イタリアに来てから、毎日、娘と競い合うようにして料理を作っています。
昨日は、Vinovoという街でマーケットが開かれていたので、寿司で食べることのできそうな新鮮な黒鯛と鯖っ子を買って、下拵えをしました。
4合の魚沼産コシヒカリを鍋で硬めに炊いて、合わせ酢(酢120cc、砂糖15g、塩 20g)を作り、東京国分寺市の親方から教わった配合で酢飯を作りました。親方は、今から10年以上前に亡くなってしまいましたが、父に連れられ子供の頃から馴染んだ酢飯の味は、私の舌にいつまでも残っています。
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三枚に開いたり、塩〆、酢〆など、包丁研ぎから初めて4時間も掛かり、如何に鮨屋の仕事が大変かよく分かりました。イタリアへ来ると日本人なら誰でも寿司を握ることができると思っているようです。「◯◯、お寿司食べた〜い。」と気軽に頼んできますが、日本産の食材は手に入りませんし、いくら説明してもどんなに大変なことだか理解してもらえません。
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婿が帰宅したので、カウンターキッチンを使った「俄か寿司屋」の開店です。
「ヘイ、いらっしゃい。」
「何から握りましょうか。」
と言っても二種類しかありません。
「うっ〜む、美味しい!」
「パパ、こんなに美味しい寿司を食べたら、私、日本に帰りたくなっちゃう。」
「ノンノ、美味しいね♡」
最大限の褒め言葉をもらって、私は疲れが吹っ飛びました。
(寿司の形は、
弁天山美家古寿司の親方の握り方をよく見て真似ました)