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ウドとミズタコ
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パン
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アジフライとマカロニ
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白エビ、生ハム、ズッキーニ
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ハタハタのヴァプール
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青バイとキノコ
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ナメタガレイのムニエル
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馬肉の炭火焼き
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豆とミントのスパゲティー
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ティラミス
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コーヒー
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小菓子
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ひまわり食堂2(ツー)は、独創的で研ぎ澄まされたイノベーティブなイタリアンの名店。開店してから11年、今年4月に富山駅の近くに移転し、2階建てのスタイリッシュな外観と開放的なオープンキッチンダイニングの空間に生まれ変わった。
こぢんまりとして堅苦しくない雰囲気は今までと同様だが、厨房と客席がひとつながりで見渡せるすっきりしたレイアウトに変わった。客席から、シェフと若い助手による息の合った連携と緻密な作業が見え、田中シェフの才気と個性が一皿一皿に凝縮されていく様子がよくわかる。
シェフが客の目の前で作業するスタイルは、今や富山のミュシュラン星つき店の主流になっている。田中シェフは、厨房内の奥の方でずっと料理に集中し、客と接しないのは相変わらずだが、厨房と客席の間の衝立に器や瓶を並べて”バリケード”を築いていた旧店の時よりは、ずっと風通しがよくなった。
当店の料理は、一つ一つが斬新なアイディアで綿密に練り上げられ、細部まで神経が行き届き、完成度が高い。力強さと繊細さを併せ持ち、驚きを喚起するユニークさがあり、富山の食材もいろいろ取り入れている。余計な飾りつけはせず、料理を一つのオブジェのように皿の中央に簡潔にまとめ上げるスタイルも特徴的で、シェフ独自の”画風”がある。味も見た目もインパクトがあり、鮮やかな印象が残り、しばし日常の時間を忘れる。しかも、訪れるたびに違う多彩な料理が出てくるから、何度行っても飽きが来ない。
メニューは、18,000円(税込み)+サービス料10%のおまかせのコースのみ。ワインのペアリングは12,000円。移転前よりも大幅な値上げになったが、料理のクオリティーを維持するには、いたしかたないところだ。食材費の高騰などにより、3,4年前は、富山のミュシュラン星つき店の相場は、星の数✕1万円ぐらいという手頃さだったが、今では星の数✕1.5~2万円に上がっている。
「ひまわり食堂」からちょっとだけ名前を変えたのは、より高いクオリティーを追求して新たな境地を目指す、控えめな決意表明なのだろう。装いを新たにしてさらに磨きがかかった「ひまわり食堂2」は、富山を代表する一軒として、ますます声価が高まりそうです。
【本日の料理】
料理の内容や構成は、最後に小菓子が加わった以外は、以前とさほど変わりない。本日いただいた料理は、田中シェフ一流の変化球は少なく、富山らしい食材を多用して素材そのもののよさを明解に表現している印象だった。
1.ウドとミズタコ
リボンのようにきれいな薄切りにしたウドは、こぎみよい歯ごたえとしっかりした旨味がある。炭火で火入れしたミズタコは、ゴマ油の香りとオリーブオイルの甘みをまとい、柔らかくプルンとした身とプチプチした吸盤の食感が混じり合う。
◇パン
2.アジフライとマカロニ
トマトベースのソースとマイクロパクチー、シェルマカロニを合わせた洋風のアジフライ。きめ細かく薄い衣は、旨味やスパイスをきかせた複雑でしっかりした味つけ。肉厚なアジの身は、見事な火入れで断面が美しい。口にすると、柔らかく旨味豊かでジューシー。別添えのニンニクビネガーのソースをかけると、甘味と酸味が混じり合った旨味で味変する。
3.白エビ、生ハム、ズッキーニ
客に出す直前にスライスした生ハムが全体を覆い、その下にレアな白エビ、そのさらに下にゼッポリーネ(乱切りのズッキーニを海藻入りの薄衣の生地で包んで揚げたもの)。生ハムの濃厚な味わいと塩味、白エビのとろける甘み、ゼッポリーネの揚げ生地の香ばしさとパリっとした食感、ズッキーニのみずみずしい歯ごたえ。
4.ハタハタのヴァプール
ハタハタを、豆腐・豚肉・タケノコなどをムース状にまとめたものといっしょに蒸し上げ、しろ菜にとろろ昆布を混ぜたソースを合わせた。ハタハタは、フォークで持ち上げられないぐらいホロホロに柔らかく、ハタハタ特有の味わいと食感がそのまま出ている。ソースに富山名物のとろろ昆布をさりげなく忍ばせたりするのは、いかにも田中シェフらしい。
5.青バイとキノコ
バイ貝の中でも最高級品の青バイを藁であぶり、キノコとともに卵黄とシェリービネガーのソースを合わせた。香ばしく歯ごたえのある青バイに、とろりとした濃厚な卵黄とビネガーの力強い酸味がからむ。
6.ナメタガレイのムニエル
「アロゼ」の手法で仕上げたムニエル。火にかけたフライパンを傾け、熱々の泡状になったバターをおたまですくっては流しかけて揚げ焼きにしていた。ソースは、バターをベースにしてトマトやビネガーらしき酸味が入り交じったもの。カレイは、中はふっくらしっとりして、やさしい口溶け。
7.馬肉の炭火焼き
熊本県産の馬肉のハラミ。メインの肉料理は池多牛が定番だが、リピーターにはポークや馬肉などが出されることがある。しかも、同じく牛肉や馬肉でも、毎回、品種や使う部位を変える配慮をしてくれる。今回の馬肉は、鮮度がよく、池多牛に負けないほどぷるぷるのしっとりした柔らかさで、ナイフがすっと入る。しっかりした肉感とともに、ほどよいジューシーさで口溶けもよい。ボリュームもたっぷりあって満足感が膨らむ。
8.豆とミントのスパゲティー
もちもちの歯ごたえでコシのある中太麺に、バターとオリーブオイルを使ったシンプルなソースにミントのさわやかさが絡む。
9.デザート
甘さ控えめで、ココアパウダーの苦味もほどよく、後味がすっきりしていて、食後のデザートに好適なティラミス。
◇コーヒー、小菓子
小菓子は、イチゴのチーズケーキとビスコッティ(イタリアの硬いビスケット)