超超超予約困難。 : RAW

点数が低いように見えますが食べログの性質上、ファストフードから三つ星レストランまでが同じ評価基準ですので、点数が低いからといって悪い店、不味い店という訳ではございません。個人的な意見も多いです。

台湾で食事をするなら是非とも行きたいお店のNo. 1。
だけど、reservationは2週間前の英語のオンラインのみ。日本時間とは1時間の時差。のそシート数は店舗としては大きいのですが世界的な人気店ゆえに予約開始直後に毎日埋まってしまうのです。予約困難どころか予約超困難。結局予定していた台湾に行ける日程のどのタイミングでも予約は取る事が出来なかった。
最後の望みのキャンセル待ちのみが繋がった細い糸。つたない英語でRAWとのやり取りをして待った。すると、なんと奇跡が起きシートが取れたとの連絡が。
当日、空港に着くと急いでタクシーでお店に。
台北の北側。高級住宅地、ビルの1階にガラス張りのかなり目立ったお店。とても近代的なイメージです。
1番最初に目につくのはピンクの大きなロゴの電飾の看板とガラス張りに「RAW」の文字。
店内に入ると噂に聞いた木の大きなカウンター。
カウンターを迂回するように奥の席へ。
空港から直接来たので荷物が多いのだが問題なく案内してくれた。
すごく雰囲気の良いスタッフ達で、日本語が出来るスタッフもいた。
お店は2016年にもAsiaBestRestaurant50にもランキングされているが、過去に例がないくらいカジュアルな雰囲気。開放的。
やや薄暗い店内に独特の照明や木目調が目イメージの内装。音楽もしっかり大きめのボリュームかかっている。
メニューやナプキン、カトラリーはテーブルの引き出しの中。この引き出しスタイルは日本でもみられるが、引き出しスタイルの内では1番スタイリッシュだった。

ドリンクをオーダーするとお料理がスタートだ。
ドリンクは少し高めだがオリジナルドリンクばかりなのでオーダーする価値はある。
ついでにコースは日本円で9700円程とリーズナブルだが（サービスチャージ別）内にパンやアフタードリンクは含まれていない。
パンについては自家製でとても価値があるので是非オーダーすべき。

いよいよ待ち焦がれたお料理がスタートである。

◾︎スナック、フィンガーフード
台湾の朝ごはんをイメージ。冷たいお粥。大根にカニのソース。食感をあえて残した大根。台湾の食は屋台の文化。朝ごはんも屋台のお粥や素食といってベジタブルなもの。
冷たいお粥のスープを飲みながら野菜のフィンガーフードを食べる。まさに序章にふさわしいです。
お粥が思いの外に甘いです。

◾︎フィンガーフード2。
焼きとうもろこし。
中にベビーコーン。とうもろこしの粒。バーベキューソース。
ヤングコーンの周りにコーンの衣とコーンの種。軽い辛みのあるソース照り焼きにしている。直火の香ばしさ。
個人的にもコーンは「焼き」がベストだと思うのでこれは美味しい。
台湾の伝統的な食べ物の焼きとうもろこしのオマージュである。

◾︎別オーダーの自家製パン。
結構大きめのパン。これで540円程。一般的なコースのパン2人分は楽にある。蕎麦パウダーとガーリックパウダーとカカオパウダー。
練りたての柔らかいバターはとても価値と技術ごある。

◾︎温製。アワビとタケノコ。バジルのソース。
暖かく柔らかいアワビにバジルのソースを絡めて、トッピングにニンニクチップとミニバジルと乾燥バジルと松の実。
これはとても美味しい。日本ではこれまでに味わったことがない。アンドレチャン氏はキャリアのスタートは中華だと。その技術もありそうな単純に美味しい一品でした。

◾︎冷製。
ブリときゅうりのサイコロ状に、炙ったマコモダケスライス。上から魚介のスープ。とても酸味の効いていてバターの風味。
これもまた新しい表現。複雑なお料理だが、単純な美味しさ。理想とするところです。

◾︎カテゴリー出来ない。フィンガーフードでもあるし、温製の様な感じもします。
台湾の牛舌餅（ニュースーピン）という牛の舌の形に似たお菓子があります。ミルクと砂糖の駄菓子ですが。
それのオマージュ料理です。
ニュースーピンの形のチップを作り、その上には焼いた牛舌。上にはシブレット。バーベキューソース。
盛り付けも凝っていて、丼状の器に橋をかける様にニュースーピンがかけてあります。
丼状の中には4割程火入れをした卵黄と軽く酸味のある味。
最初はそのまま嚙り、その後で卵黄を解いてかけてたべます。
これもわかりやすい味で美味しいです。

◾︎魯肉飯。ルーローファン。
これも台湾のローカルフードの再構築オマージュ。
フレンチのコースでご飯物。
ボーダーレスになるコース。
松茸、バラ肉、色々なキノコ、濃いめの味付け 下にはおこげ、ネギ、コーンや生姜。下にはお焦げ。トップにチャービル。
これも安定の美味しさ。この日食べた魯肉飯は台湾で1番高価な魯肉飯でした。

◾︎温製の一品。
薄切りスライスしたイカと昆布とイカの出汁湯引き。
透けるくらいに薄切りされたイカに隠し包丁を入れてお皿に盛り、上には乾燥昆布と緑。そこに熱い出汁を注いでいく。
焼いたスルメイカの出汁ハッキリした味。
昆布もしっかり効いている。
当然温度で霜が降りイカはキュッと丸まっていく。パフォーマンスも素晴らしいが出汁も美味しいし技術力も確かである。

◾︎これはアラカルトだが。
ゆずのドリンク。ソーダ。寒天の皮の手作りライチのキューブ。これも今までにない味。
実に美味しい。

◾︎ヴィアンド。
牛肉。周りの黒い物を確認するの忘れてました。カリカリした食感です。キャベツ薄く切って揚げたチップ。マスタードの泡。薫製キャベツマスタード和え。オイスターのソースマヨネーズの上エストラゴンとパクチー。
ここに来ていきなりフレンチっぽくなって来ました。
さすがの火入れですし、ガルニも海の物と山も物とを合わせる手法でうまくマリアージュして美味しい。マーレモンテ。

◾︎デザート。
台湾茶とデザートを一緒に。
アーモンドアイス。甘い香り。温かいお茶をかける。高野豆腐を削ってかける。
ギュウヒ、カボチャの種、コメふかし、黒ごま、ムギ、トップに軽い塩見がポイント。
これも台湾のお茶と伝統的なアイスの再構築。
日本人が好むかどうかは別として価値と意志があります。味も私は新しい発見もあり、美味しくも感じました。台湾茶も紅茶と日本の新茶の丁度中間のイメージを持ってもらえば良いと思います。

◾︎スターフルーツとレモンソルベ。
あっさりと酸味のあるスターフルーツと爽やかなレモンのソルベのスティック。
最後の〆にも良かったと思います。
台湾はスターフルーツも有名。

◾︎食後のドリンク（別オーダー）。
酸味のあるコーヒー。もちろん挽きたて入れ立て。満足です。

台湾は日本から1時間。気候は日本より南に位置するためかなり温暖。
九州ほどのサイズの国土。そのほとんどが山岳地帯で富士山クラスの山も多い。人口密度も高く、海も近い。植民地の歴史もあり、ヨーロッパや日本の影響も色濃く残っています。海、山、農作物、自国他国多文化。RAWのお料理も台湾の文化の再構築メニューも多く、その辺りも加味しながらお料理を楽しみました。

日本の食材も多く使用されてます。
味はわかりやすいものが多かったイメージ。
値段の割に多皿。味の好みはそれぞれのところももちろんありますが、全体的に強い意志があり独特でオリジナリティ溢れる内容と演出。さすが「このお店に来る為に飛行機に乗る価値がある。」とまで記事になっただけはある。とても特別な内容でした。

サービスも日本語のスタッフも頑張ってくれましたし、他のスタッフもとても愛想も良く丁寧。帰りにキッチンの見学までさせてくれました。

全てに満足です。
ベストレストランランクインするだけはあります。
とても衝撃的かつ刺激的でした。
また予約が取れるものならお邪魔したいです。