鮪で魅せる、鮨あらい : 鮨 あらい

銀座は、鮨の世界では厳しい目が向けられる街だ

その中心で、あえて”会員制”という門を設け
「主役は鮪」と言い切る店がある

それが「鮨あらい」だ

暖簾をくぐるとまず感じるのは、
余計な主張を一切排した静謐な空気だ

白木のカウンターに腰をおろせば、
そこからは舞台の始まりだ

主役の鮪が登場する瞬間、空気が変わる

赤身、中とろ、大とろと続くが単なる三段階構成ではない

産地や時期に合わせて選び抜かれた一本が、
熟成、温度、切り方によってまるで別人のように姿を変える

富山産コシヒカリを使った舎利は、粒立ちがよく、酢のキレも程よい

鮪の旨味を前に押し出すための、計算し尽くされた脇役だ
その脇役が見事なくらい主役を引き立てる

ただ、鮨あらいは誰でも予約出来るわけではない。

だが、それは決して排他的な仕組みではない

品質、提供スピード、そして客の集中力、
店と客の双方が最もよい状態で向き合うための仕組みだ

まるで名門劇場が観客の質を守るように、
鮨あらいもまた、食の体験を守るために会員制を設けた

そこにあるのは、”特別扱い”でなはく、
本気の仕事場を作るという経営判断だ

カウンター越しに見る新井大将は、多くを語らない
丁寧で、誠実で、ただ魚と向き合う姿勢だけがそこにある

まるで、昭和の名職人の系譜を現代に持ち込んだかのような、
そんな”粋”が滲んでいるのだ

いろんな鮨屋を食べ歩きして、
群を抜いていると感じた「鮨あらい」

それ以降、ずっと通わせてもらっている

清潔な店内、凛とした空気

落ち着いたリズムで握る新井大将は、
まるで達人のよう

「鮨 あらい」の握りは、いうなれば
「削ぎ落した握り」といったところだろうか

最高の食材に必要なだけの仕事を施し、
シンプルに潔く提供する

だから、新井大将の握りは、
限りなく「ピュア」という印象がある

大将の謙虚さや話ぶりからも、
鮨屋の大将としての志の高さを感じるのだ

いろんな鮨屋を食べ歩きして、
群を抜いていると感じた「鮨あらい」

それ以降、ずっと通わせてもらっている

清潔な店内、凛とした空気

落ち着いたリズムで握る新井大将は、
まるで達人のよう

「鮨 あらい」の握りは、いうなれば
「削ぎ落した握り」といったところだろうか

最高の食材に必要なだけの仕事を施し、
シンプルに潔く提供する

だから、新井大将の握りは、
限りなく「ピュア」という印象がある

大将の謙虚さや話ぶりからも、
鮨屋の大将としての志の高さを感じるのだ

鮨を食べることは、
鮨を握る職人の人となり、
これまでの生き様、
何を考え、どう思い、それをどう握ってきたのか
そのすべてを体験することであると感じている

目の前に出された一貫の鮨は、
その時の一瞬のものに過ぎないが、
長い修行と経験の積み重ねが
その一貫に凝縮されていると思う

僕は、新井大将に敬意を抱きながら、
心して、その一貫をいただくのだ

構築され尽くした完成形の握り
高いレベルで常に大満足させてくれる

まだ通い始めたばかりだが、
これからもずっと通おうという思いは、
まったく揺らぐことがない

鮨あらいの舎利は、とても僕好みだ

酸味が効いていて、且つ切れがよい

現時点で、東京で一番好みの舎利だ

ネタは、大将が懇意にしている山幸から仕入れた
こだわりの極上鮪

豊洲で最上級のものらしい

こだわりの鮪と舎利が織り成す握りは、
一度食べたら忘れられない味になる

新井大将は「銀座久兵衛」「すし匠」など、
名店で長年修業を重ねた本格派

紛うことなき王道の握りで「極上鮨」といっていい

この「極上鮨」は、確かな技術と感性からのみ生まれるのだ


余談

同行した友人が次回の予約をお願いしてみたものの、
現在、新規の予約は受け付けていないとのこと。
およそ5ケ月先までしか予約を受け付けていないが、
常連客の予約で常に埋まっているそうだ。

僕は、鮨が大好きだ

好きが高じて、鮨屋巡りに行っては
鮨職人から最近の鮨のトレンドや様子を
教えてもらったりもする

特に鮪が好きで「鮨あらい」は念願の店だった

”一生食べ続けても飽きない鮨を”

これが「鮨あらい」のコンセプトだ

「鮨あらい」の鮨は、食べ疲れしない
まさに王道の握りだと感じた

洗練された、その普通さこそが好ましい限り

もちろん僕は、鮨をしょっちゅう食べる
そんなことを一年中続けていると
時期や産地、漁の方法に至るまで詳しくなり
それによって味わいも変わるのだと理解する

そうしたことを経験したことで、
鮪の旨さをより深く感じるようになった

鮨好きが「鮨あらい」の鮪は別格だというが
まさにその通りだと思う

鮨マニアが絶賛するのも納得の味わいだった