東山清水さんが投稿した日本料理山崎(富山/堀川小泉)の口コミ詳細

レビュアーのカバー画像

東山清水の「富山の美味逍遙」

メッセージを送る

この口コミは、東山清水さんが訪問した当時の主観的なご意見・ご感想です。

最新の情報とは異なる可能性がありますので、お店の方にご確認ください。 詳しくはこちら

利用規約に違反している口コミは、右のリンクから報告することができます。 問題のある口コミを報告する

移転日本料理山崎西中野、小泉町、広貫堂前/日本料理

1

  • 昼の点数:4.1

    • ¥20,000~¥29,999 / 1人
      • 料理・味 4.1
      • |サービス -
      • |雰囲気 4.1
      • |CP 3.9
      • |酒・ドリンク -
1回目

2021/03 訪問

  • 昼の点数:4.1

    • [ 料理・味4.1
    • | サービス-
    • | 雰囲気4.1
    • | CP3.9
    • | 酒・ドリンク-
    ¥20,000~¥29,999
    / 1人

富山を代表する日本料理店の風格

 富山で最も格式の高い店として、ミシュランに掲載される以前から地元ではよく知られていた。富山の日本料理は、やはりこの店を抜きにしては語れない。富山の自然と季節感を盛り込んだコース料理は、緻密で変化に富み、抑制のきいた美しさがある。趣のある建物・内装の雰囲気といい、さすがの風格を感じさせる。

【料理、味】
 今回食したのは、椿のコース。料理18,000円+飲み物1,600円。サービス料15%+消費税10%で計24,794円。春らしい季節感のある富山の食材を取り入れ、一つひとつ手の込んだ多彩な技と味つけを施し、決して派手ではないが美しく、変化に富みメリハリのきいたコース料理になっている。手間のかかる丁寧な仕事、客の目の前で仕上げる演出、美しい器など、満足感を高める要素が手堅く整っている。

0.食前酒 紅桔梗
 赤くて小さな平たい盃に、銀製の立派な急須で注いでもらっていただく。芳醇で飲みやすい。
 いっしょに出されたお茶には、ふきのとうの葉が入り、早春の香りがした。

1.先付(湯葉、うるいの葛きり、旨出汁のゼリー 花山葵と花穂添え)
 かつお風味の出汁のゼリーで上層を覆い、その下に湯葉が潜んでいる。うるいの葛きりは、半透明でプルプルした食感。花山葵は、かんでいるうちに辛味がしわりと出てきた。ウドなども盛り込んであり、いろいろな味と食感にあふれている。

2.焼き筍と焼き菜の花
 筍(九州産)には、田楽風な濃厚なフキノトウ味噌がたっぶりかかっている。味噌は、口に含んでいるうちに、フキノトウの苦みが感じられる。筍は、大きな皿に皮つきでディスプレイし、先取りした季節を演出した後に調理された。

3.バイ貝
 バイ貝は、火を通してほどよい歯ごたえを残した柔らかさにしてあり、皿の底にはった酒盗(カツオの内臓の塩辛を酒でのばして餡にしたもの)で食す。上には、バイ貝の硬い部分を刻んで炙り、白ネギの青い部分と和えたものを乗せてある。いかにも日本酒にあいそうな料理。バイ貝は富山ではポピュラーだが、家庭では口にしたことのない味わい。

4.はまぐりのしんじょう
 上品で滋味深いお出し。きめ細かでやさしい味わいのすり身の中に、はまぐりの身が入っている。

5.カワハギ
 魚津産のカワハギ。身の部分は、客の目の前で2秒間湯に通してから冷水で締め、肉厚で歯ごたえがある。器にはちり酢(ポン酢醤油)を張り、肝と花山葵の茎の部分を添えている。これが「お造り」の一つなのだろうが、ただ作って出すだけでないのがこの店のやり方だ。

6.ホタルイカ
 最初、カウンターの台の上の皿に生のまま盛ってあったが、食べる直前に湯に通して、あさつきとセリとともに、酢味噌をからめていただく。ホタルイカは丁寧に下処理してあり、柔らかくぷるぷるした食感で、雑味がなく上品で、普段イメージするホタルイカとは全く違う。酢味噌は、まろやかでほんのり甘い。

7.ヤリイカそーめん
 甘みのあるイカそーめんに氷見産ながらも(アカモク)と生姜をのせてある。つゆは、きりっとしてすっきりしている。

8.サクラマス、生の岩のり、山葵、大葉のまぜご飯
 客の目の前で盛りつけて供される。全体を、よく混ぜてから食べると。岩のりや大葉の味が楽しいアクセントになる。サクラマスは、表面を軽くあぶってあり、それだけ食べてみると、わりとあっさりした味わい。鱒寿司では酢で締めるサクラマスは、本来どういう味なのか、この料理で確かめられるかと期待したが、はっきりしなかった。それでも、料理としてはよかった。

9.ハナビラタケの茶碗蒸し、毛ガニの餡
 ハナビラタケは高岡産で、コリコリとした食感。

10.飛騨牛のヒレ、すきダレに温泉卵、新玉葱とキュウリのごまだれ和え
 飛騨牛はタレで漬け込んだレアな厚切りの1枚肉で、温泉卵をからめていただく。飛騨牛は非常に柔らかく、芳醇な熟成した感じの味と香り。

11.香物
 自家製の千枚カブラ、ふき、細かく刻んだきゃらぶき?。いずれも塩気が少なくて、ご飯なしでも食べやすい。
12.味噌汁
 あさりの赤だし。あさりの身が5~6個入っていた。
13.筍ご飯
 1人前なのに大きな土鍋で登場。おり菜(菜花の一種)の緑が彩りになっている。しっかりした味つけで旨味がしみわたっている。おこげは、カリカリ。残った分は、おにぎりにしてもらえた。

14.デザート(よもぎプリン、桜餅)
 よもぎのプリンは、ほんのり蓬の色を帯びて美しく、非常になめらか。黒蜜は、くどくないすっきり味。桜餅は、生地が焼きたてで温かく、普通の長明寺桜餅よりも分厚くもっちりしている。あんこも甘さ控えめで、後味がよい。

15.お抹茶
 やはり、最後の締めは抹茶がいい。ちなみに、去年3つ星に昇格したフレンチのレフェルヴェソンスの締めの飲み物はコーヒーではなく抹茶で、お茶の作法を習ったスタッフがその場でお茶を点てる。

【ドリンク】
 あらごし桃酒900円、庄川金屋美人柚子ジュース700円。ノンアルコール類は、結構リーズナブルな価格。

【雰囲気】
 和風の一軒家は、外観からして茶室に入っていくような風情がある。中は畳敷きで、靴を脱いで上がる。カウンター席は、趣のある照明を配し、静かで落ち着いた空間。こじんまりとして、天井も低く、まさに茶室のよう。
【サービス】
 入り口の引き戸を開けると、きれいな和服姿の仲居さんが膝をついて待ち受けていて、帰るときは、厨房の板前さんから仲居さんまで総出で、駐車場から出て行くところまでお見送りされたのには参った。欲を言えば、3つ星店らしいホスピタリティーが、もっと伝わってくればよかった。

【CP】
 3つ星を維持するには、それなりの料金を取る必要があるし、コロナ禍で客数を制限せざるをえない事情も理解できる。今回は、高級食材をあまり使っていないが、手間はかかっていた。富山でこういうハイレベルの料理を食べられるというありがたさも考えると、納得できるCPだ。

【総合評価】
 この店に来てよかったという満足感は十分にあった。文句なく3つ星かどうかはともかく、フランス人が最高の評価をしてもおかしくない要素を備えた店だと思う。

  • 先付

  • 焼き筍と焼き菜の花

  • バイ貝

  • はまぐりのしんじょう

  • カワハギ

  • ホタルイカ

  • ヤリイカそーめん

  • サクラマス、生の岩のり、山葵、大葉のまぜご飯

  • ハナビラタケの茶碗蒸し、毛ガニの餡

  • 飛騨牛のヒレ

  • 筍ご飯、味噌汁、香物

  • よもぎプリン

  • 桜餅

  • お抹茶

  • 店舗外観

  • 店舗入り口

2021/06/09 更新

エリアから探す

すべて

開く

北海道・東北
北海道 青森 秋田 岩手 山形 宮城 福島
関東
東京 神奈川 千葉 埼玉 群馬 栃木 茨城
中部
愛知 三重 岐阜 静岡 山梨 長野 新潟 石川 福井 富山
関西
大阪 京都 兵庫 滋賀 奈良 和歌山
中国・四国
広島 岡山 山口 島根 鳥取 徳島 香川 愛媛 高知
九州・沖縄
福岡 佐賀 長崎 熊本 大分 宮崎 鹿児島 沖縄
アジア
中国 香港 マカオ 韓国 台湾 シンガポール タイ インドネシア ベトナム マレーシア フィリピン スリランカ
北米
アメリカ
ハワイ
ハワイ
グアム
グアム
オセアニア
オーストラリア
ヨーロッパ
イギリス アイルランド フランス ドイツ イタリア スペイン ポルトガル スイス オーストリア オランダ ベルギー ルクセンブルグ デンマーク スウェーデン
中南米
メキシコ ブラジル ペルー
アフリカ
南アフリカ

閉じる

予算

営業時間

ページの先頭へ