内装と料理のプレゼンテーションが非常に可憐で美しいフレンチ＠シンガポール : Odette

ミシュラン三ツ星、Asia Best Restaurant 7位、とどちらのランキングでもシンガポール最高位のこちら。
感想を一言で言うと、雰囲気、サービスは最高、料理は非常に美しいが、味にそこまでの感動はなく（個人的な感想）、日本の感覚からすると値段は高すぎた。

HP等の写真で見たとおりの、フェミニンで非常に美しい内装。実際は写真よりだいぶ暗かったけど。
厨房の見える席に案内してくださった。しかし、席から厨房はけっこう距離があるので、シェフたちの動きは見えるのの、料理までは見えなかった。
ジュリアンシェフはいらっしゃらないようすだった。

料理は、クリエイティブっていうよりむしろ正統派フレンチだと思った。ただ、とにかくプレゼンテーションが非常に可憐で美しい。しかも精巧。
ただ、味にそこまでの感動がないのと、量が多いのとで、後半げんなりしてきてしまった。

お会計は498ドルのコースにソフトドリンク1杯とコーヒーで72000円くらい。
私にとっては人生最高額の痛い出費となったが、シンガポールの物価鑑みるとそこまでアグレッシブな値付けではない。
予約時に200ドルのデポジットをとられ、どんな理由でも返金されない。行けなくなった人が他の誰かに席を譲るのは可能。


サービスはなんと、日本語のできるフランス人の方がついてくださった！
銀座のレストランで働いていたことがあるそう。
スマートなサービス。料理について詳しく説明してくださったし、いろいろ楽しくお話してくださった。
シェフ何人かのうちお一人は日本人で、たまにサーブに来てくださった。


まずはとても可憐で美しいアミューズ3種登場。
☆7.5球状のドーナツの上に、シェフの故郷からのチーズ
☆8中トロのタコス、ポン酢、揚げた生姜
☆8スイーとオニオンタルト　上にはコーヒーパウダーとオリーブオイルのクリーム
とても美しかったが、そこまでおいしい、という印象はもたかなかった。

アミューズが終わったところでメニューを手渡され、コースを選ぶことになる。アミューズという挨拶が終わってから、コースを選んでもらうというこの演出、好き。
ランチは368ドルのコースと、EPICUREという498ドルのコースの2種類。
368ドルのコースはさっぱり魚介系の季節のメニューが並び、EPICUREはより伝統的な、シェフの得意料理が並ぶとのことだった。
368ドルのコースは魅かれるメニューが1品程度しかない一方、EPICUREは魅かれるメニュー数種。ただ、498ドルのコースだと、料理のみでお会計が70000円行ってしまう。。
相当迷ったけど、清水の舞台から飛び降りる思い出EPICUREを選んだ。

結果論からすれば、この選択は失敗だったかもしれない。ものすごくおいしい、という感動料理にこのレストランでは出会えなかったから。
一方で、368ドルのコースを選んでいても料理のみで50000円弱してしまうので、感動がなかった場合、EPICUREにしておけば感動のレストラン体験だったかも、と後ろ髪ひかれる思いだっただろう。
アミューズの味にそこまで感動がなかった時点で、368ドルのコースを選ぶのがスマートだったのかなとも思う。見極めって難しい。

2品目のアミューズ。
☆7.5マッシュルームスープ
サバイヨンソースでカプチーノ仕立てに。そば、くるみ、ねぎ。
☆8ブリオッシュ
極薄にスライスされたバターマッシュールームとポルチーニがバラの花びらのように美しく乗せられている。

★7　3種の自家製パン　
☆8ブリオッシュ　王道のおいしさ
バゲット
パンドカンパーニュ

☆7.5薄緑のバターは、フランス産発酵バター、生クリーム、フレッシュチーズ
にんにく、パースリー、レモン
美しすぎる可憐なプレゼンテーション

☆8.5カタルーニャ産エクストラバージンオリーブオイル　Eva Aguilera
さすがスペイン産だけあって見事なおいしさ

そして、大きなキャビアの箱登場。まるで王様の食事のようなゴージャスさ。
Kaviariというパリの高級キャビアメーカー。

★7.5丸恭海胆　モサエビ、出汁フォーム、キャビア
ウニと出汁の白い泡。中にモサエビ、青リンゴが隠れている。
その上にKaviariのキャビアをたっぷり目の前で盛ってくださる。

Kaviariのキャビアは粒が大きかった気がする。特に特別なおいしさはなかった。
感動だったのがモサエビ。やや火の通ったレアで、やわらかく、やさしい甘さ。東京でもいただけない鳥取の希少食材を、シンガポールで、しかもこのクオリティでいただけるとは！

別添えでかわいらしいウニのトースト、出汁のジェル。正直ウニの質は日本でいただく方が高いと思う。

★7.5縞鯵　ホースラディッシュ、コールラビ、ディル
縞鰺は長崎産
ピクルスにしたコールラビ
ホースラディッシュのクリーム
ディルマヨネーズ
ディルオイル
ホースラディッシュクリームなどを液体窒素にした雪を目の前でかけてくださる（この動画しか撮らず、写真撮り忘れ）

縞鰺とピクルスにしたコールラビが層状に白いバラ仕立てに盛り付けられた一品。
縞鰺はおいしかったが、ピクルスの酸味、まろやかではあったものの口に合わず。
縞鰺はレアに近い火入れ。ディルベースのソースでいただくのがさわやかなフレンチっぽい。

有名なドライアイスのダイナミックな演出で登場するシグニチャーディッシュ。
★9ローズマリー燻製有機玉子　燻製じゃがいも、イベリコチョリソー、ムニエール
大分産の卵をローズマリーで燻製し、63.5°で火入れしたそう。

ジャガイモの泡
黒豚ソーセージ
ブラウンバター
下からローズマリーで燻製にしている
泡がしっかりじゃがいもの味で旨みがある。
いかにもおいしそうな食材の組み合わせで、実際絶品だった☆

★7.5済州鮑とフォアグラのデュオ　豚の出汁、柚、椎茸
豚肉のコンソメ、キャベツ、生姜風味
柚子胡椒

韓国済州島は鮑の名産地と聞いていたので、一度いただいてみたかった。こちらの鮑、特筆すべきことはなかった。
全体的にさっぱりコンソメスープの仕上がりで、フォアグラもさっぱりしている。

★7.5スコティッシュブルーロブスター　京都味噌、アンディーヴ、日本酒バターブラン
ちこり、出汁
焼いたオレンジ

★8カンポット胡椒クラストで覆った鳩　グリーンピース、パンチェッタ、ブラックガーリック
スペシャリテ
胸のロースト　うっとりする見た目通りの素晴らしいなめらかさ。
皮目はカンボジア胡椒ロースト

脚はコンフィ　こちらも柔らかく絶妙な弾力がある。
上にはパンチェッタ　かなり繊細な薄切り

黄緑のクリーム状のソースは、プティポワピューレ
オニオン
小さなえんどう豆とそのピューレ
オニオンピクルス、チャイブ　　

ソースは、黒、緑、赤の3種。
☆8ブラックガーリックピューレ　赤と緑のソースを囲う焦茶の線
しっかり黒ニンニクの味わい

緑はチャイブオイル

赤のソースはピジョンのジュ、骨と赤ワイン
目の前で日本人のシェフがかけてくださった

添えられたのは
☆6鳩の饅頭　鳩の心臓とレバーが入っている
完璧な美しさ。完璧な球でつやつやしている。
ふわふわなバンズはパーフェクトだが、中の具が好みと違った

★7メニューにはないアヴァンデセール
パイナップル、キウイのムースと細かなゼリーとシャーベット　　
一番上の葉っぱ上のものは砂糖でできている

さわやかでさっぱりした甘さ。バジルや青リンゴの風味も。

★8苺のバシュラン　ベルベーヌ、ヨーグルト、生姜
バーベナのメレンゲ、
バニラムース
ジンジャーコンフィ
ヨーグルトのソルベ
いちごのソース、レモンバーベナ

★8コーヒー
コースに追加。
サーブされたとたん香り高い
酸味が効いてるけど嫌な感じがしない。むしろ深いコクを引き立てる酸味
★8プティフール4種
☆ゆずとレモンのメレンゲの中にバジルソルベ
☆りんご、マスクメロン、いちご
☆ブラウンシュガーとバニラのタルト
☆チョコレートと、トンカ豆のタルト

★6お土産のいちごジャム
2週間しか持たない。冷蔵庫での保存が必要。
正直全然おいしくなかった。甘さ控えめで酸味がきいているタイプ。