南機場夜市の一番人気！ : 來來水餃店

台北庶民の熱気に圧倒される、南機場夜市の賑わい。
食の屋台が密集していて、ジャンルごとに出店する通りを分けているほど。
なかでも、此処南機場の名物といえば水餃(シュイジャオ)で、何軒ものお店が近接して覇を競います。

久しぶりにやってきた、一番人気の「來來水餃店」さん。
間口の広い大店ですが、立錐の余地もないほど込み合って、店内は熱気ムンムン。
餃子の皮を延ばし、具を詰めて湯に投じて、リズミカルな流れ作業には、何人もの屈強そうな男たちが全力でとりかかっています。

何とか、テーブルに空きを見つけて、冷蔵庫から小菜を選んできます。
黄瓜(NT30)、豬耳、皮蛋豆腐、ハチノスの和え物(各NT40)と、旨いものに枚挙に暇がないけれど、此処で食べすぎてしまうと、水餃が入らなくなってしまうから要注意。
豬耳の和え物には、いわゆるツラの皮や赤青唐辛子が和えてあって、お味も抜群でした。
その時々で、季節のもの等々、少しずつ変化があるようです。

台湾で水餃子を食べるとき、欠かせないのが酸辣湯(スーラータン/NT40)。
細切り豆腐、溶き玉子、ニンジンなどの野菜が豊富だし、パクチーもたっぷり。
台湾人必須の酸辣湯ですが、此処のは酸味も穏やかで飲みやすいから、日本人も必ず頼むべきですね。

そして、いよいよ水餃(10份NT60@NT6)が運ばれてきました。
大きな寸胴で、頃合いを見計らって茹で上げた、まさに茹でたて熱々！
一口パクリ！
いやはや、本場の水餃に敵うものはありませんね。
もっちもちの皮は延ばしたて、包みたて、茹でたて！

ちょっと唐辛子をぶち込んだ香醋と醤油をちょこんとつけて、いくらでも。
食べだすと、もう止まらない。
一皿10個など、いつもわけなくペロリですね！

近隣には、同じ通りに水餃のお店が何軒も固まって立地しています。
この來來さんだけが旨いというわけではなく、それぞれにいつもお得意さんが。
グループで出かけた場合など、注文を控えめにしながら、はしごしてみるのも一興ですね。

台北っ子の熱気に圧倒されそうな、南機場夜市の雑踏へ。
公寓(公営アパート)の下に連なる飲食店には、旨そうな台湾小吃(シャオツー)が犇めいています。
この夜市でも一番の人気が、水餃店が数軒隣り合っている一角。
なかでも、溢れんばかりのお客さんで賑わっているのが「来来水餃」さんです。

道路まではみ出たテーブル、椅子、そして入れ替わり立ち替わりやって来る客・・・・
お店の中ほどには餃子を拵える調理台と茹で釜が設えてあって、リズムをとって体を揺らせながらどんどん水餃を作る、屈強そうな男たち。
次々と入る注文は、数人の女性たちが捌いていきます。
水餃が茹であがるたびに、順序も違えることなく、どんどんお客さんに出していくのですね。
働く人たちの動きが醸す、もの凄い迫力、そしてムンムンとした熱気と、庶民の生活パワー・・・
まさにここは、成長するアジアの大都会なのです。

ようやく空いた壁際のテーブルに陣取って、どんどん水餃を頼みます。
白菜の水餃、韮肉の水餃と二種類あって、値段は10個でNTD60が一区切りになっています。
これでも最近少し値上げしたようなのですが、それにしても安いですね。
単に水餃(スイジャオ)とだけ言うと、白菜と鮮肉の水餃を持ってきてくれます。

水餃屋といえば、必ずあるのが酸辣湯(小・NTD40)。
大鍋で仕込まれる様子が、見るからに旨そうですね。
細かく刻まれた豆腐、湯葉、椎茸、木耳、野菜、溶き卵、パクチーもたっぷり。
日本で食べる酸辣湯麵スープのような刺激を想像して身構えてしまいますが、酸味は実に穏やか。
台北の人たちは、このスープを日々かなり飲みますから、塩分、刺激はあくまで控えめに、体のことを考えているのでしょうね。

旨そうなものが犇めくサイドディッシュ(小菜)は、冷蔵ケースから持ってくる仕組み(自助餐)。

豆干(NTD30)は、ちょうどストックが切れていたので、目の前で干豆腐を刻んで、胡麻油と和えてくれました。
甘いタレと葱をかけて出来上がり！
豆干は、木綿豆腐などよりもギュッと豆の密度濃く、しかも滑らかな舌触り。
噛むたびに漬けこみの台湾調味料「沙茶」の仄かな風味があります。
植物性タンパク質を存分に補給できて、実にありがたいですね。

小魚乾(小・NTD40)。
煎りじゃこが胡麻油と和えてあります。
これでもかと、赤・青の生唐辛子が入っていて、香ばしさとヒリヒリ辛い刺激で、口の中がもう大変・・・
こいつで飯をかきこんだら、さぞかし旨いのだろうなと思います。

そして、猪耳朶頭皮(NTD40)は欠かせませんね。
ご存知、琉球料理のミミガーで、日本人もどこかで食べている筈。
しっとり柔らかで、ところどころコリコリと歯ごたえのある、まさに豚の耳。
コラーゲンはたっぷり、脂もたっぷり・・・
燻す際の味付けも絶妙で、これはお替わりしてしまいました。

海帯(NTD40)。
言わずと知れた刻み昆布で、薄味がついています。
これも琉球食文化を彷彿させる、体に良い素材ですね。

皮蛋豆腐(NTD40)、魯蛋(NTD40)
木綿豆腐に、ゴロン！と丸々一個のピータン。
甘いタレとともに、ピータンのコクを堪能します。
鰹節(鯖節？)がかかっているのですが、日本時代から続く食習慣なのかもしれません。

黄瓜(NTD40)。
しっとり胡麻油であえていて、絶妙な塩加減、そしてニンニク・・・・
この胡瓜、もう幾らでも食べられてしまいますね、文句なしに旨い！

さて、いよいよ水餃です。
20個も頼んでしまうと、大皿から落ちてしまうのではないかと思うほど、たっぷり。
ツルン！としたところを早速頬張ると、皮がモチモチ、中身はしっとりとした白菜と新鮮挽肉です。
皮そのものが、良く練られてコシがあり、噛むたびに小麦の旨みがする。
そして、ぎっしり詰まった肉餡はしっとり、あっさり。
旨い旨いと感動しながら、あっという間に幾らでも食べられてしまいます・・・

食べながら、周りの皆さんを観察していると、本当にいろんな人たちがやってきますね。
仕事帰りの男性、若者の集団、カップル、比較的年配のご夫婦まで・・・

まさに、この水餃は台北の皆さんの生活の食。
飾らない、普段着のままの食の世界に、旅行者でありながらじっくり浸ることができるのは、実に嬉しいことですね。