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The Tabelog Award 2026 Silver 受賞店
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| 店名 |
貴山(きざん)
|
|---|---|
| 受賞・選出歴 |
2026年Silver受賞店
The Tabelog Award 2026 Silver 受賞店 |
| ジャンル | 日本料理 |
|
予約・ お問い合わせ |
03-3527-9120 |
| 予約可否 |
予約可 |
| 住所 | |
| 交通手段 |
三越前駅より徒歩2分 三越前駅から135m |
| 営業時間 |
営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。 |
| 予算(口コミ集計) |
¥40,000~¥49,999
|
| 支払い方法 |
カード可 電子マネー不可 QRコード決済不可 |
| 個室 |
無 |
|---|---|
| 貸切 |
可 |
| 禁煙・喫煙 | 全席禁煙 |
| 駐車場 |
無 |
| 利用シーン |
|
|---|---|
| 初投稿者 | |
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〈ミトミえもん、インスタもやってるよ!「@mitomi_emon」〉
日本料理の世界で「京味」の名を知らぬ者はいないだろう。京都の雅と江戸の粋を融合させ、素材選びから仕立て、器遣いまで一貫した美学で、多くの料理人と食通を魅了し続けた伝説の名店。その最後の板場を任され、暖簾が下りる瞬間まで京味の火を守り抜いたのが、『貴山』の主人・金森氏である。器も椅子も、生産者も、そして味の組み立てまでを引き継ぎ、自らの色よりも“京味を守る”ことを選んだ。その信念は、目の前の一皿一皿から揺るぎなく伝わってくる。
口開けは「笹鰈」と「干しなまこ(ばちこ)」、そして「インゲンの黒胡麻和え」。香ばしさ、凝縮感、滋味の三拍子が揃い、静かに食欲の扉を開く。「芋茎の吉野煮」は京味の代名詞とも言える一品。とろみの中に優しい出汁を閉じ込め、舌と心を同時に温める。
続くのは、鱧の二段構え──皮目を香ばしく締めた「焼鱧」と、花のようにほどける「落とし鱧」。梅肉の紅と醤油の黒、それぞれが鱧の持つ二面性を端正に引き出す。「雲丹のゼリー寄せ」は磯の香りを透明な膜に閉じ込めた夏の宝石、「玉蜀黍の天麩羅」は衣の中から弾ける甘味が、夏の陽射しのように広がる。
造里は「鯛」と「アマテガレイ」。身の張りと旨味の密度が素材の力をそのまま伝える。「牡丹鱧の椀」は、昆布のふくよかな甘味と鰹節の香りが渾然一体となり、京味のエッセンスを強く感じさせる迫力の一椀だ。焼物は「鮎塩焼」。香ばしい皮の奥に潜むほろ苦さが、清流の夏そのもの。「もずくと渡蟹の酢の物」は酸味と甘味の小粋な駆け引き、「賀茂茄子田楽」は雲丹と味噌をまとい、野菜ながら堂々と主役を張る力強さを見せる。
食事は「鯛胡麻和え」の御飯に海苔と香の物、牛肉の時雨煮。ここで思う、かつての名物・鮭腹身の御飯は出ないのかと。聞けば、仕入れ先が廃業してしまったという。だからやらない。その潔さに誠実さが滲む。表層的な模倣ではないことが、ここでもはっきりとわかる。甘味の「葛切」を黒蜜に浸せば、清らかな甘さが全てを包み込む。葛切を作る金森氏の手元が、ふと京味の西氏と重なる。
そして最後、金森氏から「かつての予約表はすべて残してある」と聞き、見せてもらった。その紙面には、最後に京味を訪れたあの日の“見冨右衛門”の名が確かに刻まれていた。胸の奥がざわめく。料理を味わうだけでは届かない、時間を越えた繋がり。味覚だけでなく、記憶も、感情も、この一席に流れ込んでいる。ここは、過去と現在が重なり合い、物語が続いていく唯一無二の舞台。ご馳走様でした。