7回
2020/01 訪問
焼きの魔術師が奏でる、唯一無二の至高の焼き鳥
鷄の部位ごとの一番美味しい出し方を知り尽くしている。
だから、いつ来ても、何を食べても、ブレがない。
食前酒からの宴の始まり。
香の物も手抜きなし。
ジューシーな旨みに、これが皮かと驚かされる。
弾力のあるハツは、いつまでも口の中で噛んでいたい。
せせりは、塩昆布をちょい乗せて。せせり独特の濃厚な味が、塩昆布によって優しさに変わる。
ちょうちん。
きんかんとひもを一気に口に放り込む。
卵黄のトロッとした甘みと、タレの甘辛さが絡まって、淡白なひもがとても味わい深いものになる。
銀杏、ピーマン、白レバー、椎茸…
本日の串は牛タンでストップ。
そして、最後の〆はお決まりのカレーピラフ。最後の最後まで、歯が、顎が止まらない。
超人気店にもかかわらず、決して驕らない接客。
大将の気さくな人柄。
欠点を探すのが難しい。
お見事。
2025/10/20 更新
2017/01 訪問
至福を超える「焼き鳥」という料理
「あー、今夜は焼き鳥だ」。
無性に焼き鳥を食べたくなる。
そんな時に思い出すのが「里葉亭」。
店に入る前から漂う、鶏とタレの焦げた匂い。
どんな高級な香水の匂いよりもデンジャラス。
焼き鳥に飢えている胃袋をお見通しのように、「慌てるなよ」と出される香の物。
この憎たらしい演出に、より一層涎が。
さあ、至福のショーの始まり。
そのどれもが、鶏肉の香りと逞しがある。
肉肉しさとジューシーさ。
この相反する要素が見事に同居していることに感動。
ショーの途中には、銀杏、ピーマン、椎茸などの多彩なゲスト。
しかも、それぞれが最高の準備と仕上げをしてステージに上がってくるからたまらない。
トリを務めるのは、定番のカレーピラフ。
端にちょこんと乗る味噌とレモンが、適度な辛味を丸い味に仕立ててくれる。
これ以上のカレーピラフを、未だ味わったことがない。
胃袋と舌に、実に心地よい余韻を残して店を出る。
ああ、美味い。
2021/09/26 更新
2015/04 訪問
ニヤリ
自分の想像を遥かに超えた美味しさに出会うと、その美味しさを表現する言葉見つからず、無口になり、ただ頷き、ニヤッとほくそ笑む。
食前酒と漬物から始まり、手羽先、皮、ハツ、つくね…。
ニヤリ。
銀杏、ピーマン、椎茸は、決して箸休めではなく、鳥をも凌ぐ絶品。
ニヤリ。
〆は名物のカレーピラフと鳥スープ。
これを食さねば、宴は終わらない。
ふーっ。
フランス料理でもなく、イタリアンでもない。
小洒落た雰囲気もない。
だけど、客を感動させる味と演出は天才的。
おまかせなので、次に何が出てくるかという期待感もたまらない。
「ごちそうさま、今日も美味しかったです!」と店を出て、ニヤリ。
2022/02/18 更新
5年ぶりの里葉亭は、変わらぬ美味しさ。
これだけの間隔を空けてしまったことを反省。
本日の宴は、りんごの食前酒と香の物で始まる。
ハツ。
おろし生姜でさっぱりと。
コリコリとした食感の中に、深い旨味。
皮。
味噌でいただく。
これが皮かと思うくらいプリプリ。
手羽。
表面のカリカリ感と中のジューシーさのコントラストが素晴らしい。
丹波高阪鶏の胸肉。
しっとりさに、うっとり。
和牛タンデミグラスソース 。
洋食店顔負けの美味しさ。
銀杏。
苦味と甘みが絶妙なバランスで共存。
霞鴨春菊添え。
ウイキョウの風味が憎い演出。
白レバー。
口の中で一瞬でとろける。
椎茸焼き。
ムチっとした歯応えがたまらない。
牛タンステーキ。
悶絶。
ピーマン。
これを待ってました!
大きなピーマンの中には、ピーマンのヘタ等から出汁をとったスープ。
焦げ目が、ほんのりとした香ばしさと心地よい苦味を添える。
ちょうちん。
濃厚な黄身と弾力のある食感、甘辛いタレが一体となり、絶妙なハーモニーを表現。
つくね。
ふんわりとしたその食感だけでも嬉しいのに、その味がまた複雑で豊か。
〆はもちろん、フライライス。
ファンタスティック。
本日は大将の目の前の特等席。
客の食べ進め具合を目で追い、丁寧に、愛おしむように焼く所作はまさにプロ。
火入れ、タイミング、演出、味。
隙がない。