地元御用達価格の小籠包に排骨麺、店頭に積まれた酥餅(スーピン)は圧巻！ : 好公道の店 金鶏園

(2015/11 再稿)

午前中、未だ早い時間に歩いてみた、台北・永康街(ヨンカンジェ)。
某有名小籠包店は、既に観光客がお店を取り囲んでいて、ちょっと吃驚。
でも、街を南下して行くにつれ、これからやってくるであろう賑わいがまるで嘘のように、静かなものですね。

通りを中ほどまで歩いて、金鶏園(ジンジーユェン)さんの前まで。
既に店を開けていて、大勢の職人さんたちが仕込みの真っ最中です。
焼き上がったたくさんの酥餅を円く並べてシズル感たっぷりに見せてくれるので、いつ通りかかっても楽しいものです。

キッチンの傍らを遠慮がちに横切って二階へ上がって行くと、広々としたテーブル席に先客がちらほら。
みなさん新聞を広げたり、モバイルを弄ったり・・・
入口近くにちょっと座らせてもらって、仕込みの邪魔にならない簡単なものでも作ってもらいましょうか。
みなさんに倣って頼んでみたのが、あっさり、さっぱり、いかにも朝食らしい乾麵(ガンミェン/TWD50)と肉絲湯(ロースータン/TWD80)。

まずは、茹でた青菜(燙青菜)がいかにも体に良さそうな「乾麺」を。
まるでひやむぎのような中細ストレートの麺は仄かに温かく、微かなコシが残る汁なし麺です。
少し甘みのあるタレとよく混ぜて、青菜とともに啜りこみます。

合間にいただく肉絲湯、ボリューム的にも乾麵とどっちが主役なのかと・・・
これにも燙青菜が主張していますが、たっぷりの肉絲(ロースー)に細切り筍、それに刻み海苔。
優しい味わいにして、意外に具だくさんなので、乾麵と一緒だと、バランスも丁度良いですね。
台湾の朝食と言えば、揚げパンに豆乳(豆漿/ドウジャン)などを想像しがちですが、こうした麵の朝飯というのも、かなりの支持がありそうです。


(2014/12 初稿)

観光客で賑わう永康街も、南へ歩くにつれ、だんだん落ち着いた街並みになっていきます。
最近では、この永康街から南に続く青田街、そして和平東路を挟んだ龍泉街を歩き、師大夜市へ抜けていくエリアを「康青龍」と呼び、台北街歩きの推奨ルートとして紹介していますね。
道の両側に並ぶ商店が、いつしか落ち着いた雰囲気の住宅やアパート群に変わっていく。
昔、日本でも山の手の住宅街には、どことなくこんな雰囲気があったか・・・
異国の地で、思わぬノスタルジーに駆られます。

永康街の南、人通りも幾分落ち着いた一角にあるのが「金鶏園」という、比較的大きな中華のお店。
店の前には様々な形をした「酥餅」(スーピン)が並べられ、そのシズル感たるやお見事。
その場でいくつか買い求めて食べていくこともできます。
中華的手法のパイ生地の中に、甘い豆沙(小豆餡)やナッツ類、胡麻、肉餡等々。
オーブンで焼き上がるたび、どんどん店頭に並べられます。
これは、濃い烏龍茶とは絶妙の相性だろうと思い、あとは食後の楽しみに・・・

厨房の脇を抜けて二階に上がっていくと、広い客席が広がっています。
特にテラス沿いには寛げるスペースもあって、遅い昼食をのんびりいただくことに。

ここの「小籠包」(TWD90)は、有名店の半値以下ですが、決して捨てたものじゃない。
皮は「超薄」ではなく「薄」程度、肉餡はスープタブタブではなく、挽肉そのものがしっかり入るタイプ。
食べ応えもしっかりあって、本来の地元志向が伺えますね。

此処のウリが排骨らしいので、早速「排骨麺」(90TWD)を頼んでみます。
少し清んだあっさりスープに、平打ち伊麺、青菜少々、細切り海苔少々。
大きな排骨は柔らかく揚がっていて、あばら肉そのものの肉厚な旨さがしっかり味わえます。
肉絲麺(TWD80)は、これのヘルシー版。
豚の細切りもあっさりした味付けなので、ぺろりと食べられてしまいます。

そして「排骨飯」(TWD90)は、しっかり定食。
麺同様に大きな排骨と、ミニ魯肉飯の傍らには茎わかめ、するめいか、それに胡瓜の浅漬け。
肉餡の具合等々、ちょっと中途半端かもしれませんが、こんな定食のご飯も魯肉飯にするとは恐れ入りました。

食後は、店頭で吟味しておいた酥餅で、ゆっくり烏龍茶を愉しみます。
早速「豆沙酥餅」(TWD40)を食べてみると、軽い口当たりのパサッ！とした食感に、台湾らしい甘い濾餡。
パイ生地そのものから感じる、軽い甘さとラードのコクが光ります。
長方形の酥餅は、中がしっとり、ミートパイでした。
中国本土や香港でも広くお目にかかる中華菓子、いろいろと奥が深そうですね。