台北でのディナー。1日くらいは正統派の人気店にて : 京鼎楼

この日は午前中はオプショナルツアーでの故宮博物院見学、午後は鉄道でシーフェン(十分)観光とかなり忙しい1日になりました。

お腹の方は、朝のホテルでのモーニングブッフェで食べ過ぎたのが尾を引いて、ランチは軽めで済ませた(@老蔡水煎包許昌店)のですが、午後から出向いたシーフェンでつい買い食い癖が出て、レビューした「榕樹下米粉湯」での蜂蜜檸檬では飽き足らず、屋台のためレビュー対象外ですが、香腸腸詰を買い食いしてしまいました。
台湾らしいやや甘めのソーセージでなかなか美味しかったのですが、やっぱり少々お腹にたまってしまい、ちょっと後悔です。

それでも、この日は台北に戻って、キチンとした人気レストランで名物の小籠包を食べようと心に誓っていたので、当初の予定通り、台北駅のひと駅北側の中山駅の東方向、長春路にある当店に白羽の矢を立てました。

当店は、台湾料理のお店としては5本の指に入る有名店と言っていいと思われます。
やや観光客向きのお店ということは否定しませんが、最も有名と思われる「鼎泰豊」と並び称される存在と言う人もおり、日本でも株式会社デリコ・インターナショナルという会社が2005年から店舗展開を始め、現在恵比寿本店（京鼎樓 恵比寿本店）を始め26店舗（首都圏15店舗、その他11店舗）を展開しています。

この日は、十分から鉄道で台北に戻り、そこから直接当店へ向かいます。
台北駅からは中山地下街を経由してMRT(台北地下鉄)の中山駅まで歩き、3番出口から出てアプローチします。
3番出口から道なりに南京東路を進み、中山北路を渡って左折、400mほど進むと長春路にでますので、そこを右折して長春路に入り、林森北路を越えて100mほど進んだ左手にお店はあります。

1階の外観はガラス張りになっており、厨房の様子が見渡せ、店内にはテイクアウトのウエイティングコーナーみたいなものもあり、奥に客席が見えます。
意外にカジュアルな感じでこじんまりしたお店だなと考えて入店します。
すぐに店員さんが出てきて、2人の旨を伝えると、一旦お店を出て、隣りにある階段から2階席の方へ案内されました。

あまり綺麗とは言えない階段を上がると、打って変わってなかなか洒落た入口が登場します。
入店すると、白を基調にした明るい空間が出迎えてくれました。
しかし、高級店と言うよりは、機能的に作られた食堂みたいな感じですね。

案内係は、こちらのコーナー専属の店員さんに引き継ぎ、その方に客席に案内してもらいます。
詰めて座らせるのが方針のようで、出張中らしい日本人サラリーマンのグループの隣りの席に案内されました。

卓上には厚めのメニューブックと注文表が置かれています。
メニューを見ながらこれに書いて渡すなかなかシステマティックなスタイルです。
日本の飲茶専門店などでもたまに見かけるスタイルですね。

メニューは点心から始まり、魚・肉系の多彩な一品料理、麺類、飯類、スープ類などがあり、飲茶専門店と言うよりは、一般的な中華料理店に近い感じです。

やはり一番人気は小籠包で、これは多彩な種類がありますが、10個入りというものが中心ですので、2人だと多彩な小籠包を楽しむというわけにはいきません。
当店は、少なくとも3人以上で来店した方が、より楽しめると思います。

注文した料理は、小籠包の他に空芯菜炒め、玉子チャーハン、油豆腐細粉というスープ料理、豆沙大包(あんまん)の5点です。

まずは待つこと4分ほどで空芯菜炒めが提供されました。
今や日本でも台湾料理店では基本メニューとして定着しているメニューなので、物珍しさはありませんが、基本に忠実な美味しさでした。

続いて2分ほどで玉子チャーハンがサーブされました。
提供時間は早いですね。
さすがシステマティックなスタイルだけのことはあります。
こちらは卵かけご飯を炒めたイメージで、これが玉子チャーハンの基本ですよね。
パラパラに仕上がって美味しかったのですが、味はかなり薄い印象でした。

次に小籠包の提供です。
円形のせいろの蓋を開けると小籠包が10個鎮座。
卓上にあらかじめ置かれていたしょうがと醤油でいただきますが、肉汁ジュワッの小籠包はさすがの美味しさでした。

続く料理は、油豆腐細粉。
これは、油揚げや春雨を煮込んだスープ料理ですが、結構なボリュームがあります。
薄味のスープなので、軽い口当たりです。
これはなかなか日本ではお目にかかれない料理で、とても美味しかったです。

一人前が多めなので、この辺りで早くも満腹になり、料理5点の注文で留めて良かったなと感じます。

最後は、豆沙大包(あんまん)が出されました。
デザートメニューなので、最初に同時にオーダーしたのですが、お店の方で気を利かせてくれ、油豆腐細粉を食べ終わったのを見定めてからサーブしてくれました。
中国料理店だとこのあたりは大雑把な印象があったので、意外な気の利かせ方に驚きました。日本資本が入っているせいかもしれませんね。
その豆沙大包(あんまん)は、皮がとても美味しかったです。
やや甘さも感じましたが、食感や風味がとても良く、こしあんを引き立てていました。

全体に安定の美味しさはありましたが、日本でも飲茶や台湾料理が当たり前にある時代ですし、まして当店は日本にも出店していることもあって物珍しさの点ではイマイチでした。
平均点を求めるならいいお店だと思いますが、台湾らしいワイルドさを求めるなら街中の屋台的なお店の方が楽しめるかもしれませんね。