るとまさにアユチップ。これはヤバイ。何枚でもいただけちゃいます。
稚鮎よりは大っきくなっちゃっているかな。アユチップにするには丁度良いサイズかも。
天然スッポンのゼラチン質。鶏の皮付き胸肉みたいですね。コクのあるスッポンの汗が舌を愉しませます。まさに愉悦。
さてさて、中身は何でしょう?
擦り下ろした新蓮根に炙り唐墨が乗っかります。蓮根汁の澱粉のトロミと唐墨の塩分がマリアージュ。蓮根って、こんなに美味しかったんだ、アハッ\(//∇//)\
蓮根の澱粉の自然な甘味と、炙った唐墨の香ばしさ、その塩味の三位一体に悶絶
お造りの薬味です。左からお醤油、檸檬の加減酢、塩です
ハタのお腹部位。塩でいただきます。このハタの脂は旨味が充満。地味と滋味の相乗効果に悶絶。間違い無く今夜のナンバーワンです。
ハタに塩と山葵を乗っけて、檸檬の加減酢でいただきます。ウンマイ。朦朧とするような旨味、、
黒ムツの炙り。ハタをいただいた後なので、その違いは一目、じゃなくて一口瞭然。ハタよりはメタボかも、アハッ\(//∇//)\
コリンキー、三杯酢、摺胡麻のどれもが無駄に主張し過ぎない。完璧なハーモニー。異なる多様性を相乗させるワザに感動します。
白ナスのかき揚げ。薬味は白味噌です
白ナスです。ナスと油は相性が抜群。
甘鯛のカマ部位の炭火焼き。炭火でじっくり炙っているので、無駄な脂は無く、蛤や鱧のお出汁にとろみを付けた餡が優しく身を包みます。揚げたウロコの食感の変化も楽しく、これだけでお酒が一合、いけちゃいそう。
甘鯛の中の甘鯛
炭火で炙ったズッキーニ
黒ムツの炭火焼き。薬味は実山椒と山葵と大根おろし
黒ムツの身はこんな感じです。見てくれはゴツいけど、白身はFFのお姫様のように可憐
魚は皮が美味い。文句無しの美味です
朝どれの枝豆の摺流し
煮えばなのお米はウンマイ
オクラのネバネバが好き
鱧のソボロと甘長唐辛子の混ぜご飯
香の物三種
鱧ソボロと甘長唐辛子の混ぜご飯に卵黄をトッピング
お椀も全く手抜き無し
二膳目のご飯。ランプ肉の炙りです
鰯が入りました。青魚のコクが添加され、生姜や胡麻の香りが引き立ちます
浜名湖の青さと自家製辛子味噌の鱧出汁掛けご飯
お焦げが好き
わぁ〜い。桃です。今が旬の山梨の本白鵬。アンマイ!
トウモロコシの葛焼き。表面をカラメリーゼ。メイラード反応が食欲をそそります
お抹茶を目の前でたてていただき、今宵も終幕
たまらず地酒にシフト。杉山氏の推しの森本酒造さんです
二本目の地酒です
さらに三種目の地酒
四種目の地酒。初亀の赤ラベルとは珍しい
五種目の地酒
六種目の地酒。やはり最後は焼津に敬意を評して磯自慢!
お酒の表メニュー
やはりエビス
箸置きはスルメイカです
焼津のゆるキャラ、やいちゃんです
歩いて行く途中の神社です
駿河湾の天啓は杉山氏の掌で語る
土曜日の夜です。
焼津です。
静岡のホテルにチェックインを済ませ、在来線で焼津に移動。
急に気温が下がり始めます。長袖のボタンダウン一枚なので、ちょっと涼し過ぎるかも。
ここで風邪をひいても困ります。コロナとの違いが微妙なので、検査結果が出るまでドキドキしちゃうもん。
小心者のラッコはめくっていた袖を素直に下ろし、第一ボタンまで閉めようとしますが...
くっ、首が苦しい。ボタンが弾け飛びそうやねん。
これで腰のベルトが長過ぎて半端に余っていたりすると、なんだかセンスのないオヤジみたい。
加齢臭が漂っている分、身だしなみくらいは気にしないと、アハッ\(//∇//)\
前置きはさておき、いつものように駅前からのんびりと散策します。人通りは皆無。お店に到着するまで、誰一人ともお会いしませんでした。
六時過ぎですからね、どちらのご家庭も食卓を囲んでいらっしゃるのかな?
ラッコはというと、予約時間の十分前に到着。
温石の森と呼ぶ中庭を通り、その先の縁側から靴を脱いで中に入ります。
後でお聞きしましたが、横浜からいらした同世代のご夫婦がひと組、既にカウンターでお待ちでした。
折敷を数えると、残り三席。今夜は六名の方を迎えての懐石となるようです。
程なくして裏の厨房から杉山氏がおいでになり、いつものごとく、控え目で爽やかな笑顔でご挨拶。
静かに鼓動の高まるこの間が好き。
輝度を落とした暖色系の照明、背の高い空間、その先には宮大工の手による木目を生かした手彫りの天井板。
ひとつひとつの意匠にいだかれながら、なかなか他にはない、和み、落ち着き、癒やしの本質に心地良く漂うラッコ。
お出しいただいたお皿に手を合わせ、静かに、丁寧に、そして間を空けずに口に運びます。
決して前に出過ぎず、主役はあくまでも一期一会の客。おもてなしの真髄、いや神髄に触れ、今宵も得難い幸せを噛み締めました。
いただいたものは以下の通りです。
基本はコースですが、人様より多めに食べて呑むラッコ仕様になっておりますので、ご注意くださいませ。
ひとつひとつのコメントは写真欄に記載しておりますので、画像と合わせてお読みいただければ幸いです。
そしてご馳走さまでした。
<いただいたもの>
ここ数日の悪天候から魚の水揚げを心配しておりましたが、おっとどっこい。いつもと全く変わらない品揃え。
両の眉を下げながら、『xxxさんのお陰です』と、ご近所の魚屋さんに感謝する杉山氏。
でもホント、その通りなんですよね。
一昨年前の秋でしたか、此方のお店でその魚屋さんの大将とお会いし、お二人が強く太い絆で結ばれていることを知りました。当たり前のごとく数日前から天気予報を確認し、必要と状況に応じて海の生け簀も活用しながら、最善の魚貝を提供されているのではないでしょうか?
お二人の焼津愛に思わず盃を傾けます。
●鳥貝と天然クレソンの黄身酢和え
●豆鯵の唐揚げ
●メバルと管牛蒡のお椀
●黒ムツの皮目炭火焼き
●泥障烏賊のお造り
●枝豆の摺流し
●炙りカマスとピーマンの焼き浸し
●アスパラガスのかき揚げ
●蕪の丸焼き
●平貝の紐と葉ネギの酢味噌和え
●シンシンの炭焼きと丸茄子、オクラの炊き合わせ
●一膳目:グリーンピースご飯
●二膳目:桜海老ご飯
●三膳目:金目鯛炙りご飯
●四膳目:炭火焼きシンシンの振り山椒ご飯
●五膳目:鰹の漬けご飯
●お味噌汁:豆腐
●デザート:
・グレープフルーツと紅茶のゼリー寄せ
・ヨモギ風味の薄皮ドラ焼き
●抹茶
<お酒>
●生ビール
●山本:和韻、純米吟醸、秋田
●五凛:純米、石川
●英君:特別純米、由比
●もりもと:愛のメモリ リターンズ、純米、菊川
●十四代:純米、中取り、山形
静岡なので、気兼ねなくアルコールが充電できます
鳥貝と天然クレソン。鳥貝は蒸して持ち味を消さず、肝も添えます。道理で餌のワカメの味がします。薬味は黄身酢でした
鳥貝の肝です。初体験です。板売りでは入手できないので、丸貝のまま仕入れて店内捌き。産地は明かせません。荒らされてしまいますので。浜値だけ上がって良いことないですもんね
器の鳥貝の殻。綺麗なピンク色ですが、お寿司や和食界ではムラサキと呼びます
たまらず早くも日本酒にシフト
どから、で有名な秋田の酒蔵。和韻の名前の由来ですが、シャルドネ酵母で醸されているから、ワイン、なんだそうです。柔らかくまろやかな口当たりは繊細な鳥貝の地味を壊しません。ウンマイ
地物の豆鰺。これよりさらに大きいものはスーパーで良く見かけますが、ここまでのミニ豆鯵はやはり地元じゃないとお目にかかれません
五尾のミニ豆鯵が仲良く並びます。もうね、お酒を止める術が有りません
表の温石の森で採れたこの季節だけの実柚子。ほのかな香りが貴重です。これをお店になると言うことは、次は椀物ですね
素敵な器です
蓋を開けると立ち昇るカツオの一番出汁の香り。鼻の穴がサブちゃん並みに大きく拡がります。魚は旬のメバル。付け添えは中心をくり抜いたゴボウです
椀物のゴボウ。中心をくり抜き、管牛蒡(くだごぼう)と呼びます。見通しが良いので縁起物かな? お汁の煌めきはメバルの健全な脂です。溜息が出ちゃいますね。
二杯目は石川県は白山市の純米で
上は黒むつの皮目を炭火で焼いたタタキ。脂が半端ないので、大根おろしと茗荷が添えてあります。手前は旬の泥障烏賊
黒ムツ。顔はゴツいけど身はウンマイ
黒ムツに大根おろしとみょうが、本山葵を乗っけてくるリンパ
黒ムツを広げたところです
旬の泥障烏賊。黒いのはこの個体の墨で作った墨塩
枝豆の摺流し。季節を味わえるのも嬉しい
枝豆の青臭い香りが最高
カマスとピーマンの焼き浸し。このカマス、腰が太い。干物とは違う!
由比の酒蔵です。袋吊りからのしずく。これは希少かも?
地物のアスパラガスのかき揚げ。おかきの塩味がお酒と合う
蕪の炭火丸焼き。地味が深いので、シンプルに焼き上げ、オランダ人がハーリングをいただくように、上を向いて口を大きく開けて丸のまま齧るのがベスト
菊川の酒蔵。ネーミングが面白い。
平貝の紐と葉ネギの酢味噌和え。酒を呼びます
シンシンのか炭火焼き。丸ナスとオクラの炊き合わせとともに。
この二週間しか収穫されない幻のグリーンピース。その炊き込みご飯をこれから五膳、いただきます
一膳目はシンプルに豆ご飯と炒りごま。ああっ、ウンメイヨォ
ご飯が出ているのに十四代を所望
この豆がウンマイ。ただもんじゃない。生産者の方に感謝!
豆腐のお味噌汁。鰹出汁が最高に切れ良し
二膳目の揚げ桜海老のご飯。春の漁の真っ最中。揚げてこの大きさなんて信じられない。もうね、ヤンバイ!
三膳目のご飯は金目鯛のお腹の炙り。普通はメインですが、ラッコは焼き魚はカマス。なのでメインと同じサイズのお腹の金目鯛をご飯に合わせてきました。脂の染みた煮切りがご飯に染み込んで、超絶、ウンマイ!
金目鯛の皮。パリッパリに焼けています。魚はやはり皮がウンマイ
四膳目は、豆ご飯にシンシンの炭火焼きを乗っけます。薬味は振り粉山椒
五膳目は鰹の漬け
デザートのグレープルーツと紅茶のゼリー寄席
ヨモギ風味のミニどら焼き
〆は静かにゆったりと杉山氏の淹れる抹茶
駿河湾の潮音は杉山氏の掌で囁く
土曜日の夜です。
焼津です。
予約時間の六時半まで隙間時間があるので、今日はいつもと異なる反時計回りのコースを選択。
駅の右手に進み、焼津神社の鳥居をくぐります。
シラサギ達の今夜の寝床争いの鳴き声、いや叫び声かな、恐竜のようなドスの効いたダミ声にビビりながらも、薄暮の神域に忍び寄るラッコの影。
境内の横には三畳敷ほどの巨大な石碑が周囲を睥睨。見れば焼津の漁業の礎を築いた先人の碑でした。
そう言えば、小樽の鰊御殿ならぬ、ミナミマグロ御殿が並ぶ街並みかも。遠洋漁業で栄えたんでしょうね。往時の善き繁栄を偲びます。
陽は落ちました。
そろそろ温石さんに向かうかと、車も人の往来も無い暗い夜道をノテノテと歩きます。
土地勘は出来ているのでスマホの地図は不要。
六時二十分に到着。
いつもの日本酒にお詳しいふくよかな女子が、暖簾の奥でお出迎え。
『こんにちは。今年もよろしくお願いします』と暖簾を潜ると、食べログシルバーを祝う磯自慢さんからの胡蝶蘭が鎮座。
うん。
街から愛されていることが伝わります。
今夜は個室のテーブル席に四名、カウンターに七名の計十一名のお客様。
グループ毎に席間も十分。
適時ドアを開放し、換気への気配りも十二分。
裏の厨房から杉山氏が顔を出されます。
『いつもお世話になっております』とご挨拶。
食べログシルバーに奢ることもなく、ごくごく穏やかで自然体の所作。
料理人さんとしての分を弁えた適切な距離感。
そして炭の爆ぜる音しか聞こえない静謐な空間。
心と命の洗濯。
温石さんにお伺いする理由がここにある。
いただいたものは以下の通りです。
一皿毎のコメントは写真欄に記載しましたので、画像と合わせてお読みいただければ幸いです。
そしてご馳走さまでした。
<お料理>
●手掘り浅利と菜の花の温仕立て
●石鯛の玉葱おろし乗せ
●墨烏賊
●大穴子よりデカい穴子の唐揚げ
●鯖寿司
●鮃と椎茸の蒸し物
●春菊の胡麻とナッツ和え
●赤座海老の炭火炙り
●赤座海老の味噌の温仕立て
●金目鯛の炭火焼き
●新玉葱の包み焼き
●めがい鮑の昆布包み蒸し
●虎河豚の唐揚げ
●香の物
●ナメコと豆腐のお味噌汁
●ご飯:
一膳目:生ワカメと筍
二膳目:シンシン炭火炙り
三膳目:炙り唐墨とシンシンの短冊切り
●青首やカルガモの挽肉そぼろ餡掛け細うどん
●デザート:
せとか、紅ほっぺ
●胡桃餅
●お抹茶:
<お酒>
●生ビール:小サイズ
●大井川の恵み:純米吟醸、焼津
●雨後の月:大吟醸、呉
●H.森本:無濾過生原酒、菊川
●磯自慢:純米大吟醸42、焼津
●初亀:大吟醸、愛、藤枝
日本酒は三合弱
三膳目です。炙った自家製唐墨とシンシンの炭火焼き。唐墨をシンシンで巻いてアンムッ。めくるめくグランパラディーソの世界が展開します
通年獲れるものの、個体により岩場の海藻臭さが強過ぎるので、あまりお皿には乗りません。でも産卵前のこの時期だけは全くの別物。昨年口にしてから、一年待たれたとのことでした、、たしかにウンマイ!
メガイの昆布蒸しと藤枝の筍。肝の裏ごしソースがウンマ過ぎる
炭火でゆっくりと火を通し、ご開帳。軽く塩を振り、オランダのハーリングのように尻尾を持ってアシカ喰い、しちゃいます。 上を向いて、アシカの餌付けみ。たいですね
大穴子より大きいあなこの唐揚げ。大根おろしと梅肉ソースです。添え物はプチベールの素焼きでした
焼津神社です
この松の樹上にシラサギが数匹、潜んでおります。『ギイ〜、ギイ〜』とメスを呼んでいるのか、陣地を主張しているのか、ちょっとドキドキする空間でした
県内以外の日本酒のメニューです
根付きの石鯛。〆た翌日。太い。厚い。煌く背鰭下?の部位の脂。産卵前のこの時期だけの美味。サスエさんから『今日は真鯛と平目と石鯛があるデェ?』『石鯛を!』『そやろなぁ、グフッ』と前田氏、とのことでした
生ビールの小でスタート
春を呼ぶ手掘りのアサリと菜の花の温仕立て。一粒一粒丁寧に殻から外し、また一粒一粒、優しくお皿に盛り付けます。美しい! 駿河湾にアサリの掘れる浅い砂地は無いので、これは恐らく愛知かな?
石鯛に串を打ちます。なんで? アハッ、この後、石鯛にとっては拷問とも言える、炭の直当て画素待っています\(//∇//)\
ご近所の磯自慢さんに敬意を払い、大井川の恵みでスタート
石鯛と墨烏賊の二点盛り。塩、煮切り醤油は好みで
左上の石鯛が抜群でした。地物の玉葱の甘味と酸味が脂を優しく中和します。墨烏賊には墨塩?がトッピング。この隠し包丁が身の中心の甘味を最大限に引き出します
墨烏賊の隠し包丁が見えるでしょうか?裏返すと・・・
裏返すと、表とは異なる直角方向に包丁目が。アハッ、そりゃそうか。同じ方向だと切り離れちゃいますもんね。でもこの丁寧な包丁が、内部の一番甘い部位を空気に触れさせ、珠玉の甘さに昇華させます
焼津港で上がった大穴子よりさらに大きい穴子。『アナコンダくらいっすか?』とふざけて問うと『もう、こんなくらいっす』と両手を広げる杉山氏。『だんだん大きくなっているような気が』とお店の女子が笑います
焼津に揚がる鯖もウンマイ
呉の酒蔵です
さてさて、このお椀はなんでしょう? 答えは次の写真で!
ヒラメと椎茸でした。緑は春野菜のうるい葉っぱかな? この椎茸が半端なく、ウンマイ
一塩したヒラメの塩梅が絶妙。脂の七色の煌めきが見えるかな?
活の赤座海老です。そろそろ名残かも? 駿河湾産は旬のど真ん中かな? カブトを剥くと、一尾には青色の卵になりかけの素が入っておりました
三尾が仲良く出番待ち
地物の春菊と胡麻、ナッツのお浸し
なんだかロールシャッハテストみたい。この対称系が何に見えるかで性格が分かるかも。尻尾の付け根の身までかじりとります。
赤座海老味噌です。左側のやや丸い粒々が生ではブルーの卵と思います
大好きな酒蔵です
金目鯛の炭火焼き。熱い油を回しかけた鱗のパリパリが大好き。付け醤油が脂とマリアージュして、なんとも甘い香りと味わいを演出します
白髪ネギをトッピングしちゃいました。少量のミドリが目に優しい彩りを添えます
藤枝だったかな、新玉葱の炭火蒸し。アルミホイルに包んでほぼほぼ一時間の愛の結晶
東城特A山田錦です
近海のメガイアワビの昆布の包み蒸し
もう、たまりマシェン
知多の生ワカメと筍ご飯。ワカメは炊き上がりのご飯に乗せるだけで瞬時に茶色から緑色に変化。香りが違います
香の物。手前は小松菜ですが、ラッコの生まれ故郷の広島菜を思い出しました
一膳目はワカメと筍ご飯
トラフグの唐揚げ付きです
大好きな藤枝の酒蔵ですが、このコロナ禍、町の全世帯にお酒を無償でお配りされたそうです。出荷が滞っていたのかも知れませんが、なかなか出来ることでは有りません。地元愛。愛し愛され、初亀は永遠です
炭火焼きの赤身の塊。シンタマの中心、シンシンです
ゆさか精肉店のシンシン。火入れもパーフェクト
ナメコと豆腐のお味噌汁
これはホントにヤバいっす
青首やカルガモなどの挽肉の餡掛けソボロ。ここまで来ると、流石に所望したのはラッコとほかに一人のみ、アハッ
紅ほっぺとせとか
胡桃餅かな?
興奮していた胃が平静さを取り戻します
ミツバ葵の御紋だぜ
駿河湾の宝珠は杉山氏の掌で輝く
土曜日の夜です。
焼津です。
いつもの通り、駅前からノンビリと歩いてお店の前に到着したのが、凡そ六時十分前。
玄関脇ではマスク姿の女子が、腰に手を添えてストレッチ中。
『アハッ、真似しちゃった』なんて、女子の二倍は有りそうな腰回りに手を当て、左右に揺れながら近づくラッコ。
マスクもしているし、動きも変だし、髪の毛は薄いし、不審者感満載ですが、女子もさるもの『xxx様ですね、お待ちしておりました』と、キレ良くザビエルハゲのオヤジを一刀両断。
今夜はカップルが三組と、個室に三名様という布陣。
お一人様はラッコ一人なので、そこから類推されたのかな?
中に入ります。
一番乗りでした。
板の真ん前に一人分の折敷がセッティングされていたので、迷わずそちらに座ります。実は炭場の正面が好きなのですが、こればっかりは、お店にお任せするしかありません。
コロナ対策で、左右はひと席づつ空席。いつもよりゆったりと座り、黒星の生で唇を湿らしながら、ほかのお客様の到着を待ちます。
裏で件の女子が『xxx様がお見えになりました』とお声がけ。程なく引き戸を開けて、涼しい目元の杉山氏が現れます。
『今年一年、有難うございました』と深々と腰を折られます。
『いつも沢山ご用意いただき、痛み入ります』と、すかさずカウンターで平伏。
今夜も穏やかで安らげる時間が約束されました。
いただいたものは以下の通り。
ラッコの肉好きをご存知なので、〆に神戸牛のシンシンの炭火焼きを出していただきました。
ラッコだけの特別メニューです。
『でもその代わり、xxxさんにはズワイは有りません』と目尻を下げながら、悪戯っぽく微笑む杉山氏。
『うっ、うううっ、そっ、そりゃあそうですよね』と寂しげに呟くラッコ。
和やかに微笑む周囲のお客様。
そしてご馳走さまでした。
詳細なコメントは写真欄に記載しました。画像と合わせてお読みいただければ幸いです。
<お料理>
『年末なので、まるで在庫整理みたいです』なんて、冗談を呟かれる杉山氏。確かにいつにも増して豊富な食材が目の前に並びました。
作り手の人柄が味付けにも反映されるのでしょう、どのお皿も一見控え目ですが、一皮むけば太い背骨が現れます。全ては、お客への厚い感謝の気持ちとそれを維持する意思の力。素敵なお店かと思います。
●聖護院大根と蛸の柔らか煮
●鯵の棒寿司
●お造り:
・黒むつ:皮目に炭を直当て
・泥障烏賊:薬味はイカ墨塩
●ほうぼうのお椀
●麻機蓮根のかき揚げ
●手長エビの炭火焼き:味噌乗せ
●新玉葱の炭火:アルミホイール蒸し
●金目鯛の炭火焼き
●赤蕪とスナップエンドウ、落花生ソース
●メジマグロ:新玉葱の鬼おろし
●真鴨の治部煮、海老芋添え
●蛤椎茸ご飯
●生シラスの湯通し添え
●神戸牛のシンシンの炭火焼き
●デザート:きらぴ香
●くるみ餅
●お抹茶:二杯
<お酒>
●サッポロ:黒星、生
●磯自慢:大井川の恵み、純米吟醸、焼津
●H.森本:魂醸 勢、菊川
●王禄:丈径、本生無濾過、出雲
●磯自慢:大吟醸、東条山田、焼津
●悦凱陣:純米、香川
●喜久酔:特別純米、藤枝
●志多泉:純米吟醸、藤枝
日本酒は四合弱
焼津の駅前
鮪が街灯を登っています
今夜は黒星の生からスタート
最初の一皿は温かい逸品。冷えてきましたので、胃は喜びますね
蛸の柔らか煮と聖護院大根。静岡おでんにインスパイアされたそう。薬味は出汁で伸ばした白味噌です。落花生のような香りがしました
地物の鯵の押し寿司が勢ぞろい
胡麻と紫蘇、煮切り醤油の香りが口の中に充満します
最初は焼津の磯自慢。大井川の恵みでスタートします
奥はクロムツ、手前は障泥烏賊。いずれも駿河湾の旬物です
障泥烏賊にはきめ細やかな包丁を当て、ムッチリしてはいるけど、歯が無くても噛める柔らかさ。薬味はイカ墨塩です
黒むつです。皮目に炭を直当て。香ばしい香りが辺りに充満します
脂乗りの良い黒むつには茗荷と山葵が良く合います。塩も乗っけました
『こちらは今年一番の大ヒットでした』と笑顔の杉山氏。確かにウンマイ
ホウボウのお椀
ホウボウの身はムッチリ。鰹の一番出汁になじみます
駿河湾の手長海老。活きています
子持ちの手長海老を発見。ボタン海老や甘海老よりは薄めの色合いですが、個体差が有るとのこと
麻機蓮根のかき揚げ。イカ墨塩乗せ
齧るとこんな感じです
島根の王禄にシフト
手長海老を炭火で軽く炙り、腹割りして頭の味噌を乗っけます。尻尾を持ってアシカの餌付けのようにハーリング食い(オランダで鰊の食べる際の流儀です)がお勧め。
地物の新玉ネギのアルミホイール蒸しを四つ割りに。これでもう血液サラサラ
金目鯛が勢揃い。温石さんのスペシャリテですね
金目鯛の炭火焼き。この皮だけを北京ダックみたいにして食べたい
磯自慢の東条山田錦の大吟醸です
赤カブとスナップエンドウ。薬味は落花生ソースです
駿河湾のメジマグロ。若いのに脂乗りがものすごい。薬味は新玉ネギの鬼おろし
メジマグロのお腹。美味いモン、食ってんだろうなぁ!
香川の銘酒です
新玉ネギの鬼おろしをお酒のアテにそっと出していただきます
真鴨の治部煮風。磐田の海老芋添え
旬ですもん。最高にウンマイ
ご飯が炊きあがりました
藤枝の銘酒です
香の物
駿河湾の蛤が出て参りました
炊きたての土釜の中に炭火焼きした椎茸と軽く出汁で温めた蛤を投入
蛤出汁をかけているので、やや硬めの増水のような仕立てになります
やはり藤枝の銘酒
お味噌椀です
蛤椎茸ご飯の二膳目です
出ました。神戸牛のシンシン。この色つや。たまりましぇんヾ(≧▽≦)ノ
KOBE、サイコー
三膳目は白飯に軽く湯通ししたシラスをトッピング
四膳目は神戸牛のシンシンを乗っけます
地元原産のきらぴ香
胡桃餅
懐石なので最後は抹茶を立てていただきます
二杯目です
この夜道を駅まで歩きます
駿河湾の海音は杉山氏の掌で唄う
土曜日の夜です。
焼津です。
台風に刺激された氷雨がそぼ降るなか、駅前に到着。これから半時間かけて、ノンビリとお店に向けて歩きます。
予約は六時半。
ここ数日の荒天で、品揃えのハードルが上がりました。魚は深く潜るとしても、出漁できなければ是非もありません。
でも逆にいえばこんな時こそ腕の見せどころ。
どんな魚が舌を震わせてくれるのか、どんな海の音色で耳朶を優しく撫でてくれるのか、いつにも増して昂ぶる期待。
そして、先に結論。
今夜で八回目ですが、これまでで最高の品揃え。
駿河湾からは、目光、九絵、茶色丸羽太、伊勢海老、そして白甘鯛。
陸からは、菊川の天然スッポン、麻機蓮根と熊本赤牛のランイチ(ラム芯)
山からは、天然黒舞茸とホウキタケ、そして松茸。
赤牛と松茸こそ他県産ですが、他は全て紛れもなく地産品。
参りました。
ここ数日、台風が迫ってくるなか、これだけのものを揃えていただいたご努力に、心から感服してしまいます。
『いやぁ、このような天候が予想されるなか、お越しいただくんですから、私も気合いが入りました』と控え目に呟く杉山氏。
『天然の舞茸なんて凄いですね。雨が降り始める前に山に入られたのかなぁ?』と半可通なラッコ。
『はい。キノコ採り名人の方がいらして、直接分けていただいてるんです。今日のためにお伺いしたところ、いつもは玄関脇に置いてある筈のキノコが無い。鍵も掛かっていてお留守のようなんですね。
仕方なく朝の五時まで車の中で過ごしました。でもそのお陰で、山から降りてきたばかりの名人から採りたての天然黒舞茸をいただくことが出来たんです。
雨が降る前でしたので、内側に水分が吸収されてグジュグジュになることもなく、こんな上質のものは滅多に手に入りませんから・・・』とのこと。
『ええっ、いつ寝てらっしゃるんですか?』とラッコ。
『ホントにもう、大変みたいですよぉ〜』とお店の女子。
『あははっ、お昼寝してますから』と目尻を下げて相好を崩す杉山氏。
大変な努力を問われるまで隠し、高いハードルを難なく飛び越えるそのお人柄に、惚れてしまいます。
おもてなしの真心。
まさに懐石の神髄を堪能させていただきました。
いただいたものは以下の通りです。
詳細なコメントは写真欄に記載しましたので、映像とご一緒にどうぞ。
そしてご馳走さまでした。
<お料理>
●落花生豆腐:落花生ペーストと銀杏、無花果添え
●ホウキタケの茶碗蒸し:天然スッポンスープで
●目光の唐揚げ:空芯菜添え
●九絵と茶色丸羽太:炭火焼印仕立て
●焼き茄子とズンダ
●天然黒舞茸
●麻機蓮根のかき揚げ
●伊勢海老の炭火焼き:味噌乗せ
●白甘鯛の炭火焼き:鱗の素揚げ乗せ
●天然スッポンの炊きもの:里芋とオクラ添え
●松茸ご飯
●ラム芯ご飯
●秋刀魚ご飯
●ラム芯ご飯:黒舞茸汁かけ
●フルーツ:柿、梨、巨峰
●デザート:焼き菓子
●知覧茶
<お酒>
●エビス:生
●磯自慢 大井川の恵:純米吟醸、焼津
●磯自慢:極上本醸造、東条特A山田錦、焼津
●英君:特別純米、ひやおろし、由比
●森本:純米吟醸原酒、槽しぼり、菊川
●天賦:純米吟醸、日置
●大七:純米生酛、二本松、常温
●天青 千峰:純米吟醸、茅ヶ崎
●王禄:無濾過直組み、東出雲
日本酒は恐らく五合くらい
駅前の人魚姫も濡れる夜
やはりエビスの生で気道を確保
裏漉しした落花生を葛粉でまとめた豆腐と銀杏、無花果の組み合わせ
天然ホウキタケの茶碗蒸し。菊川市で捕れた天然のスッポンスープが絶品。動物系を思わせるこの濃ゆいコクに悶絶しました
ホウキタケ。確かに箒に見えますね
ホウキタケ。これならハッキリと見えるかな?
沼津産のメヒカリの唐揚げと空芯菜。軽く鰹出汁をかけていただきます。皮目にしっとりとお出汁が染み込み、もう、悶絶。空芯菜のネットリ感と出汁の旨味、身の甘さが三位一体を奏でます
地元の銘酒、磯自慢
メヒカリに空芯菜を乗っけていただきます
左が1.5kgの九絵。右が5kgの茶色丸羽太。炭を直に当てた焼印仕立て。取り分け脂の溶けた茶色丸羽太には悶絶してしまいます
脂のりの良さが手にとるように伝わります
茶色丸羽太には塩と本山葵を。コイツは美味でした
焼きナスとズンダペースト。ナスの皮が焼けた際の焦げ臭い香りが、なんとも、たまりません。
先日いらした磯自慢の社長、自らのお勧め品。極上の名が示す通り、東条特Aの山田錦。それを本醸造で。磨けば良いってもんじゃ無いですね。
天然の黒舞茸。土鍋で蒸し焼きに。汗が出たところで鰹出汁を投入、その旨味を煮含ませます。数滴の醤油で味を整え、休ませれば完成。実は白甘の脂拭き用に、鰹のイノシン酸と乳化した汗は、締めのご飯に軽くかけて
麻機蓮根の素揚げ。まさに糸を引くような美味しさ
お酒のメニュー
車海老です。ぎゅーぎゅーと威嚇しています
由比の英君にシフト
伊勢海老炭火焼きの刑。脚をパタパタ、団扇のようにパタパタ!
車海老の炭火焼き。トッピングは粒々の際立つ鮮度抜群の味噌。まったくダレておりません。軽く鰹出汁で温めて供します
馬糞ウニに見えるけど、伊勢海老の頭の味噌。鰹出汁で温めます。これは思わず身を捩ってしまうくらいの美味さ。心の底から悶絶してしまいました
見れば見るほどウニだけど、伊勢海老の頭の味噌の方がウンマイっす!
菊川の銘酒
白甘鯛です。串に打ち、これから炭火でじっくりと炙ります
白甘鯛のカマ部位。素揚げした鱗をトッピング。この大きさですと、松笠仕立てより素揚げの方が適しています
赤甘鯛とはまったく異なる身質。より筋肉繊維が太く、爽快な脂を湛えているものの、喉黒のようにグズグスでも無く、歯茎を押し返すような弾力に溢れておりました
鹿児島のお酒。宝山の酒蔵が醸す日本酒です
そして白甘鯛のカマの骨だけが残った
天然黒舞茸の出番です。火からおろして自然に落ち着かせた土釜から取り出します。その瞬間、カウンターの空気が一変。栽培物には出せない強い芳香に悶絶します
舞茸のグアニル酸と鰹節のイノシン酸が土鍋の中で乳化結合。これだけでもウンマイのに、お皿に残った白甘鯛の脂をコイツで拭き取り、アンムッ。うめぇ!
福島の銘酒
菊川市の天然スッポンです
こんな大振りな形のスッポンは初めてです。泥臭さは皆無。良く煮込まれたおでんのすじ肉のような味わいでした
牧之原台地の新米
岩手県久慈産の松茸が登場。このサイズを惜しげもなく薄切りし、鍋に投入
ご飯に合わせたお漬物
鍋の中で鰹出汁と合わせ、硬めのオジヤ風を調理。これはウンマイ。繰り返します。とんでもなくウンマイ。ほっぺたが落ちるとはまさにこのことか!
今年の岩手の松茸は抜群の出来!
お豆腐とナメコのお味噌汁
熊本の赤牛のランイチ、別名、ラム芯です。ランプ肉の中心の希少部位。やはり牛は赤身が最高
炭火で炙った秋刀魚ご飯。針生姜の香りで何膳でもいけちゃいますが、今夜は八名のお客様なので、おかわりは止む無く断念
茅ヶ崎の銘酒
島根の銘酒
秋刀魚ご飯です
ご飯をおかわりし、ラム芯を乗っけて二膳目。天然黒舞茸の煮汁をぶっかけます。もう、悶絶の最大級!
そしてお肉をおかわり
デザートです
巨峰がデッカい!
焼き菓子です
栗だったっけな?
葵の御紋です
知覧茶をたてていただきました
駿河湾の貴石は杉山氏の掌で言祝ぐ
土曜日の夜です。
焼津です。
此方に初めてお伺いしたのが、ちょうど一年前の夏。
静謐な空間で、海と山の貴石を愛でることが叶います。
夏祭りの日でした。
夕闇が忍び寄る中、子供たちの神輿を担ぐ掛け声が、優しく耳朶に届きます。心のヒダを照らします(詳細は初回のレビューをご一読いただければ幸いです)
それから七回目の夜。
いまだ出逢えたことのない、此方のお名前を一躍有名にした夕獲れの鰹が今夜、初めていただけるのでしょうか?
答えは、いきなり目の前に。
土曜日は出漁しない・・・
ええっ、ええ〜っ、でもそう言えば、以前お聞きしていたような気もします。
『金曜日にお越しいただければ・・・』と、眉を下げて恐縮される杉山氏。
『ううっ、休暇を取るしか無いですねぇ』と、中空を見つめます。
『そっ、そうですよねぇ』と、深く腰を折る杉山氏。
『いえいえ、天候によりますものね』と、天に運を任せるしかありません。
実は、なんにも持っていない小デブ。
当たりくじを引いたことなんて一度もないし、こういう賭けではいつもハズレばかり。
ふむっ、夕獲れ鰹は諦めます。
だって駿河湾の海の幸は他にも豊富だし、魚は白身が好きだし、地物の珍しい野菜や、ゆさか精肉店の稀少部位も揃っておりますしね、と悔し紛れに素早く気を取り直し、次回も次々回も土曜日で予約を入れていただきました。
さて、今夜いただいたものは以下の通りです。
私の好みを把握された杉山氏。
素材の部位に変化を加え、唯一無二のお皿を演出していただきました。
進化に深化を重ね、魚を肴に昇華させる磨き上げた技と練り上げた気。
まさに光芒四射、光芒万丈。
その輝きは、あまねく大地と海を照らします。
ひとつひとつのコメントですが、読み進めやすいよう、写真欄に記載しました。画像と共にお読みいただければ幸いです。
そしてご馳走さまでした。
<お料理>
●鯵の胡瓜巻き
●落花生豆腐
●イカの揚げ真薯とモロヘイヤ
●目一鯛のお造り
●蓮根餅と炙り唐墨
●豆じんどういかの炭火焼き、
●白ナス掻き揚げ
●甘鯛の炭火焼き
●ドンコの炭火焼き
●黒鮑と冬瓜とオクラ
●ご飯
・一膳目:煮えばな
・二膳目:コロ(ウデ:希少部位)の炭火焼き
・三膳目:あおさ海苔と唐辛子味噌の餡掛け
・四膳目:コロの炭火焼き全部乗せ
●デザート
・梨とブドウ
・クルミアイス
●お抹茶
<お酒>
●エビス:生ビール
●磯自慢:大井川の恵み、純米吟醸、焼津
●磯自慢:東条秋津産山田錦、大吟醸、焼津
●湖濱:特別純米、長浜
●森本:純米、菊川
目一鯛。腹身部位が煌めきます。軽く割り醤油が数滴。そのまま一口、アムッ。これはウンマイ。恍惚、あとはおぼろ・・・、昇天してしまいました。二口目からは塩、本山葵でいただきます
自家製の落花生豆腐。トッピングはローストした落花生のペースト。これはウンマイ。バターに混ぜてウイスキーのアテにしたい。砂地で栽培される落花生、今は浜松産。ひたすら優しく味蕾をくすぐります
甘鯛。カマはウンマイ。他の部位に比べて味が濃ゆい気がします。特に胸鰭周りの身が筋肉質で、牛に例えると赤身肉のよう
丼仕立てにしました
じんどういか。ミナミマグロの隙身と浜名湖の生海苔が詰められています。地元のお寿司屋さんでは、通称、テッポウ、と呼ばれているとか
駿河湾のアジの胡瓜巻き。梅肉をトッピング。青魚臭を全く感じません。食感はあくまでもシットリ。薬味の割り醤油が優しく舌を包み込みます
瓢箪型の器が素敵です
イカの揚げ真薯。緑は富士宮産のモロヘイヤ。魚が肴になりました。もうお酒が止まりません
富士宮産の白ナス。通称、トルコナス。この後、どんな料理に変化するのでしょうか?
駿河湾の目一鯛。三重産は都内でも見かけますが、駿河湾のこれは、まさに夏の白身の女王。脂の融点が低いので、最初に脂が舌の上で溶けました。寝かせすぎると脂が酸化するため、一日寝かせたのみ
目一鯛のお腹。斬り付けをガン見しながら、どのお皿にいくのかな、と気になっておりました。それが目の前に。アハッ、私が腹身好きのことを覚えていらっしゃいました。嬉しい(^◇^)
最近購入された、清朝時代?の中国陶器。素敵です
さてさて中身は何でしょう?
蓮根餅と炙った自家製唐墨。トロミは蓮根のデンプン質です。温かい仕立てに胃が喜びます
じんどういか、別名、ヒイカを炭火で炙ります。中に何か詰め物が?
じんどういか。縁日のイカ焼きの香りが漂います
隠し酒が表のメニューとなりました
白ナスのかき揚げ。衣は砕いた柿の種? 薬味は白味噌。一口、アムッ。ウンマ〜い。思わず、オヤジの大きな鼻息が漏れてしまい、カウンターに笑いが充満します。恥ずかしい
中はこんな感じ。ちょっとボケてしまいました
甘鯛のカマの炭火焼き。薬味は蓼酢と鱗の素揚げ。サイズは1.1キロの大物。このサイズを松笠仕上げにすると鱗が歯にあたるので、素揚げにされています
甘鯛の鱗の素揚げ。お酒のアテにしてしまいました
甘鯛の胸鰭の骨。甘鯛 of 甘鯛
炭火焼きのドンコ
地物の黒アワビ。昆布で挟んで袋に入れ、湯煎、というか蒸し煮に。弾力が半端ない。アワビの汗を吸い込んだ冬瓜もウンマイ
牧之原台地の新米の煮えばな
新米の二膳目
通称、コロ、とゆさかさんでは呼んでいるようです。お肉は地方名があってややこしいのですが、ウデ(前脚)一本から300g程度しか取れない希少部位。赤身の肉臭さがたまりません\(//∇//)\
浜名湖産の青さのりと唐辛子の餡掛け
残ったコロ肉の全部盛り。ゴッちゃんです
山梨の豊水。味わいに特徴を感じたので聞いたところ、白州を数的垂らしているとのこと。納得です
クルミのアイス。もっと食べたかった
知覧のオーガニック茶です
先ずはエビスの生で喉の洗浄
焼津の磯自慢
大井川周辺で収穫された誉富士が酒米。深いコクがあり、ドストライク
焼津の磯自慢。東条産の山田錦。先にいただいた大井川の恵みと比べ、酒米の違いがよく分かります。こちらは柔らかく滑らかな味わいでした
長浜の銘酒にシフト
静岡県警菊川市の地酒。初めてです。これもウンマイ
駿河湾の宝石は杉山氏の掌で煌く
土曜日の夜です。
焼津です。
静岡駅から在来線で到着したのが夕方の五時半。霧雨に煙る街中を彷徨いながら、ゆっくりと港の方向に歩きます。
今宵は温石さん。
GW中に一度デリバリーしていただいたものの、お店にお伺いするのは凡そ三ヶ月ぶり。
ここ数日の低気圧の影響で、今朝の水揚げこそ期待はできませんが、そこは培った技量とサスエ前田さんをはじめとした仲買や生産者の方々との太い手綱で、一期一会の懐石をいぶし銀のごとく纏めていただけるものと思います。
予約時間の十分前にお店の前の路地を左折します。
長傘をお持ちのお母様がラッコの到着をお待ちでした。というのも、既に青年男子四人組と年配のご夫婦が着席されており、ラッコが最後の客。
ポツンと空いた正面の座席に案内されます。
杉山氏と視線が交錯。
『今日も歩いて来られたんですか?』と杉山氏。
『はい。今夜もよろしくお願いします』とラッコ。
『遠いところ、雨の中をお越しいただき、有難うございます』と腰を折りながら、目尻を下げて爽やかな笑顔の杉山氏。
この控え目な距離感が好き。
『どうだ!』というプッシュ型のお店がインスタ映えするなか、『どうぞ...』という、分をわきまえたもてなしの真心がつたわります。
今宵も満ち足りた時間が約束されました。
遠い街でラッコを待つ人がいる。
無償の笑顔と真心のもてなしで。
焼津に来る理由がここにある。
そしてご馳走様でした。
いただいたものは以下の通りです。
<コース料理>
●枝豆の摺流し:
香りと甘味の強い“かおり枝豆″を使用。もちろん静岡産。茶豆のようなガテン系の土臭ではなく、軽やかで爽快な女形のような香り。
浅利の汗のみで伸ばしているので、生クリームを入れた際の動物臭や邪魔な乳脂肪を感じません。
●鯵の胡瓜巻き:
小振りだけど脂のりは抜群の鯵。今の時期の定番だとか。紅いアクセントは梅肉です。
●アスパラガスのかき揚げ:
家康お気に入りの麻機蓮根は終わり、今は静岡産のアスパラガス。一口齧ると立ち上がる蒸気。砕いたお煎餅の衣が香ばしい食感を演出します。
●甘長唐辛子と生シラス:
炭火で炙った熱々の甘長唐辛子に冷たいシラスを乗せます。唐辛子の余熱でほんのりと頬を赤らめたシラス。身の脂が解けたのか、ムニュッとしたちょいエロの食感に変化しておりました。
熱と冷の競演。京都の万願寺唐辛子とジャコの組み合わせにインスパイヤされたとのこと。
●潮(うしお)椀:
具材は、オガイ、いわゆる黒鮑、風味の強い泥障烏賊の下足の真薯、見通しが良くなる筒ゴボウ、庭に自生している実柚子の薄切り。
輪郭の明瞭な潮汁に悶絶。溜息しか見当たりません。
金平糖くらいの大きさの実柚子ですが、五月に花を咲かせた後のいわば青柚子の子供。夏の到来を予感させます。小さくても鮮烈な香り。
●縞鯵のお造り:
近海天然物、塩と山葵と茗荷でいただきます。一口、アムッ。健全な脂に感嘆。
杉山氏の視線を正面に感じます。
顔を上げて目を細めて頷きます。
ホッとされたかのようにお辞儀される杉山氏。
言葉にせずとも伝わります。気の合う親方とのカウンター懐石は、ことのほか愉しい。
●平貝の手巻き寿司:
三河産の平貝のブツ切りを手巻きに。平貝は薄切りより絶対に厚切り。帆立よりも繊維が太いので、厚い方がその食感を堪能できると感じます。
●金目鯛の炙り:
鱗を熱した米油に軽くつけて松笠に見立てます。軽い米油は胡麻油のように主張しないので、金目鯛の繊細な脂をさらに引き立てます。薬味は白髪ねぎ。
お皿に残った煮切り醤油に皮裏の脂が煌きます。金目脂が乳化した煮切り醤油はあとで椎茸の炭火焼きの薬味とします。
●隠元の胡麻和え:
箸休め。湯がいた隠元を酢洗いしているのでしょうか、若干の酸味を感じます。夏仕様でしょうか?
●椎茸の炭火焼き:
藤枝産。グアニル酸が変化して肉のような食感に変化。素材の力が有り余っているので、ただ炙って煮切りを掃くだけで十分。手数は最小限に仕上げます。
さきほどの金目鯛の脂が椎茸の裏側のシワシワに染み込みます。コクが添加されて何とも言えぬ味わいに変化しました。
●鱧のシャブシャブ:
地物のはしりの鱧。小振りですが脂のりは程良い感じ。太白の胡麻油に山椒の実をつけた山椒オイルでいただきます。
●メバルの唐揚げ:
そろそろ名残のメバル。おろしポン酢でいただきます。ナスとオクラが脇を固めます。
●麦イカの炊き込みご飯:
麦イカと地物の葉葱を炊き込みます。お米は茶畑で有名な牧之原台地産。イカ墨がお米の一粒一粒をしっかりとコーティングし、葉葱の香りと甘さで品良く仕上がりました。
二膳目は山葵の茎を追加。
三膳目は讃岐牛のヒウチの炭火焼きを追加していただきます。
●デザート:
桃とビワのゼリー寄せ。
●デザート
トウモロコシの葛餅。表面に砂糖をまぶしてバーナーで焦がします。
●お茶:
知覧産の茶葉を安曇野で製茶したものです。
素敵なお手前でした。
<お酒>
●ビール:生エビス
●磯自慢 大井川の恵み、純米吟醸、焼津
●磯自慢:本醸造、焼津
●池月:みなとにうかぶ月、吟醸、石川
日本酒は計三合
駅前水路の人魚姫
最初はエビスの生で喉を洗浄します
枝豆の摺流し
鯵の胡瓜巻き。紅いトッピングは梅肉です
ドアップ
地物のアスパラガスのかき揚げ
炭火で炙った甘長唐辛子と冷たい生シラス
専用酒器
お椀。中身はなんでしょう?
黒鮑と筒ゴボウ。奥に寝ているのが泥障烏賊のゲソの真薯です
障泥烏賊のゲソの真薯
天然シマアジ
天然シマアジのアップ
天然シマアジに塩を振り、茗荷と山葵を乗せました
平貝の手巻き
金目鯛が並びます。どの部位をどのお客に回すか、親方の胸三寸
酒器
隠元の胡麻和え
金目鯛の炭火炙り
鱗は米油で松笠に仕上げます
ぷっくらと膨らんだのは炭火の成果
白髪ねぎと煮切り醤油でいただきます
椎茸の炭火焼き。金目鯛の脂が乳化した煮切り醤油でいただきます
はしりの鱧が並びます
軽くシャブシャブ。そこには山椒油が潜みます
鱧の皮目
讃岐牛のヒウチ。部位を当てたら『xxxさん、もう変態ですよぉ』と杉山氏も苦笑い
酒器。模様がお洒落
メバルの唐揚げ。オクラと茄子
炊き込みご飯に仕上げる麦イカ
葉葱の緑が眩しい
麦イカと葉葱の炊き込み後hん
二膳目。山葵の茎を追加します
三膳目です
讃岐牛のヒウチの塊を炭火で焼き、スライスします
桃と枇杷のゼリー寄席
もう桃がいただけるなんて、嬉しいっす
トウモロコシのくずもち
知覧茶葉を安曇野で製茶
素敵なお点前でした
通常利用外口コミ
この口コミは試食会・プレオープン・レセプション利用など、通常とは異なるサービス利用による口コミです。
駿河湾の恩恵はデリバリーでも色褪せず、の巻
★Be strong but be kind!
五月末までのテレワークも決定。
好きな外食もままなりませんが、しょせんは個人の嗜好。
そんな小さな欲望など懐深くに抑え込み、今はなにより、移らない、移さない、それが最優先。
むやみに出歩かず、オヤジの嗜みとして公共の利益を自覚する今日この頃です。
---------------------------------------------
五月三日。
いよいよGWの後半に突入。
外出を週二回に控え、自炊の日々が続きます。
もともと料理好きなので苦にはなりませんが、好きなものしか作らないので偏食気味なのもまた事実。
それに凝り始めるとキリがなく、独り者ゆえ、食べ切れない食材を棄てざるを得ないのも心苦しいところ。
そんな四月の中頃、温石さんがGW期間中のデリバリーを実施されると知り、その場でお願いします。
中身もお値段もすべて、当日の水揚げ縛りのお任せ。
世に言う『時価』にビビりますが、予算をお伝えしているので一安心。
それに何より、親方の人となりも存じ上げているので、そこにあるのは『信頼』の二文字のみ。
首を長くして待つこと約二週間。
フォロワー様に教えていただいた送料無料の福岡の酒屋さんから銘酒も取り寄せ、準備万端調えます。
クロネコ冷蔵便がお昼過ぎに到着。
包装をとくと白木の箱を発見。段ボールじゃないところが嬉しい。
な~にが入ってるのかなぁ、なんてデブ猫のように中を覗きこみます。
オオッ!
フフッ、ウフフッ!
一袋ずつ順番に食べちゃお。
日本酒、よ~し!
薬味、よ~し!
DVD、よ~し!
鮟肝を半分残し(全部食べちゃうと確実に痛風とお友達になります)、他は全て昨夜いただいてしまいました。
四時間に及ぶ自宅での宴。
駿河湾の恩恵はデリバリーでも全く遜色なし。
いただいたものは以下の通りです。
そしてご馳走様でした。
<お料理>
●鯵の胡瓜巻き
●障泥烏賊の蕨の和え物
●鰹のタタキ
●麦イカの煮物
●鮟肝
●金目鯛の煮物
●喉黒の炙り
●鮑と蕗の炊き合わせ
<日本酒:これは自前です>
●繁枡:菅原水鏡、特別純米、生、八女、一合
●真澄:純米吟醸、生、諏訪、四合
白木箱に入っていました
蓋を開けたところ
北海道産の鮟肝
麦イカ
障泥烏賊と蕨
鰹のタタキ。白ネギと茗荷と生姜の香味野菜により、一日置いたことによる臭みの発生や乾燥を抑えています
鯵の胡瓜巻
帆立と蕗
地物の喉黒の炙り
金目鯛
味噌柚子胡椒:障泥烏賊とワラビの和え物の薬味
薬味(大葉、生姜、胡麻)は自前
盛り付けはヘタかも
中に大葉と生姜の千切りが潜みます。東日本ではこれから旬を迎えますね。うんまい。まったく変な臭みがありません。駿河湾の恵みに感謝します
障泥烏賊と蕨の和え物。手前は塩を入れたオリーブオイルです
同梱されていた味噌柚子胡椒と和えました。蕨の野性味と障泥烏賊の甘味、味噌の旨味が混然一体化
こちらは味噌柚子胡椒と和えず、塩とオリーブオイルでいただきます
薬味の木の芽は自前。うんまい。悶絶します
麦イカ(スルメイカの子供)の煮つけ。旬の味に感嘆。湯煎して自前の木の芽を乗せました
胴の内側にゲソを忍ばせます。手が込んでいます
初鰹のタタキ。薬味は自前です。
これから冷たい海で太る前なのに、既に皮裏や皮岸に脂が煌きます
ポン酢でいただきます
左上の青緑色の脂のキラメキが見えるかな?
地物のノドグロの炙り。別添えのオカカネギの薬味を乗せていただきます。デカい!
このシットリ感が伝わるでしょうか?日本海側のノドグロのようにくどくはありません。適度な脂が舌を喜ばせます
超辛口の真澄が好き
鮑と蕗の炊き合わせ。空豆は自前です。鮑の琥珀酸が煮汁に溶け出し白濁。勿論、すべて飲み干します
金目鯛。強火の落し蓋で五分で仕上げ。木の芽と生姜は自前です
お汁に浮く金目鯛の脂
北海道の鮟肝です。えっ、今の時期?と思われがちですが、冬に比べ脂が少なく、これはこれで美味しい。いわば青年期の肝でしょうか? そのままお酒のつまみでも良いのですが、薄口醤油とお酒と砂糖で温めました。まだ半分残っているので、今夜が楽しみ
駿河湾の豊饒は杉山氏の掌で舞う
土曜日の夜です。
焼津駅です。
午前中の快晴も何処へやら。天気予報通り、夕暮れから空の冷たい涙が街を濡らし始めます。
ホテルで借りた傘を手に、水路沿いの人魚姫にご挨拶。
多くのお店がシャッターを降ろす商店街を抜け、薄闇の中、風情の漂う街並みを愛でるように歩きます。
十五分も前にお店の面する路地に到着しました。ちょっと早いので周囲を散歩するかなぁ、と悩みますが、雨脚が強まりそうな気配。
お店の前まで進むと、入り口の暖簾の奥に傘を手にした女子の足元が見えました。
『こんばんはぁ〜』と小デブ。
『はい。お待ちしておりました。XXさんですね?』と女子。
う〜ん。おそらく、お一人様は小デブ一人と言うことなのでしょうが、それでもやはり名前で呼ばれると嬉しい。
靴を脱いでカウンターの前に。折敷は六枚。最初の客です。肩の濡れたダウンジャケットを丁寧に拭いていただき、温かい緑茶を一服。
ふ〜うっ。もてなされている。
これが懐石の真髄、いや神髄か。あまりの心地良さに身も心も緩み始めます。
厨房から杉山氏がいらっしゃいました。
『先日は北九州の夜を楽しまれたようで・・・』といきなりのジャブ。
『ええっ、そうなんですよぉ〜、黒崎のまつXXさんにお伺いしました。ご存知でいらっしゃいますか?』と小デブ。
『はい。もう、勿論』と大きく頷きながら爽快な笑顔の杉山氏。
うっ、一本取られた。
それにしても、なんでご存知なんやろう、バレバレやん。
程なく地元の御常連様がいらっしゃり、今夜の宴がスタート。
駿河湾の幸、駿府の五穀豊穣に感謝し、そしてご馳走さまでした。
いただいたものは以下の通りです。
<お料理>
●ひげ鱈の酒蒸し:
皮膚が金色に輝いていることから、地元では金鱈と呼ぶそうです。皮裏の無駄な脂も抜け、下仁田ネギの滋味深い甘味が優しく身肉を包み込んでおりました。伊賀焼の器も素晴らしく、初皿から魅了されてしまいました
●蛤のお椀仕立て:
お雛様ですからね、やはりここは蛤。それにしても肉厚でデッカい。そして劇的にウンマイ。地元の吉田町産とのこと。昆布出汁に若干の白味噌を加えた吸い地、底にひそむ蓬餅の草の香り、含め煮?した椎茸の旨味の重層構造に瞬死する小デブ。器は輪島塗でした
●鮃のお造り:
まさに駿河湾の恵み。4キロの大物。山葵のみでいただきます。噛めば噛むほど甲殻類の仄かな旨味を感じます。桜海老でも食べてんのかなぁ?
●鮃の縁側の握り:
太い、厚い、デカイ。シャリの上に乗せ、煮切りを一刷毛。真っ赤な炭を当てたその刹那、♪ジュジュッ、ジュジュジュッ♪と着メロにしたいようなドルビーサウンド。すかさず後を追う煮切りの香ばしい薫り。脂はただただ甘く、筋肉繊維の強靭さに虚にうっとりする小デブ
●豆じんどういかの印籠:
串に刺して炭火で炙ります。縁日のイカ焼きの香りが空気を支配します
●鰆の炭火焼き:
赤甘鯛と鰆を炭火でじっくりと炙ります。小デブには鰆。表面の脂がうっすらと煌きます。薬味の煮切り醤油がたまらなくウンマイ。次のお皿の焼き野菜にもつけていただきます
●ブロッコリーの炭火焼き:
地味と栄養を失わないには炭焼きが最適
●新玉ねぎの炭火蒸し焼き:
アルミホイルにくるんで暫し蒸し焼きに。繊維がまったく歯に当たりません。溶けるような味わいです
●喉黒と蓮根のアラレ揚げ:
喉黒は駿河湾産。日本海側と比べ、太平洋岸で獲れる喉黒は脂がくどく無い。まるで体脂肪が一桁の体育会系かも。これなら揚げ油と喧嘩しません。鰆と同様、断面にはうっすらと脂が煌めいておりました。
蓮根は葵区の麻機産。繊維が細い割にはシャクシャクの食感。ウンマイっす
●トウガラシの炭火焼き:
神戸のゆさか精肉店から送られてくる肩甲骨の希少部位。硬めの赤身食感ゆえ『肉を食らう』という表現が最適かも。地味も濃いので薬味は鰹出汁?の薄い塩だけで充分。新筍とえんどう豆が脇を固めます
●鮑と若芽の混ぜご飯:
地物の鮑を斬りつけ、愛知の若芽と一緒に炊き立て土鍋ご飯に投入。若芽の柔らかい塩と香りでいただく逸品でした。二膳目にはすり鉢であたった肝を添えます。この時期は油分が少ないのでオリーブオイルを添加。もう何杯でも胃に入りそう
●デザート:
きらぴ香、メロゴールド、藤枝のブラッドオレンジ
●桃源餅:
葛粉にカカオパウダーを纏わせます
<お酒>
・生ビール:エビス
・磯自慢:純米吟醸、大井川の恵み、焼津
・磯自慢:吟醸、焼津
・一白水成:純米吟醸、秋田
合計三合
トウガラシ
喉黒と蓮根のアラレ揚げ
地物の蛤のお椀
入り口
手間のかかる仕事です
女子の足元が写ります
生ビールで喉を洗浄
ひげ鱈の酒蒸し。トッピングは下仁田ネギ
駿河湾の王様
縁側の太さに驚愕
輪島塗
酒器
鮃
薬味は山葵のみ
鮃の縁側です
豆じんどういか、ヒイカですね、を炭火で炙ります
当然、一口でアムッ
鰆の炭火焼
脂の煌きが見えるでしょうか?
ブロッコリーの炭火焼
新玉葱の蒸し焼き
ピンク色に煌く喉黒の脂
地物鮑が登場
秋田の銘酒にシフト
炊き立て土鍋ご飯に鮑をトッピング
若芽の香りがスンバラしい
お椀です
図太い肝
摺鉢であたった肝をのせます
一皿目のデザート。メロゴールドのグレープフルーツを除きいずれも地元産
カカオパウダーを纏ったお餅
中はこんな感じでした
駿河湾の恵みは杉山氏の掌で踊る
土曜日の夜です。
焼津です。
今夜は凡そ二ヶ月ぶりの温石さん。
前回通り早めに焼津駅に到着し、方向を見定めてからゆらりゆらりと夜の港町を散策します。
静かです。
人の流れも車の往来も無く、静寂に包まれた街。
好きだなぁ、この雰囲気。
小一時間のブラ散歩を済ませ、お店の前に到着したのは六時前。別のお客様が車でいらしたようで、お店のお若い女子二人が柔らかい物腰で佇んでいらっしゃいます。
来訪を告げると『xxx様ですね、お待ちしておりました』なんて、目を見て呟かれます。
一目惚れしちゃうやないか。
何度か静岡を訪れるようになって感じたのですが、皆さん、なんだか、おっとりされています。温暖な気候がそうさせるのか、そんな穏やかでしっとりとした笑顔で迎えていただくと、お尻がモゾモゾしてきちゃう。
庭を横切り、奥のアプローチから靴を脱いで部屋に入ります。
最初のお客。
カウンターには五枚、一つ空けて二枚の折敷が置かれておりました。どこに座れば良いのかな、と迷っていると、二枚の折敷の手前側、板の正面の席を引かれます。
ああっ、嬉しい。
かぶりつきやねん。
目の前で調理の様を見つめられるのって、この上ない愉しみ。
程なく忘年会らしきお母様方五名、ラッコと同じくお一人様のオヤジ、個室に四名、総勢十一名で今夜の晩げがスタート。
いただいたものは以下の通り。
年末と言うこともあり、地物のシラカワや赤座海老などの大盤振る舞い。初めて二枚を超えましたが、五合もきこしめしているので、それも当然。
冬の海 ひねもす のたりのたり かな
by 与謝ラッコ蕪村
そしてご馳走さまでした。
●掻き揚げ:
静岡市葵区産の麻機蓮根を、砕いたお煎餅の衣で包みます。小腹にしっとりと染み込む余韻。お伺いして良かった、と納得の一皿でした
●どうまん蟹:
浜名湖産が有名ですが、これは地元の定置網にかかった迷いどうまん。1キロ超えの大物。外海が見たかったのかな?
オレンジ色の塊は内子です。食感は栗のよう。味は濃ゆい。まさしく濃縮卵黄。そして安納芋のように甘い。半生の身肉の繊維は長く、なんだか長生きしちゃいそう。蟹味噌と白葱を和えたソースが絶妙でした
●鮃:
駿河湾産。サスエ前田さんから。超絶肉厚。ぶっとい縁側。脂が煌きます。この鮃は超ド級。バーレスクの豊満なダンサーみたい、行ったことないけど\(//∇//)\
●赤座海老:
焼津産。活を炭火焼きで。僅か十秒程度の半生で提供。なんだろう、この儚く霧のように消えていく甘味は。火を通し過ぎてレモンで誤魔化すイタ飯の炭火焼なんて、ごめんなさいだな、もう
●イトヨリダイ:
こんなにデッカいのって見たことないよぉ〜。超絶肉厚の豊満ボディ。地物の椎茸とのお碗仕立て。うんまいよぉ。鰹節の一番出汁も効いています
●アオリイカ:
活シメなので甘味が半端ない。藤枝の赤蕪とスナップエンドウを添えて。赤白緑の色合いでクリスマスを演出。牧之原のオリーブオイルが全てを丸くまとめます
●鮃の縁側鮨:
砂地の魔王、降臨。
もはや縁側を超越。並の二倍の厚み。もうどんだけヒラヒラさせたらこんなに分厚くなるんやろう。
白シャリで握った後、表面に墨をあてます。そして煮切りをひとはけ。化学変化だと思いますが、バター香が漂います。悶絶!
●シラカワ:
地物の1.8キロの白甘鯛。
年末なので大盤振る舞い。噛むとシャリシャリとした音が頬骨を通じて耳に届きます。下敷きのお出汁はイトヨリダイを湯引きした際のお出汁を煮詰めたもの。絶句。思わず跪きます
●蕪の炭火焼き:
ただただ甘い。素材の実力でしょうか。牛肉にシフトするプロローグとしては絶妙。舌と胃の興奮を鎮めます
●ブロッコリーの炭火焼き:
ただのブロッコリーなんだけど、何々この青い香り。煮切り醤油の香ばしさにも思わず悶絶
●マルシン:
赤身肉の王様を炭火でじっくり炙ります。
磐田産の海老芋を添えて。肉は前回と同様、神戸のゆさか精肉店から。
フィレ肉は柔らか過ぎてつまりません。四つ脚の獣臭も無く、キ○タ○が付いてんのかよぉ〜、なんてね。
やはり赤身は内腿の鼠蹊部に限ります。肉本来の香りも強く、柔らか過ぎず適度な歯応え。
焼けた端っこを味見されようとする気配を察したラッコは、掟破りの一言。
『端っこって、美味しいですよねぇ〜』と周りに聞こえないように甘えます。片頬を上げた杉山氏が、もう、しょうがねぇなぁ、といった感じでラッコのお皿に乗っけて下さいました、アハッ
●蛤のおじや:
吉田町産。デカイ。桑名まで赴く必要無し。
蛤の汗をタップリと含んだかき卵が舌の上で優しく踊ります。
●マルシン乗せご飯:
先ほどのマルシンで炊き立て土鍋ご飯を包み込み、パクッと一口。たまんねぇ〜
●お味噌椀と香の物:
ナメコ汁に白菜、大根、赤蕪でした
●デザート①:
クルミの赤砂糖の求肥まとい
●デザート②:
紅ほっぺのFカップと洋梨
<お酒>
・生ビール:エビス、中グラス
・磯自慢:吟醸、焼津
・磯自慢 大井川の恵み:純米吟醸、地元限定
・初亀:純米吟醸、藤枝
・志太泉 ラヂオ正宗:純米吟醸、藤枝
・喜久酔:純米吟醸、藤枝
日本酒は全て一合で、計五合
★追記:
この後、お隣で親しくなった地元のオヤジさんと駅前のビールスタンドで二次会。終電でなんとか静岡駅にたどり着きました。
そのお店は食べログ未掲載なのでエントリーしたかったのですが、肝心のお店の名前が分かりません。
来年二月にお伺いした際、確認します。
焼津もクリスマス
お約束の人魚姫
なぜ焼津で人魚姫かは不明
先ずはエビスで世俗の垢を落とします
まさかの鳥唐揚げと思いきや、蓮根でした。地元では有名な麻機蓮根と呼ぶのだそうです
ねっ、蓮根でしょ
迷いぼうまん。外海の定置網に捕まってしまいました。内子が栗のようにホクホクで安納芋のように甘い
内子を先にいただいちゃいました
ぼうまん蟹の身肉。半生です。繊維が長い
たまらず地酒にシフト
底にお茶の文字が
鮃です。背中側なのに分厚い。今季ナンバーワンのお味でした
鮃は塩と山葵で茗荷を挟んでいただきます
こんな感じで
地物の赤座海老。真ん中の憎い奴がハサミを振り回して暴れます
赤座海老は軽く炭焼きで
半生の赤座海老。薬味は無し。海老の旨味がダイレクトに伝わります
赤座海老をひっくり返したところ
イトヨリダイが勢揃い
マルシンを炙り始めます
さてさて、このお椀はなんでしょう?
先程のイトヨリダイでした。肉厚の身に悶絶
イトヨリダイの煌めく脂が見えるでしょうか?
捌きたてのアオリイカを赤蕪とスナップエンドウ、オリーブオイルで和えました
鮃の縁側。表面に炭を焼きごてのようにあてます
この厚みにビックリ。どんだけピラピラさせて来たのかなぁ
白甘鯛です。デカイ
脂の煌きが良く分かると思います
このパリパリの皮が美味しい
土の香りのする蕪
酒器もおしゃれ
口直しの炙りブロッコリー
蛤さん、登場
マルシンの焼き上がり。見えないけど、土台は海老芋でした
炙ったマルシンの端っこ
蛤の卵閉じ
もちろん半生
胃に染み渡るうんまいお出汁のナメコ汁
香の物。いずれも手抜き無し
更に追いマルシン
洋梨とあまおう
胡桃の求肥
デカイ。Fカップと呼ぶのだそうです
懐石なので最後はお抹茶で
撮っちゃった。女将さんでは有りません(^◇^)
杉山氏が奏でる令和の懐石
土曜日の夜です。
焼津です。
初訪問でいきなり魅了された温石さん。今夜はおよそ二ヶ月振りの訪問です。
幸い空も泣き止みましたので、前回と同様、焼津駅前からゆらりゆらりと散策します。
夜の帳のおりた港から海を眺め、一台の車も通らない、道行く人も誰もいない、暗く静寂に覆われている旧い街並みを縫うように歩きます。
玄関に到着したのは予約の十五分前ですが、すでに淡い暖色系の灯りがともっておりました。
近づくと、暖簾の奥から素敵な女性が自然な所作で静々とお出になります。足音に耳を澄ませていらっしゃるのかな。
板前の正面に案内され、生ビールをお願いします。
折敷の枚数からカウンターは七名、個室にも三名のお客様を迎える準備が整っておりました。
厨房から杉山氏が顔を出されます。
挨拶の後『今夜はサスエの前田さんがいらっしゃいますので、ご紹介しますね』と杉山氏。
ああっ、それは嬉しい。
編集された番組で拝見するのと、直にお話しできるのとでは天地の差。
これはラッキーでした。
素人目線でお魚のこと、色々と聴いちゃいましょう。
それでは本題のお皿の数々に。
いただいたものは以下の通りです。
そしてご馳走様でした。
●落花生豆腐と無花果:
地物の生の落花生を潰してエキスを抽出し、ニガリと共に加えます。砂糖は入っていないので、癖がなく柔らかな甘味が口中を満たしました。トッピングの落花生ソースは、オーブンでじっくり一時間加熱して香ばしさを添加した豆の裏漉し。この一手間で香りが倍増。器は気鋭の木村隆氏の作品
●松茸と鱧のシャブシャブ:
目の前で引いた鰹節の一番出汁で、松茸と愛知の鱧をシャブシャブします。松茸で勝負しない、とのことで、カナダか中国の輸入物。全く気になりません。国内の二級品より外地の特級品が勝りますものね。それにブラインドで出されたら、判別出来ません。
鱧は葛粉をまぶしてプルプル食感を演出。器の底に敷かれた角の取れた煮切り醤油が一番出汁に溶け込み、日本人ならではの繊細な妙味を堪能します
●ハタ:
柵の厚みが半端ない。聞けば五キロ超えの大物とのこと。目の前で柵を斬りつけます。煌めく脂。刃に吸い付く艶っぽい肌。皮目を軽く炭で炙り、余分な脂を落とします。薬味は茗荷、山葵と煮切り醤油。
ウンマイ。これは悶絶もの。左隣の前田氏がドヤ顔で頷きます
●南蛮海老と紫水菜の和え物:
南蛮海老は地物。まさか太平洋岸で獲れるとは知りませんでした。駿河の海の懐は計り知れません。それ故、写真を見てもお分かりの通り、抜群の鮮度。甘みとネットリ感が際立っておりました。富士宮の紫水菜と和え、食感の変化を演出します。薬味は酢橘と塩
●イトヨリ鯛のお椀仕立て:
下拵えの切り身を拝見して、勝手に甘鯛かなぁ、と妄想しておりました。焼いても煮ても癖のない白身ですが、地物の蓮根のスリ流しに浮かんで、なんだか幸せそう。山葵と白味噌の薬味が見目麗しい皮目を引き立てます
●伊勢海老の炭焼き:
ザルに数尾の伊勢海老が登場。ギューギューと鳴いているのは、身にふりかかる炙り地獄の運命を予見しているのか?
杉山氏が手首を回して、遠慮なく頭と胴体を外します。お腹の団扇状の脚をパタパタさせて苦しむ様が、まるでラッコの貝割りみたい。なんだか親近感が湧いてしまいます。
さらに火鉢に乗せられ、海老反りながらも尻尾をフリフリ。命をいただく原罪の重さに、真摯な想いを馳せざるを得ません。有難うな。堪能させていただくからね、とつぶらな黒い瞳を見つめて呟くラッコ。
表面に軽く熱が入った頃合で炭火からおろします。中は半レア。薬味は頭の味噌。お酒が進みます。
前田氏によれば、台風が来ると塩水濃度が低下し身が緩くなるとのこと。従い台風が近づく前に捕獲し、お店の水槽で調整、落ち着いたところで納品されるのだそうです
●蕪の蒸し焼き:
富士宮の蕪を炭火の中に埋めます。一種の蒸し焼きでしょうか。振りかけられた黒い粒は自家製のイカ墨塩。掘り起こした際の土をイメージしています。
頭の茎を手で掴み、オランダ人がハーリングをいただくように、真上から口の中に落とします。
美味い。レフェルヴェソンスの蕪を思い出しました
●梭子魚の炭火焼き:
酢橘をタップリと振りかけます。
『立て塩は?』と前田氏が問います。
『これは八分で仕上げました』と杉山氏。
頷く前田氏。
『こんなに皮が薄くて歯に当たらない梭子魚は初めてです』と喜ぶラッコ。
『それはもうサスエさんの魚ですから』と杉山氏。
『いやいや、それはもう焼く腕ですよ』と前田氏。
男の固い絆を感じ取ります。なんだか良い感じ。妬けちゃいます
●黒舞茸の蒸しもの:
地元のキノコハンターが山で収穫した天然物。希少品です。大き目の土瓶の中で蒸しますが、その蒸気穴がラッコを向いていたせいか、その香気に思わず朦朧とするラッコ。
『アロマ攻撃ですぅ〜』と何故か嬉しそうな杉山氏。
ドSかよ?
お店で見かける白舞茸とは明らかに別物。まるでポルチーニと鶏肉を掛け合わせたような食感でした
●イチボの炭焼き:
仕入れは今、注目度がうなぎ上りの『ゆさか精肉店』。三代目が差配する神戸の小さなお肉屋さん。イチボは一目で特上ものと分かるルビー色の煌めき。思わず頬ずりしたくなってしまいます。
醤油と味醂に漬けて、遠火の炭で表面を炙ります。香ばしい芳香が周囲に漂います。
串から外し、まな板の上で斬りつけます。褐色の肌の内側に潜む柔肌。熱が入り、ルビー色がシャネルピンク色に変化しておりました。
『なんだよぉ〜、照れてんのかよぉ〜、コイツぅ』なんて呟くラッコ。
『お食べになっておくんなましぃ〜』と、乱れた風情ではすっぱに囁くイチボ嬢。
ウンマイ。超絶、ウンマイ。もうなんも言えねぇ!
湯布院の無量塔で衝撃を受けた、豊後牛の味噌漬けを思い起こします。麹漬けのような旨味を舌が感じ取りますが、恐らくは醤油と味醂の化学変化。付け添えは里芋。ネットリとした食感がイチボの強い脂を絡めとります
●イチボご飯:唐墨乗せ
牧之原産の新米釜炊き。一膳目はタタキオクラと先程のイチボでいただきます。二膳目は自家製の唐墨の薄切りをイチボにトッピング。
あ〜っ、ウンマイ。身体が弛緩する。
首が座らず、頭がガクンと後ろに傾き、白眼を剥きながら虚ろに天井を見つめ続けるラッコが一匹。
きっと腑抜けたような情け無い顔をしているんだろうなぁ〜。でも良いもん。素顔だもん。それに今夜は一人だから、たとえ鼻毛が見えたとしても恥ずかしくないもん。
●お味噌汁:
具材はシメジと冬瓜。一番出汁が効いております
●香の物:
胡瓜、茄子、蕪。いずれも抜かりなし
●果物:
山梨産のロイヤル南水、柿、シャインマスカット。
無類の梨好きという前田氏には、ロイヤル南水だけの特盛をご提供
●甘味と抹茶:
餅米粉の薄皮どら焼き。中には渋皮栗の餡が。この薄皮生地は何枚でもいただきたい
<お酒>
●生ビール:中グラス
●初亀:純米吟醸、ひやおろし、藤枝
●富久長 海風土:純米、広島
●喜久酔:特別純米、藤枝
合計約三合
サスエさんのハタ
蓮根のスリ流しに浮かぶイトヨリ鯛でした
中はレア。頭の味噌をつけていただきます
イチボの炭焼き、里芋と合わせます
梭子魚の塩焼き
静岡駅前もラグビーで熱狂
途中の神社では何かの神事が行われておりました
焼津港から海を臨みます
玄関
最初は生ビール
落花生豆腐とイチジク
松茸と鱧。下には煮切り醤油?かな
ここで地酒にシフト
お猪口ではなく大振りのシェリーグラスで
地物の南蛮海老
南蛮海老とムラサキ水菜の和え物
中身は何でしょう?
地物の伊勢海老が登場
胴体を捻り取られてもラッコに視線を投げ続ける伊勢海老
お腹の脚がパタパタして可愛い
頭が3個
炭火で炙ります
熱いよぉ〜
蕪を熱した炭で蒸し焼きに。シンプル イズ ザ ベスト!
広島の銘酒
地物の黒舞茸。希少品です。白よりはるかに強い香りに悶絶
香の物
何かなぁ〜
シメジと冬瓜のお味噌汁でした
新米です
地元の銘酒
イチボの炭焼きが白米のアテに出てきました
おコゲ、大好き
追加のイチボ
自家製の唐墨
イチボに唐墨をのっけます
デザート
渋皮栗の一口どら焼き
めくりました
懐石なので抹茶は外せません
杉山氏と前田氏
温めた石を懐に入れ空腹を凌ぐ、すなわち懐石
謝意:
あまりにも感動しましたので、紀行文のような内容になりました。
駄文が長々と続きますこと、ご容赦ください。
特にお料理にご興味の有る方は*****で区切った箇所からお読みいただければ幸いです。
---------------------------
日曜日の夕方です。
静岡から在来線で焼津に足を伸ばしました。
今回の短い旅の最終目的はこちら、温石さん。
おんじゃく、と読みます。茶懐石のお店です。
恥ずかしながら私は、ぬくいし、と勝手に読み違えておりました。
いつもお声がけいただく愛知の食べ友様からお誘いを受けた、六月の朝獲れ鰹のシャブシャブ。
海の凪いだ平日にしか出逢えない逸品なんですよね。
都合が合わず、泣く泣く断念しましたが、しばらくは後ろ髪を引かれる日々を過ごしておりました。
その後も敬愛するフォロワー様達からの、熱く、深い感嘆の溜息に触れ、ようやく待ちに待った今日のこの日を迎えます。
時刻は五時。
予約は六時。
一時間ほど、寄り道をしながら、のんびりと散歩する算段です。
♪知らない街を、歩いてみたい
♪知らない海を、眺めていたい
♪愛する人に、巡り逢いたい
♪何処か遠くに、行きたい
永六輔氏の詩を軽く口ずさみながら、人通りの少ない路地をのたりのたりと這うように歩きます。
家々の軒先には、夕暮れの南風に揺蕩う行燈が。
夕涼み中のお母様に尋ねます。
『この行燈はお盆の飾りなんですか?』
『いえいえねぇ、この辺りではお盆は七月なんですよぉ〜、これはね、お祭り用なの...』
お盆が七月。
不勉強にも存じ上げませんでした。
行燈とお母様のポートレイト撮影を願い出ますが、『あらぁ〜、恥ずかしい・・・』と奥に引っ込まれてしまいます。
まだまだ修行が足りませんね、ラッコ殿。
通りを歩いていると、たびたび会釈を向けられます。
ふむっ?
意外です。
港町なので、気っ風の荒い土地柄と勝手に想像しておりましたが、恐らく地元を離れた家族が祭りに合わせて帰省されており、日頃見かけない珍しい顔でも、まっ、ご挨拶しておこう、といった感じなのでしょうか?
港の堤防までたどり着きました。
あいにくの工事中で、残念ながら突堤までは進めません。遠くに青い海を見つめながら空を見上げると、もうすぐ十五夜を迎える月がお出迎え。
知らない街の肌合い、知らない海の息づかいを楽しみ、お店の前に佇んだのは六時数分前。
ラッコのローファーが見えたのでしょう、暖簾の奥で待たれていた杉山氏が、静かに、端正なお顔を出されます。
目が合います。
偽りの無い真摯な眼差しを感じ取ります。
お若い。
三十五、六歳でしょうか。
ゆっくりとした所作で、左手の奥の上がり框までご案内いただきます。茶懐石のアプローチなのでしょう、靴を脱いで部屋に入ります。
カウンターには四枚と、一つ席を離して一枚の折敷が置かれています。察したラッコは右端の一枚の前に座ります。
他のお客様の到着は遅れるようで、生ビールで唇を湿らしながら、ラッコは先に走り始めます。
お陰で周囲に遠慮することなく、杉山氏との会話を楽しむことが出来ました。
初代のお爺様の代はお蕎麦屋さんでしたが、東京の大学に進学されたお父様が目白の和幸でアルバイトされた際、茶懐石の魅力に開眼され、実家に戻られてから蕎麦屋をたたみ、今のお店を始められたとのこと。
三州屋の看板に蕎麦屋の名残りが伺えるかのようです。
その意味ではお店は三代ですが、茶懐石としては今のご主人、杉山乃互氏で二代目。
お父様とご同様、和幸で修練を積まれ、荒木町の大原氏にも薫陶を受けられた、三十代半ばのまさに働き盛りの壮年。
和幸といえば、茶懐石の名店として夙に有名でした。
辻留の辻嘉一翁、NHKのきょうの料理で有名でしたよね、の一番弟子、高橋一郎翁の奏でるお皿の数々に魅了された方も多いのでは。
三十代の頃、亡き家内と『まだ敷居が高いよ。爺様と婆様になったらお伺いしてみようね...』なんて、憧憬にも似た想いを抱いておりましたが、翁の鬼籍入りに伴い、惜しまれつつも閉店。
愛する人と和幸、との夢はかないませんでしたが、まさかその流れをくむ料理を此方でいただけるとは。杉山氏とお話ししながら、思わぬ偶然がもたらしてくれた幸運を素直に喜びます。
茶系で統一された内装は、心より安らげる空間。
質実だけど、何だか余裕のある、傾く手前の粋な風情を感じます。
訊けば、橋本夕紀夫氏にお願いされたのだとか。
建築意匠に興味のあるラッコは知っておりました。
ペニンシュラ東京やコンラッド大阪の作品で、知る人ぞ知る著名なインテリアデザイナー。
ふううっ~、落ち着く。
静寂、静謐、沈静...
今夜も呑んじゃいそう。
日暮れが訪れてきました。
『そいやぁっ~、ほうれいっ~...』
外の路地から子供神輿の掛け声が届きます。
青く黄色いソプラノが海からの南風に乗り、熱い興奮と混ざり気の無い高揚感が、手にとるように伝わります。
全くの偶然ですが、年に一回しかない耳心地の良い至高のさざめき。
好運でした。
続いて、夜のしじまが扉を開け始めます。
そして眼の前には連綿と続く珠玉のお皿の数々。
また通いたい名店を見つけてしまいました。
***************************
ここからいただいたもののコメントです。
魚はご存知の通り、情報番組で名を馳せたサスエ前田さんからの仕入れ。
それとなく気になっていたことを尋ねます。
『丸で仕入れてこちらでさばかれているのですか?』と不躾な質問。
『はい。勿論、そうですけど...』と最初は戸惑われるも、意図を察して片頬を上げる杉山氏。
そうだよな。良かった。ホッとしました。
イタリアンやフレンチはともかく、和食ですからね。
やはり、自身で包丁を当て、刃の滑り具合で脂を感じ取り、塩梅を決める。
それが基本だと再認識いたしました。
いただいたものは以下の通りです
そしてご馳走さまでした。
<コース料理>
●前菜:じんどういかと生食カボチャの和え物
じんどういかとは、いわゆる、赤いか、のこと。
生食カボチャはコリンキーと言うのだそうです。一見、パパイアと思いましたが、齧ると確かにカボチャ。
●前菜:鮎の唐揚げ
安倍川の鮎を早朝から九時までのわずかな時間、天日に干します。
このひと手間で身質に旨味が充満。唐揚げのパリパリ食感を芯から引き立てます。
●吸い物:血鯛の切り身と吸い地を別々に提供
密閉された袋を開封。鰹節の香りが一瞬で鼻腔に刺さります。それを眼の前で一番出汁に。
ああっ~、もうたまんねぇ!
この香りの前ではどなたも口を閉じ、サブちゃん並に鼻の穴を大きく広げ、周囲に漂う香りを窒息寸前まで吸い込む筈。
別に仕立てて冷やしていた真昆布と利尻昆布の出汁と合わせ、その中で地物の血鯛にゆらりゆらりと火を通します。
器の底に加減酢(この季節は地物の檸檬とのこと)をひそませ、熱で皮目が縮み、海老ぞりした血鯛を乗せます。薬味は生姜。
うん。うんまい。鮃も鰈も鱸も持ち合わせない、ほんのりと甘く濃い脂に悶絶。まさに白身の王様。
血鯛をいただいたのち、吸い地を器に張ります。
真昆布、利尻昆布、鰹節の三乗アミノ酸に、血鯛の脂汗がマリアージュ。ただただ鼻息荒く溜息の連続。
●刺身:真ハタ
九州産の7.1kg。
串に刺し、無駄な脂を抜くために、炭で皮側の脂を炙ります。
部位はハラシモ。脂の筋というか繊維が密集しており、炙ると溶けて旨味に変化します。
薬味は塩と山葵、茗荷と加減酢。
アムッ、とひと噛み。弾力が半端ない。良質な脂が舌の上に迸ります。
ブラインドだと、牛肩ロースのレア焼き、と言われても信じてしまいそうな食感でした。
もちろん、真ハタの脂汗の溶け込んだ加減酢をも残さず一気飲み。
●蒸し物:黒鮑
静岡県産の酒蒸し。産地はお聞かせいただきましたが、ここでは書けません。
肝は軽くすり鉢で当たります。
潮風の薫風が鼻腔を駆け抜けます。モニュッとした食感が歯ぐきを、海藻を食べて育った旨味が味蕾を刺激します。
お酒のアテにしようと、お皿に肝を少し残します。
杉山氏がお皿を下げます。
鮑をモグモグしていたラッコは、言葉にならない声で『うあっ、ああっ、あうっ...』と呻きます。
『ご心配なく。分かっておりますから』と杉山氏。
白シャリを脇に置き、追い肝したうえでラッコの眼の前に再登場。
憎いねぇ~!
惚れちゃうじゃありませんか。
●焼物:金目鯛
皮は軽く熱い油をかけて松笠仕立てに。串に刺し、炭の上で遠火に炙ります。
付け醤油の焦げる馥郁たる香りが食欲をそそります。産卵後とは思えない脂にびっくり。
まるで中華の皮付き豚肉の炙りにインスパイアされたかのよう。
つけ添えは、じっくりと時間をかけて炭火加熱したズッキーニ。適度に水分が内側に留まり、本来の甘さが引き立ちます。
●煮物:鱧の卵、松の舞獅子唐の炭火炙り添え
鱧の卵が出てきたということはメインは鱧焼きかな?
ラッコの浅はかな想像は最後に良い意味で裏切られます。松の舞とは、別名、南禅寺獅子唐。お酒のアテに最適でした。
●焼物:天然うなぎの白焼き
浜名湖産。赤玉葱のみじん切りと山葵を薬味にいただきます。ただただ悶絶。蒸しも良いけどお酒には白焼きに限る。
●口直し:蛸と長茄子とオクラ
酢の物ではありませんが、お皿の流れから口直しでしょう。蛸は三河産。表皮を見れば叩いていないのは一目瞭然。でも柔らかい。不思議です。訊けば、煮る温度帯が決め手とのこと。見栄えも優先する懐石ならではの手技。
●ご飯:鱧と枝豆
鱧は三河産。隠し味は金目鯛の脂。バターと一緒でお米の表面をコーティングする狙い。
二膳目も所望。おこげをいただきます。
三膳目も所望。自家製コチュジャンのおじや仕立て。
コチュジャンは静岡川根町の唐辛子。思わずむせるくらいのカプサイシン効果に脱帽。
●お味噌汁:
荒節がベース。さすが焼津。削りたてなのでしょう。
●お漬物:胡瓜、茄子、蕪
漬物も美味い。これだけでお酒が一合、いけちゃいそうです。
●果物:マンゴーとブドウ
なんちゃってマンゴーじゃなくて、沖縄か宮崎の国内産...の筈
●菓子:ゴールドラッシュのアイスクリーム
白味噌が隠し味
●静岡茶:
<お酒>
●生ビール:エビス
●磯自慢:地元限定、純米吟醸、大井川のめぐみ、焼津
お店から数分の距離にある酒蔵。地元限定酒なので都内でも入手困難。ふくよかな旨口でした。
●初亀:純米吟醸、藤枝
●若鶴:辛口 玄、砺波
●志太泉:純米吟醸、ラヂオ正宗、藤枝
●杉錦:きんの介、藤枝
各半合程度なので、合計三合弱
駅前に小泉八雲の焼津紀行文の記念碑が。
駿河湾に続く水路。なぜか帆立の飾りが。洗礼名がJacobsのラッコは思わず立ちどまります。サンチャゴデコンポステーラへの巡礼路?確かに海は続いているよな、アハっ
家康公と関係のある土地柄なんですね。戦国時代の罪を洗い流すものだそう
由来が書かれております
お祭りの行燈。お話をお聞きしたお母様とポートレートを撮ろうとしたら、奥に引っ込まれてしまいました
入口。三州屋の屋号は初代の蕎麦屋さんの名残り?
江戸時代、この場所に高札が立てかけられていたようです
港の堤防から遠くに海を臨む。工事中でこれ以上は入れませんでした。空には満月手前の月が
焼津のマンホール。街歩きをした際、マンホールは記念に必ず撮影します
奥の入口
掛け軸の書がボケてしまいました
窓の奥が厨房です
エビスの生ビール。お手拭きはPOLO
赤いかと生食カボチャの和え物。一見、パパイアと勘違いしちゃいました
安倍川の鮎の一夜干しの唐揚げ
天日干ししたことで旨味が充満
一番出汁用の鰹節
日本酒はシェリー風のグラスで
お酒の表メニュー
血鯛の一番出汁
昆布と鰹節と血鯛の出汁。悶絶
炭火でズッキーニと松の舞獅子唐をじっくりと時間をかけて炙ります
真ハタ。手前は加減酢
一枚目は塩で、二枚目は加減酢と山葵でいただきます
真ハタの脂が溶け込んだ加減酢を飲み干します
地物の黒鮑の酒蒸し。肝添え
藤枝の銘酒
金目鯛の炭火炙り。鱗は松笠仕立て。皮目がパリッパリで皮付き豚肉の炙りのよう
もはや豚肉?
ズッキーニの炙り
砺波市の銘酒
敢えて残した黒鮑の肝にシャリを追加。更に追い肝
酒器
お猪口一覧。『どうぞ、そのまま置いて自由にお使いください』とのこと
松の舞獅子唐と鱧の卵の出汁煮
浜名湖産の天然鰻
藤枝の銘酒
酒器
天然鰻が炭火で地焼きに
鰻のトッピングは赤玉葱のみじん切りと山葵
赤玉葱の酸味が天然鰻の脂を斬ります
皮目もお見せします
こちらは鱧。愛知産です
蛸と焼きナスとオクラ
藤枝の地酒
香の物
酒器
鱧の炙りと枝豆の混ぜご飯
お味噌椀
一膳目
二膳目のおこげ
静岡茶
縁側
裏口
マンゴーとブドウ
玉蜀黍のアイスクリーム
中庭
祭りの行燈は十時過ぎでも点灯中
駅前の水路
何故か人魚姫が
ラッコをちょい見せ
駅前南口です
口コミが参考になったらフォローしよう
raccostar
利用規約に違反している口コミは、右のリンクから報告することができます。問題のある口コミを連絡する
raccostarさんの他のお店の口コミ
| 店名 |
温石
|
|---|---|
| 受賞・選出歴 |
2025年Gold受賞店
The Tabelog Award 2025 Gold 受賞店
2024年Gold受賞店
The Tabelog Award 2024 Gold 受賞店
2023年Gold受賞店
The Tabelog Award 2023 Gold 受賞店
2022年Silver受賞店
The Tabelog Award 2022 Silver 受賞店
2021年Silver受賞店
The Tabelog Award 2021 Silver 受賞店
2020年Bronze受賞店
The Tabelog Award 2020 Bronze 受賞店
日本料理 百名店 2025 選出店
食べログ 日本料理 EAST 百名店 2025 選出店
日本料理 百名店 2023 選出店
食べログ 日本料理 EAST 百名店 2023 選出店
日本料理 百名店 2021 選出店
食べログ 日本料理 EAST 百名店 2021 選出店 |
| ジャンル | 日本料理 |
|
予約・ お問い合わせ |
054-626-2587 |
| 予約可否 |
完全予約制 営業時間帯(11:30~15:00. 17:30~21:00)の間は電話に出れない事が多いです。 |
| 住所 | |
| 交通手段 |
焼津駅より徒歩20分 焼津駅から1,356m |
| 営業時間 |
|
| 予算 |
¥20,000~¥29,999 ¥20,000~¥29,999 |
| 予算(口コミ集計) |
¥20,000~¥29,999
¥20,000~¥29,999
|
| 支払い方法 |
カード可 (VISA、Master、JCB、AMEX) 電子マネー不可 QRコード決済可 (PayPay、楽天ペイ) |
| 席数 |
12席 (令和元年に新設されたカウンター席8席) |
|---|---|
| 個室 |
有 (2人可、4人可、6人可、8人可) 8名様(詰めて10名様)ご利用できる個室 3名様(つめて4名様)用の個室あり |
| 貸切 |
可 |
| 禁煙・喫煙 | 全席禁煙 |
| 駐車場 |
有 4台まで※グループでお越しの際は乗り合わせのご協力をお願い致します。 |
| 空間・設備 | オシャレな空間、落ち着いた空間、カウンター席あり、座敷あり |
| ドリンク | 日本酒あり、焼酎あり |
|---|---|
| 料理 | 野菜料理にこだわる、魚料理にこだわる |
| 利用シーン |
こんな時によく使われます。 |
|---|---|
| ロケーション | 隠れ家レストラン、一軒家レストラン |
| ホームページ | |
| 公式アカウント | |
| オープン日 |
2019年3月5日 |
| 備考 |
茶懐石のコースのみ・完全予約制 |
| 初投稿者 |
このレストランは食べログ店舗会員等に登録しているため、ユーザーの皆様は編集することができません。
店舗情報に誤りを発見された場合には、ご報告をお願いいたします。報告フォーム
店舗会員になると、無駄な広告費をかけずに効果的なPRができます。詳しくはこちら
既に会員登録が完了している方はこちらからログインできます。ログインはこちらから
今夜は焼津のこちら、【温石】さんにお伺いしました。
前回が神無月の秋の膳。
山からはホウキタケ、海からはどうまん蟹の【神の手】を堪能し、さてさて師走の膳の目玉はなんでしょう?
それでは本題です。
いただいたコース内容は以下の通り。
ひとつひとつのコメントは写真欄に記載しておりますので、画像と一緒にお楽しみいただければ幸いです。
そしてご馳走様でした。
<まとめ>
通い始めたのが六年前の葉月。
年が明ければかれこれ七年目のお付き合い。定番のスペシャリテはそのままに、脇を固めるお皿はたゆまぬ進化を続けます。
とりわけ最初のお通しのお碗。
これは恐らく初体験。加えてこれもお初の鮟肝ポン酢。鯵の胡瓜巻きも大根の砧巻きにアップグレードされれば、伊勢海老の味噌和えも進化を重ねてその真価を問う、もはや完成系ともいえる仕上がり。
極めつけは大分から届いた真鴨の治部煮。
親ガモと小ガモの胸肉と腿肉の親子煮をいただき、ただただ深い溜息。合わせるのはFontanafreddaのBarolo 2020年。まだまだ若いネッビオーロですが、むしろ繊細な鴨の滋味を引き立てるには最適な選択でした。
<コース内容>
産地を記載していないお魚は、全て目の前の焼津沖で獲れました。その一分(いちぶん)は、杉山氏の掌で余すことなく咲き誇りました。
⚫︎先付け:薯蕷蒸し
・自然薯
・生唐墨
⚫︎お通し:砧巻き
・鯵
・酢漬け大根
⚫︎お通し:鮟肝@島根
・もみじおろし
・小葱
・自家製ポン酢
⚫︎お椀:
・白甘鯛
・茄子
・黄柚子
⚫︎お造り:
・キジハタ:6kg
・泥障烏賊
・茗荷
⚫︎揚物:麻機蓮根
・白味噌餡
⚫︎焼物:伊勢海老
・壬生菜
・山葵漬け
⚫︎箸休め:炭火焼き
・朝獲れブロッコリー
⚫︎焼物:
・金目鯛
・白髪ねぎ
・実山椒醤油
⚫︎箸休め:炭火焼き
・蕪:丸焼き
⚫︎煮物:治部煮
・真鴨@大分(親ガモ/子ガモ)
・海老芋@磐田
⚫︎ご飯物:
・白飯三杯:土釜炊き
・お味噌汁:天然ナメコ
・副菜:
・甘鯛:西京味噌漬け
・アカヤガラ:フライ
・キンピラ:麻機蓮根
・香の物
・鰤漬けご飯:二杯
⚫︎デザート:
・ラフランス
・キンツバ:南瓜他
⚫︎抹茶:
<お酒類>
・ジンジャーエール
・田中六五:65/13、純米、糸島産山田錦、福岡
・英君:しぼりたて純米生、静岡
・杉錦:菩提酛純米吟醸、ぬる燗40度、静岡
・喜久醉:純米吟醸、松下米50、静岡
・森本:純米吟醸原酒、もったいない卸し、
ぬる燗45度、静岡
・仙禽:雪だるま、栃木
・土田:生酛、純米吟醸、群馬
・Barolo:DOCG, Fontanafredda, 2020
4.55