2回
2017/09 訪問
残念、あのハンバーグは幻に消えて名店が消滅!:懐・黒猫店長、駄亭粋鏡
2018/09/24 更新
2015/03 訪問
東高円寺で、謎の黒猫基地発見! “愛と勇気とサムマネー”
青梅街道を荻窪方面へ高円寺陸橋を越え華屋与兵衛を左折すると店はありました。
写真のように、一見、ゴミ屋敷にしか見えません。
この外観では、食べログがなかった時代は、誰も店の中へ入る勇気が起きなかったでしょう。
しばし、勇気を振るって、店内へ!
店の中は、一見雑然としていますが、拘りのアンティークが所狭しと並んでいます。
チャップリンのモノクロ映画がやっていたり、アンティークの黒猫ランプがかわいかったり、
ゴミ屋敷ではありません。子供の頃、ガキどもが集まって、地下基地を作りましたが、あれを
50年後も拘り続けるとこうなるんじゃないかという黒猫基地のような不思議な雰囲気。
店内の雰囲気に圧倒されて、肝心の料理の写真を撮るのを忘れていました(W
店の看板メニューはハンバーグ
■ ハンバーグセット
サラダ・スープ・ライスorパン付き のセット。
A:デミグラスソース
B:こがしオニオンシャリアピン
で、Bを選択、
初めにスープが運ばれてきましたが、味が濃密で野菜がごろごろ!
その瞬間、わかりました、ハンバーグも絶対に美味いはず!
それくらい、スープにコクがあり、深い味。これは、なかなか出せない味!
さて、ハンバーグは?
パテを多用して肉を固めるのではなく、フランスのハンバーグのように、大きめの肉を牛脂で合わせるタイプなのだが、
味が複雑。なぜ?
使われている肉がミンチで混ぜ合わされているのではなく、何種類かの肉が
大きめの肉片で、構成されているので、味がとても多様でおもしろい。そして、濃密。
国産牛ロースともも肉・国産豚バラ肉と豚リブロースの4種類の肉を
サイコロ状にカットしたものと、薄切り状にしたものに、
さらに、ズッキーニに肉汁を吸わせ 旨みを封じ込める。
これは、ソースがなくても十分美味い!
そして、味がいつまでも持続する。これは使われている肉が上質であるから。
こがしオニオンシャリアピンソースは、適当に作ってかけてあるレベルではありません。
このソースも、味が本当に深い。
長く煮込んだ玉ねぎから、野菜特有の自然な甘さがでていて、半端なくハンバーグとベストマッチ。
ハンバーグと言うよりも、むしろ、味はステーキに近い。
店主が、こがしオニオンシャリアピンソースについてコメントしています。
1936年に帝国ホテルで出された日本特有のソースです。帝国ホテルに宿泊中のロシア出身のオペラ歌手(バス)フョードル・シャリアピンは歯の不具合に悩んでいました。当時の料理長だった筒井さんは、肉を叩いて薄くのばし、玉ねぎに漬けこんで柔らかく焼き上げ、さらに、みじん切りの炒め玉ねぎをかけて提供して、シャリアピンはそれを大変気に入ったそうです。
今では、「シャリアピンソース」は帝国ホテルの伝統になっています。
当店では、玉ねぎと相性の良い、醤油とバターで、すき焼き風の味にしています。
添えてある、ポテト、ブロッコリー、カリフラワー、パプリカなど、どれも野菜の甘さがでて本当に美味しい。
いい加減な仕事は全くしていません。
白髭に、黒ハットの不思議なシェフ、ただ者ではありません。
ハンバーグセットで1400円は高いのでは?と思ったが、このレベルであれば、大満足!
ここの親父さん、細かいところまでお客さんへの配慮が伺えます。
団体客が来て、「バイトがいないもんで、お待たせしてすいません。生パスタは、少し置いておくだけで、
パスタ同士がくっつきやすいもんで、待たずに先にお召し上がり下さい」
「ここは風の通り道になっているもんで、寒かったらいつでも仰って下さい」
など、細かい気配りもできる!
親父さんのお持てなしの精神もよいが、むしろ、「ようこそ、私の黒猫王国へ来ていただいてありがとう」と言っている感じ。
金儲けで店を持とうと思ったら、これだけの腕前があれば、もっと立地条件の良いところで開店するだろうから。
■ ボロネーゼ(サラダ・スープ付き)
再びの訪問で、ボロネーゼを注文。
時間かかりますが、と言われたので、どうぞどうぞ、と返答。
生パスタの場合、フライパンを混ぜる音が結構聞こえる。
それくらい、生パスタが、もともちして、フライパンに引っ付かないようにしているようだ。
このミートソース、本当に濃密で、トマトの酸味を抑えてミートの量が多い。
出されるスープも、全てが濃密な味が、この店の特徴。
こちらも美味しかったです。
ただ、週末経営(2017年6月以降)になってから、シェフの料理に対する情熱が衰えてしまったような気がする。
カルボナーラを頼んだら以前とは全く違う、スープ・イン・スパゲッティーのようなものに代わり、この店の”濃縮した旨味”がなくなっていたのは残念。しかも、以前の生麺とは違い、麺も平凡な味に劣化。
昔は、生クリームとバターがふんだんに使われていたが、あっさりした、どこにでもある味になっていた。しかも、以前は、サラダとスープ付きで850円だったのが、カルボナーダだけで、1000円という価格設定。CPも低くなり、がっかり。
チャップリンは“人生に必要なのは愛と勇気とサムマネー”と言った。
夢をもって一歩踏み出す勇気さえあれば、充実したライフスタイルを築いていける。
ただ、ピックマネーではないけど、ほんの少しのサムマネーも必要だ。
そのためには、お客さんに、素晴らしい料理を提供して、代わりにサムマネーをいただいて、
老後を楽しく生きよう!という黒猫料理長の人生観をこの店に感じました。
私のハンバーグ番付(都内)です。まさかのハンバーグ名店越え!
シュワルツ カッツ>グリルK > ウチョウテン>こんのっち>アザミ> ハンバーグ ウィル >京洋食文吉> キッチン Oh!Way >レストランセビアン> キッチンたか > イト>キッチンABC >>> チェーン店のハンバーグ(ビッグボーイ、びっくりドンキー、くいしんぼ、げんこつ)
2017/08/22 更新
前回、カルボナーラを注文して、黒猫シェフ・駄亭粋鏡のいつもの料理に対する情熱が全く感じられなかった。変だなあと感じていたら、2017年10月1日をもって閉店するとのこと。
せっかく店の評判がよく遠隔地からわざわざハンバーグを求めて来てくれるお客さんがでてきたのに誠に残念。こんなユニークなレストラン、東京にはないのに、もったいない。
店の守護神のライギョ君もいなくなり、閉店へ。
一応、土日、シュワルツカッツは10月1日以降も営業しており、メニューも同じようなものを出していますが、味は残念ながら素人の暇つぶしのようなもので、お金を払ってまで食べたいと感じたものはありません。週末だけ子供のために料理する旦那の料理レベル。自分で調理した方が間違いなくうまいなあ。残念!
食材が同じでも、レシピが同じでも料理人が変わればダメになってしまうんですね。素人の料理人はパスタの具材を豊かにすることで客に出せるレベルに達しったと錯覚するが、プロの料理人は、ソースだけで勝負して具材がなくても客を満足させるのに十分な料理を作ることができる。その違いだと思います。具材を除いてソースパスタだけで食べられるのか、そこから出発すればどれほどソース作りが大切かがわかります。これが料理の基本です。
黒猫シェフ・駄亭粋鏡はソース作りの達人だった。「どうやったら、そんなに濃密なソースができるんだ」と聞いたところ、照れながら、「いや、普通にやっているだけなんです」と☺️
あの黒猫店長、駄亭粋鏡こと、門矢昌之さんは、現在、熱海清水町で、「ダテイ」という店を開いています。
https://tabelog.com/shizuoka/A2205/A220502/22003373/dtlphotolst/1/smp2/
https://www.facebook.com/people/Suikyou-Datei/100004576965155
駄亭粋鏡さんが作ったスープを最初、口に入れた途端、只者ではないとわかりました。あらゆるものがこだわりの味で手を抜かない。よほど舌の肥えた料理人だったのでしょう。素材の味が濃縮された濃密な味。材料も良いものばかり厳選して作っていたので営業的には厳しかったでしょうか。あれだけセンスの良い料理人とはなかなか出会えません。残念!
高円寺の名店ビリエットも、天才料理人ゴンがいなくなって、閑古鳥が泣きついには閉店になりました。東高円寺から名店がまた一つ消えて行った。