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1回
夜の点数:4.5
昼の点数:4.5
2009/08 訪問
夜の点数:4.5
昼の点数:4.5
心と時間に余裕を持って、存分に楽しみたい名店です
2010/09/24 更新
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溜池交差点近くの小さな路地にひっそりとあります。とは言っても、隣に「ツッカ・ベッカライ・カヤヌマ」というウイーン菓子店を従えて、更には大きくオーストリアの国旗をあしらって、堂々とした構えです。それを見ただけで、ハプスブルクの栄光をを背負っているのだなと感じます。店は新しい造りながら、品格があって、軽装で来店すると引け目を感じるかも。客あしらいは適度な丁重さで上等です。ホールの皆が、きちんとお話のできる相手であるということは、客が広がりのある時間を過ごせるということです。これは貴重なこと。この店の姿勢を感じます。ランチのコースは4800円のもの一本で、前菜、スープ、メイン、デザート、コーヒー。スープ二種、メインに三種のバリエーションがあります。どれも食材や料理法にオーストリアの伝統が感じられますが、現代人、あるいは日本人の味覚にキチンと合うようにアレンジされている感じです。そして何よりも丁寧な創りで、見た目に美しく、味はやさしく適度な軽みがあって、なによりも美味!それはそれは素晴らしい料理の数々です。基本コースの他にいくつかのオプション・メニューがあって、「バラ・シンケン」(特上スモークハム)とか、「クラッハー・グランドクリュ」(貴腐ワインで練ったブルーチーズ)を勧められます。これらを頼むと、コース代金がいささか跳ね上がりますが、余裕があれば、これは是非試して見る価値があるでしょう。コースがぐっと多彩になります。オーストリアワインの適度な品揃えがありますが、それらはどれも確かなものばかりです。グラスワインも充分なもので、「軽くお手ごろ」というこれまでのオーストリアワインに対する認識は、みごとに覆されました。(そしてそれらはどれも、味に比較してお値打ち価格です)結局デザートワインまで含め、4種類のグラスを注文し、これも手抜きのないメランジュで〆て至福の時を終えました。心と時間に余裕を持って、存分に楽しみたい名店です。 日を改めてディナーに訪れましたが、その時は「ハプスブルクの晩餐」と称する、オーストリア政府公認のマイスターである神田シェフが腕によりをかけた皇帝料理特別メニューをいただきました。 まずスープが「鶏のスープピューレ仕立て、カルトフェルクーゲル添え」、前菜が「仔羊のコロッケ、フェンネルのパスタ赤ワインソース」、魚が「カワカマスのノッケルン、白ワインソースハーブ風味」、口直しの「スミレのソルべ」を挟んで肉が「乳飲み仔牛ロース肉のロースト皇帝風」、デザートは「ザッハトルテ」というもの、高級でありながら飾らず、多彩な食感があり、気品に満ち、円やかな味わいが何よりもの特徴で、フランス料理でもイタリア料理でも、ましてやドイツ料理でもお目にかかったことのないようなお皿の数々は、これぞハプスブルクの伝統を重んじるウイーン料理と思わせる素晴らしい出来でした。そして、いつまでも終わって欲しくないと思わせる贅沢な時間が過ぎて行きました。