月輪熊と蟹クリームコロッケに魅了された『晴山』の冬コース : 日本料理 晴山

『日本料理 晴山』さん
訪問日：2025年12月
ジャンル：日本料理
場所：田町駅から徒歩10分程度
席数：26席
食べログ：4.49
食べログ百名店：日本料理 TOKYO 百名店 2025年選出
訪問回数：2回目
予約方法：前回訪問時
予算：約40,000円〜49,999円
支払金額：約43,000円
サービス：素晴らしい
雰囲気：静か
時間：ディナー
イチオシ：越前蟹のクリームコロッケ
再訪：ぜひしたい
おすすめシーン：デート、記念日、会食

『ここが魅力』
★ 出汁と季節の食材を軸に、温度や香りの段階がはっきりしたコース構成で、
最初から最後まで集中して楽しめる。

★ 地下へのアプローチから店内まで、静かで落ち着いた空間づくりが徹底されていて、
料理に向き合える環境が整っている。

★ 一皿ごとの仕上がりとサービスの質を高い水準で維持しているところ。

『店舗説明』
日本料理 晴山は、
港区三田のビル地下に構える完全予約制の日本料理店です。岐阜の名店たか田八祥で修業を重ねた山本晴彦さんが、2011年に独立して開いたお店で、開業以来、出汁と季節の食材にこだわった日本料理を提供し続けています。地下へ降りる階段、石畳のアプローチ、扉の先に広がるカウンターとテーブル席。その流れが、日常から少し離れて食事に集中するための導線になっていると感じました。席間もゆとりがあり、隣席の会話が気になりにくい距離感で、静かに料理と向き合えます。ドリンクは日本酒、焼酎、ワインが幅広く用意され、料理の構成に合わせてペアリングを楽しむこともできます。サービススタッフの人数も十分で、グラスの様子や料理の進行を自然に見てくれているので、こちらから声をかけることなく快適に過ごせました。

『今日のイチオシ』
●越前蟹のクリームコロッケ
冬の楽しみとして期待していた一皿です。衣は薄く、きれいに揚がっていて、フォークを入れると中から蟹の香りがしっかり立ち上がります。中身はクリームよりも蟹そのものを感じる濃さで、身の存在感があります。口に入れると最初に蟹の風味が広がり、そのあとにクリーミーな舌触りと玉ねぎの甘さが続き、最後に衣の香ばしさが残ります。量も適量で、コースの中盤で気持ちがぐっと高まるポイントになりました。

『料理内容』
写真を参考にしてください。

●黄芯白菜と河豚の擦り流し

●トラフグのたたき
薄く引かれたトラフグに、あん肝、もみじおろし、刻んだフグネギ、長芋が組み合わさっています。トラフグ自体は繊細な味わいですが、あん肝が加わることで、口の中にしっかりとしたコクが生まれます。もみじおろしの辛味と酸味が全体を締め、長芋のしゃきっとした歯触りが軽さを与えてくれます。一口ごとに、フグの旨味、あん肝の濃さ、薬味の爽やかさが順番に感じられる構成で、日本酒が自然と欲しくなる一皿でした。

●白甘鯛と海老芋

●鰤

●ハリイカの中カラスミ和え

●香茸と白子の飯蒸し

●岐阜県鴨
岐阜の鴨の胸肉を自分で石で焼くスタイル。
脂はくどさがなく、香りも上品でした。薬味と酢、赤山椒、醤油が添えられていて、一口ごとに組み合わせを変えられます。赤山椒を少し効かせると鴨の脂の甘さが際立ち、酢を合わせると味わいが軽くなります。醤油を少量つけると、鴨の旨味に輪郭が出て、お酒にもご飯にも合いそうな印象でした。一皿のなかで味の変化を楽しめる構成です。

●越前蟹のクリームコロッケ
イチオシとして挙げた一皿です。揚げたてで提供され、衣は薄く、噛むとさくっとした軽い食感です。中には越前蟹がたっぷりと使われており、一口目から蟹の香りと旨味を強く感じます。中身はとろとろになりすぎず、蟹の身の存在感が残るように仕上げられていて、噛むほどに味わいが続きます。玉ねぎのソースは甘さとコクと酸味があり、蟹の風味を邪魔せずに全体をまとめてくれます。コースの中でも特に記憶に残る一品でした。

●月輪熊のしゃぶしゃぶ なめこ、九条ネギ
メインとして供された月輪熊のしゃぶしゃぶ。薄切りの熊肉を出汁にくぐらせていただきます。短めの火入れで仕上げると肉は柔らかく、旨味がしっかりしていますが、重さを感じさせないバランスでした。出汁には熊の脂の旨味となめこのぬめり、九条ネギの香りが重なり、飲むごとに深さが出てきます。終盤になると出汁自体がさらにおいしくなり、そのままスープとしても満足感のある味わいでした。冬の夜に合う力のある一皿です。

●香箱蟹と蕪の土鍋ご飯
締めは香箱蟹と蕪を使った土鍋ご飯。土鍋の蓋が開くと、蟹の香りと炊きたてご飯の香りが一気に広がります。ご飯は一粒一粒が立っていて、香箱蟹の内子や外子の食感がアクセントになっています。蕪は柔らかく、優しい甘さで、蟹の旨味を受け止めています。

●とちあいかとゆり根のアイスクリーム


『まとめ』
今回の晴山での食事は、冬ならではの食材の力を感じさせながらも、重さを抑えた構成で印象に残りました。価格帯は高めですが、料理の内容、空間、サービスを含めて考えると、特別な日の選択肢として納得感のあるお店だと感じます。次は季節を変えて、春や夏のコースも体験したいと思いました。

ご馳走様でした！！！

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
皆さまからの「いいね！」や「お店を保存」、
本当に嬉しく思います。
日々の励みになっていますので、
これからも応援していただけると幸いです。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございます。
コメントもお気軽にどうぞ。
できる限り返信させていただきます。
少しでも皆さまのグルメ探しの参考になれば嬉しいです

【ここが魅力】
★季節の移ろいを五感で味わえる、繊細かつ力強い料理の数々

★名店でありながら、どこか懐かしく心和む温もりある接客と空間

★酒好きの心をくすぐる絶妙なペアリングと、丁寧に選ばれた銘柄の数々

【お店の説明】
三田の閑静な住宅街に佇む「日本料理 晴山」。
都心とは思えない静けさに包まれた場所にあり、まさに“特別な食の時間”にふさわしい空間。店主の山本晴彦氏が手がける料理は、懐石の技を基礎にしながらも、自由な発想と素材への敬意が溢れた構成。どの皿も決して派手ではないが、深く、澄んでいて、思わず心が静かになるような力がある。まるで茶室に座して一椀を啜るような、日本料理の本質を感じられる場所だ。

【食べログ】
4.42

【食べログ百名点、食べログアワード受賞歴】
日本料理 百名店 2024年選出
食べログアワード GOLD 受賞

【営業時間】
12:00〜15:00
18:00〜23:00

【定休日】
日曜・祝日

【席数】
24席（カウンター8席、テーブル16席）

【立地】
都営大江戸線 赤羽橋駅より徒歩約8分、白金高輪駅からも徒歩圏内。落ち着いたエリアで、静寂の中に店構えが映える。

【予算】
約35,000円〜45,000円

【雰囲気】
外観は控えめで落ち着いた佇まい。
中に入ると、檜の清々しい香りに包まれたカウンターと、穏やかな照明が心を落ち着かせる。年齢層は40代以上の方が多く、記念日や接待などで訪れている印象。とはいえ、スタッフの温かい対応もあり、緊張感はなく、心地よい空気感が広がっていた。

【サービス】
料理の提供タイミング、所作、会話の距離感、どれもが絶妙。無駄な動きや言葉が一切なく、料理と向き合う時間を大切にしてくれる。お酒の相談にも丁寧に対応していただき、料理に合わせて数種の日本酒を提案してくれたのが嬉しかった。

【料理について】

●京都舞鶴の岩牡蠣と浜松の新玉ねぎ
まず立ち上る磯の香りに心がほどける。大ぶりの岩牡蠣はぷるんと瑞々しく、口いっぱいに海のミルクが広がる。その濃厚さに寄り添うように、新玉ねぎの甘みと瑞々しさが一体となり、初夏の景色を皿の上で感じさせてくれる。

●じゅんさい
つるりとした口当たりと、静かに弾むような食感。つゆの上品な旨味とともに、暑さを忘れさせる涼やかさがある。じゅんさい自体が主役となり得るということを、改めて感じさせてくれる一品。

●淡路産ハモ 梅ソース インゲン
火入れが完璧な鱧は、ふっくらとした身に脂がのり、梅の酸味でその旨味が際立つ。インゲンの食感と青みが、全体のバランスを整え、見た目も涼やかで品がある。夏の和食の王道を再確認できる完成度。

●鮑うどん 雲丹乗せ
まるでご褒美のような一皿。柔らかく煮られた鮑の滋味深さに、雲丹の甘みが重なり、冷たく締められたうどんのコシとともに口の中で一体となる。思わず目を閉じて噛みしめたくなるような幸福感に包まれた。

●栃木県産茄子と佐賀牛シャトーブリアン 餡掛け 実山椒
茄子のとろりとした食感と、シャトーブリアンの柔らかさが絶妙にマッチ。実山椒のピリリとした香りがアクセントとなり、脂の旨さを引き締める。懐石の流れにあって、ここで肉が登場することの意義が明確に伝わってくる。

●鷹ヶ峰唐辛子と毛蟹の挟み揚げ
唐辛子の香りと毛蟹の甘さが、サクッと軽やかな衣に包まれている。熱々の中に素材の味がしっかり閉じ込められていて、口に含んだ瞬間の香りが何よりも印象的だった。

●にたり鯨のお出汁 油揚げ、ねぎ
懐かしさと新しさが同居する味わい。にたり鯨の脂がじんわりと広がり、油揚げとねぎがその旨味を受け止める。お出汁の優しさが身体の芯に染み渡り、ここまでの皿を柔らかく包んでくれるようだった。

●トキシラズの炊き込みご飯
香り立ちが素晴らしい。脂ののったトキシラズがほぐされ、ひと粒ひと粒に旨味が行き渡っている。季節を象徴するような炊き込みご飯で、食事の終わりを飾るにふさわしい存在感があった。

●マンゴーと和三盆のアイス
濃厚で完熟したマンゴーの甘みに、和三盆の上品なコクが重なる。キンと冷えた口当たりが心地よく、最後まで余韻を楽しませてくれる。

【今日のイチオシ】
この日特に印象に残ったのは「鮑うどん 雲丹乗せ」。鮑の弾力と深い味わい、雲丹の濃厚な甘さ、そして清らかな出汁としっかりとしたうどんの存在感。すべてが調和し、暑い夏の中で感じる涼と旨味が一体となった奇跡のような一品だった。

【ドリンクの種類】
ドリンクメニューは、
日本酒を中心に、焼酎やワイン、ビールまで揃う。特に日本酒は全国の銘柄を季節ごとに入れ替えており、料理に合わせた提案も的確。人気銘柄も含まれており、日本料理との相性も抜群。お酒が好きな人にとってはたまらないラインナップ。

【再訪】
晴山はぜひまた訪れたいお店。料理はもちろん、空間の静けさ、接客の丁寧さ、そして一皿一皿に込められた温度を思い返すたびに、自然とまた足を運びたくなる。季節ごとの食材の表情を、この店で体験してみたいと思う。

【まとめ】
日本料理 晴山でのひとときは、
見た目の派手さではなく、舌の記憶に残る深みがあり、訪れるたびに日本料理の奥深さを再認識させてくれる。料理・空間・人、すべてにおいて丁寧で、清らかな気持ちになれる。百点満点の評価を迷いなく贈りたい名店。

このレビューを見ている皆さんにも、是非とも訪れてもらいたいお店です。

ご馳走様でした！！！