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確実に、世界最高峰のお鮨体験。 お鮨とワイン、日本酒とのマリアージュをここまで本気で探求している店が、果たして他にあるのか。 ジャック・セロスVOで華やかに口火を切り、十四代 中取 諸白とともに鳥貝と小柱のあんかけを合わせてくるあたり、すでに尋常じゃない。 ギョーム・セロスのラルジリエには、ボタン海老のレア天ぷら。絶句。 初鰹のたたきには揚げた鰹節をまぶし、そこにシャトー・アンジュリュス93年。これが合うなんてもんじゃない。 毛蟹には十四代 双虹。金目鯛の炙り、鮪、フカヒレの和え物には十四代 龍月をぶつけてくる。容赦がない。 極めつけは、雲丹のレア天ぷらとシャトー・ディケム86年。狂気の沙汰。 握り前半はコントラフォン ムルソー・デジレ01、鮪三種にはルーミエ シャンボール2014。 穴子に十四代の古酒。 そして助六をイケム47でフィニッシュ。思考停止。 グウの音も出ない、問答無用のラインナップ。 すでに次回の訪問を、首がもげるほど長くして待っている。
2025/05訪問
1回
大阪・北新地の「弘屋」で行われた合同誕生日会。7月の終わりにこれほどリッチな夜を迎えられる人は、日本の人口の0.001%くらいではなかろうか。 幕開けはドン・ペリニョン1978と枝豆のシェリー蒸し。「僕らの最高の誕生日会」の始まり始まり! 前菜のラインナップもなかなかのモノで、ウニとジュンサイの清涼感、自家製コンビーフサンドの背徳、グジェールのカリフワ感、生牛肉の柚子セビーチェのからみのキレ。前菜で既にフルコースを終えた気分になる。 桃のカッペリーニにはシュロス・ゴベルスブルクのリースリング2015。桃の甘やかさとリースリングの酸が溶け合う。さらにトマトの白ミソ椀に合わせたコングスガード・シャルドネ2021がまた憎い。和とカリフォルニアがこんなに仲良くできるとは思わなかった。 ハイライトのひとつは松茸キャビアご飯。そこにメゾンルロワのボーヌ1978を合わせる暴挙。震える美味さとはまさにこのこと。続くジュンサイとパプリカのアイスにはエシェゾー1978。ピークは過ぎているが、余韻に漂うグラン・クリュの威厳は失われていない。むしろ「老いてなお美しい」とはこのことか。 甘鯛のウロコ焼き、翡翠茄子と流れるように料理が続き、メインは岡崎牧場の長期肥育牛のカツレツ。脂の質感が見事で、シャトー・ラヤス ピニャン2006と噛み合って「北新地の夜はここに極まれり」と唸る。 さらに鮑と黒トリュフのリゾットで贅沢を重ね、アラビアータで締めにかかる潔さ。デザートのブルーベリーケーキに、50年熟成のスコッチ、アーマー12年をソーダで割るという大人の余裕。普通なら暴挙だが、ここではただただ粋。 菅沼シェフの料理と、ワインの数々に抱かれて大団円。もちろん来年も開催確定。いや、むしろそれまでに何回もやりたい。
2025/07訪問
2回
長崎の隠れ家「堂山」。のれんをくぐれば、そこは和食界の大相撲、どの皿もボリュームで押し出してくるタイプ。控えめな顔してるのに、腹も心も鷲掴みにしてくる。 まずは 鯖寿司。これがもう一本勝負の横綱相撲。肉厚で脂が甘く、シャリとの一体感が尋常じゃない。よくある“酢で誤魔化す系”ではなく、鯖そのものの生命力で押し切るタイプ。もうこの時点で日本酒が止まらない。 焚き合わせ は、柔らかいタコと滋味MAXの干し椎茸でまた酒が進む。 そしてメインイベントとも言えるのが、松茸と白甘鯛のお椀。いわば“オープン土瓶蒸し”スタイル。松茸の香りがふんわりと立ち、白甘鯛の身がほどけるたびに秋の夜風が吹く。控えめに言って、これでご飯三杯いける。 お造りは オウモンハタ。塩とワサビで潔く。しかも「腹側・背側」「昨日・今日」と、まるでワインの垂直試飲のような構成。鮮度の違いで旨味の表情が変わるという演出がにくい。しかも量がすごい。魚屋かと思った。 揚げ物は アシアカエビの天ぷら。衣は軽やか、海老は甘い。油のキレが良く、胃にもたれない。ここで再び日本酒を合わせると、口中がまるで花見の宴。ワインがなくても全く困らない。むしろワイン要らない。 〆は 穴子ご飯。ふわっとして香ばしく、炊き込みの加減が絶妙。お腹いっぱいなのに、箸が止まらない。まるで深夜のラーメンのような背徳感。 そして何より特筆すべきは 大将のトーク力。気さくで、でも手はバッチリ動いてて、料理と人の温度がピタリと重なる。ここに来て「食事=会話」という当たり前の幸福を思い出す。
2025/10訪問
1回
京都・仁王門通。 「無為」とは“作為なき自然”の意らしいが、ここの料理は“自然にして精密”。 一見、肩の力が抜けたようで、実は1ミリも隙がない。 そんな店にワインを4本も開けてしまった夜の顛末を語ろう。 ⸻ 先付けと続くお造りでシャンパーニュと日本酒を少々をいただく。 鰤の藁焼き・クエ・アオリイカ。 雲子ポン酢のとろけ具合が見事。 舌の上で儚く溶けていくのを、アルザスのリースリングがしっかり拾う。 北寄貝の炙りは香ばしさが立ちすぎず、貝の甘みを引き立てる火入れ。 このあたりでシャトーヌフ・デュ・パプ・ブランを開ける。 樽のニュアンスと貝のミネラルが溶け合い、まるで南仏と北陸の国際結婚。 ウロコをパリッと立たせた甘鯛のウロコ焼き。 噛むとウロコが小気味よく弾け、身はふんわりと甘い。 この“軽やかなる重奏”にシャトーヌフブランのボリュームが絶妙。 続く鴨のローストでは、ついにバローロ登場。 脂の甘みと鉄分のニュアンスに、熟成したネッビオーロが妖しく寄り添う。 もはやここはワインバーなのか割烹なのか、ジャンルの壁が溶けていく。 締めの雲丹イクラご飯。 いけないとわかっていても、レンゲが止まらない。 イクラの塩味と雲丹のクリーミーさが、口中でデュエット。 “無為”どころか、完全なる“有為転変”である。 火入れ・香り・ワインとの相性すべてが寸分の狂いなし。 しかも肩肘張らず、終始リラックスできる空気。 「再訪確定」どころか、ワイン好きの巡礼地認定。
2025/10訪問
1回
The Tabelog Award 2025 Bronze 受賞店
食べログ 日本料理 WEST 百名店 2025 選出店
東山、蹴上、三条京阪/日本料理
青蓮院門跡の前にひっそりと佇む隠れ家「月岡」。お昼から本気を出すとは、さすがは皇室ゆかり古刹の門前(関係ない)。 八寸で早速ツカミを取ってくる。視覚に訴える小宇宙で、器選びから盛り付けまで堂に入った所作。スリ流しはなめらかで、胃袋にすっと染み込む。「お、今日は優しい日か」と思ったのも束の間、鮎の塩焼きで急に火力を上げてくる。内臓の苦みが清流を想起させ、酒を呼ぶのに酒は呼ばれない昼の悲哀。 続いてクエのたたき。高級魚の名を聞いただけで財布がひりつくが、脂がさらりと溶けて口中が祝祭。熟成肉ローストは和のコースに突如現れたカウボーイで、でもこれが意外とハーモニーを奏でる。 〆パートが豪華絢爛。蕎麦で一度リセットし、鰻丼でギアを入れ直し、さらに伝助アナゴご飯とおかずで「もうこれ晩ご飯では?」というボリューム。デザートはジュレで小休止したのち、ガトーショコラとカタラーナのモナカで糖質爆撃。抹茶でほうじ茶ラテ世代を黙らせる渋みをきっちり添えてフィニッシュ。 お腹いっぱい、大満足。会計はひとり17,000円。昼にしてはなかなかだが、内容を考えれば納得感あり。むしろディナーでこのボリュームを食べたら夜が明けてしまう。昼のうちに仕留めるのが正解だった。 リピート?もちろん。ただし午後は仕事にならない覚悟が必要。
2025/08訪問
1回
2025/09訪問
2回
レチュード(L’Étude)@三重県伊賀市──地方フレンチの最高到達点。伊賀くんだりにわざわざ来る理由として十分すぎる体験⸻