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銀座四丁目交差点に在り、テラスから和光の時計台を眺められる素晴らしい立地。料理は全般的にプレゼンテーションが練られており、素材や食感の対比が良く考えられている。現代的に軽くても印象に残る味。 3回目の訪問。 L'ARGENT(ラルジャン)は銀座四丁目交差点に在る。立地も料理も素晴らしい。 内装の基調色は黒と灰色と白。禁欲的な内装に花が華やかさを与えている。現代的な高級感に溢れる内装だ。 アミューズ ブーシュ的な品が二皿。先ずは、ムール貝をペーストに閉じ込め、焼いた生地で包んだ品。柔らかいペーストと生地の軽い食感の対比が見事だ。 ゴールドラッシュというトウモロコシの品種から作ったパンケーキみたいな品。白鱒の筋子を添えている。ホッコリとした柔らかい食感。 子羊のスペアリブという変化球。何と味噌や黒胡椒などで味付けしてある。下世話に寄りながらも洗練とした味わい。 メレンゲに閉じ込めた牡丹海老は、上品な甘味。胡瓜やディルの青臭さが変化を付けている。メレンゲの食感は儚い。 フォアグラは普通のそれとは異なる。掛川茶のソースとの組み合わせにより、しつこさを感じさせず、適度にネットリとした味わいだ。 ここで自家製のパンが出てくる。蒸した上で焼いており、中身はフワフワだが、外側はカリッとしており、単なる添え物でなく、料理としても成り立つようなものだ。 シェフのスペシャルテだという発酵マッシュルーム。薄切りにした生のマッシュルームを、ソースの上に浮かべている。このソースは発酵させたマッシュルームに卵を混ぜており、香りと食感が良い。 明石の蛸を揚げた生地で包んだ品。蛸の程よい弾力感と、生地の軽い食感との対比がとても良い。付け合わせのジャガイモは丁寧に漉してある。 鴨は焼き方が適切で、蜂蜜で少し甘味を付けたソースも美味しい。鴨にオレンジで甘味を付ける手法はしばしば見られるが、蜂蜜で甘味を付けるという手法が斬新。 スプマンテで覆った、口直しのパッション フルーツ。強烈な酸味と爽やかな甘味。冷やした温度感も適切。 マンゴーのデセールは、果肉、アイスクリーム、ソースそして下に敷いたフレンチ トースト風の生地の多重奏。 食後のお茶の際にはテラスに移動した。対角線上に和光の時計塔が見える景色は贅沢だ。 料理は全般的にプレゼンテーションが練られており、素材や食感の対比が良く考えられている。現代的に軽くても印象に残る味だ。接客は親しさを感じさせつつもプロフェッショナル。 立地、内装、料理、接客の全てが高い水準にある店だ。 2回目の訪問。 L'ARGENT(ラルジャン)は銀座四丁目交差点に在る。立地も料理も素晴らしい。 内装の基調色は黒と灰色と白だが、床は明るい茶色で、単調にはなっていない。テーブル クロスは無いものの、現代的な高級感に溢れる内装だ。 コースは品数に応じて二種類有り、我々は品数の少ない方を選んだが、少食の僕にとってはこれで十分だった。ワインはお任せのペアリングにした。アミューズ ブーシュとミニャルディーズの際に、シェフが挨拶に来てくれた。 菊芋のアミューズ ブーシュは、極限まで薄く揚げた皮の内側にネットリとしたペーストが盛られて、その上に削ったトリュフが掛けられている。食感の対比が素晴らしく、少量ながら印象に残る。 マリネしたカンパチは、上に薄く削った青リンゴを載せ、更に山葵などを練り込んだソースが掛かっている。様々な食感と味の組み合わせが見事。 パテアンクルートは、一転して古典的な味。美味しいが、他の皿に合わせて、もう少し現代的に料理しても良かったと思う。 ここで自家製のパンが出てくる。蒸した上で焼いており、中身はフワフワだが、外側はカリッとしており、単なる添え物でなく、料理としても成り立つようなものだ。 シェフのスペシャルテだというマッシュルーム。薄切りにした生のマッシュルームを、ソースの上に浮かべている。このソースは発酵させたマッシュルームに卵を混ぜており、香りと食感が良い。 クロムツは皮を微かに焦がした焼き方が見事で、シェリー ヴィネガー ソースが味にアクセントを付けている。添えた野菜は美味しくかつ美しい。 ホロホロ鶏は淡白になりがちな素材だが、トリュフ ソースが味に深みを与えている。少しレアな感じを残した焼き方も見事。 ラム レーズンのデセールは、液体窒素で粉状にしたホワイト チョコレートが掛かっている。適度に濃厚でありつつ食感が軽く、出色の出来だった。 お茶とミニャルディーズを楽しむ祭は、テラスに移動した。気温は若干低かったが、コートを羽織り、電気ストーブも付けてもらったので、和光の時計を眺めながら寛げた。 料理は全般的にプレゼンテーションが練られており、素材や食感の対比が良く考えられている。現代的に軽くても印象に残る味だ。接客は親しさを感じさせつつもプロフェッショナル。 立地、内装、料理、接客の全てが高い水準にある店だ。 L'ARGENT(ラルジャン)は銀座四丁目交差点に在り、素晴らしい立地だ。1年程前までティエリーマルクス東京店が在った場所だが、居抜きでなく、内装は完全に新調している。2020年12月に開店したが、その直後にコロナ ウィルスの第二次緊急事態宣言が発出され、多難な出だしとなってしまった。 内装の基調色は黒と灰色と白だが、床は明るい茶色で、単調にはなっていない。テーブル クロスは無いものの、現代的な高級感に溢れる内装だ。料理はお任せのコースで、ワインもお任せのペアリングにした。 アミューズ ブーシュの一皿目は、薄い生地の上にアオリイカやキャビアを載せたもの。生地の軽い食感とアオリイカのねっとりとした食感の対比が良く、微かな塩味の塩梅も見事だ。 アミューズ ブーシュのニ皿目は、 サブレに挟んだ鶏のムース。ムースの滑らかな喉越しに対して、サブレの食感は恐らく意図的に粗くしてある。 三皿目はうすい豆という豆を使った料理。一皿の中に、軽く茹でた豆と、豆から作った滑らかなソースと、豆を衣のように揚げた部位が入っており、豆の様々な味や食感を楽しめる。 四皿目は、鯛のマリネに粉末状にした緑色の野菜を添えている。詳しく訊かなかったが、鯛は恐らく昆布か何かで締めており、深みのある味だ。 ここで自家製のパンが出てくる。蒸した上で焼いており、中身はフワフワだが、外側はカリッとしており、単なる添え物でなく、料理としても成り立つようなものだ。 五皿目は、シェフのスペシャルテだというマッシュルーム。薄切りにした生のマッシュルームを、ソースの上に浮かべている。このソースは発酵させたマッシュルームに卵を混ぜており、香りと食感が良い。 六皿目は、リドヴォー(仔牛の胸腺)。リドヴォーの揚げ方が見事。 七皿目は、ソテーした平目をパイ生地で包み、野菜から作った色鮮やかなソースを添えている。パイ生地は極めて薄く、ソースもとても良い。 八皿目は羊。一見単にローストしただけみたいだが、中にニンニクを練り込むなど、芸が細かい。肉汁から作ったソースも丁寧な仕事振り。 デセールの一皿目は、ヨモギを粉末状にしている。上品な甘みと軽い食感。 デセールの二皿目は、チョコレート。驚くほど大きいが、液体窒素を使って膨らませているので、しつこさは感じず、アッサリと食べられる。添えた苺のソースも上質だ。 お茶とミニャルディーズを楽しむ祭は、テラスに移動した。気温は若干低かったが、コートを羽織り、電気ストーブも付けてもらったので、和光の時計を眺めながら寛げた。 料理は全般的にプレゼンテーションが練られており、素材や食感の対比が良く考えられている。現代的に軽くても印象に残る味だ。接客は親しさを感じさせつつもプロフェッショナル。 立地、内装、料理、接客の全てが高い水準にある店だ。
2023/07訪問
3回
立地、内装、料理、ワイン、接客の全てが高い水準
2020/02訪問
1回
長島は白金の鮨屋だ。 とても美味しく、かつ、現在の東京の水準を鑑みると料金は割安だ。 8人掛けのカウンターのみ。夜の2回転制の2回目に臨んだ。 魚介類の摘みを何品か供した後に、握りを供するというスタイル。品数が多いので全般的な感想のみ。 種の質は高く、白身や青物は弾力感を感じさせる。摘みの鰹などは微かな燻製香がアクセントを与えている。舎利は、硬さや酢の利かせ方が適切で、良いと思う。 大将は一見怖そうだが、実は話好き。この日は我々を含めて初訪問の客が大部分で、最初のうちは客席に緊張感が有ったが、大将が話好きと判ってきたら、雰囲気が和やかになった。 公共交通で訪れるのは不便で、最寄りの白金高輪駅からも12分掛かる。この立地ゆえか、味の水準を鑑みると料金は割安で、予約も取りやすい。再訪したい。
2025/11訪問
1回
Metis 六本木は、六本木に在る薪焼きのフランス料理店だ。 店の構造は複雑で、1階にカウンターと客席、2階に厨房が有る。下ごしらえは2階の厨房で行うが、薪焼きと盛り付けは1階のカウンターで行い、そのままシェフが客に皿だしする。 Amuses・Bouches/食の始まり 爽やかなメロンのガスパチョ。鰹は薪で香りを付けている。鮎は、味の組み立ては鮎と内臓と胡瓜という定石に沿ったものだが、素材をいったんパテにして練り込んで独特な食感にしており、出色の出来だった。 Secret../ひみつの…. 饅頭の中にフォアグラが入っている。 Thon de " Chu toro" d'Ehime cuit à la bâche avec Légumes de saison 愛媛県產 本鮪中卜口 薪燒 旬野菜 鮪は良質で、野菜は瑞々しい。何気ないが美味しい一皿。 Beignet d'Artichaut de France et Crevette tigrée de Kagoshima à la bûche Mascarpone, Caviar Osciètre et Pousse de Coriandre sauce Bisque de Crevette フランス産アーティチョーク 鹿児島県産車海老焼 福岡県産マスカルポーネ オシェトラ・キャビア マイクロコリアンダー ビスク これは凝った一皿だ。アーティチークと車海老という意外な組み合わせが効果的だ。車海老から取ったと思われるビスクも濃厚で、全体的に味に凝縮感がある。 Filet de Poisson Savre cuit au charbon avec Fèves sauce Lie de Saké aux Paloudes et à l'Aneth 千葉県竹岡産釣り太刀魚蚕豆 福光屋酒造大吟醸酒粕 九十九里浜産蛤ディル 太刀魚は淡白な素材で、フランス料理で使うのは難しい。無理に味を重ねるのでなく、薪で香りを付けて、淡白な素材に自然に変化を付けている。蛤は、適度な弾力感の絶妙な食感だ。酒粕を用いたソースは、主張は強くないが、滋味あふれる味わい。和食とは異なる手法で太刀魚の魅力を引き出している。 Carré d'Agneau de Sistron, France cuit à la bûche Fèves au Riz malté et au Piment フランスシストロン産仔羊背肉寿焼 発酵蚕豆 主菜の肉は幾つかの選択肢が有り、僕は羊を選んだ。シンプルに焼いてソースを添えたものだが、素材も焼き方もソースも見事だった。 Risotte de riz Carnaroli au Pot-au-feu de Langue de Wagyu fumé avec Truffes noires australiennes イタリア産カルナローリ米 黒毛和牛タン燻製ポトフ オーストラリア産黒トリュフ 締めの感覚でリゾットが出される。牛タンもとても良く、トリュフの香りと相まって、満足のいく締めくくりだった。 Granité à la Prune verte et au Shiso rouge avec compote de Prune et Fleur de Shiso 和歌山県産青梅”パープルクイーン” 赤紫蘇 花穂紫蘇 口直しのグラニテ。紫蘇の花を散らすのは、かなり手間が掛かっていそう。 Mangue bien mûre et Fruit de la passion Sorbet à la Noix de Coco, Piment d'Espelette, Citron vert 宮崎県産マンゴー 沖縄県産パッションフルーツ ココナッツ ピマンデスペレット ライム デセールも印象的だった。甘みと酸味が複雑に組み合わさっている。メレンゲには唐辛子も掛かっており、辛さのアクセントも加わっている。 お茶菓子も上質なもの。 シェフは薪焼きと盛り付けに専念しており、他の下ごしらえは部下が担当している。薪焼きの台は滑車で高さが調節でき、シェフは台の高さを頻繁に変えて火力を調整している。その点について食後にシェフに聞いてみたら、「これ(台の高さを変えて火力を調整すること)が無いと、単にキャンプファイアになってしまうので...」と矜持を感じさせる返事。 薪焼きを多用しつつも、味わいは単調になっていない。異なる素材や食感を組み合わせる構成能力が高く、薪焼きが無くても美味しい料理に、更に薪焼きが魅力を重ねるという感じだ。開業して1年でミシュランの一つ星を取ったのも納得する水準の高さ。
2025/06訪問
1回
apothéose(アポテオーズ)は、虎ノ門ヒルズ ステーション タワーに在るフランス料理店だ。 エレベーターを何回か乗り換えて最上階まで登ると、観賞用のプール越しに、息を飲むような夜景が広がる。この時点で気分が上がる。 内装は白を基調としたシックなもの。天井が高く、開放感がある。テーブル10卓と個室。メニューの各皿には詩的な名前が付けられている。 旅のはじまり 秋の詩 フランスが誇る...ジャガイモなのに 3種類のアミューズ ブーシュ。グジュールのしっとりとした食感。クレープ状の生地にほうれん草で味付けするなど、芸が細かい。プレゼンテーションも斬新。 森の恵み 蝦夷鹿 葉山椒 木の子とコンソメ スープ。コンソメには鹿の旨みが凝縮されている。葉山椒の微かな辛さが、味にアクセントを与えている。 主役が逆に 佐々木ファームのキャベツとキャベツ キャベツなどのパイ包みと甲殻類のソース。普通なら主役となる甲殻類をソースとして使っているから「主役が逆に」と題されている。パイ生地のさっくりとした感触に技量の高さが伺われる。ソースの香りに陶然とする。 根セロリの可能性 函館帆立 青柚子 シプレットオイル 根セロリや帆立貝を細かく組み合わせている。ソースの酸味が心地良い。 大地と海の共鳴 牛蒡 菊芋 函館白子 コヤリイカ 多様な食材をまとめ上げて、複雑な味を生み出している。 十勝 食肉料理人集団の魂 野菜マスター達からの贈り物 上質な鹿肉を適切な火入れで。添えた野菜も美味しい。 米ミネラル ここで意外な一皿が。シェフが前週に焼き鳥屋を訪れた際に締めの麺が気に入って、急遽メニューに付け加えたそうだ。素麺みたいな食感の麺を元に、オリーブ油で味に捻りを加えている。 山のこくわ こくわ ピンクグレープフルーツ ローゼル 新生姜 「こくわ(猿梨)」という食材を食べるのは初めてだが、キウイに似た果物だそうだ。「こくわ」やグレープ フルーツなどを、凍らせて細かく砕いたり、アイスクリームにしている。デセールながら、生姜の辛味がアクセントとなっている。 ほろ苦い余韻 キャラメルワールド かなり濃厚なキャラメル。複数のデセールの中で、淡白な味から濃厚な味へ繋がる流れを生んでいる。 お茶に添えられたチョコレートも良かった。 シェフは青山の高名なイノベーティブ系フランス料理店でキャリアを開始し、その後10数年間フランスで働いていたそうだ。パリのある店でシェフに就任して、2019年にミシュランの一つ星を獲り、2023年に当店のシェフとなるべく、スーシェフとパティシエとソムリエを伴って日本に戻って来た。 給仕達の制服はベージュ色で足元はスニーカー。シックな店ながら、接客は適度に親しげ。 料理は多様な食材の組み合わせが良く練られている。立地、料理、接客とも高い水準にある。開店して1年でミシュランの一つ星を獲ったのも納得。
2024/12訪問
1回
古典の基礎を踏まえながら現代的な凝った料理
2024/11訪問
1回
L'ARGENT(ラルジャン)は、かつて銀座四丁目交差点に在ったが、去年霞ヶ関に移転した。前の店舗を含めると通算4回目の訪問。 新店舗は、長いカウンターとテーブル2卓に個室1室。カウンターも客の間には十分余裕が有る。天井が高く、黒や灰色を基調色とした内装はシック。クラブ ミュージックがBGMとして流れている。 先ずは、デンマークのエブルスキーバーという品。チョウザメを傷つけずに採卵するサスティナブルキャビアとワサビの組み合わせをパンケーキで包んでいる。ワサビの鼻に抜ける微かな辛さが心地良い。 ニシンのマリネは脂が乗っている。 静岡県の地金目は昆布締めにし、皮を炙っている。更に梅のジュレや、液体窒素でパウダー状にしたホースラディッシュも添えられ、複雑な味となっている。 フォアグラは普通のそれとは異なる。掛川茶のソースとの組み合わせにより、しつこさを感じさせず、適度にネットリとした味わいだ。静岡産の食材が多いのは、シェフの出身地だから。 シェフのスペシャルテだという発酵マッシュルーム。薄切りにした生のマッシュルームを、ソースの上に浮かべている。このソースは発酵させたマッシュルームに卵を混ぜており、香りと食感が良い。 鹿児島県の赤座えびは、杉の木で包んで香りを移している。ソースは、シーバックソーンという柑橘類を使い、微かな酸味が有る。多彩な味や香りの要素が、絶妙のバランスを保っている。 和歌山のマナガツオは、香ばしく火を入れている。レモンをアクセントに、マグロの出汁と合わせている。付け合わせのズッキーニ(?)は、緑色と黄色が折り重なり、色彩設計も考えられている。 主菜は豚のスペアリブ。濃厚な旨味の赤身と、非常に融点が低い脂を合わせ持つ素材。脂身はしつこさが無く、美味しく食べられる。かなり攻めた品だが、肉で個性を出せる店は少ないので、こういう試みは良いと思う。 一つ目のデセールは、種子島のパッション フルーツと月桃に、泡状のソースを載せている。この店は酸味の使い方が上手い。 二つ目のデセールは、アイスクリームと蜂蜜の組み合わせ。食用花が添えられている。スタッフが花を盛り付けている様子がカウンターから見られるが、気が遠くなるような細かい作業だ。 食後の飲み物が何種類か有り、緑茶を選んだ。良いお茶だろうが、抽出をもう少し薄くした方が良いと思う。お茶菓子も上質。 カウンターを活かして、シェフが直接接客するスタイルに変わった。 料理は全般的にプレゼンテーションが練られており、素材や食感の対比が良く考えられている。現代的に軽くても印象に残る味だ。
2024/09訪問
1回
SéRieUX? (セリュー)は六本木のフランス料理店だ。ラルジャンの系列店なので期待して訪問したが、期待に応える素晴らしい店だった。 立地は六本木ミッドタウンと新国立美術館の中ほど。かなり大きなカウンターと、テーブルが2卓有る。カウンターは盛り付けや配膳に使われて、調理はその奥の厨房で行なうが、厨房と客席との仕切りはガラスで、調理の様子を遠くから眺めることができる。カウンターの色は灰色で、天井は黒。簡素だがモノトーンの内装はカッコいい。テクノ調のBGMが流れている。 コースが皿数に応じて2種類有り、皿数の多い方を選んだ。メニューのそれぞれの皿に素材の産地が記されているのは、ラルジャンと同様。 ペアリングは量に応じて3種類有り、480mlを選択したが、ソムリエが継ぎ足ししてくれたり、ラルジャンが好きと言ったらデザート ワインをおまけしてくれたので、全体ではかなりの量になった。 先ずは小さなフィンガー フードが五つも供される。 キャビアを載せたスミイカは、スミイカのねっとりした食感とキャビアの粒立ち、そして下に敷いた揚げたチップスとの組み合わせの食感が心地良い。 車海老は揚げており、全て食べられる。 フォアフラは少量で、アイスクリームのコーンのようなものに詰めており、しつこさを感じない。 穴子も毛蟹も堅実な味。 蛤の前菜は印象的だった。下に漉したジャガイモで作ったソースを敷き、ホワイト アスパラガスなどを添える。そこに火入れが浅いが高温の蛤とその汁を掛け、更に海草で作ったソースを掛ける。蛤と海草が香り高い。蛤の弾力感、ジャガイモの漉した滑らかさにアスパラガスがアクセントを加え、複雑な食感が生み出されている。 次は蕎麦粉のガレットという変化球。ペアリングはシードルという遊び心。 色々な魚介類のアラから引いたスープドポワソンは、上品な濃厚さ。蛍烏賊も美味しい。 アカハタは、身が半生で皮が微かに焦げているという卓抜な火入れ。ハーブなどから作ったソース ヴェルドレットは爽やかな味。 猪は出色だった。豚よりは旨みが有りながらも、臭みは全く無い。脂身は軽く揚げており、脂身が苦手な僕も食べられた。オレンジやワインから作ったソースは、軽いが存在感の有る味。 キウイとフロマージュ ブランシェで口直し。 抹茶とピスタチオとショコラの組み合わせは、適度に濃厚。抹茶とショコラの組み合わせは相性が良い。 系列店のラルジャンと同様に、食材の組み合わせや食感が良く考えられている。未だ知名度が低いせいか、料理の質を鑑みると料金は安め。再訪したい。
2024/03訪問
1回
Ode(オード)は広尾のフランス料理店だ。 シェフはグレーが好きだそうで、内装はグレーで統一されている。おしぼりまでグレーという徹底ぶり。10数人掛けられる大きなカウンターに加え、個室が二室有り、満席だった。環境音楽みたいなBGMが流れている。現代的な雰囲気の店だが、男性の給仕達はスーツにネクタイというフォーマルな服装。もちろんスーツの色もグレー。カウンター中央に飾られた、大きな向日葵やススキが、店の禁欲的な雰囲気に華やかさを加えている。 最初の皿はスペシャルテだという「ドラ○ンボール」。オマールのビスクをカカオ バターでコーティングしている。少量ながらとても濃厚で、印象に残る。この品は、量が倍欲しかった。 続いてアミューズ ブーシュが三品。特に良かったのは、枝豆を再構築した品。中身は漉した枝豆をペーストにしており、皮は枝豆を精妙に揚げている。皮も食べられて、皮の軽い食感と中身のトロリとした食感の対比を楽しむ。 続く品は「グレー2022」と題したスペシャルテ。中身は鰯と牛肉。外側は鰯から作ったメレンゲで、文字通り色はグレー。魚と肉という難しい組み合わせだが、味が破綻せず良く纏まっている。外側のメレンゲは軽い食感で、かつ青魚特有の香りがする。この店以外では食べられない逸品だ。 最近の店にしては珍しく、パンが自家製だが、食感が軽く、とても美味しい。料理の量は少なめなので、食欲の旺盛な人は、パンで分量を調整するのが良いだろう。 モッツァレラは、新鮮なモッツァレラの中に焦がしバターやトマトを入れて、複雑な味わいを生み出している。 鱧は二種類の調理法で供する。一つは茶碗蒸し風にして青唐辛子で辛味を付けている。もう一つはフリット。揚げ方が軽く、和食とは異なる魅力がある。 真鯛のソテーは、茸から作った濃厚なソースとの意外な組み合わせだが、これが良く合う。 ホロホロ鳥は、焼き加減も良く、茄子から作ったペースト状の付け合わせも美味しい。ホロホロ鳥の出汁から作ったスープが添えられるが、これが滋味溢れる味わい。 現代的な料理の店だが、オプションでフロマージュも頼める。これらは標準的な味。 デセールやお茶菓子は、強い個性は無いものの、堅実な味。 料理は全般的に、とても独創的で手間が掛かっている。フリットやメレンゲの軽い食感、出汁の取り方など、発想を成果に落とし込む際の基礎技術が高い。内装から料理まで、シェフの世界観が反映された、とても個性的な店だ。デセールが料理と同じくらい独創的になれば、更に素晴らしい店になると思う。
2022/08訪問
1回
Lature(ラチュレ)は、ジビエが名物のフランス料理店だ。カウンターとテーブルが5-6席。白を基調とした明るい雰囲気の内装。客席の側に厨房が在るため、雰囲気に活気がある。コースを頼んだ。 アミューズ ブーシュは、まるでミニャルディーズみたいな見かけだが、中身は鹿の血を凝固させている。濃厚だが洗練された味わいで、掴みは上々。 続く品は、毛蟹をジュレとムースに仕立てたもの。滑らかな食感。 スープの出汁は熊から引いており、程良い野趣を感じさせる。木の子が味に変化を与えている。 サラダは、上にベーコンとマッシュルームを被せており、多彩な食感。 パテアンクルートは当店の定番だそうだ。中の素材はその時々で変わるみたいだが、この日は雉などにフォアグラを混ぜ合わせたもの。野趣は控えめながら、肉を食べているという実感が湧く味だ。この品はワインを呼ぶ。 伊勢海老のパイ包み焼きは、パイの軽い食感も、解した伊勢海老の柔らかい食感も、そしてソースの存在感も良い。 肉料理は三種類から鴨を選んだ。脚の部分はかなり弾力感が強く、噛み切るのに苦労したが、胸の部分の弾力感は程良い感じ。血も加えたサルミ ソースも美味しい。焦げ目が付くまで焼いたブロッコリが、味に変化を与えている。 デセールはかなり攻めている。アイスクリームとグループフルーツの組み合わせだが、なんと山椒を振りかけている。甘味と酸味と辛味が融合している。 実直そうなシェフは、手が空いたら頻繁に客席まで来てくれる。狩猟家でもあり、パテアンクルートの雉は自ら仕留めたそうだ。 ジビエが名物ながら、魚料理もかなりの水準で、満足した。 Lature(ラチュレ)は、ジビエが名物のフランス料理店だ。カウンターとテーブルが5-6席。白を基調とした明るい雰囲気の内装。客席の側に厨房が在るため、雰囲気に活気がある。 ジビエを多用したコースと控えめなコースの二種類が有り、今回は後者を選んだ。 アミューズ ブーシェのマカロンは、まるでミニャルディーズみたいな見かけだが、中身は鹿の血を凝固させたもので、外側の生地も血で着色している。濃厚だが洗練された味わいで、掴みは上々。 続くサブレで挟んだ森鳩(ピジョン ラミエ)も、少量ながら旨味が凝縮されている。 ポタージュは少し泡立てており、滑らかな喉越し。 珍しい品種(名前は失念)の魚は、野菜で包んでいるのが斬新だ。 パテアンクルーテは当店の定番だそうだ。中の素材はその時々で変わるみたいだが、この日は鹿と猪と熊と穴熊と更にフォアグラを混ぜ合わせたもの。野趣は控えめながら、肉を食べているという実感が湧く味だ。この品はワインを呼ぶ。 二つ目の白身魚は、焦げ目を付けた焼き方が良く、スープ仕立てのソースも美味しく、全部掬ってしまう。 鹿は素材もレア気味な焼き加減も見事だ。臭みは全く無い。濃い色のソースは血を使っているのではなく、ベリー系の果物を煮詰めているみたいだが、適度に濃厚で肉との相性も良い。 追加料金で頼んだ北海道産のフロマージュも中々のもの。 デセールは上品で爽やかな味わい。 実直そうなシェフは、手が空いたら頻繁に客席まで来てくれる。狩猟家でもあり、自ら仕留めた獲物を出すこともあるそうだ。 肉料理は生命が詰まった感じがし、しかしながら癖は少なく、とても楽しめた。 ジビエが名物ながら、魚料理もかなりの水準で、満足した。
2022/12訪問
2回
摘み、握りとも、仕事の質が極めて高い。握りの舎利は、やや硬めの炊き方で、酢の利かせ方も若干強めの個性的なものだが、それが美味しい。空間に余裕があり、客数を鑑みると店員は多めで、店員は客に良く目を配っている。 三回目の訪問。 青空(はるたか)は銀座と新橋の中間辺りに在る鮨屋だ。白木のカウンター。鮨屋としては空間に余裕が有り、客数を鑑みると店員は多めだ。客足はかなり良く、一斉開始ではないものの、実質的に二回転。 摘みと握りを合わせるとかなりの品数になるので、感想は一部の品についてのみ。 摘みは、素材の良さに加えて調理が光る。全体的に出汁が素晴らしい。 蛸は柔らかさの中に弾力感を備えている。 湯引きした河豚は、何気無いポン酢との組み合わせが見事。 白甘鯛は、出汁に深みがある。 鮑も柔らかく、それでいて弾力感が有る。 虎河豚の白子は、ネットリとした食感が病み付きになりそう。 握りは、以前の訪問で量が多いと判っていたので、舎利は少な目にしてもらった。握りの舎利は、やや硬めの炊き方で、酢の利かせ方も若干強め。好みは分かれると思うが、僕は気に入った。 墨烏賊の握りは、見た目が先ず美しい。素材の食感も硬すぎもせず柔らかすぎもせず、適切だ。 サヨリや小肌などの光り物は、酢の締め方が強目で、舎利と合わせて美味しさを感じる。 仕入れの都合上か、この日はイクラが無く、その代わりか鮪が四貫も出てきた。鮪は、赤身、中トロが背中と腹のニ種類、そして大トロと四連続。鮪はもっと少なくても良かったが、素材はどれも見事。 赤貝は締まった感じの食感。 車海老の握りは、茹で加減が丁度良いし、赤白の縞が美しい。 雲丹はとてもクリーミー。細かい点だが、軍艦の海苔も素晴らしい。 口の中で解けるような、穴子の柔らかい食感に陶然とする。 福井の酒「一本義」は極端な辛口で、好みからは少し外れてしまった。石川の酒「手取川」は、スッキリとした味わいで、鮨と合わせやすい。 店員の人数が多いこともあり、ご主人を含めて、店員は客に良く目を配っている。 正統的な仕事の平均点が極めて高い店だ。 2回目の訪問。 青空(はるたか)は銀座と新橋の中間辺りに在る鮨屋だ。白木のカウンター。鮨屋としては空間に余裕が有り、客数を鑑みると店員は多めだ。お任せを頼み、握りを若干追加した。 摘みと握りを合わせるとかなりの品数になるので、感想は一部の品についてのみ。 9品の摘みは、素材の良さに加えて、何気ない調理が光る。 白子はネットリとした食感で、ポン酢と良く合う。 蛸は柔らかさの中に弾力感を備えている。 クエは微かに燻ることにより、食感に変化が生まれている。 焼いた甘鯛を蓮根のスープに浮かべた品は、蓮根が出色。片栗粉を使わずに自然なトロミが付いている。 鮑も柔らかく、それでいて弾力感が有る。出汁も出色。 脂の乗った焼いた喉黒は、山椒との相性が抜群だ。 どの摘みも食感が見事。 握りは13貫のお任せに1貫追加注文した。前回の訪問で量が多いと判っていたので、舎利は少な目にしてもらった。握りの舎利は、やや硬めの炊き方で、酢の利かせ方も若干強め。好みは分かれると思うが、僕は気に入った。 墨烏賊の握りは、見た目が先ず美しい。素材の食感も硬すぎもせず柔らかすぎもせず、適切だ。 サヨリや小肌などの光り物は、酢の締め方が強目で、舎利と合わせて美味しさを感じる。 鮪は、赤身、大トロに近い中トロ、そして大トロと三連続。素材はどれも最上。 車海老の握りは、茹で加減が丁度良いし、赤白の縞が美しい。 口の中で解けるような、穴子の柔らかい食感に陶然とする。 店員の人数が多いこともあり、ご主人を含めて、店員は客に良く目を配っている。 正統的な仕事の平均点が極めて高い店だ。 青空(はるたか)は銀座と新橋の中間辺りに在る鮨屋だ。白木の8人掛けのカウンター。鮨屋としては空間に余裕が有り、客数を鑑みると店員は多めだ。お任せを頼んだ。 摘みと握りを合わせるとかなりの品数になるので、感想は一部の品についてのみ。 摘みは野菜は使わず魚介類のみ。正統的な美味しさだ。 伊勢海老は素材も良く、数かに酸味を帯びたジュレや、添えられた出汁も見事。 鮑は弾力感と柔らかさという相反する食感を両立させている。肝から作り、微かにトロミを加えた出汁も素晴らしい。 鰻の蒲焼は、鰻専門店を凌駕している。 握りの舎利は、やや硬めの炊き方で、酢の利かせ方も若干強め。好みは分かれると思うが、僕は気に入った。 墨烏賊の握りは、見た目が先ず美しい。素材の食感も硬すぎもせず柔らかすぎもせず、適切だ。 鮨屋では珍しい鱚の握りも、締め方がとても良い。 鮪は、赤身、大トロに近い中トロ、そして大トロと三連続。素材はどれも最上。 車海老の握りは、茹で加減が丁度良い。 穴子は、驚くほど柔らかい。 細かい点を言うと、帆立の小柱や雲丹の巻物に使っている海苔の質が極めて高い。 ご主人も含め、店員は客に良く目を配っている。無駄口はきかないが、客の会話を良く聞いており、さりげなく会話に加わってくる。 全体的に突出した個性は無いものの、正統的な仕事の平均点が極めて高く感じる。極めて高価な店だが、納得してしまう。
2022/02訪問
3回
「鮨 きのした」は、六本木の国立新美術館から西麻布に少し下った所に在る。大将の名前は、店名と異なり中村慎亨氏という。 集合住宅(マンション)の2階に在る店は、7人掛けのカウンターのみ。明るくも侘びを感じさせる内装。種のケースの代わりに保管棚が有り、冷蔵庫で冷えた種の温度をここで少し戻してから握るという。 魚介類の摘み数種の後に握りが続く。品数が多いので、感想は一部についてのみ。 僕はシャコを余り好まないが、この店のシャコの摘みは、タレが良いこともあって、美味しく感じた。 鮑の摘みは弾力感が有る。肝から作ったソースは、少し卵黄を混ぜており、ネットリとした背徳感のある食感。これは素晴らしかった。 鰻は蒸すのでなく焼いて、パリっとした食感にしているのが良い。 握りの舎利は、程よく酢を効かせており、舎利が強い個性を主張するのでなく、種を引き立てるような感じ。 烏賊の握りは、弾力と柔らかさのバランスが良い。 鮨屋で余り見かけないキスも、意外と鮨でも行ける。 コハダも僕は余り好まないが、この店のは酢の効かせ方が強すぎないので、楽しめた。 僕は個人的に大トロより赤身の方が好きだが、鮪の赤身の握りは鉄分を感じさせる上質なもの。 雲丹とイクラは鉄板の美味しさ。 穴子の握りは口の中で解れていく。煮切りのタレも美味しい。 玉子は工夫を凝らしている。椎茸などを細かく刻んだトロミのある出汁を添えており、これが効果的だ。 最後はトロたくの太巻きを手渡しで。 巨峰と洋梨のデザートは上品な味。 摘みも握りも水準が高い。大将と二番手は快活で、場の雰囲気が和む。満足した。 「鮨 きのした」は、六本木の国立新美術館から西麻布に少し下った所に在る。大将の名前は、店名と異なり中村慎亨氏という。 集合住宅(マンション)の2階に在る店は、6人掛けのカウンターのみ。明るくも侘びを感じさせる内装。種のケースの代わりに保管棚が有り、冷蔵庫で冷えた種の温度をここで少し戻してから握るという。 魚介類の摘み数種の後に握りが続く。品数が多いので、感想は一部についてのみ。 摘みの蛤は驚くほど大きく、程よい弾力感が心地良い。上品な出汁も素晴らしい。 甘鯛の松笠焼きは、皮のパリパリした感じが見事。 鮑の摘みは弾力感が有る。肝から作ったソースは、少し卵黄を混ぜており、ネットリとした背徳感のある食感。これは素晴らしかった。 鰻は蒸すのでなく焼いて、パリっとした食感にしているのが良い。 握りの舎利は、程よく酢を効かせており、舎利が強い個性を主張するのでなく、種を引き立てるような感じ。 烏賊の握りは、弾力と柔らかさのバランスが良い。 赤貝の握りはかなり大きく、味も見事。 僕は個人的に大トロより赤身の方が好きだが、鮪の赤身の握りは鉄分を感じさせる上質なもの。 金目鯛の握りは、脂の乗り方が良い。載せた薬味が味にアクセントを付けている。 雲丹の軍艦巻きは、二種類の雲丹を混ぜた独特のもの。 穴子の握りは口の中で解れていく。煮切りのタレも美味しい。 最後はトロたくの太巻きを手渡しで。 多くの鮨屋は最後に玉子をデザート代わりに出すが、この店は玉子をコースの中程で出し、最後は甘いデザートを出す。この日のマンゴーは美味しかった。 摘みも握りも水準が高い。大将と二番手は快活で、場の雰囲気が和む。満足した。