おいしさに思わず唸(うな)る！こってり可愛いベーグル屋さん : ONALU

シンガポールマネージメント大学の近くにベーグル専門店のオナルさんはあります。

大学に隣接する店舗立地の故、顧客層は若者が中心でして、白を基調としたカフェ風の内装はさわやかでおしゃれ。

お昼になりますと午前の授業を終えた学生グループがドドっとお店になだれ込み、お気に入りのベーグルを手に入れて仲間と会話を楽しみつつ腹ごしらえをしているようです。

店舗横には大学側の施設と思われますが、屋根付きの屋外テーブルがズラリと20～30個ほど並んでいますので、席の確保に困ることはなさそうです。

オナルさんの柔らかく設計されたベーグルは、中に挟む具材との食感の一体感がとれておりまして分離感がなく、ベーグルだけ固くて気になる、ベーグルが固くて食べる時に中身の具材が押し出される、という感じがありません。

また、全体的に塩味と甘味を上手に組み合わた味付けという共通項を持つオナルさんのベーグルサンドは、どれも可愛い切り口の見た目と可愛い具材の効果により、お店も内装もベーグルも全部全部カワイイといった印象を受けます。

そして、カワイイだけじゃないというのが、そのこってり具合。
油紙で包まれたベーグルは時間を置くと脂成分がジワっと染み出し、その産油量を物語ります。
やはりここは中華系の多いシンガポール。ベーグルも油でこってり目が人気なのかと。

目の前にする可愛いベーグルは思わぬ巨漢で、一つ食べれば食欲旺盛な学生も午後の授業は大丈夫、という大きさをしております。

さて、頂いたものはこちら。

●Classic BEC（正統なBEC）　21年8月（おすすめ）
ベーコン、スクランブルエッグ、チェダーチーズ、モントレイジャックチーズ、ガーリックメープル。
しょっぱいベーコン、玉子とチーズの濃厚な共演、そして、そこにニンニクで風味付けされた甘～いメープルシロップで全体的に甘じょっぱく仕上がった巧妙な美味しさのベーグルです。これはお奨め。

●Deviled Spam（悪魔のスパム）　21年8月
スパム、ピリ辛エッグ、チェダーチーズ、モントレイジャックチーズ。
デビルとは悪魔のことですが『辛い』という意味もありまして辛い料理の名前に使われたりします。
分厚いスパムにピリ辛エッグをサンドした濃厚さはヘビー級。
味の濃いスパムが巨大過ぎてこれはやや重すぎました。

●Cheeky Chicks（図々しい雛鳥）　21年8月（おすすめ）
クリスピー揚げチキン、トマト、葉野菜、スパイシーマヨ。
なんでもスパイシーが大好きなシンガポールですがスパイシーマヨの美味しさは流石。
クリスピー揚げチキンをサンドする定番の組み合わせながら日本人には目新しいスパイシーマヨでシンガポールらしく楽しいベーグルになっています。お奨めです。
Cheeky Chicksには、図々しいひな鳥の他、セクシーなお嬢ちゃんという意味もありまして、そのあたりを狙ったネーミングなのかなと。

●Hash Stack（小さな積み重ね）　21年8月
ハッシュブラウン、スクランブルエッグ、自家製ブルーベリージャム。
ハッシュブラウンはマクドナルドの朝定食に付いてくる平べったい揚げジャガイモのこと。
塩分の利いた揚げジャガとチーズにブルーベリージャムを加えて甘じょっぱい味わいに。
西洋ではフライドチキンにパンケーキを合わせてメープルシロップをぶっかけて一緒に食べるなど、この甘じょっぱい組み合わせが普及していますが、日本人にはやや斬新か。とはいうものの、そんなに違和感なく美味しくいただくことができました。
Hashには、細かく刻むという意味の他、俗語として麻薬という意味もあります。病みつきになりますよ～っていう捻りでしょうか。

●Somethin' Fishy（ちょっと怪しい）　21年8月
ノルウェー産スモークサーモン、チーズ、紫タマネギ、トマト、ケイパー、エシャロットクリーム。
魚なのでフィッシュですが、Yを付けてFishyにすると、うさん臭い、怪しい、などの意味も出てきますので、こちらも言葉遊びかと。
味の中心はスモークサーモンなので分かりやすい味に仕上がっておりますが、バター感たっぷりな濃厚エシャロットクリームでやっぱり油が注入されています。

●BOGOGI Beef（プルコギビーフ）　21年8月
牛プルコギ、目玉焼き、キムチ風サラダ。
ついにネタ切れか、こちらは普通の名前のベーグルのようでして、日本語だとプルコギ、英語だとBulgogiですが、英語圏ではBOGOGI（ボゴギ）という表記もあるようです。
キムチ風キャベツサラダが決め手で確りと韓国流ベーグルになっております。

●Its Kaya Thyme（カヤタイム）　21年8月
パンダンベーグル、ココナッツフレーク、自家製カヤジャム、タイム入り海塩バター。
パンダンとは主にマレーシアで採れる独特な香りのする植物でシンガポールとその近隣諸国ではお菓子の香り付けなどに良く用いられまして、その結果さまざまな食品が緑色だったりします。
パンダン、ココナッツ、カヤ（これも植物）とシンガポールを代表する味覚を閉じ込めたベーグル。
びっくり仰天する量の海塩バターがサンドされていますので噛り付くのには一定の覚悟が必要。
きっとシンガポール以外では出会えないベーグルなので希少価値はあると思います。
Thyme(タイム)は香草のひとつですが、発音は時間を表すTime(タイム)と同じ。Its Kaya Time(カヤ時間)のTimeをThymeと入れ替えてるんでしょうね。色々とトンチがきいてるようです(汗)。

●Say Cheese（セイチーズ）　21年10月
白いプレーンベーグルにチーズを挟んだシンプルな一品。
チーズはクリームチーズのような柔らかいタイプでした。

●まとめ
・お奨めです。