キング・オブ・ポテト！フライドポテトが国民食なベルギーの最強ポテト : Kingdom of Belgians

ん、ベルギーですな。ちょっとベルギービールでも飲んでみますかぁ～
シンガポール川沿いを散歩中に見つけたキング・オブ・ベルギーというベルギーを主題にしたこちらのお店。

ベルギー料理に対する掴み所がなくボンヤリした印象を持ちつつ何の気なく頼んだホーガデンビール（ホワイト）とフライドポテトが衝撃的な美味しさ。

ネットで色々と調べてみますとまずベルギーではフライドポテトが国民食で伝統的にフライドポテトを主食として食べるそうです。そしてビール醸造が盛んなお国柄。特にベルギーのビールはその昔に修道院内でビール造りが行われており、その中でハーブでビールに味付けと香り付けを行う製法が独自に発展し、この修道院のハーブビールは次第に外販され始め、最終的に商業化され規模が大きくなり現在の状態になりました。

さすが欧州のフライドポテト王国。そうくるかと納得な美味しさのフライドポテトでした。
ビールとフライドポテトを提供する気軽なお店かと思って利用してみたところ、思わぬ高品質だったのでお店の情報を調べてみたところ、こちらのお店はシンガポールのフラトンホテル内に飲食店を経営する企業が作ったベルギー専門のお店だそうでして、通りで隙のない料理が提供されるわけです。

キッチンはベルギー人のシェフが切り盛りされているとの情報を店員さんに教えて頂きました。ベルギー人シェフの心意気がこもったお料理の数々を楽しむことができます。

さて、頂いたお料理はこちら。

●ベルギー・フライ　22年5月（おすすめ）
うんままままぁあああああああ！
流石のキング・オブ・フライドポテト。最良にて最高のフライドポテトです。
香り良く揚げられたフライドポテトは外壁は硬すぎず柔らか過ぎずの食感で内側は厚切りから生じる食べ応えある食感とホックホク感にじゃが芋の甘味、そして野性味のある土っぽい香り等などフライドポテトを構成する各要素が絶妙なバランスで存在し、とにかく驚きの美味しさ。厳選されたであろう塩も旨味たっぷり芳醇系で間違いなく過去最強のフライドポテトでした。

●ファーマー・ジョー　22年5月（おすすめ）
最強のフライドポテトに鶏肉ホワイトクリーム煮が掛けられています。

●ホラ　22年8月
最強のフライドポテトにアボカド、牛肉と豚肉のチリコンカン、チーズ、ハラペーニョピクルスが乗ってます。

●マネケン・プリーズ　22年5月（おすすめ）
日本人にとってのベルギーはフライドポテトではなくワッフル。
著名な『マネケン』の名を冠したマネケン・プリーズはワッフルの上に塩っけのあるスクランブルエッグ、ベーコン、ウインナーが乗っています。
フライドポテトの美味しさを強調しましたが、実はこちらのワッフルも素晴らしい一品。
通常は甘いのがワッフルですがお食事用に焼き上げられたこちらのワッフルはたっぷり玉子が使用されており、柔らかく弾力性のある食感。まるで玉子焼きかなと思う程に玉子が香り、またに食事専用に調合されたワッフルです。

●ハーレム・ワッフル　22年5月
食事用の玉子ワッフルにスクランブルエッグとフライドチキンが乗っています。

●アルティメイト・ギルティー・プレート　22年7月
揚げ物の盛り合わせ。単品で頼むより断然お得です。

●ベルギーウィング（ビール漬けチキングリル）　22年5月
ビールに漬け込んだ手羽元と手羽先をグリルしたベルギーウィング。
言われてみればという感想ですがビールがほのかに香りまして、ケチャップベースでピリ辛で甘辛な独特な味がします。
肉質はビール漬け効果かとても柔らかく冷めても美味しくさっぱりと食べられました。

●ステーキ＆フライ　22年8月
ステーキとフライの安定コンビ。

●牛肉タルタル＆フライ　22年11月
300グラムはありそうな巨大タルタル。期待以上の大きさに慄（おのの）きましたが脂身の少ない赤身肉タルタルなのでペロリといけちゃいました。

●フィッシュ・ゴジョネッティ　22年6月
フリッターのような魚のフライをゴジョネッティと呼ぶようです。
味は見たまんまなお味。シンプルな味な分、ビールとの相性が良好。

●アスパラガス・フレミッシュ・スタイル　22年7月
茹でたアスパラガスを刻んだ茹で卵で作ったレモン風味ソースで頂く欧州らしいサッパリとした一皿。

●ガーリック・トースト　22年7月
優しいニンニク風味のあっさり系ガーリックトースト。

●KOBシーザーサラダ　22年11月
小魚の酢漬けが添えられた北欧風シーザー。

●ワッフル・アラモード　22年5月（おすすめ）
スイーツ用に砂糖でコーティングされたワッフルにアイスクリームと苺が付きます。
アイスはバニラ、チョコ、塩キャラメルの３つからどれかを選べます。

●ホーガデン（ホワイト）　22年5月（おすすめ）
鮨人が最も好きな外国のビールになってしまったホーガデンのホワイト。日本語だとヒューガルデンと表記されるビールです。
ハーブビールというよりは大阪ミックスジュース的なフルーツジュースとビールを混ぜたようなフルーツ感たっぷりな甘くて香りのよいビールです。
通常のビールに比べると個性の強いビールですが、意外にも和食洋食中華を問わずどんなお料理にも合う不思議なビール。もちろんジュースみたいに甘いのでツマミがなくてもゴクゴクいけちゃいます。

●ホーガデン（ローズ）　22年5月
ホーガデンのローズ。こちらはブルーベリーのようなバラエキスのような味と香りのビール。甘さが強すぎますし、こちらは余り好みではありませんでした。

●ステラ・アルトワ　22年5月
ベルギーで最も消費されているのがこちらのビール。ラガービールなので日本人の口にも合います。

●レフ・ブロンド　22年5月（おすすめ）
これぞハーブビールといったハーブ香なベルギービール。ハーブ感があって辛口で更にアルコール度数も高いのでガッツンとくる重たい飲み口のビールです。やや飲みにくさがあり、手放しで美味しいと感じるビールではありませんでしたが、めずらしい味なのでお奨めです。

●レフ・ブラウン　22年5月
ハーブビールの黒ビール版。レフ・ブロンドも重い飲み口ですが、黒ビールになって更にドッシリ感があります。

●セゾン・デュポン　22年5月（おすすめ）
頭を抱える旨さ。こちらも甘さが強く、ビールというよりはフルーツジュースのような味と香り。
アルコール度数はやや高めですが、甘さがあるせいか気にせずゴクゴクと飲めてしまいます。
強めに塩味が効いたプレーンなフライドポテトとの相性の良さは言うまでもありません。
デュポン醸造所の主力ビールでして、もともとはベルギー南部ワロン地方の伝統的な製法で造られたビールだそうです。

●シメイ・ブルー　22年5月（おすすめ）
ベルギーのエノー州シメイにあるスクールモン修道院で造られるトラピストビール（修道院のビール）。
修道院ビールの中でも流通量の多い人気の銘柄になります。
黒ビール的などっしり感があるもののピリリとした炭酸感とキレ、スパイシー感も併存し、お見事なビール。
ベルギービールの懐の深さに脱帽です。あ、前髪は既に脱帽状態だった...（久しぶりの禿ネタです）。

●シメイ・レッド　22年8月（おすすめ）
黒ビールと白ビールの中間くらいの薄茶色をしたブラウンビールなのがシメイシリーズのレッド。
シメイの特徴である強い炭酸感とスパイス感は健在ながらブラウンビールな分だけ飲み口はシメイブルーよりも軽やか。

●シメイ・トリプル　22年8月
飲み込んだ後も長く口の中にガツンと残る深い苦み。アルコール度数は8％と高く、苦みも手伝ってかグラリと酔いが回ります。トリプルと名の付くビールは原料に使用する原液の麦汁濃度が高くて味も苦みも強いタイプのビールだそうです。ちょっと全てが強烈すぎて仲良くなれませんでした。

●ドゥシャス デ ブルゴーニュ (Duchesse de Bourgougne)　22年5月
なんじゃぁこりゃぁ～！
日本人がとらえるビール味の概念から大きく離れた味のビールでしてとにかく酸っぱい。
オーク樽で18か月熟成したビールと8か月熟成の若いビールをブレンドするという手の込んだビールではありますが、とにかく酸っぱさで頭と口が一杯いっぱいになります。

●デュベル（Duvel）　22年5月（おすすめ）
どっしり感とキレとコクのそれぞれが強く主張しつつ互いにバランスを取り合って存在する飲みごたえあるビール。
強い炭酸感を伴うスパイシー感があり、唇、舌、喉にビリビリ感が残る面白い一面もあります。

●リンデマンス・クリーク（Lindemans Kriek）　22年5月
ビールと言われなければビールとは認識できない程にチェリー味が前面に出したビール。
チェリーサワーだと思って飲めばとても美味しいドリンクかと。
欧州は日本に比べてチェリー味のアルコールがあるように感じます。

●リンデマンス・フランボイス（Lindemans Framboise）　22年8月
強烈な酸味の濃厚なラズベリー果汁をブレンドしたビール。
こちらもビールという設定ですが、言われなければビールとは分からないでしょう。
甘味も強いのですが、ほっぺたの内側がジワリとするほど酸味も強いため、口をさっぱりさせる効果があって、脂っこい料理や肉料理との相性が良さそうです。

●バービック・スーパー・ピルス（Bavik Super Pils）　22年6月
強めの苦味、炭酸感、ドライ感と共にベルギービールならではの甘さを併せ持つバランス型かつ芳醇濃厚ビール。

●ムンクズ スタウト（MONK’S STOUT）　22年6月（おすすめ）
黒ビールながらキレッキレ。力強いスモーク感があるが全く嫌味を感じさせない素晴らしいスタウトビール。

●トラピスト・ロチェフォート 10（TRAPPIST ROCHEFORT 10）　22年6月
アルコール度数はガツンと11.3%。もはやビールの面影はなく日本酒に近い趣。喉越しじゃなくチビチビとやるのがぴったりな深い味わいビールでした。

●トラピスト・ロチェフォート 6（TRAPPIST ROCHEFORT 6）　22年9月
アルコール度数7.5%。濃いオレンジ色の濁った液体には粒々の沈殿物が浮遊。ビールというよりはワインや日本酒のような雑味がたっぷりある醸造酒な味わい。はっきり言って飲みにくい。主な理由は強烈な苦味。かと言って完全に嫌いにはなれない色気のあるビールです。

●トラピスト ロチェフォート 8（TRAPPIST ROCHEFORT 8）　22年9月
アルコール度数9.2%。琥珀色をしたビリビリ感のある強い炭酸と気泡。飲んだ直後は雑味感と共に深い苦味が広がり、その後ほんのりと甘みを感じる味覚の展開。苦味の強さといい雑味感といい、一般的なビールの理解とはかけ離れた印象の麦汁ビール。

●セイント・バーナダス・ウィッビアー（ST BERNADUS WITBIER）　22年7月（おすすめ）
すばらしい柑橘香と炭酸感、そしてほのかなスパイス感と爽やかなキレ味。

●セイント・バーナダス・プライアー8（ST Bernadus Prior 8）　22年9月（おすすめ）
ベリー、キャラメル、チョコレートが香るダーク色なビール。飲んでみますと今度は黒糖、赤ワイン、紹興酒など兎に角いろいろな味がします。素直に美味しいとは感じられないものの特徴あるビールなので希少性はあるかと。アルコール度数は8％。

●セイント・バーナダス・トリペル（ST Bernadus Tripel）　22年10月
美しく鮮明な橙色をした液体。甘味と苦味の相まったアルコール度数8％のベルギービールの王道をゆくタイプのビールです。トリペルに分類されるビールながら飲みやすいです。

●セイント・バーナダス・アボット12（ST Bernadus Abbot 12）　22年10月
もはやビールなのか何なのか分からない独特なベルギーワールド全開な麦汁。黒ビールとも違うブラウン色をした麦汁はアルコール度数10％で味もガッツリ濃厚。

●ラ・シューフ（LA CHOUFFE）　22年7月（おすすめ）
強い苦味と甘みを併せ持つヘビーな飲み口のビール。フルボディの赤ワインのような力強さがあり肉料理にも合いそうなビール。

●ウエストマール・トラピスト・ダブル（WESTMALLE TRAPPIST DUBBEL）　22年7月
色は黒いが一般的な黒ビールというお味ではなくトラピストビールの独特な世界観を貫くベルギービール。香りはあまり無く、少々の金属的な香りを醸します。ビール界の濁酒（ドブロク）あるいは山廃仕込みといった風情の雑味感がたっぷりな濁り形ビール。

●ウエストマール・トラピスト・トリペル（WESTMALLE TRAPPIST TRIPEL）　22年10月
ガツンとアルコール度数9.5％。喉越しを楽しむというよりはどっしり重厚な麦汁をチビチビやるのが丁度良いビール。というのは苦味が相当な強さでして、ちょっとした苦味の強いクラフトビールよりも余程な強さの苦味です。ビール名のトリペル（トリプル、３倍）は、アルコール度数が7～10％と高いタイプのビールのことで、発酵前の麦汁濃度も高く、何もかもが濃厚ガツン系。最近はストロングと称したアルコール度数が9％のサワー系アルコール飲料が人気ですが、こちらのビールは時代を先取りした古（いにしえ）のベルギービールといえます。一本飲んだら身も心もクラクラになれます。

●デリリウム・トレメンス（DELIRIUM TREMENS）　22年7月
辛口のキレと少々の苦味が特徴な一方、全体がバランスよく仕上げられた飲みやすいビール。

●デリリウム・ノクターナム（DELIRIUM NOCTURNUM）　22年8月（おすすめ）
金属的な苦味に梨やバナナのような甘味と香り、そして豊かなスパイス感があわさり、重くドッシリとしつつ官能的な味わいのブラウン色ビール。アルコール度数は8.5％と高め。

●ブルームーン（BLUE MOON）　22年11月（おすすめ）
爽やかな柑橘味のジュースのようにゴクゴクいけちゃう飲みやすいビールです。オレンジ色の発色も鮮やかです。

●トラピスト・オーバル（Trappist Orval）　22年8月
クラシックなベルギービールというよりはホップの香りと味が前面に強調された流行のクラフトビールIPAと似た味わい。カフェラテの泡のように長時間持続可能なクリーミーな泡が特徴。アルコール度数は6.2％。

●まとめ
・フライドポテト、ワッフル、ビールでベルギーに勝る国なし。