40回
2025/07 訪問
生み出した最高傑作「しずく」
●私が考える北海道最高峰の蕎麦職人・中山亮介とは…
この人の蕎麦は凄い。気の宿る蕎麦なんだ!
新聞記事などのライター時代を経て、二十代に若くして春のすけを開業、とても繊細な感性を持つ。ちなみに蕎麦は独学だ。彼のスタイルは感覚よりも計算、言わば理系の蕎麦である。
蕎麦粉の状態や粒子のブレンドは、日々の体験という方程式から最良の数値をはじき出し、蕎麦やつゆの温度は、お客が口に運ぶまでを計算して設定する緻密さだ。
ハードの部分では対照的であり、持ち前の行動力で生産者を定期的に尋ね大切にし、その人懐こさで良い関係を構築する。となれば自ずと良い蕎麦の実を手にする事が出来るし、勿論蕎麦の生育状況の確認も怠らない。
また同業者との交流も積極的に行い、定期的に全国の名店を食べ歩き、常に意識向上と流行や技術の把握、自分の立ち位置の確認など、フレッシュでリアルな情報収集も行う。
彼の城には有機的で温かみのある空気が漂う。お店ではスタッフを大切にしており、それゆえにスタッフの接客サービスも温かく親切で評判だ。これはコアなファンを産み出し、シンパとして魅力をスピークしてくれる。そして美人で賢い奥様のチカラも大いに貢献している点は、夫婦二人三脚が望ましい蕎麦屋の世界にフィットしている。
そう、蕎麦を取り巻く全ての要素に感謝をして大切にする姿勢は、自ずと最高の蕎麦を生み出すフォース(力)となり彼に還元されるのだ。
修行経験無し、若き頃からの研究と努力は、良い意味で型にハマらない独創的な蕎麦を生む原動力にもなり、自らの姿勢や努力で、最高峰の職人になれる事を証明した。
●中山亮介の最高傑作「しずく」
木金土のみ提供の限定メニュー。一言で表せば粗碾き蕎麦であるが、簡単には語れない程のスペックを備える。
蕎麦の基軸は珍しい自家発芽で、手碾きは鹿追産牡丹蕎麦の天日干しである。鹿追牡丹というクラシカルで儚い蕎麦を手間暇掛かる天日干しのクオリティ、それを中山氏が長年の体験で培った感覚で発芽させる。
もう一本は弟子屈産キタノマシュウ玄碾き粗碾きであり、こちらも中山氏が昔から惚れ込んで多用する品種。
凛と角が立ち、赤や黒や白の粒子が星のように美しく、まるで高級な着物をまとっているような妖艶さの見た目。口に運ぶと舌にフィットするしなやかさながら、噛めばムチのように柔軟ながらも、歯が戻されるしっかりとしたコシがある。
5月の時季でも、鮮度と枯淡さ両方をまとうような香りが立つ。
しずく、名前の由来は別にあるものの、その滋味溢れる大地の旨味と甘味が、蕎麦の粒子からしずくのように滲み出てくるような強いアタックもある。
濃厚ながら辛口には振らず、返しの角がとれて繊細な出汁と良く馴染んだつゆは蕎麦とシンクロ。しずくの魅力を数倍に、より太くしてくれる関係性と親和性を持つ。
彼も慕う小説家で日本最高峰の蕎麦評論家の太野氏は、しずくは魅力に欠けるので辞めた方か良いとハッキリ述べた時期があった。あれから数年、最近では認められているようだ。これはミシュランガイドに載るよりもある意味で名誉な事なのかも。
私自身もしずくの進化は自身の感覚を基に時系列で感じとっているが、最近のしずくは時季を問わず安定し、その魅力を最大限に発揮するようになってきたと思う。
しずくに感じた事を中山氏にメッセージで伝えると…
彼らしく長文で、キーファクターである前述の発芽蕎麦の難易度と安定性に関する見解が返ってきた。熱意、誠意、探究心、仮説と検証から導き出す回答、感受性の強さ、超蕎麦オタク性…
そうか、それこそが「しずく」の至極シンプルな設計図なのだろう。
但し、以前から時にはノーマルの蕎麦がしずくの魅力を上回るタイミングもあるので、興味がある方は短い期間での食べ比べをしてみる事も、春のすけの蕎麦における魅力の本質を垣間見る事がきっと出来るので、機会があればチャレンジしてみて頂きたい。
2025/07/20 更新
2025/04 訪問
生み出した最高傑作「しずく」
●私が考える北海道最高峰の蕎麦職人・中山亮介とは…
この人の蕎麦は凄い。気の宿る蕎麦なんだ!
ライター時代を経て、二十代に若くして春のすけを開業。ちなみに蕎麦は独学だ。彼のスタイルは感覚よりも計算、言わば理系の蕎麦である。
蕎麦粉の状態や粒子のブレンドは、日々の体験という方程式から最良の数値をはじき出し、蕎麦やつゆの温度は、お客が口に運ぶまでを計算して設定する緻密さだ。
ハードの部分では対照的であり、持ち前の行動力で生産者を定期的に尋ね大切にし、その人懐こさで良い関係を構築する。となれば自ずと良い蕎麦の実を手にする事が出来るし、勿論蕎麦の生育状況の確認も怠らない。
また同業者との交流も積極的に行い、定期的に全国の名店を食べ歩き、常に意識向上と流行や技術の把握、自分の立ち位置の確認など、フレッシュでリアルな情報収集も行う。
彼の城には有機的で温かみのある空気が漂う。お店ではスタッフを大切にしており、それゆえにスタッフの接客サービスも温かく親切で評判だ。これはコアなファンを産み出し、シンパとして魅力をスピークしてくれる。そして美人で賢い奥様のチカラも大いに貢献している点は、夫婦二人三脚が望ましい蕎麦屋の世界にフィットしている。
そう、蕎麦を取り巻く全ての要素に感謝をして大切にする姿勢は、自ずと最高の蕎麦を生み出すフォース(力)となり彼に還元されるのだ。
修行経験無し、若き頃からの研究と努力は、良い意味で型にハマらない独創的な蕎麦を生む原動力にもなり、自らの姿勢や努力で、最高峰の職人になれる事を証明した。
●中山亮介の最高傑作「しずく」
木金土のみ提供の限定メニュー。一言で表せば粗碾き蕎麦であるが、簡単には語れない程のスペックを備える。
蕎麦の基軸は珍しい自家発芽で、手碾きは鹿追産牡丹蕎麦の天日干しである。鹿追牡丹というクラシカルで儚い蕎麦を手間暇掛かる天日干しのクオリティ、それを中山氏が長年の体験で培った感覚で発芽させる。
もう一本は弟子屈産キタノマシュウ玄碾き粗碾きであり、こちらも中山氏が昔から惚れ込んで多用する品種。
凛と角が立ち、赤や黒や白の粒子が星のように美しく、まるで高級な着物をまとっているような妖艶さの見た目。口に運ぶと舌にフィットするしなやかさながら、噛めばムチのように柔軟ながらも、歯が戻されるしっかりとしたコシがある。
5月の時季でも、鮮度と枯淡さ両方をまとうような香りが立つ。
しずく、名前の由来は別にあるものの、その滋味溢れる大地の旨味と甘味が、蕎麦の粒子からしずくのように滲み出てくるような強いアタックもある。
濃厚ながら辛口には振らず、返しの角がとれて繊細な出汁と良く馴染んだつゆは蕎麦とシンクロ。しずくの魅力を数倍に、より太くしてくれる関係性と親和性を持つ。
彼も慕う小説家で日本最高峰の蕎麦評論家の太野氏は、しずくは魅力に欠けるので辞めた方か良いとハッキリ述べた時期があった。あれから数年、最近では認められているようだ。これはミシュランガイドに載るよりもある意味で名誉な事なのかも。
私自身もしずくの進化は自身の感覚を基に時系列で感じとっているが、最近のしずくは時季を問わず安定し、その魅力を最大限に発揮するようになってきたと思う。
しずくに感じた事を中山氏にメッセージで伝えると…
彼らしく長文で、キーファクターである前述の発芽蕎麦の難易度と安定性に関する見解が返ってきた。熱意、誠意、探究心、仮説と検証から導き出す回答、感受性の強さ、超蕎麦オタク性…
そうか、それこそが「しずく」の至極シンプルな設計図なのだろう。
但し、以前から時にはノーマルの蕎麦がしずくの魅力を上回るタイミングもあるので、興味がある方は短い期間での食べ比べをしてみる事も、春のすけの蕎麦における魅力の本質を垣間見る事がきっと出来るので、機会があればチャレンジしてみて頂きたい。
2025/05/18 更新
2023/12 訪問
蕎麦、ゆく年くる年
令和5年度初レビューは、春のすけから始まり、トリを飾るラストレビューも春のすけです。
私が思う、北海道ナンバーワン蕎麦屋であり、食べログにおいてはもっともっと点数評価されるべき店でもあります。
ご主人の蕎麦への探究心と技量、生産者や蕎麦をとりまく環境全てに注ぐ情熱や感謝は一枚も二枚も上なのです。
そして女将さんやスタッフを含めた温かい店創り…それらを含めた総合力でナンバーワンとも言えるでしょう。
今年最後に味わう渾身の一枚は、ご主人中山亮介王道のブレンドでした。新そばの時期、今年は天候的に蕎麦の生育が早く、外皮に近い部分に旨みの特徴が出ていると、ご主人が教えてくれていましたので、そろそろ始まる熟成期にどんな特徴が現れるか、特に「しずく」においては楽しみにしておりました。
■しずく 1,300円(木金土限定) 12月21日
自家発芽そば・北海道鹿追牡丹そば天日干し新そば+北海道弟子屈キタノマシュウ新そば玄挽き粗挽き
大小様々、色とりどりな蕎麦の粒子がキラキラと煌めくように散りばめられた粗挽きの細糸、私には既にその麺線から、しずくのように旨味が滲み垂れてくるように思える。噛めばしっとりモッチリの後に歯が軽く押し戻されるようなコシ、そしてフワリと鼻腔に抜ける草の香りが心地よく、後にジワジワと大地の滋味が梵鐘の音のように長く口中、そして脳裏に響き渡る。
…嗚呼、これ、やはり最高に美味い。
訪問は遅めの時間だったので、ご主人や女将さんと少し蕎麦トーク、これも楽しくて有意義なひとときです。あらソバオ君が前日に来て同じ席に?(笑)そして蕎麦のある手法も少し変える…ほうほう。
【最後に】
もう道内主要店は一周まわってそれからは流れ星的蕎麦手繰り第2章として、もりそば以外の人気メニューを試してみたいと公言しておりましたが、やはり結局はもりそばばかりを手繰っていました。来年度はやはり他のメニューも視野に入れながらも、その時に食べたいメニューを直感で頼んでみたいと思いますし、食べたいメニューを食べる…それで良いのです。
そして目標にしていた「札幌市内蕎麦屋全制覇」も、あと数店を残すのみ…出来れば春までには達成したいです。
「全て食べ尽くしてやる!」と半ば挑戦的に始めたこのチャレンジ企画も、気付けば沢山の蕎麦との出会いを通じて色々と勉強させられましたし、新しい蕎麦の魅力を更に知る事も出来ました。
そして蕎麦を通じて様々な仲間との出会いもあり、幸いにも私の後追いで店回りしてくれるファンも沢山現れてくれて、情報供給網も出来ました。又、意識の高い多くの蕎麦職人さん達との交流の輪も驚くほどに広がりましたし、有益であろう意見交換もする数多くする事が出来ました。
今では「蕎麦に感謝」の気持がとても強いです。
そして長年掛かってようやく構築出来た最高の「蕎麦ライフ環境」を壊す事無く大切に、より高められるよう、これからも楽しみながら蕎麦を沢山手繰り、蕎麦に蕎麦屋に蕎麦職人に生産者に…蕎麦に関わる全ての方々へのリスペクトを忘れずに、シビアな情報発信活動を続けて参りたいと思います。
…蕎麦よありがとう。
皆様、良い年をお迎えください。
☆流れ星拝
2023/12/31 更新
2023/10 訪問
北海道を代表する「珠玉蕎麦」
今年の新そばは、猛暑により生育が宜しくないと言う話題が広がった。確かにそのような状況でもあるが、しかしそれは努力を怠る一部の生産者や蕎麦職人の言い訳に過ぎない。
天候不順に関してはここ数年の傾向として予測されていた事であり、有能な生産者はそれを見越した工夫をして育成しており、熱心な蕎麦職人は蕎麦の実や粉の特性を掴み分析し、その状況下における最良策で蕎麦を打つ。
今秋、私が関わる熱心な蕎麦職人達は、やはり言い訳をする者は一人もいなかった。むしろその工夫やアイデアを前向きに語ってくれた。
春のすけのご主人である中山亮介氏も今年の蕎麦としっかり向き合い、ある特徴と傾向を掴んだという。内容は割愛するが、同店が提供する「しずく」により個性が出そうだと言うから、ファンの私としては楽しみだ。
■かしわせいろ 細打ち
北海道中標津産キタワセ新そば+北海道鹿追牡丹天日干し
春のすけらしいしなやかな麺線と心地良いソフトな弾力のコシ、蕎麦の味わいを最大限感じられる温度で水〆され、口の中に入り組織するまでのストーリーまでも計算された粗挽きの蕎麦。
今回は比較的状況が良いとされる中標津産を楽しみにしていた。落ち着いた感じではあるが主義主張と秋を感じる上立香の後は、春のすけ渾身の鹿追牡丹天日干しの旨味がいぶし銀の渋みでジワジワと余韻として現れる。正に両蕎麦粉の化学反応かの如くの昇華とシナジーがさく裂。
かしわせいろ汁はムチムチの旨味がはちきれるような味わいで甘さの余韻もある万人受けタイプ。かしわ肉はとても柔らかくて上品な味わい。程よく溶けだした鶏油もコクに良い作用、そして葱だって美味いんだ。
蕎麦を愛し、蕎麦を知り、生産者を大切にする先に獲得した仕入れルートからの珠玉の蕎麦の実…もはや北海道を代表する存在である職人・中山亮介氏からは益々目が離せない。
2023/10/30 更新
2023/06 訪問
北海道が誇る、最強の「蕎麦モンスター」
32回目のレビュー。60km以上離れた苫小牧から、これだけ通うのは半端無いでしょう?
店主・中山亮介氏は「蕎麦モンスター」…先日4団体統一チャンピオンとなった井上尚弥に乗して表現させて頂いたが、ある意味で突き抜けている存在感は決して大袈裟では無いと思う。
じゃあ何が…と言えば
・中山亮介氏は蕎麦オタク
想像を絶する研究心・探求心を常に持ち、普通では考えられない位の手間暇を惜しまず、体力作りと共に遂行。
・生産者を大切に
良い蕎麦は良い原料から…生産者に敬意を払い、時間を惜しまず生産地を訪問。そのアクションと信頼関係から得られるは蕎麦の本質と状態と共に、希少で品質の良い蕎麦を仕入れられる太いパイプ。
・圧倒的経験値と若さ
創業から17年以上…早期から大人気店を継続してきた実績は伊達では無く、経験値として蓄積されている。そしてまだ年代としては中堅世代…伸びしろも半端ない。
昨年度は3月に、全国の有名蕎麦店とのオンラインコラボイベントが開かれ、北海道からは春のすけが参加、全国のうるさい蕎麦喰い達にその存在感をしっかりと示した事は記憶に新しい。
蕎麦はしっとりとした麺線の中に、ギュッと蕎麦の魅力(味香)が詰まっている。コク太い甘さの余韻がある蝦夷前つゆとのハーモニーは万人にウケの良い味わいであり、蕎麦通な方々にも異論を言わせる隙間は少ないだろう。
■しずく 自家発芽そば・北海道鹿追牡丹そば天日干し+北海道摩周そばキタノマシュウ玄挽き粗挽き
見よ!このテクスチャー!と高らかに言いたい蕎麦、今回の画は自画自賛かつ、春のすけの魅力が良く出ている…と勝手に思う。
この日の粗挽きプレミアム「しずく」は、正に春のすけ王道のブレンドでやはり美味しかった。普段ブレの殆ど無い職人ながら、蕎麦粉のブレンドは日によって変わるので、しずくと細切り…時により優劣も異なる。是非日時はズレてもどちらも試してその違いを体感して欲しい。
最後に…
相生坊、一水庵、そば畑… 長らく札幌の蕎麦シーンを牽引してきた名店が閉店、きっと今後もその世代の閉店や代替わりも加速するだろう。
だからこそ今は札幌圏に限らず世代交代の時期、これからの20年30年を引っ張っていく40代50代の蕎麦職人には期待とお願い…そう、輝かしい蕎麦をこれからも提供し続けて欲しい。
その第一人者、トップリーダーが春のすけのご主人、中山亮介氏だと私は信じている。
2023/10/18 更新
2023/01 訪問
祝・18周年。
私がハッキリと思う、総合力で北海道ナンバーワンの蕎麦屋「蕎麦切り春のすけ」が、この度創業18周年を迎えた… 大ファンとして灌漑深く、心よりおめでとうございます。
まだ40代であるご主人… すなわち、若くして船出を決めた勇気に始まり、たちまち人気店となり、それを維持し続けてきた努力によって獲得したアドバンテージは、他者が欲しくても得られない宝物。それを武器に更に更に飛躍して欲しい。
日々研究・生産者を大切に・そしてご主人が仰るように楽しみながら…
これからも「珠玉の蕎麦」を楽しませて頂きたいし、食べる側はそれを期待しますが、体力勝負にの蕎麦の世界…人材難のご時世もあるので、決して無理なさらずに。
■しずく(木金土・数量限定) 1,200円
■かけ 950円
1月の訪問… この日は弟分HIRO”sとのビジネスランチ。私は珍しく「冷・温」をオーダー。その美味しさはもう画像から判断して下さい。こちら、熱い汁も美味いのです。ヒロがくれた海老天も美味しかった…
―――――――
店主・中山亮介氏は「蕎麦モンスター」…先日4団体統一チャンピオンとなった井上尚弥に乗して表現させて頂いたが、ある意味で突き抜けている存在感は決して大袈裟では無いと思う。
じゃあ何が…と言えば
・中山亮介氏は蕎麦オタク
想像を絶する研究心・探求心を常に持ち、普通では考えられない位の手間暇を惜しまず、体力作りと共に遂行。
・生産者を大切に
良い蕎麦は良い原料から…生産者に敬意を払い、時間を惜しまず生産地を訪問。そのアクションと信頼関係から得られるは蕎麦の本質と状態と共に、希少で品質の良い蕎麦を仕入れられる太いパイプ。
・圧倒的経験値と若さ
創業から17年以上…早期から大人気店を継続してきた実績は伊達では無く、経験値として蓄積されている。そしてまだ年代としては中堅世代…伸びしろも半端ない。
昨年度は3月に、全国の有名蕎麦店とのオンラインコラボイベントが開かれ、北海道からは春のすけが参加、全国のうるさい蕎麦喰い達にその存在感をしっかりと示した事は記憶に新しい。
蕎麦はしっとりとした麺線の中に、ギュッと蕎麦の魅力(味香)が詰まっている。コク太い甘さの余韻がある蝦夷前つゆとのハーモニーは万人にウケの良い味わいであり、蕎麦通な方々にも異論を言わせる隙間は少ないだろう。
この日の粗挽きプレミアム「しずく」も美味しかった。普段ブレの殆ど無い職人ながら、蕎麦粉のブレンドは日によって変わるので、しずくと細切り…時により優劣は変わるので、是非日時はズレてもどちらも試してその違いを体感して欲しい。
最後に…
相生坊、一水庵、そば畑… 長らく札幌の蕎麦シーンを牽引してきた名店が閉店、きっと今後もその世代の閉店や代替わりも加速するだろう。
だからこそ今は札幌圏に限らず世代交代の時期、これからの20年30年を引っ張っていく40代50代の蕎麦職人には期待とお願い…そう、輝かしい蕎麦をこれからも提供し続けて欲しい。
その第一人者、トップリーダーが春のすけご主人、中山亮介氏だと私は信じている。
2023/08/03 更新
2022/12 訪問
北海道が誇る、最強の「蕎麦モンスター」
【謹賀新年 新春蕎麦レビュー①】
新年明けましておめでとうございます。
今年の初レビューはこの店に決めていた。私が思う北海道ナンバーワン蕎麦職人のいる「蕎麦切り 春のすけ」だ。
店主・中山亮介氏は「蕎麦モンスター」…先日4団体統一チャンピオンとなった井上尚弥に乗して表現させて頂いたが、ある意味で突き抜けている存在感は決して大袈裟では無いと思う。
じゃあ何が…と言えば
・中山亮介氏は蕎麦オタク
想像を絶する研究心・探求心を常に持ち、普通では考えられない位の手間暇を惜しまず、体力作りと共に遂行。
・生産者を大切に
良い蕎麦は良い原料から…生産者に敬意を払い、時間を惜しまず生産地を訪問。そのアクションと信頼関係から得られるは蕎麦の本質と状態と共に、希少で品質の良い蕎麦を仕入れられる太いパイプ。
・圧倒的経験値と若さ
創業から17年以上…早期から大人気店を継続してきた実績は伊達では無く、経験値として蓄積されている。そしてまだ年代としては中堅世代…伸びしろも半端ない。
昨年度は3月に、全国の有名蕎麦店とのオンラインコラボイベントが開かれ、北海道からは春のすけが参加、全国のうるさい蕎麦喰い達にその存在感をしっかりと示した事は記憶に新しい。
蕎麦はしっとりとした麺線の中に、ギュッと蕎麦の魅力(味香)が詰まっている。コク太い甘さの余韻がある蝦夷前つゆとのハーモニーは万人にウケの良い味わいであり、蕎麦通な方々にも異論を言わせる隙間は少ないだろう。
この日の粗挽きプレミアム「しずく」も美味しかった。普段ブレの殆ど無い職人ながら、蕎麦粉のブレンドは日によって変わるので、しずくと細切り…時により優劣は変わるので、是非日時はズレてもどちらも試してその違いを体感して欲しい。
最後に…
相生坊、一水庵、そば畑… 長らく札幌の蕎麦シーンを牽引してきた名店が閉店、きっと今後もその世代の閉店や代替わりも加速するだろう。
だからこそ今は札幌圏に限らず世代交代の時期、これからの20年30年を引っ張っていく40代50代の蕎麦職人には期待とお願い…そう、輝かしい蕎麦をこれからも提供し続けて欲しい。
その第一人者、トップリーダーが春のすけご主人、中山亮介氏だと私は信じている。
2023/01/09 更新
2022/10 訪問
突き抜ける存在感と安定感。
春のすけのご主人、中山亮介氏は北海道トップクラスの職人である。私がオススメの蕎麦屋は何処?と慣れない方に聞かれたなら迷わず春のすけを薦める。それ位に安定しており、多くの人に好まれる蕎麦なのだ。欠点を見つけづらく、蕎麦マニアの嗜好要求にもキッチリ合わせて、それ以上也!で尚且つエビデンスもしっかり。そして店の接客も素晴らしく雰囲気も良い。
■細打ち 丸抜き粗挽き 北海道音威子府キタワセ新そば+富山県大野在来種
今回は音威子府産に興味を持っていた。良い色が出ており、春のすけらしいモッチリとして密度の濃い麺線、香りもフワリ楽しく、手繰れば穀物由来、そう蕎麦の味わいがまず強く表れ、後を追う豊かな甘味が梵鐘の響きのように長い。出汁感の太い少し甘さのあるコク深いつゆとの相性はまさに昇華。仕上げは濃厚な蕎麦湯で割って、開いた出汁の味わいを確認するように愉しみたい。
一見スタンダードなようだが、道内の名店を隈なく周っている私の経験上では実は個性派。あまり似たタイプは出会った事が無い。
この世界観は貴重と断言出来る。蕎麦喰いに自信のある方、蕎麦好きさん、入門さんも是非!
2022/11/23 更新
2022/09 訪問
【R4 新そば】キング オブ ブレンダー。
令和四年度の流れ星新そば初めは、北海道が誇る蕎麦モンスター、中山亮介氏の春のすけに決定した。
研究熱心さと知識、情熱や蕎麦愛はマニアックと言う言葉は通り越してもはや仙人級であり、尚且つまだ中堅世代で伸び代があるという、ボクシングで言えば井上尚弥のようなモンスターぶりだ。
■二種食べ比べ 1,300円
細打ち(丸抜き粗挽き)北海道蘭越町キタワセ新そば+群馬県赤城キタワセ夏新
太打ち田舎(玄挽き粗挽き)北海道蘭越町キタワセ+α(当日は富山県産)
まずは太打ち田舎から提供。見た目美しく、ダイナミックな太さながらもしなやかさも兼ね備えている。箸にとり手繰れば、温度を冷やし過ぎないので蕎麦の味わいが花開き、甘味の余韻はより長い。外皮の縁取りは穏やかで、何より香りも強いタイプの田舎蕎麦だ。やはり蘭越は今年も安定。
頃合いを見て細打ちが提供。春のすけスタンダードらしい密度濃くもっちりながらもしっとりしなやかな蕎麦。春のすけらしく、青々しい清涼感よりも「新たに芽吹いた生命感と大地の力強さ」を注入したような、新鮮な滋味にウェイトを置いたような新そばだ。
つゆも蕎麦を口中に運ぶタイミングを計り設計されており、出汁感豊かでまったりとしたコクのある濃厚汁で、少し甘めなところは春のすけの蕎麦には絶妙にシンクロする。
…確実に美味い。
今回は初めて田舎に軍配が上がるような出来栄えながら、どちらもかなりのハイレベルで大満足。
中山氏は現在、道内外の蕎麦粉を仕入れ石臼挽きし、都度ベストと思われる調合で蕎麦を仕上げている。ウィスキーやコーヒーも、単一品種に拘るのも良しとされるが、フレンデッドも魅力の引き出しという点では、また一つの魅力だ。
NIKKAはマッサンのような、蕎麦のキングオブブレンダー…もはや彼はその領域なのかもしれない。蕎麦活動著しいコージ・トミカワ氏も同席ありがとう。
2022/09/28 更新
2022/06 訪問
言葉少なき手繰り… それが答えだ。
今回は、現在の輝きを知ってもらいたく、蕎麦喰いゲストを迎えての訪問だ。
◆細打ち
北海道鹿追町牡丹そば天日干し+群馬県常陸秋そば+α
◆しずく(木金土限定)
自家発芽そば 鹿児島県鹿屋在来種+北海道摩周そばキタノマシュウ玄碾き粗碾き
蕎麦におけるハンデ大きこの時期は、実の保管や製粉、打ち方で味わいは大きく変わってくる。勿論それをコントロール出来る技量と経験があればの話だが。
今回も「今のベスト」を念頭に、ご主人が体現したい蕎麦にすべく最良の粉チョイスと碾き方になっていた。
モッチリ、ボディ感のある麺線を啜り噛めば、上品ながらも力強い蕎麦の旨味と大地の甘味を確認する事が出来る。汁は濃厚寄りかつ辛口寄りで、温度を含めて蕎麦と絶妙なシンクロ。
但し今回はほんの微妙なレベルながら、水切りが甘かった。このブレは珍しい事と思うと共に、彼もまだ伸び代のある「人間」だった事を確認出来て何処かホッとする。
あっという間に2種の蕎麦は笊から消えた。そしてあまりアレコレ語らなかったな…
そう、それが答えだ。
2022/06/22 更新
2022/05 訪問
拘りも仙人級。
この日は、蕎麦喰いの盟友であるK・トミカワ氏との定期蕎麦談義。話す内容はかなりマニアック。
◆細切り
鹿児島県鹿屋在来種+群馬県常陸秋そば
今回もブレ無く、変わらずのクォリティ。蕎麦の魅力がギュッと詰まったもっちりしっとりの喉越し、口当たり、後味の幸せ。
今回は田舎を甘汁(熱い汁)で試食。むむむっ!出汁のムチムチ感がスパーク!これは実に美味い汁だ。田舎蕎麦との相性も抜群で、たまにはオーダーローテーションに入れたい気分。
今回はご主人に石臼に関しての質問を投げかけた所、たまたま手が空いた時間にて、挿絵を交えたミニミニ講義をしてくれた。
うんうん確かに。えええっ!そこまで……!?
ご主人、仙人になる日はそう遠くないのかもな。
2022/06/22 更新
2022/03 訪問
北海道から海峡を越える時 〜そして全国へ。
「NIPPONオンラインコラボ蕎麦会」
先日、夢のようなイベントが開催され、私も参加させて頂いた。内容は、日本各地の名店5店(+1店)が蕎麦粉とつゆを交換し合い、使用する水、〆の温度までを指定する綿密なレシピの基に、各々の職人が6店の蕎麦を仕上げ、お酒と共に愉しみながら、オンラインで全国を繋ぐと言うものだ。
参加は名だたる名店ばかり。このイベントの企画を知った時には大変感激し、私なりには大谷翔平選手がMLBのオールスターホームランダービーに出場した際に参加選手が横一列に並んで記念撮影したシーンを重ね合わせた。
私は春のすけの蕎麦が大好きで、いずれ職人中山亮介氏が打つ蕎麦は、北海道から全国へ飛び立つはずだと予言していただけに、今回のイベントはやはりと感じると共に、そのスピードには感服した。
春の訪れを感じる晴れた日曜日、全国屈指の蕎麦切り職人達の情熱と、全国沢山の蕎麦喰い達の期待が頂点へと高まりつつ、イベントは開始された。
札幌会場には、錚々たる蕎麦喰い、そして札幌屈指のニューウェーブ職人らや、若手蕎麦粉提供者などが集まった。そしてオンラインではアナウンサーが音頭をとり、解説しつつ場を盛り上げながらの乾杯となった。まずは各々の店オリジナルの蕎麦前を楽しんだ。
■蕎麦切り春のすけ(北海道) 中山亮介氏
■一東菴(東京) 吉川邦雄氏
■手打ち蕎麦 たがた(静岡) 田形治氏
■蕎麦・菜食 一如庵(奈良) 桶屋一成氏
■蕎麦 ひら川(福岡) 平川慎一郎氏
■食菜 かま田(沖縄) 特別参加
(北から順)
【春のすけ】
鹿追牡丹の天日干しは、春のすけだけが扱える魅惑の蕎麦。程よい弾力で、まるで北海道のような優しくも逞しい滋味の蕎麦。それに合う、濃厚でありつつも優しい甘味のある中濃辛口寄りな汁(つゆ)
【一東菴】
R3南相木在来天日干しの玄蕎麦ぬき実ブレンド。香り良く、外皮の縁取りもあり、よく締まった攻めと受け身の混在した蕎麦。シンプルで横に広がる出汁感に、スッキリとした返しの汁(つゆ)
【たがた】
ザラつきあり滑らか、柔らかめのコシで究極なスタンダードさの中に強い香りの主張ある蕎麦。鰹香るドッシリ出汁にマッタリの返し強め。コントラストの強い汁(つゆ)
【一如庵】
オーソドックスながらキラリ光る個性、香り立ちしっとりと優しい蕎麦。醤油感、ドッシリした複合の出汁感、それぞれの要素がギュッと締まった汁(つゆ)
【ひら川】
旨味甘味がマッタリと深い蕎麦。外皮の縁取りもキラリと光る蕎麦。九州らしい、節感よりもムッチリとした丸い濃厚返しが効く汁(つゆ)
【かま田】
さちいずみを使用したスタンダードな蕎麦、弾力あるコシにシコシコとした歯切れに甘味が後からジワリ。汁(つゆ)は今回、春のすけのものを使用。
名だたる名店の蕎麦は、各々個性があり大変美味しかったが、共通に思えたのは強い香り。やはり皆さんきちんとポイントを押さえているのだろう。
あれこれ語りながら蕎麦を嗜みつつ日本酒をクイッと。最後は6種の蕎麦の魅力が溶け出した蕎麦湯を頂き三本締め。そのまま2次会となり、やり切った感のある笑顔のご主人やスタッフさんらと共に、貴重な場と時間を更に心から楽しんだ。
蕎麦日本一の生産地北海道。春のすけを筆頭にその魅力をどんどん高めていく職人さんらに感謝するとと共に、我々蕎麦喰いも情報発信を通して、北海道から珠玉の蕎麦を全国へと伝えて行く架け橋になりたい。今回は大好きな春のすけの蕎麦を、全国の蕎麦喰い達にその魅力の一端を知って頂き私自身も感激。
そしていずれ最高峰を登るだろう蕎麦切り職人、中山亮介氏がどんな世界まで行くかを是非見届けたい。お店に通える範囲で同じ時代を過ごし、蕎麦を手繰る事が出来る環境に感謝。
勿論、全国でキラリと輝く蕎麦の星達に、感謝と敬意を持ちながら…
蕎麦切り 春のすけ(北海道)
一東菴(東京)
手打ち蕎麦 たがた(静岡)
蕎麦・菜食 一如庵(奈良)
蕎麦 ひら川(福岡)
食菜 かま田(沖縄)
右から、春すけ〜たがた〜一東菴〜一如庵〜ひら川
六種の蕎麦が溶け込んだ濃厚蕎麦湯。
素晴らしい企画!!
ご主人・中山亮介氏ご挨拶
全国の皆さんこんにちはー!
全国をオンラインで。ユッキー元気??
蔵美庭ご主人・じきの店長・そば喰い渋谷さん
お隣の席には蕎麦粉屋さんの庄子代表が
女将特製ハイボールが美味い!
春のすけ
春のすけ
一東菴
一東菴
たがた
たがた
一如庵
一如庵
ひら川
ひら川
かま田
かま田
2022/06/22 更新
2021/12 訪問
ゆく蕎麦くる蕎麦 〜1年間の感謝をこめて
流れ星蕎麦納め、こちらを選択しない訳にはいかない。何故ならば最高の蕎麦だから。
職人、中山亮介氏の打つ蕎麦は日々進化が止まらない。それは常に探究心と向上心を強く持ち、純粋に蕎麦と向き合っているからに違いない。更にはその人気ぶりから膨大な食数をこなす事となり、自ずと加速度的に経験値が増す相乗効果もあるだろう。
職人にも直感型、理論型など色々あろうが、彼の場合は全て持ち合わせているようであり、もはや他が真似したくても出来ない別次元の領域に足を踏み入れている事は、彼を知る複数の蕎麦職人も認めている。
では具体的に何が凄いのか。
①春のすけの蕎麦にはストーリーがある
生産者を大切にし、想いを蕎麦のバトンとして受け取り、その弾き方や調合を見定め魔法をかける。それが珠玉の蕎麦切りとなりお客に提供、食べた者の笑顔でリレーは完結。
②圧倒的な経験値
若き頃に勇気を持ち開業、瞬く間に大人気店となり15年以上、蕎麦は一人で打ち続けている。体力勝負であろう蕎麦打ちの世界、空手を通した鍛錬も怠らず。そして手轢きの経験値からは、最良のブレンドと轢き方のアタリを付ける事が可能なようだ。そして蕎麦が変わりつつも一定のレベルでブレのないクオリティ。
③限りなき蕎麦愛
常に勉強熱心であり、蕎麦の知識は勿論の事、哲学もあり。元ライターの経験から、美しい表現と分かりやすい文章でSNSによる情報発信も怠らず、時に蕎麦を語り出せば流暢かつ目の輝きが凄い。蕎麦を語るその眼力は流れ星同様、いやそれ以上。
上記の理由から、私は総合力で道内最高峰の職人だと思っているが、職人としてはまだ中堅世代、まだまだ進化するキャパがあるだろうから今後も目が離せない。そしてその名を道内はおろか全国へ轟かせて欲しい。きっとそれが出来るはずだし、そうなるだろう。
蕎麦納めは基本の細打ちを頂いた。春のすけらしい、どっしりと存在感のある口当たりに広がる風味甘味、計算された温度による喉越しの爽快感、太く豊かなつゆとの相性には欠点が見つからないクォリティ…
そう、何より「美味い」のだ。
最後の一本まで満足に蕎麦を手繰り終え、満席の店内を抜けお会計、戦場と化した厨房からご主人と一瞬のアイコンタクト。
美味しかったよ、また来年もよろしく!と心の中で呼びかけながら、サッと片手を上げ暖簾を後にした。
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2021大晦日
私が思う、道内最高最上の蕎麦がここ春のすけの蕎麦です。しかし蕎麦のタイプや個性も様々ありますので、自分なりのスペシャルな蕎麦を是非見つけて欲しい。それは決して難しくはありません。単純に自分が美味しく感じた気持ちで良いのです。
食べログを始めた当時は、全道の蕎麦を食べ尽くしてやる!と半ば挑戦的な態度や気持ちで挑んでいました。しかし、札幌の蕎麦屋や全道の主要蕎麦屋をほぼ回った頃に、ふと後ろを振り返ると、私の後追いをしてくれる多くのレビュアーの存在に気付きました。それは大変ありがたく励みになりました。やがてその意識は蕎麦への感謝、そして愛に変わっていったのです。
そして今年一年は更に多くの蕎麦職人さんと繋がりを持たせて頂きお話しをする事が出来たましたし、熱心な蕎麦喰い仲間やフォロワーさんにも新たにお会いする事が出来ました。
ゆえにこれからも迎合する事無く、しっかりと良し悪しの感想をレビューしたいと思いますし、好きな店は一生懸命応援します。お店や食べ物へのリスペクトがある上ならば、ネガティブなレビューでも、お店にとっては有難いもの。それは批判にはならず批評であり、それも食べログの存在意義でもあるのです。
私は生粋の食べログレビュアー。食べログが大好きです。みんなそうだろ?
最後に
蕎麦が好きで良かった。
今年も蕎麦に感謝します。
ありがとう。
皆様「美味しいお年」をお迎えください。
2022/01/18 更新
2021/11 訪問
エビスビールと、渾身の発芽粗挽き蕎麦「しずく」。
ある日の一人昼飲みの一軒目。お昼からビールをここで飲みたくて、サツエキからフラフラと。エビスビールが染みるねえ。
そして蕎麦は木金土限定の「しずく」を。この時は発芽させたキタノマシュウ新そばと福井在来種新そばの、春のすけらしいブレンド。粗挽きでモッチリの食感で、新そばらしい生き生きとした生命感とドッシリとした滋味が特徴的。旨味がジワジワと滲み出るような…そんな逞しくも繊細な、職人・中山亮介氏渾身のスペシャリテ蕎麦です。蕎麦喰い流れ星の圧倒的オススメ。年々良くなってきたと感じるが、もう誰にオススメしても不安の無いレベル…と言うよりも是非体験して頂きたい味わい。
熟成で更に飛躍するタイプのしずく、1月からの熟成期が更に楽しみです。
2021/12/10 更新
2021/11 訪問
最高峰の店で、良き仲間と蕎麦を手繰れば、良き出会い。
この日はご主人のSNSより、天日干しの牡丹蕎麦と常陸秋蕎麦+αの組み合わせという情報をキャッチ。滋味深いベクトルが似た同志のブレンドに興味を持ち早速の訪問。今回は細打ちと田舎の食べ比べで注文だ。
ほう、新そばだが、今回は春のすけのブレンドとしてはかなり大人しく…うん、熟成期に効力を発揮するであろう両者はシナジーとしては薄い。現段階では外皮も挽きこみ発芽のパワーも加わる「しずく」の満足度のほうが高そうだ。
今回は私も一目置く蕎麦喰い仲間でインスタグラマーであるTOMIKAWA氏(@tomikawakouji)との会食だったが、あれこれ評論しつつ蕎麦を楽しく手繰っていると、カウンターで一人カッコよく「鍋焼き蕎麦」を手繰る女性の後ろ姿に目が留まった。決して色目で見ていた訳ではなく、何かしらのオーラ・直感を感じたのだ。但しそれはそれ以上のものこそ無かったが…
しばらくすると「先生!○○○です」と突如目の前に綺麗で美人な女性が… カウンターに居たその方はInstagramにて繋がりがあり、私を蕎麦喰いの師匠と慕ってくれているインフルエンサー「ぽにみさん(@poniodesu)」だった。どうやら女将が私が店内に居る事をそっと伝えてくれていたらしい。勿論女将は、我々が良いコミュニケーションをInstagram上でとっている間柄だという事を理解していた上での取り計らい。その接客加減も素晴らしく大好きなのだ。
初めて会う彼女はとてもステキな大人女性で、良い歳をした私も一瞬緊張したが、割とそのような経験もあり先生なので(笑)毅然と気を取り戻し、きちんと目を見て少しだけお話をさせて頂いた。やはり蕎麦好きさんとは話と波長が合うようだ。
蕎麦を取り巻く素晴らしい関係… それが道内最高峰に思う、春のすけでの出会いにも感謝。
食べログを活用した長年の蕎麦啓蒙活動も徐々に実を結びつつあり、InstagramやFacebookも活用しつつ、意識の高い蕎麦職人さん達とのコミュニケーションや情報交換、そして蕎麦喰いや蕎麦ファンとの交流やディスカッションも更に増えて嬉しく楽しい。
蕎麦喰いさんも、蕎麦に興味がある方も… 趣味蕎麦を手繰り楽しむ事は決して難しいものではありません。でも蕎麦を少しでも詳しく知るともっともっと美味しくなるのです。
もしも何かしらの理由で私に気付いたら、遠慮なく声を掛けてください。そして何かあればどんどんDMで聞いて下さいね。十年も前から今までも、案外沢山あるのです。
2021/12/10 更新
2021/10 訪問
北海道産 厳選なる新そばの夢ブレンド。
この日は待ちに待った北海道産新そばのブレンド。ご主人が産地を巡り選び抜いた「摩周産キタノマシュウ」と、そのコネクションで春のすけだけが扱う事が出来る「鹿追町牡丹蕎麦天日干し」の夢ブレンドだ。きっと長所を補完し合いつつも、より強い同方向ベクトルになると仮説、さあ検証だ。2枚手繰り。
■細打ち(丸抜き粗挽き)鹿追町牡丹蕎麦天日干し新そば+摩周産キタノマシュウ新そば
■しずく 自家発芽そば⇒鹿追町牡丹蕎麦天日干し新そば+摩周産キタノマシュウ新そば玄挽き
結論…最高峰かつ希少。魅せつけるような輝きとクォリティのある新そば。
細打ち~青い香りに牡丹の深みの組み合わせ。しずく~発芽牡丹丸く、キタノマシュウは玄蕎麦の縁取り。
いずれも大地と太陽の恵みが感じられ、甲乙つけ難いが、変幻自在な細打ち、熟成でより魅力を発揮しるしずく…今回は青い生命感がより感じられた細打ちに軍配を上げる。そしてブレンドによる味わいとケミストリーにおける私の仮説も概ね正解だったようだ。
大満足で手繰っていれば、この店の超常連で、私も一目置く蕎麦盟友トミカワ氏が来店、速く席をどけてよー!と冗談めくが、私も笑顔でオーライ、サクッと蕎麦湯を飲んで満足、席を立った。
蕎麦喰い、職人までもが興味津々で多数訪れるスゴイ店になってきたな。突き抜けろ!そしてこれからも蕎麦喰いを楽しませて欲しい。よろしくお願いします。道内最高峰蕎麦切り職人・中山亮介氏リスペクト…蕎麦に対する熱量の次元が異なる。
細打ち(丸抜き粗挽き)鹿追町牡丹蕎麦天日干し新そば+摩周産キタノマシュウ新そば
しずく 自家発芽そば⇒鹿追町牡丹蕎麦天日干し新そば+摩周産キタノマシュウ新そば玄挽き
細打ち(丸抜き粗挽き)鹿追町牡丹蕎麦天日干し新そば+摩周産キタノマシュウ新そば
しずく 自家発芽そば⇒鹿追町牡丹蕎麦天日干し新そば+摩周産キタノマシュウ新そば玄挽き
細打ち(丸抜き粗挽き)鹿追町牡丹蕎麦天日干し新そば+摩周産キタノマシュウ新そば
しずく 自家発芽そば⇒鹿追町牡丹蕎麦天日干し新そば+摩周産キタノマシュウ新そば玄挽き
2021/11/18 更新
お昼から蕎麦前しちゃおうwith星月夜。強烈な悪天候の中で向かいました。星月夜さんは念願の春のすけ蕎麦前です。
なななんと!私はノンアル、星月夜さんはワインという、半ば拷問系の蕎麦前… 星月夜さん、大した度胸です笑笑しかし私は美味しい料理と蕎麦があればそれで満足!
蕎麦がき(半人前)もヤバかった!色や食感は勿論、何よりその穀物感溢れる滋味深さと新そばの清涼感が秀逸!広島産醤油など薬味も拘っているけど、何も付けなくても旨いです。
そば豆腐そば味噌田楽、つぶ貝の甘辛煮やネギ天ほか、数々の料理の中、カマンベールチーズの返し漬けが特に気に入った。淡い返し醤油の風味塩味をまとった発酵味は、日本酒は勿論ワインにも合う。
〆は冬の看板人気メニュー、鍋焼きそば(初代)を。春のすけに来るとどうしても冷たいもりそばになってしまい、気になってもトライ出来なかったメニュー。この日みたいな相手有りの蕎麦前ならと、思い切ってオーダー。
おお!グツグツと温まり、汁は出汁深い優しい味で飲んでホッとする。煮込まれた蕎麦はしずくなのか?いや田舎かな。綺麗な粗挽きです。煮込まれるからホロホロと崩れ易くなるけれど、むしろそれが狙いであろうし、それがいい!揚げ餅や舞茸、葱に天かすらバランスの良い具材と旨熱汁、トロ蕎麦が渾然一体となり、口の中を口福に、体をポカポカに、気持ちを温かくしてくれます。
鍋焼き蕎麦…蕎麦云々というより、メニューとして完成されている感じで美味い。人気が良くわかりました。ちなみに二代目鍋焼き蕎麦は、いずれも人気の鶏天2個とネギ天が入るスペシャルコラボメニューとの事。
星月夜さんも初めての「しずく」に大満足したようで安心。この時期のタイミングで来れて良かったと思うし、チャンスがあればより熟成の進む1月2月かな。
春のすけは蕎麦は勿論、蕎麦前も似合う店です。