2回
2022/01 訪問
和敬洋讃
和の心をそっと織り込んだ、洗練され尽くしたフレンチに酔う。
ジョン金谷鮮治が西麻布に開業した銘レストランのDNAを継承するこちら、旬の素材を吟味しつつ、実に小粋なサプライズを仕掛けてくる。
席に着くと、気分を高揚させてくれるのがテーブルセッティング。
漆の箸が黒く輝いている。
プレートに開いた丸い穴は、この後繰り広げられる宴の必須アイテム。
アペリティフは、ジョン金谷鮮治が飲愛していたというシャンパーニュ「ナポレオン」。
まさしくシャンパンゴールドと呼ぶにふさわしい色あい。
そして、シルクのように喉を流れる泡は、肉にも魚にも合う幅広い味わい。
アミューズは、名物「金谷玉子」。
プレートの穴は、この玉子をさりげなく立てるため。
卵の殻の中には、半熟の黄身に松の実。
上にはキヌガサダケの泡ソース。
舌の上でフワフワとろける玉子の食感が、「ナポレオン」の繊細な泡とともに口に爽やかに広がる。
マッシュルームのコンソメスープは、ワイングラスで供される。
水と塩のみで作られているからこそ際立つマッシュルームの豊かな香りは、心に染み込む。
和牛炙り肉をバルサミコソースとペコリーノチーズで。
柔らかい肉とソース、チーズが見事なハーモニー。
シメサバと柿の葉寿司。
シメサバの上には沢庵とエシャロット。
サバと沢庵って合うんだ。
フォアグラと蓮根のソテー。
フォアグラはもちろんだが、ソースが素晴らしい。
鶏と鰹とトリュフが三位一体となってフォアグラを引き立てる。
さらに、純米吟醸左岸の華やかな香りや滑らかな甘味、フレッシュな酸味が、ワインのようなアプローチでフォアグラとマリアージュ。
甘鯛の鱗焼き。
オマールエビのソースが甘鯛を優しく包み込む。
ビーフシチュー。
和の旨味を感じさせるのは、ソースに加えてある麹味噌。
メインは、相州牛シャトーブリアンのパイ包み。
その肉質はきめが細かく、しっとり。
上質な脂はとろけるような甘さ。
カカオとブラッドオレンジを使ったソース、どうしたら肉に合うこんなにステキな味を見つけられるのか。
デザートのネーミングは「白姫からの贈り物」。
一品目は、ほうじ茶のプリンと和三盆のアイス。
程よい甘みと塩味が爽やか。
そして、ヴァシュラン。
メレンゲのボールの中には、ピスタチオクリームと苺のコンフォート。
その隣には、苺のソルベ。
まさに、白姫からの贈り物。
サングリアとともにフィニッシュ。
ペアリングでいただいたワインは
鳥居平今村「菱山」
Domaine Roger Perrin
Cape Doctor
どれもベストチョイス。
あっという間に時が過ぎ、KANAYA流の和フレンチを堪能。
サービスも素晴らしく手慣れていて、料理の説明も簡潔明瞭。
やるね金谷、C'est bon。
2022/01/06 更新
金谷の朝食は、ハーブティーから始まる。
眠気の残る体をシャキッと、空腹の胃を準備万端に整えさせてくれる。
ジュースは数種類からブラッドオレンジジュースをチョイス。
まず出されたのは和風ポトフ。
心も体もじんわり温まる。
洋食はエッグベネディクト。
オランデーズソースの滑らかでクリーミーな口当たりが優しい。
和食は、ライスパフを敷き詰めた木箱に9品。
彦摩呂風に言うならば、「おかずの宝石箱やー」。
玉子焼、牛しぐれ煮、鮭の西京焼きなど、どれもご飯がすすむラインナップ。
白飯が美味しい。
デザートはパンナコッタ。
エルダーフラワーのジュレが爽やかさを、リンゴのコンフォートが甘さを演出。
朝食後はフォレストテラスを散策。
その後部屋に戻り、冷えた体を温泉で温めてからチェックアウト。
ステキな金谷を満喫。