Asia Best Restaurant 25位、ミシュラン1つ星、という評価よりはるかに素晴らしいレストラン@singapore : Restaurant Born

シンガポールのチャイナタウンにある中華とフレンチのフュージョンレストラン。今はなき名店Andreご出身シェフのレストランと聞いて伺った。
Asia Best Restaurant 25位、ミシュラン1つ星、という評価よりはるかに素晴らしいレストランだと思う。

シェフの何カ国でのご活躍をベースにしたと思われる世界各国の料理を思わせるフュージョン.
どの一品にも必ず絶品の何かが含まれている
発想も美味しさも圧巻で、世界トップレベルのフュージョンコースってこうっていうのを見せつけられた感。
44000円くらいという痛いお会計も、圧巻のコースを前には十分納得させられる。

モダンアートの並ぶ洗練されたインテリア。ラグジュアリーな天国感。
料理がしっかり見えるカウンター席に案内された。ただ、料理のサーブが非常に早かったので、料理を見ている余裕はほとんどなかった。
シェフはずっとこちらの背を向け、料理の進捗管理や他の料理人への指示出しをしている。まるでオーケストラの指揮者のよう。

サービスの方々はみなさま一流のプロ。料理にくわしく、とても親切だった。
英語力不足で聞き直すこと数回。そんな中、根気よく説明してくださったり、ゆっくり話してくださったりした。（シンガポールのレストランどこもそんな感じで親切だった。）

まず驚いたのが、訪問数日前にメールで、その日使う予定の全食材リストが送られてきたこと。ここで、食べられないものや苦手なものを再確認してくださる。
ご確認自体もありがたいし、何よりそのメールの食材を見ながら、どんな料理をいただけるのだろうとわくわくした。
Bornでの旅がすでにここで始まっている感じ。

ところでこちらのレストランでも他でも、シンガポールではわりと、どのメニューが一番好きでしたかと尋ねられた。
このときに自分が話した内容はわりと記憶に残りやすく、コース全体の感想を振り返ってまとめるのをとても助けてくれる質問だと、今になって思う。
これからは尋ねられなくても考えてみようと思った。食事の思い出をくっきりさせ、よりいっそう素晴らしいものにしてくれる。

以下いただいた288ドルのお決まりコース.
各メニューがどのような想いや背景をもとに作られたか、という抽象的な説明を書いたミニ冊子のようなものを手渡される（写真ご参照）。これはBornの旅への道しるべのように、次どのような料理がでてくるのだろうと想像しながらコースが進んでいく

☆7.5Welcome drink
Black cooling Rose bud のお茶と伺った。
上質上品な中国茶

ソフトドリンク。ユニークでおもしろいメニューが並ぶ中、↓をチョイス。
☆7.5 Lemon Ginger Thyme　22ドル
オーダーしたソフトドリンク
レモンの皮をガスバーナーで炙り、炭酸のジュースを注ぎ入れて完成。
ソフトドリンクひとつとっても演出が凝っている。
甘酸っぱいさわやかなおいしさ。

★9アミューズ　以下の3種。
☆8 Ba Long Long/ ゴールデンアップル
ポップキャンディー
カカオパターのコーティングの中に、ゴールデンアップルのジュースとぱちぱちキャンディ

☆9 Beef Tongue / Five Spice / Cracker
牛タンのタルト
Egg yolkマーマレード、大根　
牛タンがバラのように美しく織り込まれて登場♪
牛タンの下、タルトの中の5つのスパイスをベースに作られたというものがなんとも言えず複雑な味わいで絶品

写真奥が
☆8.5 Cordyceps / Homemade Sauce / Truffle
Cordycepという、細長いきのこのスナック。チリオイルなど
きのこが揚げ物スナックになることで、中華で出てくるキャラメリゼ胡桃のようなおいしいスナックに昇華している

★9 Going nuts Chestnut / Black Garlic / Macadamia
贅沢なナッツの三重奏
下から、
キャラメリゼしたマカダミアナッツ。7ミリくらいの割と大きな塊で入っている
Chestnutsのムース
ふわふわに削ったマカダミアナッツ

ブラックガーリックのソースが一番上にちょこんと。ナッツ3層との相性が素晴らしい。この組み合わせの発想に感激


★8.5 Opposite ends “Aged” Cow / Oyster / Fried Bao
“A signature of Born, this cross-cultual bao is imbued with memories of Restaurant Diver XO in Spain and his mother’s ‘hao bing’.”
☆9一番上の薄切り焼肉の破片のようなものが絶品
牛肉と牡蠣のタルタルの入った揚げまんじゅう
下にはぶぶあられと牡蠣のクリームソース
☆9バンズが揚げパンとして素晴らしい　外側はカリッと軽く、中はもちもち

★9 Flavor discoveries
“Birthing a new and novel recipe from unexpected flavour encounters”
Foie Gras / Custard / Espardenyes
Brioche / Buckwheat / Maple

甘くないカスタードプディング（茶碗蒸しに近い）に目の前で、泡状のフォアグラソース、そして深緑のスプリングオニオンオイルを中央にスポイトで添えて完成。
Espardenyesはカタルーニャ語で海鼠だそう。
左のオレンジ色のものは、なんと海鼠の筋肉。初めて食べた。柔らかめでコリコリサクサクしている。味はあまりない。

タピオカのように、バルサミコの小さな球が入っていて、口の中で弾ける。
泡状とはいえフォアグラたっぷりで、あと茶碗蒸しで全体的に重いので、酸味を加える役割

☆10別添えでブリオッシュ
レベル高すぎだし美味しすぎる
フワッフワでサクサク。上には蜂蜜漬けのBuckwheatでカリカリした食感とはっきりした甘さを加える

シェフのポルトガルの思い出とのフュージョンだそう♪

★9 Reimagination Cuttlefish / Rice / Kohlrabi
“Reimagining a childhood memory, Penang style ‘Cheong Fun’ or steamed rice noodle rolles, to create a new staple.”
↑この料理、なんと腸粉から着想したそう。斬新すぎる。

米の泡.
揚げたライスやきのこなどを目の前でかけてくださる

コールラビの酢漬けは大根の酢漬けのよう。口に合わなかった

米の泡の下にかくれたCuttlefish の薄切りのあたたかいお刺身が美味しすぎる。柔らかいけどしっかり歯応えもある

★8 Circle of life Pigeon / Yolk / Mushroom
“Appreciating the food web and interconnectedness of life”

鳩はドライエイジング、炭火焼だそう。感動の絶品が続いた後のメインで大好きな鳩が出てきたのでかなり期待したが、なぜかそこまでの感動はなかった。

写真右から、鳩のソースと卵黄。各自好きな配分で和えるタイプ。
まいたけ 味付けが濃い

☆8.5クリスピースキンでライスボールを包んだ揚げ物
ライスコロッケの半分が肉厚な鳩の皮目の部分になっている贅沢な逸品

別皿添えで、鳩の足に揚げたアイオリパウダーをまぶしたもの。


★8 Doraemon Sweet Potato / Oolong / Sea Salt
ポテトピューレ
ポテトチップス
烏龍茶のクリームはもったりした感じ

☆9海のアイスクリーム
滑らかで王道の美味しさ。甘すぎず、塩味程よいのも良い

ブラウンバターのソースをアイスクリームの上に目の前でかけてくださる。細く繊細で美しい。

食後のお飲み物。メニューを見るととてもユニークで魅力的なラインナップで目移りする。
茶葉の香りを試しながら選べるタイプ。
★Filter Coffee
Pichindle, Cali, Columbia / Carbonic Maceration Sudan Rum
Raisin, Red Apples, Winey

★プティフール
Spicy – XO Sauce / Burnt Butter
Bitter – Black Sesame / Dark Chocolate
Sweet – Longan / Dates
Sour – Roselle / Verjus
スパイシー、ビター、スイート、サワーの順に召し上がってくださいと

☆7スイートもち　和菓子にちょっと中華テイスト入れて洗練させたような花のゼリー

☆7スパイシー　
ベーコン、乾燥ホタテなども入っている塩味スイーツのマドレーヌのようなもの。

☆8ビター
チョココーティングの中に黒胡麻ペースト
チョコと黒胡麻の相性って抜群だと改めて思う

Bon brothは、Andreシェフが作った火鍋のお店とのこと。行きたいレストランリストに入れた。