2回
2019/09 訪問
出汁の中に浸かりたい
もはや芸術の域。
おそ松君の名脇役チビ太の大好物として登場して以来、おでんは庶民の味方で在り続けた。
しかしこちらは、庶民の味方のおでんをMAXレベルまで仕上げている。
小田原提灯が掲げられた風情ある門構え。
メインとなる席はカウンターで、15席しかないこじんまりとした空間。
カウンターの前には、いい匂いが立ち込めるおでん鍋とご主人。
ランチは、6種類のランチメニュー。
メインの他に、好きなおでんを5品チョイスできるというのが嬉しい。
チョイスする5品は、22品から選べるが、その中には小田原蒲鉾組合13社から一品ずつ提供された種も。
本日は「牛すじ丼ランチ」。
席に着いて注文をすると、先ずはは3種類のおばんざいが運ばれる。
かぼちゃの煮物に小豆、秋刀魚の甘露煮、野菜のピクルス。
そして、小田原おでんの特徴である薬味も一緒に。
特徴的なのは、梅味噌。
老舗の味が凝縮された小田原おでんは、地元特産の梅を使用した梅味噌をつけるのが小田原流。
その他、辛子と山葵の薬味も。
おでんは、金目なると、白はんぺん、大根、たまご、いか天をチョイス。
この上ない上品で奥深い出汁。
大量の昆布で出汁をとり、鰹節と塩で味を調えるシンプルな出汁は、飲んだ途端、旨味がスーッと五臓六腑に染み渡る。
常に90℃に保って沸騰させないことが極上の味を引き出すのがコツだそうで、万が一沸騰したら作り直すというこだわりも凄まじい。
このこだわりの出汁は、薄味ながらコクがあり、決して主張せずにおでんを一際魅力的に仕立てている。
金目なると。
プリップリの食感と濃厚な旨味は今までに経験のない味。
白はんぺん。
予想外のしっかりした歯応え。
ありがちなフワフワ感は無く、如何に練り魚を多く使っているかが分かる。
おでん種には欠かせない大根は、箸をあてるとスーッと下まで力が要らない。
出汁がこれでもかと染み込んでいる。
牛すじ丼。
ご飯の上にトロトロの牛すじを乗せ、青ねぎと白髪ねぎをトッピング。
牛すじは箸でも軽くちぎれるほど柔らかく煮込まれている。
甘辛い味つけも抜群。
半分ほど食べたら、熱々のおでん出汁を注いでもらい、茶漬け風に。
牛すじのタレがご飯全体に染み渡ったところで、一気に頬張る。
「旨い」以外の表現が見つからない。
あまりの美味しさに、追加で牛すじを注文。
口に入れた途端にとろーりプルプル。
ホロホロに柔らかく煮込まれ、まさにデミグラスソースで煮込まれたビーフシチューのような味わい。
噛まずともあっという間になくなってしまう。至福すぎる。
皿に残ったタレにご飯を入れて食べたかった。
デザートはバニラアイスの自家製梅ジャム掛け。
さっぱりとした梅ジャムとバニラアイスが絶妙なハーモニー。
ゆったりとした佇まい、ほっこり落ち着く空間で、素晴らしい味に出会ってしまった。
小田原おでん、再訪確定。
2022/12/04 更新
約4年ぶり。
相変わらずの人気で、しっかり予約をして訪問。
カウンターの、おでん鍋の真ん前に案内される。
座ると瞬時に出汁のいい香り。
んー、特等席!
前回は牛すじ丼ランチ、これも捨て難いけれど、本日は特選おでん盛り合わせランチ。
通常のランチは、決められたリストの中からおでんを5個選ぶスタイルだけど、特選はお任せ。
通常のランチでは選べない特別なおでんがいただけるので、ワクワクドキドキ。
小ばんざいの後に運ばれてきたおでんの器は、大盛りラーメンが食べられる程の大きさ。
おでん種は全部で6種類9個。
一つ一つ説明してくださったけれど、すべて聞き取れず。
お忙しそうだったので聞き返す訳にもいかず。
お出汁は前日の最後のものを使っているとか。
なるほど、色も濃いし、旨みが凝縮されている。
後で茶飯にかけてもらった通常の出汁とは明らかに異なる、ワンランク上の美味しさ。
大根、いわし団子、いかシュウマイ、金目鯛の竜田揚げ団子、etc。
串が刺さったいわしの団子は、出汁の旨みと共にフワーッといわしの風味が広がる。
いかシュウマイ。
ふんわり柔らか。
幸せな気分になる。
金目鯛の竜田揚げ団子。
金目鯛の身を竜田揚げにしたものを、金目鯛のすり身で包んだ練り物。
こちらも弾力がありながらもフワフワ。
金目鯛の風味と出汁とのハーモニーは最高。
中央にデーンと居座る大根。
以前いただいた時はとろーっとしてたけど、今回は身が締まっててしっかり。
固い訳ではないけれど、出汁が入り込む隙間がないような。
前回と種類が異なる大根なのか、出汁に漬け込む時間の問題なのか。
それでも十分美味しかったのは間違いない。
追加で注文した牛すじ。
これ、やっぱり最高!
前回もいただいて感動したけれど、今回も再び感動。
口の中で旨みを爆発させたかと思えば瞬時に無くなるほどの柔らかさ。
茶飯は、おでんの味を邪魔しない優しい味付け。
半分ほど食べたら、おでん出汁をかけていただき、お茶漬けにして。
山葵を溶き、牛すじすじの残ったタレを入れていただく…もうたまらない。
最後にデザートをいただき、フィニッシュ。
今回も、しっかりと美味しいおでんを堪能。
小田原おでん、わざわざ足を運ぶ価値ありのおでん。