もっちり湯圓、ぴろぴろ餛飩、ひらひら客家粄條、ぶりぶり貢丸！ : 榮記客家湯圓

台北から自強號で小一時間、台湾のシリコンバレー・新竹(シンチュー)へ。
台鐵新竹站は、日本統治時期に東京駅を模して建てられた、立派なバロック建築。
駅前の雑踏から、少し西へ行った一角にある「榮記客家湯圓」さんで、旨いご当地麺を食べていこうかと。

そろそろ夕方という午後のひととき、お店はいたってのんびりムード。
でもここは、新竹きっての人気店。
これから、あと１時間もすれば、外に待ち客が溢れるほど、店はごった返すわけです。

入口の脇にカウンターがあって、傍らで麺やワンタンを湯がいたり、鍋を振ったり。
メニューはシンプルでわかりやすいから、なんとなく字面で注文できてしまいます。

「乾餛飩」(TWD50)
茹で上げたワンタンを汁なしでいただきます。
ひらひらの手打ちの皮は、プリプリもちもち！
ここに来たら必ず頼みたい、手作り包みたての定番です。

「貢丸湯」(TWD40)
あっさりスープに揚げた玉ねぎやセロリが。
たまらない香りが漂ってきます。
新竹名物の肉団子スープですが、ここのは特に大きくて、細かく挽いた肉繊維の結着度合いがものすごく強い！

「清粄條」(TWD60)
さすが、屋号に客家を謳っているだけあって、麺の選択に粄條があるのですね。
高雄からバスで小一時間山間に入った「美濃」の客家料理屋で食べた粄條も旨かったけど、此処のものもひらひらもちもち！
お米の香りがするし歯ごたえは良いし、最高に旨いですね。

「清白麺」(TWD55)
コシのある中太の中華麺に、ざっくり刻んだ青葱ともやし、それに肉味噌。
あっさり豚骨でとったスープが美味しいですね。
ふと思ったのが、名古屋めしの一員たる「台湾ラーメン」の原型は、ひょっとしたら此奴ではなかろうかと。

いろいろ食べ終えて、やっぱり貢丸湯の旨さが際立ちました。
たまらず、最後にもう一度、おかわりを！
僅かTWD10で大きな団子ひとつを追加できるから、合理的でいいですね。
こんどは１個追加して、４個入り(TWD50)で作ってもらいました。
噛むとブリブリ！コシが強くてそのくせジューシーで肉の旨味が迸る。
やっばり貢丸は、此処に来たら注文必須の、押しも押されぬ新竹名物です。

夕方からのひととき、台鐵自強號に乗って新竹(シンチュー)へ。
台北から南へおよそ70km、１時間ちょっとの小旅行です。
新竹には、科學工業園區(サイエンスパーク)という先進テクノロジーの研究施設があって、今やハイテク立国・台湾の頭脳とも。
台湾のシリコンバレーと譬えられることもあるのだと。
日本人技術者の出張先としても知られますね。

この街で有名なのが、強い季節風で乾かすことから盛んになった米粉づくり。
それに、強いコシで知られる肉団子。
これらを、新竹城隍廟の中に集まる小吃店で食べ歩くのが、この街の観光にとっても、ハイライトになっています。

駅から城隍廟までは、ゆっくり歩いて15～20分ほど。
道の途中で、目をつけておいた湯圓の旨いお店にまずは立ち寄ってみます。

この「榮記客家湯圓」さん、時間もちょうど夕方とあって、お店の前には人だかりが。
外帯を待つ人たちをかき分け、何とか潜り込んで、混み合うテーブルに相席で失礼！
インチキ中国語で「ブハオイース」(不好意思)なんて言いながら誤魔化したら、お隣さんから日本語で「どうぞどうぞ！」と。
いやいや、参りました。

先ずは、お店の屋号にもなっている、名物的な「湯圓」(TWD65)。
焦がし玉葱やセロリを浮かべたスープに、青菜とともに、白玉みたいな団子が浮かんでいます。
もち米のもっちり団子を齧ると、味のついたとろーり挽肉餡が。
ワンタンや水餃子とは全然違う味わいが新鮮で、これは美味しい。

みんなが頼む「乾麺」(TWD40)。
プリプリに湯がいた中太麺に、粗挽き肉がたっぷり。
甘じょっばい汁に絡んで、これも言葉要らずの旨さです。
此処のは、韮が良い仕事をしていますね。

貢丸湯(TWD40)。
新竹名物の肉団子スープです。
齧るとブリッ！と、凄い密度で結着している弾力と歯ごたえ。
都城隍廟に辿り着く前に、こんなに旨いものに巡り合ってしまって、もうどうしようかと。
この貢丸、麺類などに、ひとつTWD10でトッピングできます。

乾餛飩(TWD50)。
ひらひらの手打ち皮に包まれたワンタンを湯がき、釜揚げ状態でたれをかけたもの。
小葱と甘辛のたれがかかって。
これまた言うことなし、ボリュームも相当ありました。

麻醤麵(TWD40)。
先ほどの乾麺に、芝麻醤(チーマージャン)たっぷりのたれをかけたもの。
胡麻の香りと甘みが存分に溶け込んでいて、このコクがたまらなく旨い。

食べ終わって外に出てみると、日も暮れて賑わいもますます佳境。
次々やってくるお客さんも、食べ終えたお客さんも、みんな笑顔。
この街での絶大な人気ぶりが分かりますね。