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エスコフィエからラムジーへ ロンドンの伝統を継承する紳士・淑女のレストラン
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グールマン
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| 店名 |
Savoy Grill
|
|---|---|
| ジャンル | フレンチ |
|
予約・ お問い合わせ |
(+44) 02074202111 |
| 予約可否 |
予約可 |
| 住所 |
イギリスSavoy Hotel, Strand WC2R 0EZ London |
| 営業時間 |
営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。 |
| 予算 |
¥30,000~¥39,999 ¥20,000~¥29,999 |
| 予算(口コミ集計) |
|
| 支払い方法 |
カード可 |
| 個室 |
有 |
|---|---|
| 駐車場 |
有 |
| 利用シーン |
|
|---|---|
| ロケーション | ホテルのレストラン |
| お子様連れ |
子供可 |
| ドレスコード | スマートカジュアル |
| ホームページ |
https://www.thesavoylondon.com/ja/restaurant/savoy-grill-restaurant/ |
| 初投稿者 |
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私はロンドンに来ると、夜はベイズウォーターあたりに潜って、ギリシャ料理やインド料理など様々な国の料理を楽しむことが大好きだ。
別によく言われているように、イギリスは料理が不味いなどと思っているわけではないが、フレンチやイタリアンなどの中でも高級と言われるレストランには特別に美味しい店はないと個人的には思っている。
でも、イギリスの高級レストランには独特の雰囲気があってとても好きだ。
その最も典型的な例が、ローストビーフで有名な「シンプソンズ」。
そこでは「ロ-ストビーフ」だけを食べて「美味しいか不味いか」を論じるのは「愚の骨頂」。
中には「普段、霜降りの神戸和牛を食べている私たちには・・・。」などという似非グルメのちんぷんかんぷんなコメントが書かれていることもある。
「シンプソンズ」には、フレンドリーなサービスな中にも、どんなわがままでも聞いてくれるプロ意識の塊のようなギャルソンが大勢いる。
そして、こちらが紳士的な振る舞いをすれば、彼らもとことん私たちを気持ちよくさせてくれる。
例えば、ローストビーフのおかわりの際、肉の種類や焼き方はもとより、食べたい場所(中心とか端とか)やその形状とか・・・、時には新しい肉の塊を持ってきて目の前でナイフを入れることまでやってくれる。
何か質問をすれば、時にはユーモアを交えながら理解できるまで付き合ってくれる。
女性を連れてゆけばそのエスコートは完璧。
私たちは店を出るときには気分は完全に「紳士」と「淑女」になっている。
このサービスのスタイルは通称「サヴォイスタイル」と呼ばれている。
そう「シンプソンズ」も、あのセザール・リッツ(『ホテル・リッツ』の創始者)が確立した「サヴォイホテル」の伝統を受け継いでいるレストランなのだ。
その「サヴォイホテル」の中にある「ザ・サヴォイグリル」も当然その伝統を受け継いでいる。
初代の料理長は、あのオーギュスト・エスコフィエ。
現在、料理の監修をしているのはゴードン・ラムジー。
ただ、チェルシーの「ゴードン・ラムジー」とはメニューは全く違って、昔からの定番メニューがその大半を占めている。
でも、名物の「スモークサーモン」などは来るたびに見せ方が変わっているのがゴードン・ラムジーらしいといえばらしいのだが・・・。
私はここでよく食べるのは「スモークサーモン」と「ドーバーソール」。
おそらくここに来る人の3割以上が食べるというスペシャリティ。
肉を食べるなら「シンプソンズ」でローストビーフを食べるから魚を食べるのかもしれない。
特に「ドーバーソール」はそのサイズ感といい焼き加減といい素晴らしいとしか言いようがない。
ここで食べたらほかで食べようとな思わなくなったほどだ。
でも今日は、あえて店イチオシの「ビーフ・ウェリントン(牛フィレのパイ包み焼)」にした。
元々「パイ包み焼」が好きなこともあるが、会食相手がイギリス人なので「ドーバーソール」は食べ飽きていると思ったから。
この日のメンバーは冗談の好きなとても陽気な人たちで、私たちは席に着いた時からすでに会話が盛り上がっていた。
それを察知したギャルソンが言った。
「『アペリティフ』は食事の前にしますか後にしますか?」
「どちらがお薦めですか?」
「後でも悪くはないかと・・・たぶん・・・」
「では今は『キールロワイヤル』をカシス抜きでお願いします」
「かしこまりました」
日本語に直すとまるで『親父ギャグ』のようだが、これは英語でもとびきりくだらない冗談だ。
当然ながら、しばらくすると我々の前には「スパークリングワイン」が運ばれてきた。
我々は「オオッ!」と声を上げたが、相手のひとりは何のことだか分らなかったらしい(笑)
こんな調子で始まった我々の会食はとても和やかな雰囲気で進んでいった。
前菜の定番「スモークサーモン」も相変わらず美味しい。
また見た目は変わっているものの定評ある味は変わらない。
「シーフード・ビスク」も「シンプソンズ」のロブスターのビスクに比べると上品な味わい。
そしてメインの「ビーフ・ウェリントン」。
目の前で切り分けてソースを仕上げてかける演出もいかにも英国らしくて良い。
厚さ(量)の希望を聞いてくれるのも「シンプソンズ」と同様。
特別ではないもののやはり「パイ包み焼」は美味しい。
この間、入店当時は少なかった客がどんどん入店してくる。
やや年齢層は高いものの、皆着飾っていて自然と店の中に華やぎが生まれる。
本物の高級レストランの証明だ。
その時、くだんのギャルソンがまたやってきた。
「何か『お酒』をお持ちしますか?」
「食後の『食前酒』ですか?」
「はい、でも食後なので『食後酒』と言います」
「では混ぜ物のないスコッチを」
「氷砂糖も要らないのですか?」
「砂糖抜きでお願いします」
「では多めにお持ちします」
こういうくだらない掛け合い(やはり日本語訳ではダメですね)は大好きだ。
ギャルソンも私の答えを予測して安心して仕掛けてきているのがわかった。
とても刺激的で居心地が良い。
会食の相手もとても楽しんでくれたようで、次回は「私たちが招待します」と言ってくれた。
このコベントガーデン周辺にはここや「シンプソンズ」の他に、ロンドン最古の高級レストランといわれる「ルールズ」等もある。
私は、自分が「紳士」である事を確認するため、そして「心」をリフレッシュするために、ロンドンを訪れたら必ず一度はこの地を訪れるようにしている。