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銀座四丁目交差点に在り、テラスから和光の時計台を眺められる素晴らしい立地。料理は全般的にプレゼンテーションが練られており、素材や食感の対比が良く考えられている。現代的に軽くても印象に残る味。 3回目の訪問。 L'ARGENT(ラルジャン)は銀座四丁目交差点に在る。立地も料理も素晴らしい。 内装の基調色は黒と灰色と白。禁欲的な内装に花が華やかさを与えている。現代的な高級感に溢れる内装だ。 アミューズ ブーシュ的な品が二皿。先ずは、ムール貝をペーストに閉じ込め、焼いた生地で包んだ品。柔らかいペーストと生地の軽い食感の対比が見事だ。 ゴールドラッシュというトウモロコシの品種から作ったパンケーキみたいな品。白鱒の筋子を添えている。ホッコリとした柔らかい食感。 子羊のスペアリブという変化球。何と味噌や黒胡椒などで味付けしてある。下世話に寄りながらも洗練とした味わい。 メレンゲに閉じ込めた牡丹海老は、上品な甘味。胡瓜やディルの青臭さが変化を付けている。メレンゲの食感は儚い。 フォアグラは普通のそれとは異なる。掛川茶のソースとの組み合わせにより、しつこさを感じさせず、適度にネットリとした味わいだ。 ここで自家製のパンが出てくる。蒸した上で焼いており、中身はフワフワだが、外側はカリッとしており、単なる添え物でなく、料理としても成り立つようなものだ。 シェフのスペシャルテだという発酵マッシュルーム。薄切りにした生のマッシュルームを、ソースの上に浮かべている。このソースは発酵させたマッシュルームに卵を混ぜており、香りと食感が良い。 明石の蛸を揚げた生地で包んだ品。蛸の程よい弾力感と、生地の軽い食感との対比がとても良い。付け合わせのジャガイモは丁寧に漉してある。 鴨は焼き方が適切で、蜂蜜で少し甘味を付けたソースも美味しい。鴨にオレンジで甘味を付ける手法はしばしば見られるが、蜂蜜で甘味を付けるという手法が斬新。 スプマンテで覆った、口直しのパッション フルーツ。強烈な酸味と爽やかな甘味。冷やした温度感も適切。 マンゴーのデセールは、果肉、アイスクリーム、ソースそして下に敷いたフレンチ トースト風の生地の多重奏。 食後のお茶の際にはテラスに移動した。対角線上に和光の時計塔が見える景色は贅沢だ。 料理は全般的にプレゼンテーションが練られており、素材や食感の対比が良く考えられている。現代的に軽くても印象に残る味だ。接客は親しさを感じさせつつもプロフェッショナル。 立地、内装、料理、接客の全てが高い水準にある店だ。 2回目の訪問。 L'ARGENT(ラルジャン)は銀座四丁目交差点に在る。立地も料理も素晴らしい。 内装の基調色は黒と灰色と白だが、床は明るい茶色で、単調にはなっていない。テーブル クロスは無いものの、現代的な高級感に溢れる内装だ。 コースは品数に応じて二種類有り、我々は品数の少ない方を選んだが、少食の僕にとってはこれで十分だった。ワインはお任せのペアリングにした。アミューズ ブーシュとミニャルディーズの際に、シェフが挨拶に来てくれた。 菊芋のアミューズ ブーシュは、極限まで薄く揚げた皮の内側にネットリとしたペーストが盛られて、その上に削ったトリュフが掛けられている。食感の対比が素晴らしく、少量ながら印象に残る。 マリネしたカンパチは、上に薄く削った青リンゴを載せ、更に山葵などを練り込んだソースが掛かっている。様々な食感と味の組み合わせが見事。 パテアンクルートは、一転して古典的な味。美味しいが、他の皿に合わせて、もう少し現代的に料理しても良かったと思う。 ここで自家製のパンが出てくる。蒸した上で焼いており、中身はフワフワだが、外側はカリッとしており、単なる添え物でなく、料理としても成り立つようなものだ。 シェフのスペシャルテだというマッシュルーム。薄切りにした生のマッシュルームを、ソースの上に浮かべている。このソースは発酵させたマッシュルームに卵を混ぜており、香りと食感が良い。 クロムツは皮を微かに焦がした焼き方が見事で、シェリー ヴィネガー ソースが味にアクセントを付けている。添えた野菜は美味しくかつ美しい。 ホロホロ鶏は淡白になりがちな素材だが、トリュフ ソースが味に深みを与えている。少しレアな感じを残した焼き方も見事。 ラム レーズンのデセールは、液体窒素で粉状にしたホワイト チョコレートが掛かっている。適度に濃厚でありつつ食感が軽く、出色の出来だった。 お茶とミニャルディーズを楽しむ祭は、テラスに移動した。気温は若干低かったが、コートを羽織り、電気ストーブも付けてもらったので、和光の時計を眺めながら寛げた。 料理は全般的にプレゼンテーションが練られており、素材や食感の対比が良く考えられている。現代的に軽くても印象に残る味だ。接客は親しさを感じさせつつもプロフェッショナル。 立地、内装、料理、接客の全てが高い水準にある店だ。 L'ARGENT(ラルジャン)は銀座四丁目交差点に在り、素晴らしい立地だ。1年程前までティエリーマルクス東京店が在った場所だが、居抜きでなく、内装は完全に新調している。2020年12月に開店したが、その直後にコロナ ウィルスの第二次緊急事態宣言が発出され、多難な出だしとなってしまった。 内装の基調色は黒と灰色と白だが、床は明るい茶色で、単調にはなっていない。テーブル クロスは無いものの、現代的な高級感に溢れる内装だ。料理はお任せのコースで、ワインもお任せのペアリングにした。 アミューズ ブーシュの一皿目は、薄い生地の上にアオリイカやキャビアを載せたもの。生地の軽い食感とアオリイカのねっとりとした食感の対比が良く、微かな塩味の塩梅も見事だ。 アミューズ ブーシュのニ皿目は、 サブレに挟んだ鶏のムース。ムースの滑らかな喉越しに対して、サブレの食感は恐らく意図的に粗くしてある。 三皿目はうすい豆という豆を使った料理。一皿の中に、軽く茹でた豆と、豆から作った滑らかなソースと、豆を衣のように揚げた部位が入っており、豆の様々な味や食感を楽しめる。 四皿目は、鯛のマリネに粉末状にした緑色の野菜を添えている。詳しく訊かなかったが、鯛は恐らく昆布か何かで締めており、深みのある味だ。 ここで自家製のパンが出てくる。蒸した上で焼いており、中身はフワフワだが、外側はカリッとしており、単なる添え物でなく、料理としても成り立つようなものだ。 五皿目は、シェフのスペシャルテだというマッシュルーム。薄切りにした生のマッシュルームを、ソースの上に浮かべている。このソースは発酵させたマッシュルームに卵を混ぜており、香りと食感が良い。 六皿目は、リドヴォー(仔牛の胸腺)。リドヴォーの揚げ方が見事。 七皿目は、ソテーした平目をパイ生地で包み、野菜から作った色鮮やかなソースを添えている。パイ生地は極めて薄く、ソースもとても良い。 八皿目は羊。一見単にローストしただけみたいだが、中にニンニクを練り込むなど、芸が細かい。肉汁から作ったソースも丁寧な仕事振り。 デセールの一皿目は、ヨモギを粉末状にしている。上品な甘みと軽い食感。 デセールの二皿目は、チョコレート。驚くほど大きいが、液体窒素を使って膨らませているので、しつこさは感じず、アッサリと食べられる。添えた苺のソースも上質だ。 お茶とミニャルディーズを楽しむ祭は、テラスに移動した。気温は若干低かったが、コートを羽織り、電気ストーブも付けてもらったので、和光の時計を眺めながら寛げた。 料理は全般的にプレゼンテーションが練られており、素材や食感の対比が良く考えられている。現代的に軽くても印象に残る味だ。接客は親しさを感じさせつつもプロフェッショナル。 立地、内装、料理、接客の全てが高い水準にある店だ。
2023/07訪問
3回
立地、内装、料理、ワイン、接客の全てが高い水準
2020/02訪問
1回
Metis 六本木は、六本木に在る薪焼きのフランス料理店だ。 店の構造は複雑で、1階にカウンターと客席、2階に厨房が有る。下ごしらえは2階の厨房で行うが、薪焼きと盛り付けは1階のカウンターで行い、そのままシェフが客に皿だしする。 Amuses・Bouches/食の始まり 爽やかなメロンのガスパチョ。鰹は薪で香りを付けている。鮎は、味の組み立ては鮎と内臓と胡瓜という定石に沿ったものだが、素材をいったんパテにして練り込んで独特な食感にしており、出色の出来だった。 Secret../ひみつの…. 饅頭の中にフォアグラが入っている。 Thon de " Chu toro" d'Ehime cuit à la bâche avec Légumes de saison 愛媛県產 本鮪中卜口 薪燒 旬野菜 鮪は良質で、野菜は瑞々しい。何気ないが美味しい一皿。 Beignet d'Artichaut de France et Crevette tigrée de Kagoshima à la bûche Mascarpone, Caviar Osciètre et Pousse de Coriandre sauce Bisque de Crevette フランス産アーティチョーク 鹿児島県産車海老焼 福岡県産マスカルポーネ オシェトラ・キャビア マイクロコリアンダー ビスク これは凝った一皿だ。アーティチークと車海老という意外な組み合わせが効果的だ。車海老から取ったと思われるビスクも濃厚で、全体的に味に凝縮感がある。 Filet de Poisson Savre cuit au charbon avec Fèves sauce Lie de Saké aux Paloudes et à l'Aneth 千葉県竹岡産釣り太刀魚蚕豆 福光屋酒造大吟醸酒粕 九十九里浜産蛤ディル 太刀魚は淡白な素材で、フランス料理で使うのは難しい。無理に味を重ねるのでなく、薪で香りを付けて、淡白な素材に自然に変化を付けている。蛤は、適度な弾力感の絶妙な食感だ。酒粕を用いたソースは、主張は強くないが、滋味あふれる味わい。和食とは異なる手法で太刀魚の魅力を引き出している。 Carré d'Agneau de Sistron, France cuit à la bûche Fèves au Riz malté et au Piment フランスシストロン産仔羊背肉寿焼 発酵蚕豆 主菜の肉は幾つかの選択肢が有り、僕は羊を選んだ。シンプルに焼いてソースを添えたものだが、素材も焼き方もソースも見事だった。 Risotte de riz Carnaroli au Pot-au-feu de Langue de Wagyu fumé avec Truffes noires australiennes イタリア産カルナローリ米 黒毛和牛タン燻製ポトフ オーストラリア産黒トリュフ 締めの感覚でリゾットが出される。牛タンもとても良く、トリュフの香りと相まって、満足のいく締めくくりだった。 Granité à la Prune verte et au Shiso rouge avec compote de Prune et Fleur de Shiso 和歌山県産青梅”パープルクイーン” 赤紫蘇 花穂紫蘇 口直しのグラニテ。紫蘇の花を散らすのは、かなり手間が掛かっていそう。 Mangue bien mûre et Fruit de la passion Sorbet à la Noix de Coco, Piment d'Espelette, Citron vert 宮崎県産マンゴー 沖縄県産パッションフルーツ ココナッツ ピマンデスペレット ライム デセールも印象的だった。甘みと酸味が複雑に組み合わさっている。メレンゲには唐辛子も掛かっており、辛さのアクセントも加わっている。 お茶菓子も上質なもの。 シェフは薪焼きと盛り付けに専念しており、他の下ごしらえは部下が担当している。薪焼きの台は滑車で高さが調節でき、シェフは台の高さを頻繁に変えて火力を調整している。その点について食後にシェフに聞いてみたら、「これ(台の高さを変えて火力を調整すること)が無いと、単にキャンプファイアになってしまうので...」と矜持を感じさせる返事。 薪焼きを多用しつつも、味わいは単調になっていない。異なる素材や食感を組み合わせる構成能力が高く、薪焼きが無くても美味しい料理に、更に薪焼きが魅力を重ねるという感じだ。開業して1年でミシュランの一つ星を取ったのも納得する水準の高さ。
2025/06訪問
1回
apothéose(アポテオーズ)は、虎ノ門ヒルズ ステーション タワーに在るフランス料理店だ。 エレベーターを何回か乗り換えて最上階まで登ると、観賞用のプール越しに、息を飲むような夜景が広がる。この時点で気分が上がる。 内装は白を基調としたシックなもの。天井が高く、開放感がある。テーブル10卓と個室。メニューの各皿には詩的な名前が付けられている。 旅のはじまり 秋の詩 フランスが誇る...ジャガイモなのに 3種類のアミューズ ブーシュ。グジュールのしっとりとした食感。クレープ状の生地にほうれん草で味付けするなど、芸が細かい。プレゼンテーションも斬新。 森の恵み 蝦夷鹿 葉山椒 木の子とコンソメ スープ。コンソメには鹿の旨みが凝縮されている。葉山椒の微かな辛さが、味にアクセントを与えている。 主役が逆に 佐々木ファームのキャベツとキャベツ キャベツなどのパイ包みと甲殻類のソース。普通なら主役となる甲殻類をソースとして使っているから「主役が逆に」と題されている。パイ生地のさっくりとした感触に技量の高さが伺われる。ソースの香りに陶然とする。 根セロリの可能性 函館帆立 青柚子 シプレットオイル 根セロリや帆立貝を細かく組み合わせている。ソースの酸味が心地良い。 大地と海の共鳴 牛蒡 菊芋 函館白子 コヤリイカ 多様な食材をまとめ上げて、複雑な味を生み出している。 十勝 食肉料理人集団の魂 野菜マスター達からの贈り物 上質な鹿肉を適切な火入れで。添えた野菜も美味しい。 米ミネラル ここで意外な一皿が。シェフが前週に焼き鳥屋を訪れた際に締めの麺が気に入って、急遽メニューに付け加えたそうだ。素麺みたいな食感の麺を元に、オリーブ油で味に捻りを加えている。 山のこくわ こくわ ピンクグレープフルーツ ローゼル 新生姜 「こくわ(猿梨)」という食材を食べるのは初めてだが、キウイに似た果物だそうだ。「こくわ」やグレープ フルーツなどを、凍らせて細かく砕いたり、アイスクリームにしている。デセールながら、生姜の辛味がアクセントとなっている。 ほろ苦い余韻 キャラメルワールド かなり濃厚なキャラメル。複数のデセールの中で、淡白な味から濃厚な味へ繋がる流れを生んでいる。 お茶に添えられたチョコレートも良かった。 シェフは青山の高名なイノベーティブ系フランス料理店でキャリアを開始し、その後10数年間フランスで働いていたそうだ。パリのある店でシェフに就任して、2019年にミシュランの一つ星を獲り、2023年に当店のシェフとなるべく、スーシェフとパティシエとソムリエを伴って日本に戻って来た。 給仕達の制服はベージュ色で足元はスニーカー。シックな店ながら、接客は適度に親しげ。 料理は多様な食材の組み合わせが良く練られている。立地、料理、接客とも高い水準にある。開店して1年でミシュランの一つ星を獲ったのも納得。
2024/12訪問
1回
古典の基礎を踏まえながら現代的な凝った料理
2024/11訪問
1回
L'ARGENT(ラルジャン)は、かつて銀座四丁目交差点に在ったが、去年霞ヶ関に移転した。前の店舗を含めると通算4回目の訪問。 新店舗は、長いカウンターとテーブル2卓に個室1室。カウンターも客の間には十分余裕が有る。天井が高く、黒や灰色を基調色とした内装はシック。クラブ ミュージックがBGMとして流れている。 先ずは、デンマークのエブルスキーバーという品。チョウザメを傷つけずに採卵するサスティナブルキャビアとワサビの組み合わせをパンケーキで包んでいる。ワサビの鼻に抜ける微かな辛さが心地良い。 ニシンのマリネは脂が乗っている。 静岡県の地金目は昆布締めにし、皮を炙っている。更に梅のジュレや、液体窒素でパウダー状にしたホースラディッシュも添えられ、複雑な味となっている。 フォアグラは普通のそれとは異なる。掛川茶のソースとの組み合わせにより、しつこさを感じさせず、適度にネットリとした味わいだ。静岡産の食材が多いのは、シェフの出身地だから。 シェフのスペシャルテだという発酵マッシュルーム。薄切りにした生のマッシュルームを、ソースの上に浮かべている。このソースは発酵させたマッシュルームに卵を混ぜており、香りと食感が良い。 鹿児島県の赤座えびは、杉の木で包んで香りを移している。ソースは、シーバックソーンという柑橘類を使い、微かな酸味が有る。多彩な味や香りの要素が、絶妙のバランスを保っている。 和歌山のマナガツオは、香ばしく火を入れている。レモンをアクセントに、マグロの出汁と合わせている。付け合わせのズッキーニ(?)は、緑色と黄色が折り重なり、色彩設計も考えられている。 主菜は豚のスペアリブ。濃厚な旨味の赤身と、非常に融点が低い脂を合わせ持つ素材。脂身はしつこさが無く、美味しく食べられる。かなり攻めた品だが、肉で個性を出せる店は少ないので、こういう試みは良いと思う。 一つ目のデセールは、種子島のパッション フルーツと月桃に、泡状のソースを載せている。この店は酸味の使い方が上手い。 二つ目のデセールは、アイスクリームと蜂蜜の組み合わせ。食用花が添えられている。スタッフが花を盛り付けている様子がカウンターから見られるが、気が遠くなるような細かい作業だ。 食後の飲み物が何種類か有り、緑茶を選んだ。良いお茶だろうが、抽出をもう少し薄くした方が良いと思う。お茶菓子も上質。 カウンターを活かして、シェフが直接接客するスタイルに変わった。 料理は全般的にプレゼンテーションが練られており、素材や食感の対比が良く考えられている。現代的に軽くても印象に残る味だ。
2024/09訪問
1回
SéRieUX? (セリュー)は六本木のフランス料理店だ。ラルジャンの系列店なので期待して訪問したが、期待に応える素晴らしい店だった。 立地は六本木ミッドタウンと新国立美術館の中ほど。かなり大きなカウンターと、テーブルが2卓有る。カウンターは盛り付けや配膳に使われて、調理はその奥の厨房で行なうが、厨房と客席との仕切りはガラスで、調理の様子を遠くから眺めることができる。カウンターの色は灰色で、天井は黒。簡素だがモノトーンの内装はカッコいい。テクノ調のBGMが流れている。 コースが皿数に応じて2種類有り、皿数の多い方を選んだ。メニューのそれぞれの皿に素材の産地が記されているのは、ラルジャンと同様。 ペアリングは量に応じて3種類有り、480mlを選択したが、ソムリエが継ぎ足ししてくれたり、ラルジャンが好きと言ったらデザート ワインをおまけしてくれたので、全体ではかなりの量になった。 先ずは小さなフィンガー フードが五つも供される。 キャビアを載せたスミイカは、スミイカのねっとりした食感とキャビアの粒立ち、そして下に敷いた揚げたチップスとの組み合わせの食感が心地良い。 車海老は揚げており、全て食べられる。 フォアフラは少量で、アイスクリームのコーンのようなものに詰めており、しつこさを感じない。 穴子も毛蟹も堅実な味。 蛤の前菜は印象的だった。下に漉したジャガイモで作ったソースを敷き、ホワイト アスパラガスなどを添える。そこに火入れが浅いが高温の蛤とその汁を掛け、更に海草で作ったソースを掛ける。蛤と海草が香り高い。蛤の弾力感、ジャガイモの漉した滑らかさにアスパラガスがアクセントを加え、複雑な食感が生み出されている。 次は蕎麦粉のガレットという変化球。ペアリングはシードルという遊び心。 色々な魚介類のアラから引いたスープドポワソンは、上品な濃厚さ。蛍烏賊も美味しい。 アカハタは、身が半生で皮が微かに焦げているという卓抜な火入れ。ハーブなどから作ったソース ヴェルドレットは爽やかな味。 猪は出色だった。豚よりは旨みが有りながらも、臭みは全く無い。脂身は軽く揚げており、脂身が苦手な僕も食べられた。オレンジやワインから作ったソースは、軽いが存在感の有る味。 キウイとフロマージュ ブランシェで口直し。 抹茶とピスタチオとショコラの組み合わせは、適度に濃厚。抹茶とショコラの組み合わせは相性が良い。 系列店のラルジャンと同様に、食材の組み合わせや食感が良く考えられている。未だ知名度が低いせいか、料理の質を鑑みると料金は安め。再訪したい。
2024/03訪問
1回
L'ARCHESTEは、パリの高級住宅街Passyに在るレストラン。オーナー シェフは日本人で、「ひらまつ」パリ店の料理長を経て独立したそうだ。こういう経緯からか、従業員も客も約半数は日本人で、残り半分はフランス人。パリのフランス料理店は、開店時刻が 19:30の所が多いが、この店は日本人客が多いせいか19:00開店だ。我々も含めて、日本人客の来店時間は早めで、フランス人客の来店時間は遅め。 黒い壁に木の柱を配した内装は、気楽かつシック。服装は、最低限の配慮は必要だが、特に着飾らなくても良い。 二種類あるコースは、皿数は同じで、違いは素材の質。せっかくなので、高いコースを選んだ。 注文に関わらず南瓜のスープが供された。優しい味わい。寒い日だったので嬉しい。 続くアミューズ ブーシュは、とても個性的。海苔のチップスは日本人シェフならではだが、シャンパーニュのお供に良い。玉葱は揚げている。熱いアミューズ ブーシュは余り見かけないが、玉葱の自然な甘さが引き出されており、印象に残る。 前菜の一皿目は、鮪や海老の叩きにラディッシュなどを添えたもの。優しい味わい。 前菜の二皿目は帆立貝。差別化するのが難しい素材だが、そこに何と揚げた豚足を添えている。これらが不思議と良く合う。 オマール海老は見事だった。素材が上質で、浅めの火の通し方も的確。ソースも美味しい。有りがちな調理法だが、素材の良さと技量の高さが、高い水準の品を生み出している。 仔牛は、いたずらに柔らかさを求めず、適度な噛み応え。外側が良く焼け、内側がレアに近い焼き方も的確。香草で香りを付けているみたいだ。ソースも良く、トリュフも香っている。 少量のデセールが三皿同時に供される。柑橘類のアイスクリームの甘み。メレンゲの柔らかい食感。塩を隠し味に使ったチーズ ケーキ。中々のものだ。 ミニャルディーズのうち、チョコレートは印象に残った。チョコレートの内側に何かの液体を閉じ込めており、一口で食べるのだが、病みつきなりそうな美味しさ。 料理の前半は適度に日本的な要素が効果的で、後半は堂々たるフランス料理。親しげな接客も良い。
2023/01訪問
1回
Le Tailleventは、第二次世界大戦直後に創業した老舗のフランス料理店だ。長い歴史の間に浮沈もあったようだが、現在は若手のシェフを登用して、時代に合った料理を供している。 店は凱旋門から歩いて行ける距離に在る。広い店内は幾つかの部屋に区切られ、それぞれ内装が異なるみたいだ。我々が通された部屋は、白い天井、文様の施された木の壁、巧みな間接照明と、抑制された上品な高級感がある素晴らしい内装だ。ピアノ曲のBGMが低い音量で流れている。 男性客の大部分がジャケットを着用し、ネクタイの着用率は半分程度。僕はジャケットにノー タイで臨んだ。 コースもあるが、メニューの構成を見ると、コースよりアラカルトを主体としているみたいだ。男性客のメニューにしか価格が表示されていないのは前時代的。 2021年に就任した新しいシェフは、前菜も主菜も一つの素材を異なる調理方法で複数の皿で供するので、アラカルトであっても皿数は多くなる。 アミューズ ブーシュは中々のもの。グジュールが大きめで意外と分量が多い。 僕が選んだ前菜はラングスティーヌ(アカザエビ)。とても良い素材を4皿で供する。それぞれ、火加減や合わせるソースを若干変えて、多様な味を楽しめる。甲殻類特有のソースの香りが素晴らしい。 主菜の鶏は3皿で供する。素材はとても柔らかい。これもソースが良く、重くならずに存在感のあるソースだ。鶏の味自体は淡白なので、ソースとトリュフで味に重みを与えている。 デセールとして選んだメレンゲは、3皿構成。上品なメレンゲの下に、柑橘類を配している。 給仕の人数は多く、接客はプロフェッショナルでありつつ、適度に親しげ。 素晴らしい雰囲気の中で、上質な料理を楽しめる。
2023/01訪問
1回
L'Arcaneはパリのモンマルトルに在るフランス料理店だ。シックかつ気軽な雰囲気の内装。 コースが品数に応じて2種類有り、我々は品数の少ない方を選択した。分量は少な目で、少食の僕には十分だったが、食欲が旺盛な人には品数が多い方が良いだろう。 アミューズ ブーシュが幾つか。卵を泡立てた品は、滑らかな口当たり。解した蟹の身も、いい感じ。 ビーツは瑞々しく、ベリー系の味付けも良く合っている。 鱸はシャンパーニュ ソースやキャビアやジャガイモのウェファとの組み合わせが効果的。 浅い火入れの海老は、適度な弾力感。日本の海葡萄を思わせる素材がアクセントを付けている。 焼いたヒメジは見事だった。皮にかなり焦げ目を付けつつも、身は瑞々しい。意表をつく抹茶のソースも効果的。フランスでこんなに美味しい魚を食べられるとは思わなかった。 牛肉はいたずらに柔らかさを求めず、適度な噛み応え。ソースもとても良い。 デセールは幾つかの素材の組み合わせ。粉末状のチョコレートは軽い食感。アイスクリームは何とセップ茸の味。これが美味しいのには驚いた。 料理は繊細で食感が軽く、それでも印象に残る。素材の組み合わせが練られている。とても現代的な味だ。量が多すぎないのも良い。 接客は適度に親しげで、好印象。 良い店だと思う。
2023/01訪問
1回
The Ledburyはロンドンのノッティン ヒル(映画「ノッティングヒルの恋人」の舞台)に在るフランス料理店だ。かつてはミシュラン二つ星だったが、コロナ禍で一旦閉店し、約1年前から無星で再出発している。 白い壁と茶色の木の床の内装は、高級感がありつつも適度に気軽な雰囲気だ。コースのみ。 着席して直ぐに、高級フランス料理店なのにハムとサラミが供され不安になったが、その後は良かった。 アミューズ ブーシュの一つは、フロマージュをカリカリと焼いた上にトリュフを振りかけ、シャンパーニュが進む。 前菜の蟹は、解した身に甘く無いソルベや緑色の野菜から作った多少苦味のあるソースを和えて、色々な食感と温度感を組み合わせている。 ここでパンが二種類供されたが、その内の一つはとても個性的だ。食感はブリオッシュみたいだが、肉が混ぜ込まれており、ミート パイみたいな味だ。単なる添え物でなく、副菜的な存在感がある。 仔牛の胸腺は嫌味がなく、丁寧に漉した根菜と併せて、円やかな食感。目の前で削ったトリュフが香りを付けている。 鱸の素材は上質で、皮に焦げ目を付けた焼き方も良い。柚子も使った泡状のソースが、爽やかな酸味を付け加えている。 鳩は、柔らかさの中に適度な弾力感を備えている。脚の部位も柔らかいことに感心した。ビーツなどを使ったソースもとても良い。日本人客の扱いに慣れているのか、フィンガー ボールを頼んだら、その代わりにOshiboriを供された。これは有り難い。 デセールはルバーブや生姜のミルフィーユ。生地が驚くほど薄く軽い。 ショコラなどのミニャルディーズも、少量ながら丁寧に仕事をしてある。 料理は個性的かつ上質。客数に対して給仕の数はかなり多め(その分、料金も高くなってしまうが)。 満足した。
2023/01訪問
1回
Ode(オード)は広尾のフランス料理店だ。 シェフはグレーが好きだそうで、内装はグレーで統一されている。おしぼりまでグレーという徹底ぶり。10数人掛けられる大きなカウンターに加え、個室が二室有り、満席だった。環境音楽みたいなBGMが流れている。現代的な雰囲気の店だが、男性の給仕達はスーツにネクタイというフォーマルな服装。もちろんスーツの色もグレー。カウンター中央に飾られた、大きな向日葵やススキが、店の禁欲的な雰囲気に華やかさを加えている。 最初の皿はスペシャルテだという「ドラ○ンボール」。オマールのビスクをカカオ バターでコーティングしている。少量ながらとても濃厚で、印象に残る。この品は、量が倍欲しかった。 続いてアミューズ ブーシュが三品。特に良かったのは、枝豆を再構築した品。中身は漉した枝豆をペーストにしており、皮は枝豆を精妙に揚げている。皮も食べられて、皮の軽い食感と中身のトロリとした食感の対比を楽しむ。 続く品は「グレー2022」と題したスペシャルテ。中身は鰯と牛肉。外側は鰯から作ったメレンゲで、文字通り色はグレー。魚と肉という難しい組み合わせだが、味が破綻せず良く纏まっている。外側のメレンゲは軽い食感で、かつ青魚特有の香りがする。この店以外では食べられない逸品だ。 最近の店にしては珍しく、パンが自家製だが、食感が軽く、とても美味しい。料理の量は少なめなので、食欲の旺盛な人は、パンで分量を調整するのが良いだろう。 モッツァレラは、新鮮なモッツァレラの中に焦がしバターやトマトを入れて、複雑な味わいを生み出している。 鱧は二種類の調理法で供する。一つは茶碗蒸し風にして青唐辛子で辛味を付けている。もう一つはフリット。揚げ方が軽く、和食とは異なる魅力がある。 真鯛のソテーは、茸から作った濃厚なソースとの意外な組み合わせだが、これが良く合う。 ホロホロ鳥は、焼き加減も良く、茄子から作ったペースト状の付け合わせも美味しい。ホロホロ鳥の出汁から作ったスープが添えられるが、これが滋味溢れる味わい。 現代的な料理の店だが、オプションでフロマージュも頼める。これらは標準的な味。 デセールやお茶菓子は、強い個性は無いものの、堅実な味。 料理は全般的に、とても独創的で手間が掛かっている。フリットやメレンゲの軽い食感、出汁の取り方など、発想を成果に落とし込む際の基礎技術が高い。内装から料理まで、シェフの世界観が反映された、とても個性的な店だ。デセールが料理と同じくらい独創的になれば、更に素晴らしい店になると思う。
2022/08訪問
1回
Lature(ラチュレ)は、ジビエが名物のフランス料理店だ。カウンターとテーブルが5-6席。白を基調とした明るい雰囲気の内装。客席の側に厨房が在るため、雰囲気に活気がある。コースを頼んだ。 アミューズ ブーシュは、まるでミニャルディーズみたいな見かけだが、中身は鹿の血を凝固させている。濃厚だが洗練された味わいで、掴みは上々。 続く品は、毛蟹をジュレとムースに仕立てたもの。滑らかな食感。 スープの出汁は熊から引いており、程良い野趣を感じさせる。木の子が味に変化を与えている。 サラダは、上にベーコンとマッシュルームを被せており、多彩な食感。 パテアンクルートは当店の定番だそうだ。中の素材はその時々で変わるみたいだが、この日は雉などにフォアグラを混ぜ合わせたもの。野趣は控えめながら、肉を食べているという実感が湧く味だ。この品はワインを呼ぶ。 伊勢海老のパイ包み焼きは、パイの軽い食感も、解した伊勢海老の柔らかい食感も、そしてソースの存在感も良い。 肉料理は三種類から鴨を選んだ。脚の部分はかなり弾力感が強く、噛み切るのに苦労したが、胸の部分の弾力感は程良い感じ。血も加えたサルミ ソースも美味しい。焦げ目が付くまで焼いたブロッコリが、味に変化を与えている。 デセールはかなり攻めている。アイスクリームとグループフルーツの組み合わせだが、なんと山椒を振りかけている。甘味と酸味と辛味が融合している。 実直そうなシェフは、手が空いたら頻繁に客席まで来てくれる。狩猟家でもあり、パテアンクルートの雉は自ら仕留めたそうだ。 ジビエが名物ながら、魚料理もかなりの水準で、満足した。 Lature(ラチュレ)は、ジビエが名物のフランス料理店だ。カウンターとテーブルが5-6席。白を基調とした明るい雰囲気の内装。客席の側に厨房が在るため、雰囲気に活気がある。 ジビエを多用したコースと控えめなコースの二種類が有り、今回は後者を選んだ。 アミューズ ブーシェのマカロンは、まるでミニャルディーズみたいな見かけだが、中身は鹿の血を凝固させたもので、外側の生地も血で着色している。濃厚だが洗練された味わいで、掴みは上々。 続くサブレで挟んだ森鳩(ピジョン ラミエ)も、少量ながら旨味が凝縮されている。 ポタージュは少し泡立てており、滑らかな喉越し。 珍しい品種(名前は失念)の魚は、野菜で包んでいるのが斬新だ。 パテアンクルーテは当店の定番だそうだ。中の素材はその時々で変わるみたいだが、この日は鹿と猪と熊と穴熊と更にフォアグラを混ぜ合わせたもの。野趣は控えめながら、肉を食べているという実感が湧く味だ。この品はワインを呼ぶ。 二つ目の白身魚は、焦げ目を付けた焼き方が良く、スープ仕立てのソースも美味しく、全部掬ってしまう。 鹿は素材もレア気味な焼き加減も見事だ。臭みは全く無い。濃い色のソースは血を使っているのではなく、ベリー系の果物を煮詰めているみたいだが、適度に濃厚で肉との相性も良い。 追加料金で頼んだ北海道産のフロマージュも中々のもの。 デセールは上品で爽やかな味わい。 実直そうなシェフは、手が空いたら頻繁に客席まで来てくれる。狩猟家でもあり、自ら仕留めた獲物を出すこともあるそうだ。 肉料理は生命が詰まった感じがし、しかしながら癖は少なく、とても楽しめた。 ジビエが名物ながら、魚料理もかなりの水準で、満足した。
2022/12訪問
2回
The Tabelog Award 2026 Bronze 受賞店
食べログ フレンチ TOKYO 百名店 2025 選出店
六本木一丁目、六本木、神谷町/フレンチ、イノベーティブ
Edition Koji Shimomura(エディション・コウジ シモムラ)は六本木のフランス料理店。白い壁に黒いベンチ シートと黒い絨毯のシックな内装。天井が高く、客席の間隔はかなり広い。昼にコースを頼んだ。 アミューズ ブーシュは、サクッとした生地に空豆や川魚の卵を閉じ込めたもの。食感がとても良い。 ガスパッチョは独創的。何かで若干トロミを付けていて、アーティチョークや唐辛子が味に複雑さを与えている。爽やかな酸味。 スペシャルテだという牡蠣は本日の白眉。牡蠣は生に近い絶妙な食感。牡蠣のエキスから作ったというジュレは、ギリギリまで攻めた酸味が加わっている。岩海苔らしき素材と合わせて、複雑な食感を生み出している。 フォアグラは良質で、椎茸や葱との意外な組み合わせも効果的。 鯛系の白身魚は、カダイフ(中東の極細の麺)を揚げた衣を纏わせ、見事な食感だ。ブロッコリのソースも良い。 シャラン産の鴨も中々のもの。 カカオをクリームと粉末の異なる調理法で供するデセールやプリンも良質。デセールの最後の仕上げは、シェフが直接手掛ける。 料理は現代的に軽めの食感ながらも印象に残る。 接客も及第点。
2021/08訪問
1回
Requinquer(ルカンケ)は気軽なビストロという雰囲気だ。コースが何種類か有るが、皿数の少ないコースを選び、ワインはペアリングにした。 趣向を凝らしたアミューズ ブーシュが二皿出てくる。一皿は、沢山の小石の中に豚のリエットが隠れており、もう一皿は沢山の葉っぱの中にチップスが隠れているというものだ。出だしから楽しい演出だ。 続くフォアグラは、チーズケーキのような生地にフォアグラを練り込んでいる。フォアグラだけだと食感が重くなりがちだが、他の生地に練り込むことによって食感を軽くしている。 「スモーク」と題された皿は、給仕がクロッシュを外すと、煙が流れ、燻製香が立ち込める。中に有るのは、キャビアを載せたスモーク サーモン。味だけでなく香りも楽しめる。 鱈の白子はパイ包み仕立てだ。テーブル上で給仕がパイを切り、その場でトリュフを削って掛ける。白子のネットリとした食感とパイのサクサクした食感の対比が面白い。 牝牡蠣は趣向を凝らした調理法で供する。大振りの牡蠣をフリットにし、その上に揚げた海藻を乗せている。その横にはビーツなどを練り込んだ冷たいパウダーが添えられている。複数の構成要素の食感や温度の対比を楽しめる。 鱸のポワレは、サフランや野菜を上に載せた状態でテーブルに運ばれて、最後のに給仕がスープドポワソンを掛けて完成させる。スープドポワソンは魚介類を煮詰めた出汁のようなもので、コクが有る。 小鴨は焼き加減が良く、添えてある豆などのカスレも上質だ。 デセールやミニャルディーズも中々良い。 ルカンケは気軽な雰囲気だが 、プレゼンテーションが練られており、また、給仕が最後に一手間掛けて完成させる皿も多い。各皿とも素材が良く、素材の食感の対比も上手く設計されている。 中々良い店だと思う。
2020/12訪問
1回
パリで日本人として初めてミシュラン三つ星を獲得した小林圭氏。その小林氏が監修するレストランが、日本に増え始めている。店によって系列が異なり、御殿場のMaison Kei(メゾン ケイ)は、小林氏と和菓子の「とらや」のコラボレーションによるものだ。 僕は数年前にパリに訪れた際に、パリの本店の予約が取れなかったので、本店に一番味が近いと言われる御殿場店に訪れることにした。御殿場は期待に応える素晴らしい店だった。 東京から電車で訪れるのは難しく、我々はクルマで昼食に訪れたので、ワインは飲まなかった。給仕の話では、ワインを飲みたかったら、御殿場のアウトレット モールまでバスで訪れて、そこからタクシーで店まで来ることもできるとのこと。 交通が不便な代わりに眺めは良く、木の生い茂る庭が有るし、天気が良ければ富士山も眺められる。 先ずは4種のフィンガー フード。夏だけか一年中なのか聞きそびれたが、少し甘いソルベが夏の食事の導入部として嬉しい。 ガスパチョは何気ない感じだが、色々な素材が入っており、複雑な味わいだ。微かな苦味とメロンに起因する甘みに加えて、酸味も有る。てっきりグリーン トマトが入っているのかと思い、給仕に聞いてみたが、そうではなく、紫蘇やバジルが入っているのでそう感じたのではとの答え。 本店で定番の野菜のサラダ。写真は良く見るものの、食べるまで味が想像できなかった。レモンから作った泡が載っており、それを野菜とかき混ぜてから食べる。先ず野菜に力が有る。レモンの泡が、味と食感の両方に変化を与えている。鮪みたいな食感の素材が有ったので給仕に聞いてみたら、鱒とのこと。素材の力、そして味と食感の複雑さが生み出す逸品だ。 馬肉のタルタル。もちろん臭みは全くない。馬肉はネットリとした食感で、周りを覆うパイは、とても軽い食感。見事な対比だ。 魚と肉は複数から選べた。僕が選んだ鮎は出色だった。日本人のフランス料理シェフは、鮎に胡瓜などの瓜系の味を合わせる人が多いが、この店はその選択肢は取らない。肝から作ったソースが鮎の周りを覆うのは、しばしば見られる手法だが、この店のソースは平凡な店を遥かに凌駕する深みの有るものだ。サマー トリュフの香りも効果的。 肉は鳩を選んだ。素材と火入れはもちろん素晴らしいが、肉汁と味噌を使ったソースに驚いた。味噌の主張は控えめで、味に円やかさを加えることに徹している。フランス料理店の主菜は肉をシンプルに焼いたものが多いが、この店は独自の変化を付け、かつ高い完成度で纏めている。本店でも味噌は良く使うそうだ。 アヴァン デセールは、柔らかいフロマージュでベリー系の果物を包んだもの。オリーブ オイルが味に変化を与えている。食事の続きからデセールへの導入部にもなるような品だ。 デセールはパッション フルーツとメレンゲ。強い酸味と儚い食感の組み合わせ。「とらや」の餡が変化を加えているが、奇を衒った感じはせず、自然な組み合わせとなっている。 この店のシェフは、パリの本店で数年間スーシェフを務めた日本人で、小林氏も時々味見に訪れるそうだ。 どの皿も、様々な食材と味が組み合わされ、味わいが複雑ながら完成されている。和食の素材を取り入れているのが日本人ならではが、元となるフランス料理の腕が極めて高く、その上で和食の素材も取り入れている。素晴らしい料理だった。