『【TKG 卵かけ御飯】瓢亭の土佐醤油をかけて』oggeti209さんの日記

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“食”は、生理的欲求であり、自己実現の欲求でもある。

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oggeti209 (男性・東京都) 認証済

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今から40年ぐらい前、TBSラジオを運転中に聞いていたら、東京の噺家が「卵かけ御飯」について喋っていました。

鶏卵の値段は、養鶏業者のご努力により、当時と今を比べても殆ど値段に変化がありませんが、実はピンキリで10円以下/個から1,000円/個ぐらいまであります。件の噺家が若かりし頃、やはり鶏卵は貴重品であり、病気の時、精を付ける為に生卵を飲まされた思い出があると言っていました。噺家になっての夢は、好きなだけ玉子料理をお腹一杯食べることだったそうです。

面白かったのは、卵かけ御飯の食べ方について話が及んだ時でした。御飯の炊き方(硬め、柔らかめ)、生卵の温度(室温、冷蔵庫温度)、器に割るか直接ご飯茶碗に割るか、醤油はどのタイミングで掛けるのか、御飯の量はどうするのか等々、実に臨場感溢れる喋りで聴衆に話しかけていました。卵掛け御飯の組み合わせは、たくさんあり、御飯だけの部分、御飯と黄身が混ざった部分、御飯と白身が絡まった部分、御飯と黄身と白身が混ざった部分、御飯と醤油だけの部分、黄身だけ、白身だけの部分、それぞれ皆、味わいが異なり千差万別であり、無限の楽しみがあるとのことでした。

この話を聞いて以来、自分はどのようにして卵かけ御飯を食べているのか意識するようになってしまいました。学生時代に陶芸の窯場巡りをしていた時、知り合った女性が朝食に出た生卵を美味しそうに食べました。「私、ご飯が泳ぐぐらいの卵かけ御飯が好きなの。」と言って。

この言葉がず〜と気になっていました。
その後、様々な組み合わせを試してみましたが、結局、この食べ方になりました。

・ご飯は、普通の硬さに炊く。
・炊き立てにかぎる。量は少なめ。
・卵は新鮮なほど良く、必ず室温に戻しておく。
・器に割る。
・瓢亭の「土佐醤油」を少しだけ垂らす。
・殆ど掻き混ぜず、そのままご飯茶碗に掛ける。
・軽くご飯に混ぜて、一気に食べる。
 (妻は、箸で掬って音を立てずに食べています)

・納豆があれば、白身だけを納豆に混ぜて、黄身だけを御飯に掛けて醤油も垂らさず、黄身の塩味だけで食べる。残った黄身の付いた御飯に白身を混ぜた納豆を掛けて一気に食べる。

フランス人のモレシャンさんが、「ワタシ〜、卵掛け御飯ダイスキデス。」と言っていたのもその頃のことでした。

和久傳 高台寺店では、締めの御飯を数種類の中から選ぶことができます。
ぶぶ漬け、牛丼、玉子丼、季節の素材を載せた御飯、梅干御飯、ちりめん雑魚御飯、白い御飯と漬物、そして「卵かけ御飯」があります。その時の腹具合でパスすることが多くなりました。
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