日本料理ではなく「Japanese Cuisine」 : namu W RETREAT KOH SAMUI

サムイ島・Ｗリトリートのメインダイニングで、この旅、最後のディナー。『namu』というレストラン。有名な北欧のお店の名前にとても似ていますが、店名は韓国語の「木」から取ったらしい（笑）　でも、こちらは日本料理。

正確には、日本料理を含めたアジア料理の創作ジャパニーズって感じですかね。意外にも、海外で自分から日本料理食べるのは初めてです。ワインセラーには日本酒もいっぱい…なんだけど、南国の日差しのもと、こんなガラス張りで大丈夫なんだろうかと心配。

内装はいたってモダン。いかにも「Japanese Cuisine」という印象。位置皿は和風…っぽい（和風ではない）。カウンター席もあって、料理人が忙しそうに巻き寿司作ったり、握ったり。奥にも厨房があって、煮方とかはそちらっぽいですね。モダンではあるけれど、割烹と精神は同じ？　店内は、この後満席になりましたので、予約をオススメします。

メニューは「Izakaya」とか「Nigiri」「Maki」「Sashimi」とか書いてて、なかなか日本人には面白い(笑)　でも、さすがに海外で生魚を食べる気はしないので、他のメニューから選びます。


まずは、シグネチャーディッシュから、「Kurobuta + Yakitoriand XO sauce」（320バーツ）。どこが日本食なのかと、日本人的にはツッコまざるを得ないほど豚の角煮。醤油のところだけ、確かに焼き鳥ソースだけど、XO醤の風味がありますし。でも、和食らしさの有無をいったん頭から離せば、すごく美味しいです。豚の柔らかさもちょうどいいし、乾物のしっかり入った味わい深いXO風味も絶妙。まあ、中華ですが(笑)

そして普通にご飯（50バーツ）。オーダーする前に、念のために「米は日本米か？」と確かめると「Yes」。いや、別に日本産のコメが食べたい訳ではなく、タイに来てから細長いインディカ米ばかり食べてたので、ジャポニカ米食べたかったんです。別に台湾産でもいいんだけど。いやぁ、やっぱり柔らかいコメは美味しいですなぁ。胃が安心する。意外にふっくら炊けていました。

肉料理はRoasted Duck Breast + Orange Miso （520バーツ）。オレンジ味噌って何ですのん、と思ったけど、そのまんまでした。オレンジと味噌(笑)　でも、意外に合うもんですね。あんまり和食でこういう合わせ方はしない気がするけれど、味噌味なので、意外と和食っぽい。見た目は完全にフレンチですが。アリですな。

もう1品は魚を。Grelled　Salmon ＋Caper Sansho Sauce（600バーツ）。ソースは別添えで最初出てきました。野菜もたっぷりだし、サーモンの焼き加減も完璧。完全に和食の繊細な火入れ。でも見た目と味はフレンチかイタリアンそのもの。でも、やっぱり美味しいのです。しっかり脂の乗ったサーモンを、ケッパーの酸味と山椒のピリ辛が引き締める。これが和食のお店でなければ、手放しで喜べるんですけどね(笑)

デザートは、レストランに来る前、ヴィラの部屋がターンダウンされた際に貼ってあった付箋で、

これを持ってきてくれたら、デザート奢るよ！ by シェフ

とのこと。もともと行くつもりだったから、余計にラッキー♪　せっかくなので、デザートはアウトサイドの席でいただきます。でも、テーブル席は満席らしいので、でっかいチェスの前にあるソファベッド席で。

「ちょっと暗いかな？」と思っていたのですが、言う前に女性スタッフがドヤァと満面の笑みで、大きい灯りを持ってきてくれました（笑）そのデザートは抹茶アイス。海外にしては美味しい方だと思うのですが、妻はそれほどお気に召さなかった模様。確かに抹茶成分ちょっと薄めかもしれないけど。海外では抹茶って高そうですしねぇ。まあ、「奢り」だから文句言うなって感じですが（笑）

食べ終わってベッドにゴロンと寝転ぶと、月と星が。オリオン座をこんなにはっきり見たのは、いつぶりだろう？

タイのラグジュアリートラベル誌でも、ベストレストランに選ばれたりするこちら。海外では高級ホテルの日本料理って、エグゼクティブの食べ物だったりしますしね。その割には値段はリーズナブル。リゾート地だからってのもありますが。

しかし、ご飯が最後に「お食事」として出て来る日本の会席と違って、前菜の後に出てきてくれたおかげで、普通にご飯とおかずを一緒に食べてまして…なんというか、高級店のはずなのに、定食気分で食べてしまう（笑）いや、個人的には落ち着いて食べられて良いんですけどね。海外の和食でのご飯は、フレンチのパンみたいな扱いなのかな？　すごく美味しいんだけど、和食っぽい味ではないし、でも食べ方は定食風？で、不思議な気分でした。

「日本料理」を期待していくと肩透かしを喰らいますが、予めカリフォルニアロール的な、「Japanese Cuisine」として行けば、美味しいのでオススメです。