nao...さんが投稿した川田(東京/人形町)の口コミ詳細

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Delicious Days!~孤高の食べ歩き~

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川田人形町、水天宮前、茅場町/日本料理

25

  • 夜の点数:5.0

    • ¥30,000~¥39,999 / 1人
      • 料理・味 5.0
      • |サービス 4.0
      • |雰囲気 4.0
      • |CP 4.5
      • |酒・ドリンク -
5回目

2020/08 訪問

  • 夜の点数:4.8

    • [ 料理・味4.8
    • | サービス4.0
    • | 雰囲気4.0
    • | CP4.0
    • | 酒・ドリンク-
    ¥30,000~¥39,999
    / 1人

美しき一輪花

2020.8.

夏の食材を食べたくて、人形町にある「日本橋人形町 川田」に再訪。鮨は幸いにも定期的に通わせていただいているお店が多いのですが、和食店になるとこの一軒だけ。勿論通いたいと思っているお店もあるのですが、店主の川田 治司さんの人柄を垣間見れるような料理が好きなのです。

今夜の献立

鯛の煮凝り♡
鯛で取った出汁を煮凝りにして、紫海胆と合わせたもの。青柚子の香りが鼻から抜けて、鯛の素晴らしい出汁の味わい、そして紫海胆の旨味がグッときます。「少ないと寂しいじゃないですか」と仰る通り、海胆の量がもの凄い!

鰻の飯蒸し♡
鰻が炭火で焼かれると思わず、深く呼吸してしまうほどのいい香り。もち米は鰻の出汁を使って蒸しあげているそうで、そのままで美味しい。白焼きされた鰻は肉厚で、皮はパリッとしてジューシー。

鱧の子の玉締め♡
添えてある揚げられた牛蒡が素晴らしい仕事をしています。甘味と旨味のある鱧の子にはない食感と香りをこの牛蒡が与えていて、一緒に食べることで完成する料理。

芋茎の吉野煮
シャキシャキ食感の芋茎に生姜のビシッとした味わい。どこかホッとするような味わいがここにやってきたという感覚になります。

無花果の酒蒸し
京都府産の無花果を酒蒸しで。口に入れると花穂じその香りがふわりとして、トロリととろける無花果の甘味が味噌でより際立ださせています。

トウモロコシのかき揚げと新銀杏♡
トウモロコシのかき揚げが素晴らしく美味しい。最初は香りが広がり、その後に強烈な甘味が口いっぱいに広がります。その甘味の凄いこと。

太刀魚の天麩羅♡
最早飲み物と言ってもいいくらいのとろけ方。いつから太刀魚は飲み物になったのだろう。

じゅん菜
粒も大きくて、酢の塩梅も好み。

星鰈のお造り
やはり鰈とは違う香りと旨味。心地よいモチモチ感と咀嚼の度に搾り出てくるような濃度の濃い旨味が素晴らしく、食べ終えた後でも残る甘味が印象的。

鱧と松茸のお椀♡
溜息が出るほどに美味しい!松茸は生のまま入れているので、最初と最後では食感と香りが異なって面白い。葛打ちしてトロッとした鱧の旨味に松茸の魅惑的な香り、晩夏の楽しみです。

鮎の塩焼き♡
滋賀県産。ワタのほろ苦さも残っていて、実にオトナの味わい。何匹でも食べられそう。

鱧素麺
爽やかでありながらも、旨味がビシッとした味わい。

小芋と穴子の焚き合わせ
シルキーな小芋に穴子の力強い香りが寄り添い、絹さやの爽やかな青臭さが駆け抜けていくような料理。

〆ご飯① 鮑と新蓮根の炊き込みご飯♡
シャキシャキとした新蓮根の甘味、モッチリとした鮑の旨味が絶妙。ずっと食べてられるような味わい。

〆ご飯② 星鰈の胡麻和え♡
先程の星鰈を胡麻和えにして。あまり胡麻が好きではないのですが、凄く美味しい♡

〆ご飯③ 黄身の醤油漬けご飯♡
醤油漬けにすることで、脱水されて旨味が濃縮された黄身。固めに炊かれた銀シャリに素晴らしいマリアージュが生まれます。

〆ご飯④ ちりめん山椒♡
こんなにもちりめん山椒を愛おしく思うことはありません。実山椒の鮮烈な香りがとても心地よい。

〆ご飯⑤ 牛肉の時雨煮♡
最後は日本人ならば絶対に心に響く甘辛い味わいの時雨煮。思い出しただけでも美味しい♡

わらび餅
自家製ということは以前から知っていましたが、今回は目の前で作るところから見せてくれました。

鮎・鱧・松茸・トウモロコシ・鮑と思い描いた通りの食材に巡り逢えて、幸せでした。パフォーマンス的に魅せることは相変わらずありませんが、光る白木のカウンター以上に一つ一つの料理が輝くように美味しい。日本の四季に出逢えることは、本当に素晴らしい!

川田さん、今回もご馳走さまでした。次回は、蟹を楽しみにしています。33460

  • 2020.8. 鯛の煮凝り

  • 2020.8. 鰻の飯蒸し

  • 2020.8. 鱧の子の玉締め

  • 2020.8. 芋茎の吉野煮

  • 2020.8. 無花果の酒蒸し

  • 2020.8. トウモロコシのかき揚げと新銀杏

  • 2020.8. 太刀魚の天麩羅

  • 2020.8. じゅん菜

  • 2020.8. 星鰈のお造り

  • 2020.8. 鱧と松茸のお椀

  • 2020.8. 鮎の塩焼き

  • 2020.8. 鱧素麺

  • 2020.8. 小芋と穴子の焚き合わせ

  • 2020.8. 鮑と新蓮根の炊き込みご飯

  • 2020.8. 星鰈の胡麻和え

  • 2020.8. 黄身の醤油漬けご飯

  • 2020.8. ちりめん山椒

  • 2020.8. 牛肉の時雨煮

  • 2020.8. わらび餅

2021/05/15 更新

4回目

  • 夜の点数:4.8

    • [ 料理・味4.8
    • | サービス3.6
    • | 雰囲気4.0
    • | CP3.9
    • | 酒・ドリンク-
    ¥20,000~¥29,999
    / 1人

美しき一輪花

2020.5.

trrr…
「まだはっきりとしていないのですが、営業する場合は来られますか?」

電話の向こうから人形町にある和食店「日本橋人形町 川田」の川田 治司さんの声。コロナ禍の状況なので営業自粛は致し方ないですが、営業されるのならば行きますと答えてから、数週間後…。光輝くような白木のカウンターの「日本橋人形町 川田」に無事帰ってくることができました。

今夜の献立

芋茎の吉野煮
定番のスターター。胃を温めるような優しい味わいが、このお店にまた来れたという気持ちにさせます。

穴子の八幡巻きとばちこ♡
供されるだけで、穴子の香りが凄い。口にすると、更に木の芽と牛蒡の香りも一緒に華やぎます。

うすい豆
初夏の味わいの豆。青臭さは微塵もなく、ほのかな豆の甘味と追いかけるように出汁の甘味がします。

天然タラの芽とアスパラガス♡
終わりかけの春を閉じめたかのような味わい。若い頃はさほど興味がなかった山菜も歳を重ねるごとに食べたくなります。

天然タラの芽と稚鮎♡
なんとタラの芽をおかわりできました。そして、稚鮎。素晴らしく美味しい。ほろ苦く、ほろ甘く、香り高く、それらの余韻も長く続きます。

じゅん菜
粒も大きく、何よりもこの酢の味わいが非常に好み。

墨烏賊と北紫海胆
鮨店に負けないクオリティ。特に北紫海胆は香りと味わいが実に上品。

鮪と真鯛♡
鮪は有名鮪卸問屋の「やま幸」からの仕入れなので、味わいは間違いなしです。真鯛も確りとした脂と甘味があり、白身の王様の名前に偽りない味わい。

虎魚のお椀♡
鰹節などは全く使っておらず、虎魚のみで出汁をとったお椀。水面に刻む波紋のように旨味が広がっていき、深く深く染み込んでいくようなイメージ。いつもながら実に美味しい。

鹿児島牛のシャトーブリアン♡
旬の花山椒と共に。シャトーブリアンの味付けは繊細な照り焼きにしており、肉の甘味を確りと味わえます。

鮑とアワビダケと唐辛子の炊き合わせ♡
それぞれ違う煮方をしており、品のある甘味のあるベールを纏っているかのようで、実に美味しい。

水茄子♡
生の茄子に塩を振っただけなのに、魔法か?と思うほどに美味しい。

〆ご飯①青豆ご飯♡
先程のうすい豆を使った炊き込みご飯。昆布の旨味とうすい豆の甘味だけなのに異様に美味しい。

〆ご飯②真鯛の胡麻和え♡
胡麻ペーストは真鯛の下に隠れています。この胡麻ペーストが濃厚で、真鯛の旨味に加わることで実に美味しい。

〆ご飯③ちりめん山椒♡
こんなにもちりめん山椒を愛しく思うことありません。実山椒と木の芽の香りが華やぐ素晴らしい〆ご飯です。

〆ご飯④黄身の醤油漬け♡
あまりTKGは好んで食べないのですが、これは別格。黄身だけなので、極々濃厚な味わいが広がります。

〆ご飯⑤天ばら♡
桜海老の天ばら。ご飯に塩を振っているのですが、絶妙な塩加減。味付けというよりは、素材の良さを引き出しているようです。

〆ご飯⑥生海苔の佃煮♡
山葵の鮮烈さ、海苔の香りが一気に口の中で爆発します。シンプルだけど、実に美味しい。

〆ご飯⑦和風カレー
サラリとしたカレーはあまり好みではないのですが、和風カレーは大好き。ピリリとしたカレーのスパイスにも負けないような力強い出汁の旨味があります。久しぶりに作ったそうで、食べられて良かったです。

自家製わらび餅
最後は自家製のわらび餅で、ほっこりと。

さすがに春の筍には間に合いませんでしたが、晩春と初夏の食材を使った季節の変わり目らしい料理に出逢えました。今回からカウンターに置いてあった盆をなくしたり、今まで見えなかった川田さんの包丁さばきを見せるようにしたりと料理の美味しさと共に魅せることも意識しているみたい。訪れる度にお店としての完成度が高まっていくのが感じられて、食べ終えた瞬間から次の訪問が楽しみになるお店です。

次回は真夏。鮎や鱧など楽しみな食材が私を待っている!
川田さん、このような状況の中で営業して下さり、ありがとうございました。27830

  • 2020.5. 芋茎の吉野煮

  • 2020.5. 穴子の八幡巻きとばちこ

  • 2020.5. うすい豆

  • 2020.5. 天然タラの芽とアスパラガス

  • 2020.5. 天然タラの芽

  • 2020.5. 稚鮎

  • 2020.5. 稚鮎

  • 2020.5. じゅん菜

  • 2020.5. 墨烏賊と北紫海胆

  • 2020.2. 鮪と真鯛

  • 2020.5. 虎魚のお椀

  • 2020.5. 鹿児島牛のシャトーブリアン

  • 2020.5. 鮑とアワビダケと唐辛子の炊き合わせ

  • 2020.5. 水茄子

  • 2020.5. 青豆ご飯

  • 2020.5. 真鯛の胡麻和え

  • 2020.5. 銀シャリ

  • 2020.5. ちりめん山椒

  • 2020.5. 黄身の醤油漬け

  • 2020.5. 天ばら

  • 2020.5. 生海苔の佃煮

  • 2020.5. 和風カレー

  • 2020.5. 自家製わらび餅

2020/08/27 更新

3回目

2020/02 訪問

  • 夜の点数:4.8

    • [ 料理・味4.8
    • | サービス3.5
    • | 雰囲気4.0
    • | CP3.9
    • | 酒・ドリンク-
    ¥30,000~¥39,999
    / 1人

華はない。けれど、美しき味。

2020.2.

人形町に咲き誇る大輪の華

2019年2月にオープンして、ちょうど1年が経った「日本橋人形町 川田」へ定期訪問。居抜き店舗だったので、どことなく割烹らしくない所もあったのですが…2回に分けて改装をしたそうで、白木のカウンターを中心に店内が眩しいくらいに輝いています。「カウンターも綺麗になりましたね」と言うと、「分かります?誰もおっしゃっていただけなくて…」と店主の川田 治司さんが嬉しそうにはにかむ。

今夜の献立

芋茎の吉野煮
上に乗せられた生姜がいいアクセントを与えて、シャリシャリとした芋茎の食感が心地よい。

穴子の飯蒸し♡
ほんのりと甘く焚き上げた穴子が実に美味しい。確りと甘味の後に穴子の香りがします。

海鼠と海鼠腸の酢の物♡
赤と青の海鼠を2種使っており、特に赤海鼠の柔らかさが衝撃的。柔らかいを通り越して、溶けます。唐辛子のピリッとしたアクセントもいい。

揚げ物①白魚
軽い仕上がりで塩気も素晴らしく、白魚の甘味も引き出すような感じ。

揚げ物②タラの芽♡
さほど山菜には興味がないのですが、美味しい。ホクホクとした食感、ほんのりとした苦味にそれ以上の甘味を感じます。

揚げ物③海老芋♡
大阪府富田林産の海老芋。そろそろシーズン終わりですが、舌に絡みつくのようなトロトロの中で甘味が映えます。

松葉蟹♡
今季最後という松葉蟹。身もパンパンに詰まっており、甘味も素晴らしい。欲を言えば、もっと食べたい!

虎河豚の白子♡
シンプルに炭で焼き上げた白子ですが、純粋無垢なクリーミーさと甘味が実に美味しい。甘味を引き出す塩加減も絶妙。

お造り♡
淡路産の真鯛、千葉県下田産の鮪。鮪は鮪卸の有名店「やま幸」から仕入れてらっしゃるそうで、抜群の美味しさ。真鯛も脂が乗っていて美味しい。

ばちこ
炙った海鼠の卵巣、ばちこ。お酒飲みにはいい肴。

鼈のお椀♡
「ゴツくいかせていただきました」という川田さんの言葉通り、非常に大きな九州産の鼈が入れられています。しかしながら、味わいは上品極まりない。鼈の臭みなどは微塵もなく、濃度は濃いわけでもない。でも確りとした力強さを感じる味わいです。

ホンモロコ
琵琶湖産のホンモロコを照り焼きに。少々骨っぽさもありますが、身はフワフワとして美味しい。

氷魚
鮎の幼魚。こちらも琵琶湖産で、もう最後らしい。身も大きく、口の中いっぱいに甘味が駆け抜けていきます。

蕪の焚き合わせ
トロリととろけるような蕪は、こんなにも甘いのかと思うほどに甘い。綺麗なだんだら模様が浮かぶ海老にはまた違った甘味があり、添えられている絹さやはシャリっとした食感が蕪とのコントラストがあっていい。ひと椀で異なる甘味や食感が楽しめる繊細な味わい。

〆ご飯①真鯛の胡麻和え♡
ここからお楽しみの炊き立ての銀シャリを使った怒涛の〆ご飯。まずは濃厚な胡麻ダレで和えた真鯛の刺身。正直、あまり胡麻和えは好きではないのですが、別格に美味しい。

〆ご飯②松葉蟹の炊き込みご飯♡
松葉蟹がたっぷりと入れられた炊き込みご飯の上から更に蟹味噌をかけて供されるという反則なまでの美味しさ。蟹の甘味、蟹味噌の香りと濃厚な味わいが実に素晴らしい。

〆ご飯③自家製海苔の佃煮♡
これもまたストレートに美味しい。熱々のご飯で海苔の香りが立ち込め、山葵の鮮烈さがまたいいアクセントです。

〆ご飯④黄身の醤油漬け♡
黄身を箸で突くと、とろりとご飯に流れ出し、絶品のTKGの完成。黄身だけなので、味わいは極濃厚。

〆ご飯⑤ちりめん山椒♡
山葵とは違う山椒のピリッとした鮮烈さがとても心地よく、これだけでも何杯でも食べれそうな魔性の味わい。

〆ご飯⑥牛肉の時雨煮♡
「すき焼きっていう〆もいいなぁ」と思っていたら、供されたのがコレ。心を読んでいたの?と思ったくらいの絶妙なタイミング。日本人ならば大好きな甘辛い味わいの中で、牛肉の旨味がご飯とよく合います。

自家製わらび餅
最後はほんのりと甘いモチモチのわらび餅。

SNSなどで映えるような盛り付けやパフォーマンスもされる方も多くなっている中でも、このお店では全くそういうのはありません。見た目的には華はないのかもしれませんが、手際の良いテンポで供される料理の数々はどれも美味しく、美しい大輪の華々を感じることができること間違いなしです。〆ご飯でボリュームコントロールできるようになっているので、少食な方も問題ありませんが、是非少量でも全て食べることを強くお勧めします。

今回もたっぷりといただきました。ご馳走さまです。また次回も宜しくお願いします。35365

  • 2020.2. 芋茎の吉野煮

  • 2020.2. 穴子の飯蒸し

  • 2020.2. 海鼠と海鼠腸の酢の物

  • 2020.2. 揚げ物①白魚

  • 2020.2. 揚げ物②タラの芽

  • 2020.2. 揚げ物③海老芋

  • 2020.2. 松葉蟹

  • 2020.2. 虎河豚の白子

  • 2020.2. お造り

  • 2020.2. ばちこ

  • 2020.2. 鼈のお椀

  • 2020.2. ホンモロコ

  • 2020.2. 氷魚

  • 2020.2. 蕪の焚き合わせ

  • 2020.2. 〆ご飯①真鯛の胡麻和え

  • 2020.2. 〆ご飯②松葉蟹の炊き込みご飯

  • 2020.2. 〆ご飯③自家製海苔の佃煮

  • 2020.2. 〆ご飯④黄身の醤油漬け

  • 2020.2. 〆ご飯⑤ちりめん山椒

  • 2020.2. 〆ご飯⑥牛肉の時雨煮

  • 2020.2. 自家製わらび餅

2020/08/27 更新

2回目

2019/11 訪問

  • 夜の点数:4.8

    • [ 料理・味4.8
    • | サービス3.8
    • | 雰囲気3.5
    • | CP3.9
    • | 酒・ドリンク-
    ¥30,000~¥39,999
    / 1人

華はない。けれど、美しき味。

2019.11.

芍薬のような優雅さはなく、牡丹のような艶やさもなく、百合のような気高さもない。
けれど、そこにあるのは確かに美しき味わい。

これからの日本料理界を牽引するであろうお店の1つ「日本橋人形町 川田」へ再訪。店主の川田 治司さんは、日本料理の名店の一角である「井雪」にて煮方・焼き方など全ての持ち場で13年間研鑽を積まれて、満を持して2019年2月に独立された方です。真夏に1度訪問させていただき、今回で2回目。特にブランド食材で飾ることもなく、調理のパフォーマンスを演出することもなく、「井雪」の特徴である多皿なコース仕立てで、ただ今が旬の食材で美味しい料理を出すという川田さんの人柄に魅かれての再訪です。

本日の献立

芋茎の吉野煮♡
「寒くなってきましたね」と供された、ほっこりとする素朴さ全開の一品。シャクシャクとした芋茎の心地よい歯応えと餡の絶妙な旨味が素晴らしい。途中から生姜を溶かすことで、味わいが締まります。

海胆の飯蒸し♡
熱々の飯蒸しの上にはたっぷりの馬糞海胆。海胆の甘味が映えて美味しい。

ばちこ
炙りたてのばちこ。日本酒が合わないはずがない。

百合根とインゲンの胡麻和え
食べた瞬間にガツンと来る濃厚な胡麻の味わい。百合根とインゲンの異なるホクホクとした食感もいい。

舞茸と銀杏の揚げ物
まるで舞茸に霜がおりたかのような美しい揚げあがり。香りもちゃんと楽しめます。素揚げの新銀杏は、ホクホク加減がいいお酒の肴になります。

海老芋の揚げ物♡
舌に絡みつくようにトロリととろける海老芋。口の中で広がる甘味も美味しい。

蕪蒸し♡
中には穴子とぐじが入っており、それぞれの旨味や甘味が確りと味わえます。寒くなってきたので、温まる料理は嬉しい。

越前蟹♡♡
ちょうど解禁になったばかりの津居山港産の越前蟹の雄と雌を両方いただく贅沢な料理。酸味の柔らかいポン酢ジュレの中で、たっぷりと盛られた雄の身の甘味、雌の外子のプチプチとした食感が同時に楽しめて嬉しい。
食べ終わると、甲羅にお酒を入れて火にかけて、熱々の甲羅酒で蟹の香りをまた楽しませていただきました。

蓮根のお椀♡
蓮根をすり下ろして揚げたものに出汁を張ったお椀。この蓮根がモッチモチで、実に美味しい。そして、この出汁。ずっと飲んでいたくなるほどに素晴らしく研ぎ澄まされた味わい。

マナガツオの西京焼き♡
マナガツオの身はしっとりとしており、皮はモチモチとした食感があります。このコクのある甘めな味わいは、実に好み。ご飯が欲しくなります。

聖護院大根
トロトロというわけではなく、聖護院大根自体の味も分かるような柔らかさです。なので、ちょっとした苦味や酸味なども感じられます。

いくらご飯
ここから怒涛の〆ご飯です。炊き立ての銀シャリに出汁醤油のいくらをたっぷりとかけた1杯目。ご飯の甘味が際立ちます。

鯛の胡麻和え
2杯目は、銀シャリと鯛の胡麻和え。この胡麻和えもまた濃厚で美味しい。

ちりめん山椒♡
木の芽と実山椒の爽やかさが素晴らしい。

黄身の醤油漬けご飯♡
素晴らしいTKG。黄身から余分な水分が脱水されて、旨味が凝縮されています。

海苔の佃煮ご飯♡
海苔の香りと山葵の鮮烈さが映えて、素晴らしい。

天ばら♡
最後は桜海老を使った天ばら。ご飯がモチモチしている中で、桜海老のサクサクとした食感が心地よく、塩加減も絶妙。

わらび餅
最後は自家製のわらび餅。ほのかな甘味が優しく、今夜の幕を降ろします。

今回も実に美味しかったです。まだ日中は暖かい日が続いている中でも、夜となると寒く感じられるようになったので、『吉野煮』や『蕪蒸し』など温まる料理はとても季節を重んじる日本料理の素晴らしさを感じられました。前回同様に3つの土鍋を使って、時間差での炊き立ての〆ご飯が6種というご飯好きにはたまらないコース仕立ては、少量でも制覇して食べていただきたいです。

来年早々に工事を予定されているそうで、どんな風になるのかは分かりませんが、川田さんの手元が見える造りになると、より洗練されて素晴らしいと思います。
今回もご馳走さまでした。次回も楽しめにしています。30360

  • 2019.11. 芋茎の吉野煮

  • 2019.11. 海胆の飯蒸し

  • 2019.11. ばちこ

  • 2019.11. 百合根とインゲンの胡麻和え

  • 2019.11. 舞茸と銀杏の揚げ物

  • 2019.11. 海老芋の揚げ物

  • 2019.11. 蕪蒸し

  • 2019.11. 越前蟹

  • 2019.11. 甲羅酒

  • 2019.11. 蓮根のお椀

  • 2019.11. マナガツオの西京焼き

  • 2019.11. 聖護院大根

  • 2019.11. いくらご飯

  • 2019.11. 鯛の胡麻和え

  • 2019.11. ちりめん山椒

  • 2019.11. 黄身の醤油漬けご飯

  • 2019.11. 海苔の佃煮

  • 2019.11. 天ばら

  • 2019.11. わらび餅

2020/08/27 更新

1回目

2019/08 訪問

  • 夜の点数:4.7

    • [ 料理・味4.8
    • | サービス3.6
    • | 雰囲気3.5
    • | CP3.8
    • | 酒・ドリンク-
    ¥20,000~¥29,999
    / 1人

華はない。けれど、美しき味。

2019.8.

今年は日本を代表する和食店から独立をされる方が多く、「味享」「御成門はる」「銀座ふじやま」等はその代表格。私が今回訪れた人形町にある「日本橋人形町川田」も紹介制の有名和食店「井雪」ご出身で、2019年2月にオープンしたばかり。人の良さそうな店主の川田 治司さんは「井雪」で13年間研鑽を積み、煮方・焼き方・お造り等全ての持ち場を経験されて方だそうなので、期待が高まります。

人形町駅から5分とかからない場所の地下に喧騒から逃げるようにお店はあります。カウンターは7席か8席くらいで、この店舗は居抜きなのでしょうか。配管剥き出しの天井や仕切りの向こう側など割烹店っぽくないところもちらほら。

本日の献立

鯛の出汁と海胆♡
ふわりと青柚子が香る鯛の出汁は繊細な味わい。その中で驚くほどの量の海胆が入っており、その甘さが映えます。

カマスの鮨と炙りばちこ
モチッとしたシャリの食感に炙ったカマスの身がとろけるようで、美味しい。炙ったばちこは、お酒の肴としては最良。

鱧の子の玉締め
味付けは薄味なのに、旨味はグッとくる鱧の子。木の芽の香りも素晴らしく映えます。好みの味わい。

芋茎の吉野煮
芋茎のシャクシャクとした食感、少量の生姜の爽やかな風味、そしてこの餡は薄味ながらも旨味が強い。

無花果の冷たい田楽♡
トロリと濃密な無花果の甘味と田楽味噌の柔らかな甘味、そこに青柚子の香りを纏えば素晴らしい逸品に。何個でも食べれそう。

鱧と新銀杏の揚げ物
鱧は骨切りの間隔くらいの厚みなので、鱧のジューシーさは感じられず、バリバリとした衣を食べているかのようで、好みではない。新銀杏はモチモチとしていて、好き。


鱧の旨味が凝縮された逸品。身で出来た素麺と鱧の骨で取った出汁を一緒に食べれば、一気に弾けるような鱧の旨味や甘味が広がります。

鮪と鯛のお造り♡
鯛は確りと熟成されていて、旨味と甘味が凝縮しています。鮪も香りと口溶けも素晴らしい。

鱧と松茸のお椀♡♡
吸い地が素晴らしく力強い。決して濃い味わいではないですが、旨味が強くて美味しい。松茸は香り程度の量ですが、鱧は確りと葛打ちされており、旨味も閉じ込められていて美味しい。

鮎の塩焼き♡
琵琶湖の天然鮎を炭火で焼いて供されます。さほどほろ苦さもなく、旨味が広がります。

松茸フライ♡♡
松茸は天麩羅もいいけど、このフライが1番好き。カリッとした薄衣に閉じ込められた香りは口の中で爆発するかのよう。またウスターソースをつけて食べるのがいいのよねー。

鰊と茄子の焚き物♡
身欠き鰊の旨味を全て吸ったかのような茄子が素晴らしく美味しい。この茄子と出汁でご飯1杯は軽く食べれちゃう。

松茸ご飯♡
これぞ、秋の味覚。ご飯は少量なれど、たっぷりと松茸が入っており、蓋を開けると香りも華やぎます。味わいも実に美味しい。おくゆかしい日本の美を感じます。

鯛の胡麻和え♡
銀シャリと茗荷の赤出汁の味噌汁と一緒に供されたのは、鯛のお造りに濃厚な胡麻だれをかけたもの。先程の鯛のお造りが美味しかったのに更に胡麻だれ。一切れでこの茶碗のご飯は食べれます。

卵かけご飯
続いては、卵かけご飯。卵は卵黄だけで、この卵黄が凄い。水分が全くないような旨味だけの濃密さ。

海苔の佃煮ご飯
至ってシンプルな海苔の佃煮ですが、山葵の鮮烈な香りが印象的。

新いくらご飯♡
プチプチと弾けるいくらが心地よく、食べるのが楽しい。味わいも決してご飯の美味しさを邪魔する感じではなく、しみじみと美味しい。

ちりめん山椒ご飯
山椒の鮮烈さが素晴らしい。ちりめん山椒で感動する日がくるとは。

松茸ご飯♡
おかわり。今度はお焦げも盛って下さいました。

わらび餅
プルプルのわらび餅。

全ての料理をお一人で作られているようですが、この品数でこのクオリティはとても素晴らしい。提供スピードも申し分なく、次の料理が供されるまで手持ち無沙汰になることもありません。強いて言うならば、カウンターの造りでしょうか。厨房がちょっと高くなっているので(簡単に言えば、ラーメン店のようなカウンター)、料理を提供するのにちょっと支障があり、何よりも川田さんの手元は見えないのがちょっと残念。しかしながら、それを差し引いてもあまりある素晴らしさがあります。ブランド食材などの豪華さや目新しさはありませんが、どれも芯の通った和食であり、何よりも美味しい。今はまだ予約も出来ますが、年間で予約される方も多いそうで、来年には予約困難店になること間違いなしのお店です。季節ごとに通いたいお店がまた一つ、私の世界に増えました。28728

  • 2019.8. 鯛の出汁と海胆

  • 2019.8. カマスの鮨と炙りばちこ

  • 2019.8. 鱧の子の玉締め

  • 2019.8. 芋茎の吉野煮

  • 2019.8. 無花果の冷たい田楽

  • 2019.8. 鱧と新銀杏の揚げ物

  • 2019.8. 鱧素麺

  • 2019.8. 鮪と鯛のお造り

  • 2019.8. 鱧と松茸のお椀

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2020/08/27 更新

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