大きな感動を残したイノベーティブコリアン＠ソウル : mingles

信頼のおける食通の方のいちおしレストラン。ソウルに訪れる際には必ず行こうと5年ほど楽しみにしていた。
予約は2か月ほど前、ぎりぎり最後の1テーブル滑り込んだ。
ミシュラン2つ星、Asia Best Restaurant13位と、どちらのランキングでも韓国最高。

まずは外観と内装。シンプルでミニマルながらとてもセンスが良い。滋味深い。

料理は韓国料理、韓国の食材をベースに、独創性あふれる発想で昇華させた作品の数々。
独創性にうなり、しかも味もおいしくて感動する。終始楽しくておいしい。

サービスもおだやかでホスピタリティにあふれていて、日本でたまに受ける最高峰のサービスにかなり似ている。日本以外の国では、今まで体験できたことのなかったサービス。

料理もインテリアも滋味深い美しさを追求なさっているようにもお見受けする点、和の精神に通ずるものもあって琴線に触れる。

☆6.5アランミリアの赤　Merlot　甘くて濃い

まずは今日いただく食材を見せていただく。色鮮やかで美しく、テンション上がる。
メニューはなんと、名前入りかつ日本語を用意してくださった！
メニューの裏にはOur Partnersと題し、それぞれの食材の生産者が記載されている！

★8ジャガイモもち
北朝鮮スタイルのライスケーキだそう。　
外側は甘めのじゃがいもの粉、中は塩気あるじゃがいも餅だと思った。
全体的に北朝鮮料理にありそうな優しい味わい。

★7.5にんじんスープ、うに
人参スープの中にブラッターチーズ、上にウニ。
うにの味は日本のと同じで、質の良いものならではのおいしさ。
人参スープはどろっとしている。やや薬膳の風味


★9韓国風の季節の海産物（こはだ＆熟成キムチ）
こはだをマッコリヴィネガーでマリネ。
締めた小肌として、日本のおいしいこはだと同様のおいしさ。絶品☆
熟成キムチを小肌でくるんでいる。これがまた絶妙な相性

★9ビーフタルタル、スモークうなぎ、チリペッパー
写真奥の山吹色のパウダーがかかったアミューズ。
いかにもおいしそうな食材の組み合わせ。そして実際絶品


★8秋大根ナムル＆チョンピョンタルト、エゴマ、エゴマ油、えび
かなり薄切りにした繊細な大根のナムルがレイヤーになっている。
中には車海老
下は大根餅らしきものとカリカリしたチップ
これも伝統的な韓国料理の再構築だそう。

添えられた、帯状の美しい色合いのものは大根ピクルスの薄切り。
同じく添えられた☆8.5カリカリにあげたエビがおいしかった


次は、16のエリアに仕切られたお皿に乾燥食材が盛られた、秋らしく美しい、圧巻のプレゼンテーション！１つのエリアに1つから数種の食材が入っている。
奥から2番目は左から、アンチョビ、あわび、なまこ
手前から2番目、左から2番目はどんぐりと、どんぐりの粉で作った麺


★9.5 MINGLING POT: 三種の餃子（魚、韓牛、モレル）、牛の膝軟骨、干しなまこ、あわび、どんぐり、コールドブリューいりこダシ（←アンチョビだと思う）

↑のプレゼンテーションで見せていただいた食材が全て入っているという驚きのスープ。
広東料理のスープのイメージ。

見た目は漢方系なんだけど、漢方特有の嫌な味わい皆無。滋味深い、奥深いおいしさ。非常においしくて、しみじみ感動。　　
Minglesの数々の感動の料理の中でも一番感動した。
どんぐりの麺も入っていたが、味がよくわからなかった。


★8済州島産魚焼き、くちなしーぽん菓子、魚脯（ぎょほ）入りのお粥、とうがらしピューレ、キャビアのからすみ
フライパンで焼いたまながつお、柔らかい。
もち米とチリペッパーのとろみあるソース。塩気を割としっかり効かせている。
マナガツオにまぶされているのはクリスピーに揚げたお米
下に敷かれたキャビアも贅沢な旨みを添える。

★9もち米リゾット、ズワイガニ、トマト、ゴマ油、エゴマの葉、キャビア
あと、乾燥ムール貝、海藻が出汁に入っている

独自の発想で韓国テイストに昇華させたイタリアンという印象。
ややチーズ味のリゾットに、いろんな食材が入って韓国テイストの奥行きある絶品に仕上がっている。ごま油、エゴマの葉が韓国テイストに仕上げている気がする。

★8チキンルーラード、黒酢、鶏肉団子、たまねぎ漬物
↑のメニュー名は、お皿に乗せられた4種をひとつひとつ表している。

☆7チキンルーラード（右手前）マッシュルームと鶏皮がサンドされ、ヴィネガーで味付け。

☆8たまねぎ漬物（左奥）韓国のオニオンピクルス（チャーチ？）
まろやかな醤油ベースの味付けでとても食べやすい。とろみが加わり、甘みと酸味が少し。

☆6.5鶏肉団子（左手前）　Ginsengチキンダンプリン、野菜など
まったりした味わい

☆7黒酢のソース（右奥）

★9　2つの部位の韓牛焼き、スンデ、タロ芋、なしキムチ
☆9写真左はテンダーロイン炭火。ややレアな仕上がりで絶品。
☆8.5右サーロイン　
なんと肉はBorn&Bredからのもの。
どちらも甘辛ダレの味付け強め。そして和牛のように柔らかくて脂しっかり。
韓国の牛肉は赤身のさっぱりタイプだと思っていたが、高級店の牛肉となると脂しっかりの和牛に近付くのだろうか？

☆8.5タロ芋グリルフライ　米粉と牛のジュのソース　

☆7.5スンデ　韓国のプレミアムポーク
韓国料理あるあるの腸詰料理。何回か見たことはあったが、人生初めて口にした。
思ったよりさっぱりしていてだいぶ食べやすいのは、きっとMinglesが昇華して別物に仕上げているから。

☆8白キムチビーフ
ソルロンタンとかで出てきそうなしっかり火入れして硬めの牛肉をみじん切りにしたものを、本当にほんのり辛さと酸っぱさを加えたキムチ（おそらく白菜）で包んでいる。
和食に近い優しい味わいでほっとする。

★8ビビンバ：もち米プリン、もち米アイスクリーム、韓国醤油、ゴマ油
デザートなのに、↑の素材を混ぜ合わせていただくのでビビンバ。面白すぎる発想にうなる。

下から順に、あられのようなもち米？のスナックともち米プリン、もち米アイスクリーム。
アイスクリームに作った小さなくぼみに、ゴマ油を乗せ、さらに韓国醤油を目の前でスポイトで乗せてくださる。

ごま油がオリーブオイルのような役割を果たしているデザート。
ごま油が加わることで、驚くほど韓国テイストになる。

今回のMinglesの食事体験で、韓国料理らしいなって感じさせる食材って、ゴマ油とえごまの葉なんだなと気づいた（唐辛子、コチュジャンのみならず）。

2品目のデザートは2択。シグニチャーディッシュの↓をチョイス。

★8ジャントリオ：テンジャンクリームブリュレ、カンジャンピーカン、コチュジャンボン菓子、バニラとウイスキー

バニラのアイス、ウイスキーのムースをベースに３種の韓国醬で仕上げるというかなり斬新なデザート。
３つのジャンが絶妙な仕事をし、完成度の高いおいしさとなっている。
この手の料理はたぶん、ちょっとでもバランスが崩れたらおいしくならなくて、ミングルスのシェフの高い技術とトライ＆エラーあってならではの名作だとお察しする。

★7茶菓
美しい和紙に丁寧に説明が描かれた3種のプチフール登場。

☆6.5Yam Joo-akもち米のドーナツ。米粉風味のもちもちの揚げパンのような感じ。バニラのシロップをしっかり吸っているのでかなり甘い。

☆7Kamrae Puffed Rice海藻の味のするあられのような感じ

☆8Gochujang Choux ほんの少しコチュジャンを加えたシュークリーム
上質なシュークリームにコチュジャンの加え方が上手で、ユニークさとおいしさを両立させる技術の高さ

★7.5コーヒー

お土産で、食事中に乾物のプレゼンテーションで見せていただいたアンチョビの出汁をいただいた。
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