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スッポンの茶碗蒸し
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カニ、金時草
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バイ貝の飯蒸し
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カニのしんじょう
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カワハギの刺身
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ノドグロのしゃぶしゃぶ
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デブガツオのパン粉揚げ
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シマダイ、アオリイカ
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池多牛の西京焼き
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焼き胡麻豆腐
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甘鯛のうろこ焼き
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スッポンの春巻き、煮えばなの新米
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.ハモの照り焼きマツタケ巻き
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手打ち柚子蕎麦
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ふくらぎ卵かけご飯
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ちりめんじゃこ飯
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イチジク
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ぎんなん餅
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お抹茶
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店舗内観
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店舗外観
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「だい」は、富山の多彩な旬菜・鮮魚をこれでもかと盛り込んだ本格派の日本料理を、圧倒的にリーズナブルな価格で提供する店。上質でありながら穏やかで親しみやすい料理と雰囲気で、富山の季節の食材の魅力を満喫できる。
2年前に移転して大リニューアルし、外観は料亭のような風情のある一軒家に生まれ変わった。中に入ると、1階はカウンター10席の落ち着いた空間で、厨房の奥には水槽も備える。2階には個室もあり、さまざまな用途に使え、富山城のすぐ近くで交通の便もよい。
季節やその日の仕入れによって変わる料理は、総じて優しく素直で、工夫をこらした丁寧な仕事が施されている。店主・村井大輔氏の温和で誠実な人柄とたゆまぬ努力が感じられる。かつての居酒屋のイメージを払拭し、洗練された正統派の風格が出てきたようだ。
料理は、昼・夜ともコースのみで、税込6,600円、8,800円、12,100円、16,500円（別途サービス料10％）の4種類がある。品数が多く、質・量ともに極めて良心的だ。この数年で他店が軒並み大幅値上げする中、”最後の楽園”のように驚異的にリーズナブルな価格を維持している。
今回いただいた16,500円のコースは、12,100円のコースに高級食材を使った2皿を加え、先付けにアワビが入っていた（下記の※印）。驚くほど多くの料理が、1時間半足らずのうちに、息つく間もなく次々と出され、そのたびに、カウンターを囲む客が「おいしい」を連発していました。これなら毎月通いたいと思うほど、圧巻の高コストパフォーマンスのコースでした。
本格的な懐石料理の日本料理店は、雰囲気的にも値段的にもちょっと敷居が高いイメージがあるが、この店は、高級すぎず丁度よい居心地のよさがある。気軽に身近に富山らしい上質な日本料理を楽しめる、こういう店こそ貴重で大変ありがたいと感じ入りました。
◇本日の料理
0.玄米茶
1.スッポンの茶碗蒸し
スッポンを2時間煮込んでとったスープで作った茶碗蒸し。スッポンのエンペラ（甲羅のまわりの肉）と粟麩を焼いたものを添えて。
スッポンのスープの旨味を含んだ茶碗蒸しの生地はやさしい甘口。スプーンですくうと、水っぽくなくしっかり目の感触だが、口に入れると滑らかでクリーミー。粟麩は、外側が香ばしくて中はもっちりした食感とほんのりした甘み。
2.カニ、金時草（きんじそう）、※アワビ
ワタリガニ（岩瀬産）と金時草（富山産）。たたいたオクラと菊の花を添えて。※15,000円のコースには煮アワビも。
ほぐし身のワタリガニはふっくらしっとり柔らかい。甘酸っぱいポン酢がさわやか。加賀野菜の金時草は、ワカメのような見た目で、最初はしゃきっとした歯ごたえで、かんでいるとぬめりがにじみ出てくる。煮アワビは柔らかい弾力感で旨味がしみている。
3.バイ貝の飯蒸し
アオバイガイ（魚津産）の表面に藁の炎で香りづけし軽く火を通した。富山県産のご飯に山椒の葉を添えて。
藁焼きしたバイガイは、しっかりした歯ごたえで香ばしくほんのり甘い風味。山椒の葉とワサビの刺激が心地よい。
4.カニのしんじょう
ベニズワイガニのしんじょう。輪切りにした柚子とハラビラタケとともに。
しんじょうはゴルフボールぐらいのボリュームで、上品な出汁がしみた身がびっしり詰まっている。ハナビラタケは淡泊な味わいで柔らかいさくさく食感。
5.カワハギの刺身
カワハギの刺身。カワハギの肝とポン酢を合わせたソースで。
カワハギは細長い拍子切りにしていて、筋を細かく裁つことで歯切れがよく柔らかい食感になっている。肝は塩味をきかせて濃厚な味わいで、ポン酢の酸味とマッチしている。
6.ノドグロのしゃぶしゃぶ ※
出汁のスープにノドグロのぶつ切りを浸し、細かく刻んだ葱とともにいただくもので、「しゃぶしゃぶ」といっても薄造りをさっと湯に通すようなものではない。
ノドグロは色白できめこまかい口当たりで、あっさりした上品な旨みがあり、ところどころ濃厚な風味も感じられる。
7.デブガツオのパン粉揚げ
デブガツオは漁師による通称で正式にはヒラソウダガツオ。通常はタタキにするところ、表面にパン粉をつけてさっと揚げて旨味をとじこめた。
よくあるカツオのたたきとは違い、表面は揚げてサクサクした衣の食感と油の甘みがある。中の赤身は口溶け滑らかで、ツンとせず柔らかい口当たりのポン酢と合わさり、思わず目を見張る重層的な味わいになっている。
8.シマダイ、アオリイカのお造り
シマダイは店内の水槽で生かしていたもの。アオリイカは、小ぶりな新子で身は柔らかくて甘みがある。
シマダイは、しっかり身が締まった歯ごたえで、最初は淡泊なようで、かんでいるうちに力強い甘みと旨味が感じられる。アオリイカは、かんでいると凝縮した甘みとともにねっとり溶けていく。
9.池多牛の西京焼き
池多牛のイチボの部分を、軽く味噌に漬けた西京焼きにした。焼いた蓮根と自家製の柚子胡椒を添えて。
10.焼き胡麻豆腐
表面に焼き目をつけた胡麻豆腐、小松菜と生姜あんを添えて。
表面にすこし焦げ目があり、見た目と触った感じは、フグの白子を焼いたもののよう。外側は箸では簡単に切れない張りがあり、中はとろとろクリーミーで、上品な甘みが醤油ベースでとろみをつけたスープと合わさって旨い。
11.甘鯛のうろこ焼き、スッポンの春巻き、煮えばなの新米添え
甘鯛をうろこごと天ぷらにした。新物のサトイモ（福野産）とカボチャのすり流し。
甘鯛は肉厚でふっくらやさしく食べ応えがあり、揚げたウロコのしゃりしゃりした食感は程よく控えめになっている。煮えばなの新米は、ご飯が炊き上がる瞬間、蒸らしたりせず、香りが強く一粒一粒の旨味が引き立つアルデンテの状態をとらえたもの。新米の季節ならではの心憎い演出だ。
12.ハモの照り焼きマツタケ巻き ※
マツタケにハモの照り焼きを巻いたもの。柔らかく品のあるハモにマツタケの心地よい歯ごたえと風味に、甘辛いタレと山椒の香りがからむ。
13.手打ち蕎麦
富山市山田在来種の蕎麦の実を使った自家製の手打ち蕎麦。すだち蕎麦に仕立て、お出汁のベースは、甘鯛の頭と骨からとった。太めの麺は、水分少なめでコシが非常に強くて歯ごたえがすごい。
14.卵かけご飯フクラギ丼風、味噌汁とお新香
立山町産のご飯に、今朝店内の水槽から生きたまま締めたフクラギの刺身と平田有精卵（富山市音川産）を軽く醤油に漬けたものを乗せて。
鯛茶漬けかと思うような見た目で、敷き詰めたフクラギの下にオレンジ色の卵の黄身が隠れている。鮮度と旨味が両立したフクラギと粒立ちのよいご飯に濃厚なとろみの卵がからまる贅沢なＴＫＧ。ご飯のおかわりは、山椒をきかせたちりめんじゃこ飯になり、至れり尽くせりだ。
15.デザート1 イチジク
クロイチジク（富山県産）を焼いて断面をキャラメリゼしたもの。その下に、満寿泉プラチナの酒粕を使った酒粕アイス、ゼリーを添えて。
イチジクはとろとろ滑らかでやさしい甘み。酒粕アイスは、枡田酒造から特別に分けてもらった酒粕を使い、芳醇な深みのある香りと風味で、富山の日本料理店らしい一品。
16.デザート2 ぎんなん餅
新ギンナンを裏ごししてペーストにし、砂糖と醤油を加えて練ったものを餡玉の上に乗せた。
17.お抹茶