ガレットブルトンヌさんが投稿したVERT（東京/飯田橋）の口コミ詳細

定期訪問です。

11月の「茶湊流水」。

秋が深まり、柿、無花果、ラフランスは、

想定内ですが、

走りのとちあいかが登場。

そして、紅妃というキウイも。

重ねていくより、引き算をしていく

方向性に舵を切ってきて、

また一段飛躍を。

内容です。

１，香煎
　　城昌史　玉露　冴緑
　　穀物感があり、まるい味わい

　　お菓子は、
　　城昌史　栗
　　栗とはちみつだけの栗きんとん。

２，甘味
　　①　高梨茶園　香駿和紅茶の　　
　　　　ソルベ
　　　　黄金桃とマンゴービネガーのソルベ
　　　　甘酒、梨、発酵させたレモングラスの
　　　　ソースを。

　　　　合わせるお茶は、
　　　　SIGNATURE
　　　　パプリカ、ピーナッツ、
　　　　ティムール、トウガラシ
　　　　ティムールはネパールの山椒で、
　　　　ペッパー系の酸味が。
　　　　
　　　　合わせると、桃感が広がります。

　　②　ゆらりん（由良みかん）
　　　　カルダモン葉
　　　　ゆらりんとゼリーと
　　　　カルダモン葉と白餡の羊羹

　　　　黒文字とホエイのソースを。

　　　　合わせるお茶は、
　　　　吉田茶園　IZUMI 2nd Flash No1
凍頂烏龍茶のような香りが。

　　③　紅妃（キウイ）
　　　　イランラインの発酵ソース
　　　　唐松、大葉で
　　　　コンポートに。
　　　　
　　　　愛知産のキウイで、中心が赤いもの。
　　　　
　　　　合わせるお茶は、
　　　　お茶の宮澤
　　　　萎凋煎茶　冴あかり　　
　　　　すじ青のり、赤味山椒

　　④　須山農園　西条柿
　　　　喜界島白胡麻
　　　　味醂粕、抹茶

　　　　西条柿は塩水に一晩漬け、
　　　　米粉でフリットに。
　　　　みりん粕で白和えに。
　　　　抹茶塩と、生姜ソースで。

　　⑤　とちあいか
　　　　白味噌、梅
　　　　東坂茶園無農薬無施肥和紅茶
　　　　ひじき、薔薇

　　　　走りのとちあいかは、甘味がなく、
　　　　それを活かし、白味噌と梅を塗って
　　　　焼いています。
　　　　１年半熟成した和紅茶にひじき、
　　　　つる紫を添え、初めての味わい。

　　⑥　無花果
　　　　無花果葉のアイス
　　　　ベルガモット
　　　　喜界島白胡麻のブラマンジェ

　　　　無花果の外側を食べてほしい、という
　　　　一品。
　　　　ほろ苦さが心地よいです。

　　　　合わせるお茶は、
　　　　片倉製茶工房
　　　　朴木花紅茶、発酵桂の葉
　　　　無花果
　　　　これは、冷茶で。

　　⑦　齋藤守　ラフランス
　　　　発酵させた月桃のソース
　　　　アマゾンカカオ

　　　　ヒバを使って、土器で火入れした
　　　　ラフランス。

　　　　合わせるお茶は、
　　　　東坂茶園
　　　　古式釜炒り青心烏龍茶
　　　　（手炒りの烏龍茶）
　　　　うの茶園　焙じ茶　ジャスミン
　　　　のコンブチャ

　　　　この日は、これがひと際、
　　　　光を放っていました。
　　　　カカオの香りに包まれるペアリング

　　⑧　ひらっち農園　紅玉
　　　　自然農園よしだ　辺塚だいだいと
　　　　りんごの皮の発酵ソース

　　　　スペシャリテ、タタンです。
　　　　青唐辛子と胡椒のアイスを。
　　　　鉄壁。

　　　　合わせるお茶は、
　　　　山科茶園　カモミール焙じ茶
　　　　高梨茶園　釜炒り焙じ茶　デーツ

　　　　アイリッシュコーヒーのイメージ
　　　　８０％のクリームと２０％ミルクを
　　　　注意深く注いで。

　　⑨　大山製茶園　露光
　　　　吉原誠人　天然きのこ
　　　　
　　　　茶飯に、きのこ味噌を。
　　　　梨のぬか漬け
　　　　最近、このご飯ものが楽しみに。

　　　　合わせるお茶は、
　　　　松雪園　謹製　煎茶

茶室へ。
　　アマゾンカカオ　黒胡椒　カカオニブ
　　小豆、柿
　　の、猪子餅

　　出雲抹茶


バーテンダー　成瀬さんとも、

阿吽の呼吸が際立ってきて、

細部まで考えつくされています。

毎月定期訪問をしています。

10月のコースは、無花果。

無花果は世界で２０００種類あるとも言われており、

この日、登場した無花果は初めてお目にかかる品種も。

数十種類の無花果の個性をきちんと把握し、

その特徴を活かし、旨味を増幅するデセールに

仕上げているのは見事としかいいようがありません。

バーテンダー　成瀬さんとの阿吽の呼吸も

ますます磨きがかかり、シェフ田中さんが

考えるお茶を軸としたドリンクもあり、

成瀬さんが考えるお茶を割材として使う

ドリンクもあり、楽しみが広がっています。

そして、そのマリアージュの妙は輝きを

増しています。

さらには、最近、日本料理の一品として

登場しても、十分ありえる料理まで供され、

目を見張ること、数々。

では、１０月の「茶湊流水」

１，香煎
　　無花果大福
　　ゴールドフィッグという無花果に
　　薔薇の香りを。

　　合わせるお茶は、
　　令和７年　茶湊流水　ブレンド煎茶
　　島根　大阪くん
　　山科、森本、高梨　各茶園さんの
　　ブレンド。
　　苦みもありながら、軽めの香り。

２，甘味
　　①　藤かおり　ジャスミン　無花果葉
　　　　藤かおりとジャスミンはソルベに。
　　　　発酵させたジャスミンはソース。
　　　　無花果は、ブラックマディーラ。

　　　　合わせるお茶は、
　　　　SINGNETURE
　　　　文山包種茶　りんご　日本酒
　　　　スパイシーで、ハーブのような香りの
　　　　後味。
　　　　ノンアルのシードルと日本酒を。
　　　　りんごの甘味を感じます。

　　②　ブルンスイック（無花果）
　　　　高梨茶園香駿　桑の実　桃

　　　　ブルンスイックは、酸味が特徴で、
　　　　ぶどうの香りを感じる無花果。
　　　　香駿を無花果に含ませて、
　　　　桑の実、ぶどうと八角のソースを。

　　　　合わせるお茶は、
　　　　駄農園　いずみ手摘み手炒り釜炒り茶
　　　　宮古島マンゴー　レモンマートル
　　　　ホエイ

　　③　ゼブラスイート（白無花果）
　　　　大葉、抹茶、ブルーアイス

　　　　無花果は、ゼブラスイートと
　　　　黒あまも使用。
　　　　いつもの2層のゼリー＆羊羹。
　　　　2種の無花果の断面が美しい。
　　　　ソースは、カカオハスクとブルーアイス

　　　　合わせるお茶は、
　　　　和田長治商店　香駿
　　　　温かい状態で。

　　　　なんと、お茶と合わせると、
　　　　ブルーアイスが現れます。
　　　　隠れた要素が顔を出す、
　　　　驚くべきペアリング。

　　④　小朱（こあか）
　　　　茄子のような無花果で、
　　　　天ぷらに。
　　　　喜界島の白胡麻と昆布出汁で
　　　　白和えに。
　　　　抹茶塩を。

　　⑤　シャーアンバー
　　　　干し柿系の甘味のある無花果。
　　　　甲斐製茶園　烏龍茶
　　　　自然農園吉田
　　　　辺塚だいだい
　　　　白味噌、梅

　　　　これが、まさに日本料理でした。
　　　　白味噌を梅で発酵させ、
　　　　烏龍茶に鰹出汁で。
　　　　辺塚だいだいは、柚子胡椒の柚子の
　　　　変わりに使用されています。

　　⑥　ブリシャソットグリース
　　　　赤肉メロンの香りのする無花果
　　　　よもぎ　　赤肉メロン
　　　　薙刀香壽　コーヒー
　
　　　　メロン香のするコーヒーを
　　　　浸したミルクのブラマンジェ。
　　　　よもぎはグラニテ。
　　　　赤肉メロンはソース
　　　　薙刀香壽は、ジュレに。

　　　　合わせるお茶は、
　　　　豊好園　三重上島
　　　　ぶどう香で、スパイシー

　　　　デセールの後味のスパイシーさと
　　　　マリアージュ。

　　⑦　黒あま
　　　　遠赤外線で、じっくり火入れ。
　　　　無花果で分離させた
　　　　自家製リコッタチーズ
　　　　
　　　　合わせるお茶は、
　　　　東坂茶園　青心烏龍和紅茶
　　　　富士の輝き
　　　　マスカサーティン

　　　　皮系のほろ苦さを楽しむ
　　　　マリアージュ

　　⑧　とよみつひめ
　　　　藁　　へべす　薔薇

　　　　これが田中シェフの真骨頂
　　　　「タタン」ですが、今回は、　
　　　　なんと、無花果で。
　　　　藁はアイスに。

　　　　合わせるお茶は、
　　　　片倉製茶工房　朴木花紅茶
　　　　人参　ゲンチアナ
　　　　スーズをノンアルで。
　　　　タタンの苦みとゲンチアナの苦みが
　　　　共鳴しました。

　　⑨　吉原誠人　天然きのこ　味噌
　　　　五平餅味の炊き込みご飯

　　　　無花果の昆布〆
　　
　　　　合わせるお茶は、
　　　　松雪園謹製　東白川村　煎茶
　　　　「晴れた日に茶畑を走りまわる田中
　　　　　シェフ」をイメージして火入れして
　　　　もらったお茶

３，茶室
　　出雲茶寮　特選　出雲抹茶

　　アマゾンカカオ　無花果
　　無花果を感じるガナッシュを、
　　苺、葡萄で作り、全部で無花果を
　　感じるように。

毎回のお土産。

最近は、おむすび2個と、毎回変わるお茶。


これだけ多くの種類の無花果を、

その香り、実の固さ、熟し加減で、

使い分け、無花果のエキスパートにも。

それにしても、無花果の名前が

複雑すぎて、覚えられません。

3年前の創業時から通い続け、

田中シェフの天才的な技と感性に

ずっと魅了されてきました。

この度、2025ミシュランセレクテッドを

受賞されたとのこと。　自分のことのように

嬉しいです。

が、田中シェフは、もっと高みを目指したいよう。

なにせ、生来の負けず嫌い。

それが、シェフのモティベーションになって

いることは間違いなさそうです。

天才肌ゆえ、なかなか難解なマリアージュを

繰り出し、かなり食べこんでいないと

細部まで理解するのは難しいかとは

思いますが、世界で唯一無二のことに

チャンレンジしています。


さて、9月の「茶湊流水」。

テーマは、ブドウで、

日頃、見慣れない品種が次々

登場します。

が、それにも増して、

この日のために用意された

厳選されつくした無花果に

コメントすることさえ、忘れるほど

感動しました。

では、内容です。

１，香煎
　　弾き葡萄
　　クインニーナ
　　菊、　大根、
　　昆布白醤油

　　スプーンに一粒のブドウ。
　　江戸時代の料理書に登場する
　　「弾きぶどう」という料理を
　　モチーフにしています。
　　なんと、大根の鬼おろしに
　　火入れしたコンソメと
　　合わせています。

　　合わせるお茶は、
　　城　昌史　冴緑　玉露
　　枝豆の香りがします。

２，甘味
　　①　朴木花紅茶
　　　　ブラッグビート
　　　　レーヌクロード

　　　　合わせるお茶は、
　　　　アーモンド、ミント、
　　　　ココナッツウォーター
　　　　爽涼みかん

　　　　ココナッツモヒートをイメージ

　　②　甲斐キング
　　　　茄子　ルージュロワイヤル

　　　　甲斐キングの汁
　　　　実はわらび餅
　　　　皮はスープにして
　　　　薔薇と発酵
　　　　1粒の甲斐キングを1グラスで。
　　　　茄子の皮を発酵させ、甲斐キングと
　　　　泡のソースに。

　　　　合わせるお茶は、
　　　　山科茶舗　サンルージュ
　　　　ブラックベリー
　　
　　　　ドリンクが伴って、
　　　　さらに、1粒のブドウへ。

　　③　黄金桃
　　　　キーツマンゴー
　　　　イランイラン　馬告

　　　　いつもの2層のゼリーです。
　　　　ソースは別添えで、キーツ、玉文、
　　　　イランイラン
　　　　2層目は、馬告と白餡の羊羹

　　　　合わせるお茶は
　　　　うの茶園　烏龍ほうじ茶
　　　　レモンマートル、枇杷、ホエイ

　　　　成瀬さんらしく、お茶を割材として
　　　　ポジショニング。

　　④　ブラックマデイラ
　　　　喜界島白ごま
　　　　抹茶塩

　　　　これが、この日のために
　　　　選び抜かれた無花果です。
　　　　糖度が高いので、砂糖なしで
　　　　キャラメリゼ。
　　　　下には、白胡麻、桑の実エキスの
　　　　白和え。

　　⑤　天日干し番茶
　　　　和紅茶
　　　　トマト、花椒、薙刀香壽

　　　　最近、シェフがトライし続ける
　　　　豆腐です。
　　　　和紅茶の豆腐
　　　　番茶、醤油、赤味噌、花椒の
　　　　ソース
　　　　トマトの昆布〆を。

　　　　雨が降ってから、乾いた
　　　　土の香りをイメージした、とのこと。

　　⑥　ジャスミン、シャインマスカット
　　　　ヨーグルト、へべす
　　　　水切りヨーグルトとミルクは
　　　　ブラマンジェに。
　　　　ジャスミンはグラニテとジュレ
　　　　シャインマスカットは　　
　　　　セミドライに。

　　　　合わせるお茶は。
　　　　桑原善助商店　爽奏
　　　　生ローリエ、アブラチャン
　　　　のコンブチャ

　　　　爽奏は、蒸し製玉緑茶で、
　　　　シャインマスカットの香り
　　　　生ローリエもシャインマスカットの
　　　　香り。

　　⑦　藤稔　大葉
　　　　甘酒、爽涼みかん
　　　　藤稔はフリットで。
　　　　加熱すると、酸味を感じるように
　　　　なります。
　　　　甘酒、爽涼みかん、大葉は
　　　　ソース。

　　　　合わせるお茶は、
　　　　東坂茶園　藪北　白茶
　　　　この白茶は、果汁味

　　⑧　黒あま　シャーアンバー
　　　　高梨茶園　紅富貴
　　　　レモンバーベナ
　　　　富士の輝き

　　　　シャーアンバーは、エチュベに。
　　　　紅富貴とレモンバーベナは
　　　　ソルベで、別皿。
　　　　珍しくボディ感のあるソルベ。
　　　　富士の輝きはソースに。

　　　　合わせるお茶は、
　　　　駄農園　紅富貴
　　　　ソーテルヌ
　　　　ざくろ

　　　　紅富貴は水出し
　　　　このシンプルさと、
　　　　アルコールを飛ばした
　　　　ソーテルヌのリッチ感、
　　　　そこに、フレッシュざくろを。
　　　　スローイングして、ざくろの酸を
　　　　のせます。

　　⑨　とうもろこし
　　　　すじ青のり、
　　　　葱、発酵バターで、炊き込み
　　　　ご飯に。
　　　　宮崎茶房　みねかおり
　　　　焙じ茶と。
　　　　　　　　
　　　　シャインマスカットのぬか漬けと。

３，茶室
　　スカーレット
　　檜
　　シークワーサー

　　白餡とギリシャヨーグルトの
　　大福

　　山本甚太郎　抹茶　あさひ


数か月前に、バーテンダー成瀬さんが入り、

とてもいいコンビネーションで、

さらなる展開となっています。


　　　　

毎月、定期訪問しているこちら。

8月は、大好きなマンゴーです。

それも、幻の玉文です。

2年前、こちらで、初めて玉文に出会ってから、

間違いなく、世界のマンゴーの中で、

これが最も美味、という結論に至りました。

しかも、この日のために、最高の熟成加減に

調整していただき、感謝感激。


毎月、書いていますが、田中シェフが

手掛けていることが、いかに、世界唯一無二か、

通常のアシェットデセールとは全く違う、

オリジナルなカテゴリーであることを、

書いてもなかなか説明しきれません。

とにかく、体験すると、いかに、

田中シェフの料理が、オリジナリティに満ちているか、

初めて理解できると思います。

というのも、この日は、世界のベストレストラン50の

審査員を連れていきました。

当初、デセールのペアリングだというと、

甘いものはいやだ、とのお返事。

そこで、詳細を説明して、ようやく重い腰が

あがりました。

そして、料理が進むにつれ、想像をはるかに

超えたデセールとお茶とのペアリングに

驚きを隠せないリアクションとなり、

感動しきり。

毎月、デセールとお茶のペアリングの精度は

ますます上がり、超絶技巧の域に。


では、8月の「茶湊流水」です。

１，香煎
　　高梨茶園　手もみ茶
　　氷出しで、氷が溶けるとともに、
　　少しづつ、お茶を味わいます。

　　菓　　発酵シャインマスカット
　　　　　アニスヒソップ
　　　　　シークワーサー
　　　　　のゼリーです。

２，甘味

　　①山本甚太郎　焙じ碾茶
　　　とうもろこし、マンゴー　杉

　　　焙じ碾茶はアイス
　　　ソースは、とうもろこしとマンゴー

　　　合わせるお茶は、
　　　SIGNETURE　
　　　季の美、グレープフルーツ、アガヴェ、
　　　マーガオ
　　　唯一、お茶を使用しないドリンク。

　　②尾花沢　スイカ
　　　爽涼みかん、カカオパルプ
　　　
　　　いつもの羊羹とゼリーです。
　　　1層目は、カカオパルプと
　　　桃の実の羊羹。
　　　2層目は、スイカのゼリー。

　　　別添で、メロンと発酵黒文字のソース

　　　合わせるお茶は、
　　　城昌史　きらり３１
　　　国産ジャスミンの玉露

　　　スイカを「フルーティな野菜」と
　　　とらえた一品。

　　③ラ・ピアンタジョーネ　とよみつひめ
　　　自家製黒バナナ
　　　赤紫蘇

　　　桃の果汁で香りを重ねています。

　　　合わせるお茶は、
　　　文山包種茶　枇杷葉
　　　枇杷種、トンカ豆
　
　　　無花果とクマリンの
　　　マリアージュ

　　④大山製茶園　SONOGI抹茶
　　　昆布、高梨茶園　手もみ茶

　　⑤ゴーヤ　和梨　勘次郎胡瓜
　　　西洋牛蒡　イランイラン

　　　「胡瓜を折ったら、バニラの香りが
　　　　した」と、シェフ。
　　　　ゴーヤは、グラニテに。
　　　　和梨はスープ
　　　　西洋牛蒡の出汁のジュレ

　　　　合わせるお茶は、
　　　　山下新貴　京みどり（玉露）
　　　　黒文字葉、ゲーテローズ

　　　　コンブチャです。

　　　　ここで、口の中をさっぱりと。

　　⑥ひらっち農園　いけだ（桃）
　　　やまね園　ブラックベリー
　　　ホエイ

　　　固めの桃のテクスチュアに
　　　新しさを感じます。
　　　ホエイには、梅の香りとつけて
　　　ソースに。

　　　合わせるお茶は、
　　　うの茶園　特選　青心烏龍
　　　レモンバーベナ

　　　桃の香りを増幅させるペアリング

　　⑦宮古島玉文
　　　それだけで、おいしい玉文を
　　　さらに、バージョンアップし、
　　　もう無言です。
　　　マンゴープリンに、ソルベ。
　　　ミルクに、マンゴーの種や皮を
　　　つけています。

　　　合わせるお茶は、
　　　東坂茶園　夏摘み奥豊（和紅茶）
　　　コーヒー、ニッケイウッド

　　　マンゴーの余韻を伸ばしてほしい、
　　　というリクエストにお応え
　　　いただきました。

　　⑧吉原誠人　天然きのこ
　　　山科茶舗　釜炒り焙じ茶
　　　松茸入りご飯です。

　　　合わせるお茶は、
　　　高梨茶園　藪北実生

　　　オクラのぬか漬け
　　　ちち茸の煮物

３，茶室
　　本蕨餅　山葵　発酵桃の白餡

　　山科茶舗　抹茶


毎月、完璧すぎて、脱帽ですが、

それが翌月にはさらに進化します。

来月が、楽しみでしかありません。

毎月、定期訪問です。

月ごとに、進化著しく、

毎回書いているようで恐縮ですが、

いったい、いつ考えているのだろう、と

不思議です。

先月から加わったバーテンダーの成瀬さんとの

タッグも素晴らしく、ますます

ペアリングがすごみを増しています。

今回は、シグネチャーとして、

お茶を使わないドリンクが１品供されました。

デセールのほうに、玉露を使用しているので、

それとマリアージュするように設計されています。

みごと、の一言。

台北でのポップアップも、大成功を収めたそうで、

一層、生き生きしていました。

では、7月の「茶湊流水」です。

１，香煎
　　ライチ、ハイビスカス、カカオパルプ

　　ハイビスカスの求肥で包まれた、
　　ライチと白餡の大福。
　　美しい紅色です。

　　合わせるお茶は、
　　栗崎園　春野の精　極
　　全国茶品評会入賞茶
　　煎茶ですが、玉露のような馥郁とした
　　味わい

２，甘味
　
　　①　城　昌史　玉露冴緑のソルベ
　　　　デラウェアとカカオハスク、
　　　　ラベンダーを発酵させたものと、
　　　　４か月発酵させたやよい姫のソース

　　　　合わせるお茶は、
　　　　SIGNETURE
　　　　白味噌、バルサミコ　オレンジフラワー
　　　　ミルク
　　　　ミルクでウォッシングし、炭酸を
　　　　加えていて、なんと、みたらし団子の
　　　　ような風味。
　　　　ペアリングすると、角がとれます。

　　②　真庭農園　ゴールデンパール
　　　　アムスメロン、黒文字、花垣酒粕
　　
　　　　いつもの３層のゼリーですが、
　　　　今回は、２層。
　　　　２層の分、初めてソースがつきました。
　　　　１層目は、ゴールデンパール（メロン）。
　　　　２層目は、発酵させたアムス、北命、
　　　　白餡。
　　　　ソースは、黒文字、花垣酒粕。

　　　　合わせるお茶は、
　　　　雲ノ南農園　共萎凋みかん花紅茶
　　　　煎茶
　　　　
　　　　シェフの相棒、大坂くんの農園のもので、
　　　　共萎凋、という言葉も、大坂くんの造語。
　　　　ホットで供されました。
　　　　ドライにした生姜を加え、
　　　　２層目とマリアージュ。

　　③　桃　薔薇　桃花　山葵
　　　　桃が主役のデセールですが、
　　　　桃から想像するものとは
　　　　まったく異なるデセールです。
　　　　白鳳の果汁で白鳳を真空にして
　　　　冷凍しています。
　　　　発酵させた薔薇のピュレ　　　
　　　　桃の皮、種を煮出し、
　　　　ソースに。
　　　　山葵オイルを。

　　　　合わせるお茶は、
　　　　駄農園　くらさわ和紅茶
　　　　山桃、ブラッドオレンジ　　
　　　　HERB STAND 桑の実　スペアミント

　　　　ブラッドオレンジの皮の苦みと
　　　　酸味にフォーカスしています。

　　④　ひらっち農園　ナポレオン
　　　　紅秀峰
　　　　HERB STAND 桜葉
　　　　八ヶ岳ルバーブハウス　
　　　　ルバーブ

　　　　ノンアルルバーブビールの
　　　　ソルベ
　　　　桜の葉のブラマンジェ
　　　　発酵させたナポレオンとルバーブの
　　　　ソース
　　　　紅秀峰は、フレッシュで。

　　　　合わせるお茶は、
　　　　宮崎茶房　烏龍焙じ茶
　　　　三年番茶　ブルーアイス
　　　　茗荷
　　　　コンブチャです。
　　　　三年番茶のスモーキーさと、
　　　　茗荷エッセンスが、
　　　　さくらんぼの甘味を包みこみます。

　　⑤　大山製茶園　抹茶　大豆　オクラ
　　　　抹茶の豆腐です。
　　　　葛の使い方が、先月から各段に進歩。
　　　　ぎりぎりを狙っていて、よいテクスチュア。
　　　　発酵させたオクラがよく合います。
　　　　酢橘、トリュフオイル

　　⑥　相澤農園　杏子　梅
　　　　ヨーグルト
　　　　
　　　　土器、登場。
　　　　杏子を無水調理して、ジャム状に。
　　　　みかんの花、枇杷の花、トンカ豆を
　　　　真空にしてゼリーに。
　　　　杏子のグラニテ
　　　
　　　　合わせるお茶は、
　　　　甲斐製茶園　釜炒り茶　青唐辛子
　　　　へべす
　　　　水出し茶です。
　　　　青唐辛子の辛みが効き、
　　　　へべすが杏子の旨味と合います。

　　⑦　宮古島マンゴー
　　　　宮古島ピーチパイン
　　　　善兵衛農園　バレンシアオレンジ
　
　　　　大好きなマンゴーの時期が
　　　　やってきました。
　　　　ミニマンゴーはフリットに。
　　　　熟れていないマンゴーをソルベに。
　　　　発酵させたピーチパインを
　　　　ソースに。

　　　　合わせるお茶は、
　　　　甲斐製茶園　うんかい烏龍茶
　　　　バジル　唐辛子

　　　　原型をシェイクしています。
　　　　空気を入れると、甘さが出るのです。
　　　　
　　　　マンゴーの甘さを切って、すっきり
　　　　させていましたが、
　　　　私は個人的に、マンゴーの甘味を増幅
　　　　してほしかったので、リクエストして
　　　　きました。

　　⑧　吉原誠人　真竹
　　　　城　昌史　露光

　　　　真竹と露光入りのご飯です。
　　　　真竹の出汁でお茶漬けに。
　　　　
　　　　桃を昆布〆にした漬物

　　　　合わせるお茶は、
　　　　宮崎茶房　みねかおり
　　　
３，茶室
　　熟成湘南ゴールド
　　５か月発酵させたピュレと白餡を、
　　白玉粉、上新粉、発酵させたゴールドの
　　エキスの生地で包んで。

　　山科茶舗
　　抹茶


先月からトライが始まった「豆腐」に、

また新しい光が見えました。

無限な才能。
　　　　

　　　　

毎月定例で訪問しています。

前回から、田中シェフの前職での同僚で、

バーテンダーの成瀬さんが加わり、

飲み物にも、さらに個性が出てきました。

6月は、サクランボや枇杷などが登場しますが、

田中シェフの真骨頂、メロンのデセールが

新境地で登場。　またもや、想像を超えました。

では、今月の「茶湊流水」です。


香煎

　宮古島マンゴー、胡麻、山椒、馬告
　石川「たねらく」の最中の中に、
　マンゴーゼリー、実山椒、馬告の求肥。

　合わせるお茶は、
　山下新壽園　山下玉露　新茶　京みどり

　茶葉の鮮やかな深緑と芳香が、その品質を
　語っています。
　奥ゆかしい旨味と甘みです。

甘味

　１，城昌史　新茶　冴緑
　　　１等１席の新茶を使ったソルベです。
　　　玉露パウダーのラテに、
　　　みかんの花のコーディアル

　　合わせるお茶は、
　　　藪北和紅茶、無花果葉、
　　　オレンジ、他８種（プルーンやレーズン）
　　
　　　酒精強化ワインのような味わいを
　　　狙ったとのこと。
　　　苦みのテクスチュアを合わせています。

　２，ひらっち農園　ナポレオン
　　　ラベンダー　プラム

　　　いつもの３層のゼリーです。
　　　１層目　　ナポレオン
　　　２層目　　ラベンダーとプラム
　　　３層目　　発酵プラムと白餡

　　　今年のさくらんぼは早いため
　　　酸味があり、それを逆手に使っています。

　　合わせるお茶は、
　　　高梨茶園　焙じ茶　やよい姫
　　　バニラ、アスパラのコンブチャ

　　　新茶の焙じ茶で、青みを感じます。
　　　なんと、不思議なことに、カカオの
　　　香りがし、デセールと合わせると
　　　それがさらに協調されます。
　　　特に、３層目とのマリアージュが
　　　抜群。

　３，川名びわ園　房州枇杷
　　　なんと、枇杷だけで構築しています。
　　　蜂蜜で発酵させ、火入れしない
　　　コンポートのような仕上げに。
　　　種のスープに、キャッとミントの花
　　　
　　合わせるお茶は、
　　　東阪茶園　冴緑　水出し和紅茶
　　　パイン　枇杷の皮

　　　酸味が紅茶のフルーティさを上げて
　　　います。
　　　デセールとドリンクで、
　　　「枇杷の再構築」

　４，真庭農園　アムスメロン
　　　Herb Stand 黒文字若葉

　　　「北命を刈った後の茶畑から
　　　メロンの香りがした」と、鬼才。
　　　メロンの下には、
　　　ケフィアと松を使った
　　　ミルクのブラマンジェで、
　　　酸味を演出。
　　　発酵させた黒文字若葉とメロンの
　　　グラニテとともに。
　　　最後に、苦蓬のスプレーを。

　　　この日、一番でした。

　　合わせるお茶は、
　　　高梨茶園　新茶　北命
　　　オリーブ葉、檜

　　　メロンなのに、苦さで合わせてくる
　　　技。

　５，山科茶舗　焙じ茶　大豆
　　　秦野湧水　トマト　米麹

　　　これはチャレンジングでした。
　　　湧き水と大豆で豆乳を
　　　作り、焙じ茶と合わせて、葛豆腐に。
　　　発酵させたトマトと米麹をみりんで　
　　　つないだソース。
　　　トリュフオイルと、黒柚子を。

　　　最初は、ほろ苦いです。
　　　それがだんだん旨味に変わるのです。

　　合わせるお茶は、
　　　うの茶園　青心烏龍
　　　駄農園　するがわせ（釜炒り煎茶）

　　　温かい温度で供され、
　　　豆腐の味を持ち上げるマリアージュ。
　　　苦みと塩味の一皿

　６，イチローファーム　花ズッキーニ
　　　ライチ　バナナ
　　　神田豊島酒造　みりんMe

　　　なんと、生の花ズッキーニの中に、
　　　みりん粕、ライチ、バナナ、
　　　フィンガーライムのタルタルを。

　　　生の花ズッキーニからは、香水のような
　　　香りがするので、それを活かしたかった、と
　　　鬼才。
　　　中身も、香気成分で合わせています。

　　　周囲に散らした、
　　　みりんでキャラメリゼしたくるみが
　　　とてもいい仕事。
　　　
　　合わせるお茶は、
　　　城　昌史　新茶　玉露　きらり３１
　　　２日、水出しし、苦み、渋みがなく、
　　　甘さを抽出。

　７，宮古島ピーチパイン
　　　クレソン　ライムの葉
　　　小夏

　　　ピーチパインは、その果汁で真空にし、
　　　甘味をあげています。
　　　ほんのり炙って串刺しに。
　　　クレソンは、ソルベ
　　　小夏とブルーアイスのソースで
　　　苦みを。

　　合わせるお茶は、
　　　緑碧茶園　高千穂　（煎茶）
　　　ライムの葉　ヒバ　青実山椒
　　　のコンブチャ
　　　白ワインの酸のような方向性で、
　　　ソースと合わせています。

　８，茶漬け
　　　揚げおにぎりが登場。
　　　茶葉の佃煮入りです。
　　　胡瓜、オクラ、茄子、　　
　　　とろろ昆布の山形だしを。
　　　別添えの出汁をあとから加えて。

　　　お茶は、
　　　森内茶農園　新茶　手摘み煎茶
　　　摩利支

　　　アムスメロンとナポレオンの
　　　ぬか漬け
　　　さらっと書きましたが、
　　　あまりの贅沢さに仰天です。

茶室

　山本甚太郎　あさひ　薄茶

　お菓子は、
　発酵させた梅、赤紫蘇、
　和三盆を、京都の蓮粉で。

今月から、茶室に、掛け軸が登場。

なんと、田中シェフ自らの書。

「茶　古今　色　無」


毎月、このペースで進化を遂げると、

いったい１０年後はどうなっているのか、

想像もつきません。


　　　

5月末に３日間限定で行われた

「vert」「〇間」「高梨茶園」のコラボです。

年に２度ほど開催されていて、以前もお邪魔

しましたが、今回のお題は、「茶懐石」。

もちろん、「茶懐石」というテーマで

「vert」によるフルーツデセール、

「〇間」と「高梨茶園」のお茶、

という魅惑の構成です。

またもや、驚愕させられたのは、

茶懐石における焚物、焼物、八寸を解釈し、

それをフルーツで表現する、という

田中シェフの創意と技。

料理の無限の可能性と自由な飛躍を

見せつけられた瞬間でした。

さらには、「高梨茶園」高梨さんによる、

手揉み茶。　

手揉み茶というのは、本当に希少で、

その作り方を習得したわずかな人しか

作ることができず、「高梨茶園」でも、今年

300gしかありません。　そのうちの希少な茶葉を

いただくレアな機会。　高梨さん自ら、

水出しで淹れてくださいました。


この日、店内の天井には、「〇間」の酒井さん

制作のインスタレーションが。

畑と月の満ち欠けを表現した「曼荼羅」です。


では、「MA the Vert(e)」の内容です。


香煎　　　香駿
　　　　　香駿で香りづけしたお茶です。
　　　　　ハーブのような香り
　　　　　フルーツのような甘味

一の膳　　米（一文字）
　　　　　　　山下新壽園　全品出品玉露　胡椒
　　　　　汁椀
　　　　　　　萎凋北命　白味噌　黒文字　コブシ
　　　　　　　桜
　　　　　　　白味噌椀の中には、黒文字、コブシ、
　　　　　　　桜の寒天が。
　　　　　向付
　　　　　　　生湯葉　70％アマゾンカカオ　
　　　　　　　鰹と椎茸の出汁で、カカオを
　　　　　　　乳化させ、ガナッシュに。　
　　　　　　　カカオというものが、この中で　　
　　　　　　　成立していることに驚き。
　　　　　茶　
　　　　　　　水出しです。
　　　　　　　冴緑　いちご　木の芽　
　　　　　　　ホワイトバルサミコ
　　　　　　　冴緑は通常深蒸しですが、
　　　　　　　これは中蒸しで爽やかに。
　　　　　　　いちごはホワイトバルサミコに
　　　　　　　漬け込んだもの。

焚物　　メロン、松、生麩、ヨーグルト
　　　　
　　　　まさに、焚物がフルーツで仕上げられて
　　　　います。
　　　　それは、「煮物はコンポート」という
　　　　解釈を田中シェフがしたから。
　　　　ヨーグルトになる直前の液とケフィアを
　　　　スープに。
　　
　　　　茶
　　　　北命　山椒　赤松
　　　　北命の生葉は、梨のような香り
　　　　余韻が長く、
　　　　デセールと合わせて伸びる香り

焼き物　房州枇杷
　　　　玄米
　　　　マスカルポーネ

　　　　房州枇杷を炭火焼し、甘味を
　　　　さらに増幅。
　　　　中には、発酵させた枇杷と
　　　　マスカルポーネ、マーガオが。
　　　　枇杷の下には、玄米の泡のソース

　　　　別皿に、天然クレソンの
　　　　アイスクリーム
　　　　

　　　　茶
　　　　春緑、枇杷の葉、枇杷の花
　　　　春緑はみかんの香り
　　　　ドライにした葉と花を。
　　　　これで、枇杷全部を使用しています。

箸洗い　手揉み茶　
　　　　高梨さんが作ったばかりの
　　　　手揉み茶です。
　　　　6工程の手法があり、
　　　　最低6時間かかるそう。
　　　　今回は、水出しで。
　　　　ほんの一口ですが、
　　　　永遠とも思われる風味の
　　　　奥行きを感じます。

　　　　茶殻を透明醤油で。

八寸　　甘夏、昆布、反魂草　
　　　　昆布〆し、とろろ昆布で巻いた
　　　　甘夏
　　　　反魂草という山菜は、湯がいて
　　　　砂糖漬けに。
　　　　田中さんにしては頂点に砂糖を使った
　　　　一品でした。

　　　　茶
　　　　奥緑
　　　　koji　clear（透明甘酒）
　　　　奥緑は浅蒸しで、
　　　　香味、渋み、甘味のバランスが
　　　　よい。
　　　　羅臼昆布
　　　　スパークリングで。

　　　　口中が出汁になります。

ご飯、香物

　　　　ご飯には、香駿を塩を。
　　　　奈良漬けは、「奈良屋本店」の
　　　　瓜、胡瓜、スイカの皮。
　　　　田中シェフが作っていないものを出すのは
　　　　初めてかも・・・。

　　　　新茶茎焙じ茶
　　　　この日使ったすべてのお茶の茎を
　　　　使用した贅沢な焙じ茶。
　　　　45秒遠赤外線で火入れしているため、
　　　　とてもマイルドに焙じられています。

茶室　　この日は、酒井さんによるお点前
　　　　茶室には、酒井さんのコレクションで
　　　　ある、
　　　　掛け軸、茶杓、袱紗が。

　　　　主菓子
　　　　50％アマゾンカカオ
　　　　きなこ、胡麻、羊羹
　　　　胡麻ときなこのすはまに、
　　　　アマゾンカカオの羊羹を。

　　　　濃茶
　　　　宇治抹茶あさひ

掛け軸には、

「松に古今の昔なし」の書。

「vert」は、常盤緑。

まさに、松なのです。

酒井さんがこれを選んだセンスが

素晴らしいです。

茶杓にも、松葉が。


「茶」に新たな地平を築く3名の

技、創造力、感性。

異次元の世界でした。　　　　

　　　　
　　　　　　　

定期訪問です。

5月の初めには、全国の茶園で、

自ら茶摘みをしてきた、という田中シェフ。

茶園さんとの連携もここ数年でずっと

深まりをみせています。

さて、５月の「茶湊流水」。

毎月、こんなにも進化できるのか？と

思うほど、卓越したクリエイティビティ。

世界で唯一無二の世界です。

日本茶をベースとした飲み物と、

発酵させた果物のデセールのペアリング、

が基本ですが、

昨今は、野菜も登場します。

今回は、ブルーアイスというものが

メニューにあり、ブルーにしたアイスかと

思いきや、それは木の名前でした。

さて、その木をどうするのか・・・。

では、内容です。

１，汲み出し
　　紀州原農園　甘夏
　　アマゾンカカオ　天神麦茶

　　この天神麦茶ですが、なんと、
　　その実は、カカオニブのような風味が
　　します。
　　それを練りこんだ求肥に、
　　発酵させた甘夏とチョコが
　　入ったチョコ大福。
　　バーベナペッパーをいれた　　
　　ガナッシュが素晴らしいです。

　　合わせるお茶は、
　　大山製茶園　芯冴緑　新茶
　　芯は、標高の低いところの
　　もの、とのこと。

２，甘味
　　①　山科茶舗　栗田早生
　　　　春キャベツ

　　　　栗田早生のアイスに、
　　　　発酵させた春キャベツのソースと
　　　　発酵させたトマトのコンソメを。
　　　
　　　　合わせるお茶は、
　　　　松雪園　浅蒸し藪北
　　　　アスパラガス　鰹　松新芽

　　　　お茶に鰹の風味を感じた、とシェフ。
　　　　そこでこんなマリアージュに。

　　②　村田農園　淡雪
　　　　そら豆
　　　　
　　　　いつもの３段ゼリー
　　　　今回は、
　　　　一層目に、淡雪
　　　　二層目は、イチローファームの
　　　　そら豆のロースト。
　　　　皮と鞘は出汁にして使用。
　　　　三層目は、発酵させた淡雪と
　　　　白餡を。

　　　合わせるお茶は、
　　　マルヒ製茶　２年熟成　香駿和紅茶
　　　茗荷　
Herb Stand 桃の花
　
　　　クマリンの香りの演出

　③　十勝オーガニック牛乳
　　　F.F lab ルージュロワイヤル
　　　龍眼
　　　村田農園　弥生姫
　　　VERDE オリーブオイル

　　　龍眼の種を煮出したブラマンジェ
　　　バラはソースに。
　　　バラの香りのスプレーで仕上げ

　　　合わせるお茶は、
　　　駄農園　２年熟成　奥緑　白茶
　　　中川誠盛堂　ジャスミン茶
　　　生姜

　　　白茶は、２年熟成のためか、
　　　ジャスミンにも負けないボディ感

　④　山科茶舗　釜炒り焙じ茶
　　　マッシュルーム
　　　紀州原農園　セミノール
　　　Herb Stand 胡桃樹液　牛蒡

　　　発酵させたブラウンマッシュルームと
　　　ドライにしたホワイトマッシュルーム
　　　そして、生のマッシュルームが、
　　　釜炒り焙じ茶のスープに。
　　　そこに、セミノール（みかん）の
　　　コンサントレと、
　　　キャラメリゼした胡桃。
　　　この一体感に驚きます。

　⑤　房州枇杷　花山椒
　　　皇室献上品の枇杷です。
　　　ものすごく大振り。
　　　なんとそれをフリットに。
　　　中には、発酵させた枇杷のピュレ。
　　　
　　　山梨産の花山椒は、乾燥させた
　　　枇杷の皮を漬けた水でペーストに。
　　　アメリカンチェリーをトッピングして。
　　　さらに、枇杷の種は出汁をとりソースに。
　　　すでに、姿が神々しいです。

　　　合わせるお茶は、
　　　吉田茶園　藪北和紅茶
　　　カモミール
　　　枇杷の葉
　　　のコンブチャ
　
　　　甘味のマリアージュ。
　　　枇杷の実、葉、皮、種と
　　　全部使っているのも見事。

　⑥　メロン　ブルーチーズ
　　　ラベンダー
　　　Herb Stand さくら檜葉
　　　コブシ花

　　　雨がやんだ森の香りをイメージ。
　　　こういったイメージでなかなか
　　　納得できるものは少ないですが、
　　　そこは、田中シェフ。
　　　深く頷ける一品でした。
　　　宮古島産メロンとブルーチーズは
　　　グラニテに。
　　　メロンのゼリー
　　　ラベンダーとヨーグルトはムースに
　　　して、パウダーに。
　　　さくら檜葉はゼリーに。
　　　コブシ花は発酵させてソースに。
　　　コブシとジンをスプレー。

　　　合わせるお茶は、
　　　東坂茶園　２年熟成　青心烏龍茶

　　　雨がやんだ森に連れていって
　　　いただきました。

　⑦　石垣島　パイン
　　　Herb Stand　ブルーアイス
　　　文旦　大葉
　　　大山製茶園　SONOGI抹茶

　　　今回も土器が登場。
　　　なんだか、最高のおもちゃを
　　　持たせた子供のような顔になります。
　　　そこから取り出したのは
　　　土器でブルーアイスという木と一緒に
　　　蒸し焼きにしたパイン。
　　　南高梅の枝に、キャラメリゼして
　　　カットしたパインを刺し、
　　　ブルーアイスのソース
　　　セロリの皮のソース
　　　八朔の皮を。
　　　
　　　別皿に、大葉のアイス。

　　　合わせるお茶は、
　　　高梨茶園　北命
　　　クレソン
　　　Herb Stand 黒文字

　　　茶畑からパイナップルの香りがした、
　　　とシェフ。
　　　そこからインスパイアされた作品。

　⑧　木の芽　　白味噌
　　　鯵　
　　　城昌史　冴緑　露光ブレンド

　　　木の芽味噌の焼きおにぎりの
　　　お茶漬け。
　　　鯵は南蛮漬け
　　　マウンテンミントとベルガモットの
　　　新芽をトッピングして、田中色に。

　　　合わせるお茶は
　　　奥富園　手摘み煎茶　新茶

　　　最近、この〆が楽しみで仕方ありません。

３，茶室
　　中戸川明美　金柑ライム
　　Herb Stand 赤松、白樺樹液
　　赤味噌

　　柏餅です。

　　Sense of Matcha
鹿児島のオーガニック

この日のお土産は、おにぎり。

帰宅してからも余韻に浸れます。


毎月、世界観を広げる田中シェフ。

やはり、楽しんでいる人の仕事は

最高です。


　　　　

神楽坂の鬼才パティシエが営む

アシェットデセールのお店です、

と紹介したいところですが、

誰もがイメージするアシェットデセールとは

全く異なり、まさに、異次元。

その方向性が、毎回加速しています。

まず、砂糖をほぼ使用していないので、

コースを食べ終わった後に、甘すぎる、と

感じることがありません。

デセールは、フルーツを発酵させたものを

基調にしていて、なおかつ、

それを日本茶ベースの飲み物と

ペアリングしているので、

ものすごく健康的。

コースが終わると、からだが浄化されているのを

感じ、むしろお腹が空いてきてしまうほど。

最近は、フルーツのみならず、

野菜も使っています。

さらに唯一無二なのは、

デセール専門店でありながら、炭火焼きを

駆使し、なおかつ、土器を使った調理も。

たぶん、世界でこちらだけかと。

その土器の調理が驚くべき仕上がりなのです。

4月のコースには、幻のアスパラガスが

登場。

というわけで、

アシェットデセールではなく、

「田中料理」と呼べる独創性。

では、4月の「茶湊流水」　内容です。

１，汲み出し
　　高梨茶園　桜春緑
　　Six Berry Farm 桃薫

　　桜餅のイメージですが、桜葉は使用せず。
　　苺、百花蜜、桜の構成。

　　合わせるお茶は、
　　カネタ太田園　藪北
　　こちらの茶葉は、日本での入手は
　　困難。　これも、ドイツ出荷前のものを
　　押さえたそう。

２，甘味
　　①　善兵衛農園　清美オレンジ
　　　　山科茶舗　釜炒り焙じ茶
　　　　山葵
　　　　清美オレンジと釜炒り焙じ茶は
　　　　発酵させてソルベに。
　　　　なんとも奥深い仕上がり。
　　　　炭火焼した清美オレンジと
　　　　フレッシュの清美オレンジ。
　　　　皮はソースに。
　　　　木の芽
　　　　山葵のグラニテを。

　　　　合わせるお茶は、
　　　　湘南ゴールド　金柑　三宝柑
　　　　に、炭酸を。
　　　　口中　爽やか

　　②　久保田農園　ブラッドオレンジモロ
　　　　久米原農園　あまりん
　　　　Herb Stand 檀香梅

　　　　3層のスイーツです。
　　　　1層目　桜の花
　　　　2層目　ブラッドオレンジとあまりん
　　　　3層目　檀香梅の木を燃やし、
　　　　　　　　煮出して、白餡と。
　　　　花から木まで。
　　　　
　　　　今回は、これに、
　　　　液体窒素で凍らせた古都華と古都姫
　　　　を添えて。

　　　　合わせるお茶は、
　　　　森内茶農園　ゆめすみか

　　　　クマリンの香りに合わせた
　　　　マリアージュ。

　　③　徳島金柑
　　　　ブラータチーズ
　　　　トリュフ
　　　　蕗の薹　うすいえんどう

　　　　３月から発酵させていた金柑　　
　　　　蕗の薹味噌がいい味を醸します。
　　　　うすいえんどうは身も入っていますが、
　　　　皮と鞘をソースに。

　　　　シトラスフラッシュとプリムローズを。

　　　　合わせるお茶は、
　　　　茶湊流水　2023　
　　　　Herb Stand 白樺樹液
　　　　中川誠盛堂　ジャスミン茶

　　　　白樺樹液で水出ししたお茶です。
　　
　　　　旨味と旨味のマリアージュ

　　④　村田農園　弥生姫
　　　　なんと、緑色の塗り椀で登場。
　　　　「vert」だから緑。
　　　　先月編み出した苺の出汁で
　　　　苺を発酵させる、という
　　　　飛び技。
　　　　究極すぎて、何も言われなければ、
　　　　どんな調理法か、想像もつきません。
　　　　香りが究極です。

　　　　合わせるお茶は、
　　　　駄農園　春2号　釜炒り番茶
　　　　シャルルドゴール（バラ）
　　　　ラベンダー

　　　　　香りと香りのマリアージュ

　　⑤　四万十川清流農園　文旦
　　　　セオリアック　　龍眼

　　　　このために、13種類の文旦を
　　　　試食して、これに決めたとのこと。
　　　　野性味と甘みがあり、
　　　　かつ、ほどけがよい、そう。

　　　　はくたい粉をつけて軽く上げた
　　　　文旦とそのピュレ。
　　　　セロリアックはトマトと。
　　　　龍眼は、ソルベで別皿に。

　　　　今回初登場の鮮やかな緑の
　　　　大皿は、宮下将太さん作。
　　　　釉薬の美しさに惹かれます。

　　　　合わせるお茶は、
　　　　森内茶農園　微発酵ゆめすみか
　　　　苺

　　⑥　アスパラガス
　　　　山本山　やまもとやま
　　　　城昌史　きらり31（玉露）
　　　　善兵衛農園　甘夏

　　　　山形産の、幻のアスパラガスを
　　　　土器で蒸して。
　　　　土器の使い方も進化しています。
　　　　抜群の火入れのアスパラガスに、
　　　　山本山の「やまもとやま」という
　　　　海苔に、贅沢にも玉露を合わせた
　　　　佃煮を。
　　　　使用している塩も、山形産
　　　　甘夏のコンフィは、苦みを切って。

　　　　合わせるお茶は、
　　　　和田長治商店　玉露
　　　　浅煎りレモングラス
　　　　オリーブ葉　　大葉

　　　　ほのかな苦みが見え隠れする
　　　　素晴らしいマリアージュ。

　　⑦　善兵衛農園　レモン
　　　　GLITCH COFFEE COLOMBIA
HUILA MONTBLANCO

　　　　ティラミスのイメージ、とのこと。
　　　　コーヒーミルクのソルベ
　　　　蜂蜜とレモンのマスカルポーネムース
　　　　安政柑　絶滅しそうなレモンの香りに
　　　　似た柑橘。晩白柚の次に大きい。
　　　　ぼんたん飴
　　　　アングレーズソース

　　　　合わせるお茶は、
　　　　高梨茶園　北命和紅茶２ｎｄ　
　　　　石鎚黒茶
　　　　ヴィチペリペッパー

　　　　ティラミスソースのイメージ。
　　　　茶の旨味と紅茶の香りが
　　　　広がります。

３，茶室
　　村田農園　とちおとめ
　　大山製茶園　彼杵抹茶
　　3色団子

　　合わせるお茶は、
　　奥富園　狭山抹茶　明松


今回も、至極のマリアージュを

いくつも体験させていただきました。

しかも、こんなこと絶対できない、と

思われる贅沢な使い方や、

まだ見ぬ未知の素材との邂逅。

先月の茶室で供されたかりんとう饅頭が

あまりに美味だったので、

今月、テイクアウト分を予約させて

いただきました。

今月のお土産のお茶、カモミール焙じ茶

とともに、家でも「VERT」を

楽しんだのでした。

あ、ちなみに、今回は、おにぎりもお土産

でした。これがまた泣かせるほど美味。

定期訪問です。

春といえば、苺。

どのアシェットデセールのお店も

苺を主役にしますが、

またしても、鬼才、田中シェフは、

想像をはるかに超えてきました。

いや、想像もできません。

「苺」をデセールにする、という概念そのものが

覆ります。

しかも、秀逸だった1品は、この前夜に

思いついた、とのことで、かなりラッキーです。

毎回、田中シェフの頭の中をのぞきたく

なりますが、この日は、絶句。

ここでしか味わうことのできない、

希少いちごワールド、開幕です。


１，汲み出し
　　Heart& Berry とちおとめ
　　ルージュロワイヤル

　　１品目の定番となった大福です。
　　究極に柔らかな生地。

　　合わせるお茶は、
　　2024　辻喜碾茶　あさび
　　あえて、熱湯で抽出。
　　酸味に合います。

２，甘味
　　①　奥富園　萎凋ゆめわかば
　　　　岩井農園　コットンベリー
　　　　バターミルク
　　　　シルバーベル

　　　　煎茶ゆめわかばとバニラをグラニテに。
　　　　奈良の岩井農園のコットンベリーを
　　　　土器で蒸らし、中までアツアツに。
　　　　とちあいかの苺ミルク
　　　　3か月熟成のシルバーベルのエキスを。

　　　　苺を土器で蒸らす、なんて、
　　　　世界のどこでもやっていないかも
　　　　しれません。
　　　　苺の持ち味が凝縮されます。

　　②　さくらもも苺
　　　　南部酒造　花垣
　　　　羽田知弘　平買い有精卵

　　　　いつもの3段ゼリー＆羊羹です。
　　　　一段目は、徳島のさくらもも苺。
　　　　大振りで、希少。
　　　　2層目は、花垣という酒粕。
　　　　1年熟成ものを入手し、さらに1年熟成。
　　　　3層目は、黄身餡です。

　　　　合わせるお茶は、
　　　　甲斐製茶園　香駿烏龍茶
　　　　はちみつや、ダマスクローズの香り

　　③　山科茶舗　サンルージュ
　　　　久米原農園　あまりん
　　　　ホップ

　　　　全カテゴリーのいちごコンテストで
　　　　優勝したあまりんです。
　　　　煎茶とあまりんを発酵させアイスに。
　　　　ソースは、ホップとサワーポメロ。
　　　　酸味、甘味、苦みが一体となり、
　　　　無限ループに。

　　　　合わせるお茶は、
　　　　茶、ピンクレディー（りんご）
　　　　善兵衛農園　甘夏
　　　　酸味をうまく引き出しています。

　　④　鈴木牧場　十勝オーガニック牛乳
　　　　Six Berry Farm 桃薫
　　　　岡山　Reml Behn チーチョの森
　　　　（百花蜜）
　　　　ブラマンジェに、
　　　　桃薫のピュレとチーチョの森を発酵させた
　　　　エキス
　　　　オリーブオイルとハーブを。
　　　　香りがのびます。

　　　　合わせるお茶は、
　　　　雲ノ南農園　焙じ番茶
　　　　カカオハスク、レーズン
　　　　みかんの皮

　　　　「雲ノ南農園」とは初めて、と思って
　　　　伺ったところ、大坂くんの農園で、
　　　　雲南市だから、とのことで大爆笑。
　　　　
　　　　最近、この④番目あたりが、ひとつの
　　　　ピークを形成して、脱帽なアイテムが
　　　　登場するのですが、この日もまさに、
　　　　このマリアージュが最高でした。
　　　　しかし、ここでほめすぎると、
　　　　後続により上回るものが登場。笑

　　⑤　女峰
　　　　OSMIC フルーツトマト
　　　　イタリアンパセリ
　　　　久保田農園　ブラッドオレンジモロ

　　　　トマトみたいな女峰と、
　　　　いちごみたいなフルーツトマトを
　　　　塩こうじでもみ、
　　　　イタリアンパセリのオイルを。
　　　　塩味と爽やかさで、箸休め。

　　　　合わせるお茶は、
　　　　大山製茶園　抹茶
　　　　Herb Stand レモングラス
　　　　豊島屋酒造　みりんMe

　　⑥　岩井農園　古都姫　古都華
　　　　これがフツーではありませんでした。
　　　　いちごのフリットなのですが、
　　　　なんと、
　　　　フリットする前に、
　　　　古都華のエキスを抽出し、
　　　　そのエキスに、古都姫と古都華を
　　　　1時間漬けています。
　　　　あまりに贅沢すぎて、だれも
　　　　考えつかないかと・・・。
　　　　羽二重粉をつけて10秒揚げた
　　　　フリットの中は、古都姫、古都華を
　　　　超える古都姫と古都華になっています。
　　　　さらに、そこに、菜の花の塩ゆでパウダーと
　　　　3週間乾燥させた自家製黒柚子を。
　　　　これがまたいい仕事をしています。
　　　　ソースは、2年半発酵させた梅。

　　　　合わせるお茶は、
　　　　高梨茶園　焙じ烏龍茶
　　　　中川誠盛堂　ラプサンスーチョン
　　　　花梨　バニラ

　　⑦　Six Berry Farm きらぴ香
　　　　アプリコットフレグランス
　　　　善兵衛農園　清見オレンジ
　　
　　　　きらぴ香は、フレッシュ、発酵させたもの、
　　　　ソース、ソルベに。
　　　　アプリコットフレグランスという薔薇は、
　　　　きらぴ香のヘタを発酵させたエキスと、
　　　　バニラとジュレに。
　　　　きらぴ香の酸味を引き立てます。
　　　　清見オレンジは炭火焼して、
　　　　香りを、ヨーグルトに。

　　　　合わせるお茶は、
　　　　和田長治商店　朝比奈玉露
　　　　中川誠盛堂　ジャスミン茶
　　　　のコンブチャ

　　⑧　東坂茶園　露光
　　　　とちおとめ
　　　　バタックペッパー
　　　　茶葉と茶葉の佃煮ののった
　　　　炊き込みご飯です。
　　　　この茶葉の佃煮が抜群すぎて
　　　　やみつきになります。
　　　　とちおとめは漬物に。

　　　　出汁も添えられ、味変を。

　　　　合わせるお茶は、
　　　　東坂茶園　露光

３，茶室
　　茶室に移動。
　　山科茶舗　抹茶
　　なんと、これ宇治抹茶でした。

　　菓
　　蕗の薹、黒糖のかりんとう饅頭
　　とちおとめのドライパウダーを。
　　最後まで、こだわりが。
　　このかりんとう饅頭が、おいしすぎて、
　　次回にも予約しました。笑

たぶん、これを読んでくださっても、

想像がつかない、と思います。

ぜひ、体験してください。

another world を。

デセールコースを供する専門店が

でき始めて、すでに10年以上は経つかと思います。

こちらも、当初は、日本茶とデセールのコースを

供するお店でしたが、

ここ１年、さらなる進化著しく、

デセールコースという言葉ではくくり切れない、

世界でも唯一無二の領域に突入しています。

まさに、「田中ワールド」

田中シェフの頭の中で構築される

新たな料理は無限とも思われます。

というのも、毎月毎月、よくこんなことを

考えられるものだと、感心させられ続けて

いますから。

素材の組み合わせというものは、無限にあるわけですが、

さらにそれを発酵させ、ベストなタイミングを

見極め、さらに他の素材とマリアージュさせる。

簡単ではありません。

それなのに、毎回唸らせれくれます。

今回も、「葛餅」や「茶碗蒸し」が

登場しましたが、今まで食してきた

それとは、まったく異次元です。

こうなると、本当にワクワクがとまりません。


で、２月の「茶湊流水」。

１，汲み出し
　　菓　　大福
　　　　　中戸川明美　湘南ゴールド
　　　　　皮、実、果汁を使用した
　　　　　究極に柔らかい仕立ての
　　　　　「飲む大福」

　　茶　　2024　全国茶品評会　1等4席茶
　　　　　煎茶　栗崎克之
　　　　　あえて、高温で苦みを出しています。

２，甘味
　　①　高梨茶園　香駿烏龍茶　
　　　　のアイス
　　　　城　昌史　サワーポメロ

　　　　なんと、甘味がチョコレートのように　　
　　　　なります。

　　　　合わせるお茶は、
　　　　古田茶園　いずみ烏龍茶　春菊　菊

　　　　苦みと苦みのマリアージュ

　　②　徳島金柑
　　　　いつもの三層のゼリーです。
　　　　一層目は、金柑
　　　　二層目は、乳酸発酵させた金柑のピュレ
　　　　に、ミード
　　　　三層目は、乳酸発酵させた金柑と白餡

　　　　合わせるお茶は、
　　　　阿波番茶　黒文字　ローズマリー
　
　　　　双方の酸が引き立てあいます

　　③　鈴木牧場　十勝オーガニック牛乳
　　　　ひかりnouen シルバーベル
　　　　ブラマンジェです。
　　　　シルバーベルは、松、キウイの皮、
　　　　そして、シルバーベル自身で、
　　　　三次発酵させ、エキスをソースに。

　　　　使用されているオリーブオイルは、
　　　　胡蝶蘭の香り。

　　　　合わせるお茶は、
　　　　吉田茶園　茎ほうじ茶　
　　　　カリン、ラベンダー

　　④　宮古島　長浜さん　無花果
　　　　宮古島で唯一、無花果を作っている方で、
　　　　この無花果は、ハーバルな風味。
　　　　ソースや、岡山の小豆の香りがする
　　　　百花蜜に、
　　　　ガマズミ、苺、シャインマスカット、
　　　　金谷緑とアールグレイのブレンドを
　　　　合わせたソースを。

　　　　合わせるお茶は
　　　　マルヒ製茶　2023香駿和紅茶
　　　　2年熟成です。

　　⑤　善兵衛農園　三宝柑　
　　　　ひらっち農園　柿
　　　　東坂茶園　越冬ほうじ茶
　　　　吉野本葛

　　　　葛餅です、といって供されましたが、
　　　　主役は、葛餅ではなく、
　　　　炭火焼した三宝柑と柿
　　　　煮出した焙じ茶と、
　　　　香ばしさが重層的に広がり、
　　　　DNAをくすぐられる味覚。

　　⑥　Herat & Beauty とちあいか
　　　　E.F.lab ルージュロワイヤル
　　　　グラニテです。
　　　　バラのタンニンを感じます。

　　　　合わせるお茶は、
　　　　勝間田開拓農協　花ここち　
　　　　（萎凋煎茶で、2日間　水出し）
　　　　とちあいか、金柑ライムとコンブチャに。

　　⑦　熟成月光
　　　　アマゾンカカオ
　　　　まるやまフルーツ農園　ふじ

　　　　熟成月光というゆり根です。
　　　　これを土器で蒸し、アイスに。
　　　　ふじは、発酵させ、実とエキスを
　　　　ジャムに。
　　　　ソースは、カカオパルプと
　　　　りんごのエキスで、カルバドス的に。
　　　　水出ししたカカオハスクのゼリーを。

　　　　先月のゆり根の一品から、またさらに
　　　　進化していました。

　　　　合わせるお茶は、
　　　　山本甚太郎　焙じ碾茶
　　　　トンカ豆、桂花
　　　　なんと、デセールをいただき、
　　　　お茶を飲んだら、チョコレートに
　　　　なる、という不思議。

　　　　もうこなると、無言で、
　　　　唸るしかありません。
　　　　超越したワールド。

　　⑧　西粟倉　平飼い有精卵
　　　　果じゅまる園　熟成栗
　　　　わわ菜（小さい白菜）

　　　　茶碗蒸しです。
　　　　有精卵の餌が白菜と聞き、
　　　　白菜を出汁に使っているそう。
　　　　栗の甘さを活かした茶碗蒸し。
　　　　デザートワインに、紅みかんの皮、
　　　　生姜の香りのソースは、
　　　　キャラメルっぽい仕上がり。
　　　　わわ菜はぬか漬けで。

　　　　合わせるお茶は、
　　　　和田長治商店　炭火茶
　　　　玄米　バニラ
　　　　穀物感のあるお茶

３，茶室
　　茶　奥富園　　抹茶
　　菓　アマゾンカカオ
　　　　50％の生チョコ
　　　　サワークリーム、生クリーム
　　　　ペッパーで。


毎回、書いていますが、

この才能、どこまでいくのか・・・・。

定期訪問しているこちら。

台湾のpopupから昨日帰国したばかり、と

今や世界から引っ張りだこになった田中シェフ。

いつ、考えているのか、と思える

その卓越したクリエイティビティは

とどまるところを知らず、

この日も才能が爆発していました。

オープン当初からフルーツと日本茶の

ペアリングは変わらずですが、

大きく変化したのは、発酵の要素を

取り入れ、さらなる進化を見せている点。

コースを完食したあとの、からだが浄化

される気分は、格別そのもの。

では、１月の「茶湊流水」。

１，汲み出し
　　浮島
　　Adore flower jasmine
仏手柑を発酵させた果肉、
　　松の実、岩茶を使用。
　　仏手柑が食べられることに
　　驚き。
　　発酵生クリームとマーガオを
　　添えて。

　　合わせるお茶は、
　　2024　関西品評会1等1席茶
　　煎茶　鳳春　北本錦司
　　もともとはマイナーなお茶だった
　　とのことですが、
　　クマリンの香り、果汁味、
　　すっきりした苦み、
　　そして、透明感のある旨味と
　　バランスが抜群です。

２、甘味
　　１，興梠洋一　八朔花紅茶の
　　　　アイス
　　　　文旦　木酢とほうずきの酵素
　　　　シロップを。

　　　　合わせるお茶は、
　　　　東坂茶園　越冬冬ほうじ
　　　　紅みかん　カカオニブ

　　　　不思議なのは、このお茶と
　　　　アイスのマリアージュで、
　　　　チョコレートの風味を
　　　　醸すこと。
　　　　なので、文旦ととても合います。

　　２，城　昌史　スウィートスプリング
　　　　城さんの茶園で育てられる
　　　　スウィートスプリングです。
　　　　温州みかんと八朔の掛け合わせ。
　　　　果肉は八朔ぽく、甘味が温州みかん。

　　　　で、いつもの3段のゼリー。
　　　　上部は、果肉。
　　　　中層は、皮を柿酢でマリネしたもの。
　　　　下部は、発酵させたスウィートスプリングの
　　　　ピュレと白餡。

　　　　合わせるお茶は、
　　　　城　昌史　煎茶　冴緑　露光のブレンドに、
　　　　ネギとトンカ豆。
　　　　ネギは乾燥させて甘味を出しています。
　　　　羊羹に負けない甘味を。
　　　　2種のお茶は、旨味と旨味の掛け合わせ。

　　３，シャインマスカット　
　　　　十勝広尾　鈴木牧場　
　　　　十勝オーガニック牛乳
　　　　のブラマンジェ
　　　　VERDEというスペインの
　　　　オリーブオイルを。

　　　　合わせるお茶は、
　　　　ホウノキ花和紅茶　　
　　　　駄農園　白茶　紅富貴
　　　　ホウノキ和紅茶から　　
　　　　ぶどうの香りが。

　　４，ひかりnouen シルバーベル
　　　　1か月熟成のフリット
　　　　米麹と果汁を発酵させたもの
　　　　1年熟成させたカリンのシロップ
　　　　Herb Stand 森のハーブと
　　　　オリーブオイルを。

　　　　別皿に、
　　　　ミルクアイス。
　　　　桜葉、黒文字、杉、ヒノキ、
　　　　松の新芽で香りを。

　　　　合わせるお茶は、
　　　　間　アールグレイ和紅茶
　　　　ホップ、こぶみかん
　　　　苦みのレイヤーを造っています

　　５，まるやまフルーツ農園
　　　　ふじ　百合根
　　　　Herb&Berry とちあいか
　　　　
　　　　こちらしかできない、と
　　　　思われる土器による無水調理。
　　　　土器の下に、百合根を敷いて、
　　　　りんごに火入れしています。
　　　　実は、りんごと百合根の相性が
　　　　いいのです。
　　　　火入れされたふじに、
　　　　りんごチップと百合根を散らすと、
　　　　まるで、百合根が果物に。
　　　　E.F.Jabのルージュロワイヤルが
　　　　香りを添えています。
　　　　とちあいかと発酵させた薔薇は
　　　　ソースに。
　　　　
　　　　この漆黒の鬼押し出しのような皿は、
　　　　宮下さんに依頼した特注とのこと。
　　　　土器をイメージして作ってもらったそう。

　　　　合わせるお茶は
　　　　松雪園　生葉合組　萎凋煎茶　　
　　　　奥緑　露光を生葉でブレンド。
　　　　檜と上記のブレンドのコンブチャです。
　　　　キウイと松はコンブチャで泡に。

　　　　酸と酸のマリアージュ。
　　　　最も難しいと思われますが、
　　　　着地が完璧。

　　６，井上善兵衛
　　　　橘　三宝柑　レモン
　　　　家康が好きだったという三宝柑
　　　　ヨーグルトムースに、
　　　　三宝柑橘の果肉。
　　　　皮は下部に。
　　　　大和橘1年熟成のソース
　　　　紅みかんのグラニテ
　　　　黄色の柑橘のマリアージュです。

　　　　合わせるお茶は、
　　　　東坂茶園　青心烏龍
　　　　坂本園　　青心烏龍
　　　　龍眼
　　　　数種の柑橘をまとめて
　　　　さらに伸ばします。

　　７，駄農園　和紅茶
　　　　奥光　金谷緑
　　　　十字満　小豆
　　　　笠原餅店
　　　　の、ぜんざい
　　　　無花果を奥光和紅茶で
　　　　コンポートにしたものと、
　　　　皮の汁も入っています。
　　　　その無花果は、
　　　　宮古島　長浜和彦

　　　　笠原餅店のお餅は、
　　　　薪と釜戸で米を蒸かす
　　　　昔ながらの製法。　格別です。

　　　　別皿には、無花果のぬか漬け

　　　　フルーティなぜんざい、
　　　　ここだけの名品。

３，茶室
　　茶室へ移動
　　茶　山本甚五郎　抹茶あさひ
　　日本最古の碾茶炉を持つ
　　茶園。

　　菓子は、柚羹羹
　　城　昌史　柚子

　　　　
茶室のライティングが、

後光に見えてきます。
　　　　
　　

毎月定期訪問のこちら。

通い始めて2年半。

この間の進化たるや、はかり知れません。

日本茶とデセールコース、という枠組み

でしたが、今やそれをはるかに超越し、

「田中料理」とでもいいましょうか、

ある種の新境地となっています。

デセールコースを出しているのに、

甘いものは嫌い、という田中シェフ。

砂糖はほぼ使用せず、フルーツなどの

天然の甘味のみで構成しているので、

コース終了後に、舌にヘンは甘味が残ることは

皆無。

さらには、昨今、発酵も取り入れているので、

食後は、からだが浄化されたような爽快感です。


さて、今回、田中シェフの一皿に、

「余白を残す」というものがありました。

そもそも、「余白の美」というものは、

日本人が好み、それが西洋に伝わったときに

衝撃を与えたのですが、

料理における「余白」。

感心しました。

では、12月の「茶湊流水」です。

１，汲み出し
　　ルージュロワイヤル
　　Heart & Beauty とちあいか
　　
　　発酵させたとちあいかを大福に。

　　合わせるお茶は、
　　東坂茶園　無農薬無施肥藪北
　　8年間土壌から農薬を抜いています。
　　香り高い一杯。

２，甘味

　　①城昌史　八女伝統本玉露
　　　キウイ、やまね園　フェイジョア

　　　いつもの3段ゼリーです。
　　　上段には、城さんの茶園でとれた
　　　キウイ。
　　　2層目は、発酵させたフェイジョア。
　　　3層目は、本玉露と白餡の羊羹

　　　合わせるお茶は、
　　　城昌史　玉露白折　
　　　辛夷（こぶしの実）
　　　大葉

　　　辛夷からわずかなキャラメルの香り

　　②　井上善兵衛農園　紅みかん
　　　　鈴木牧場　十勝オーガニック牛乳
　　　　十勝の塩
　　　　ボードプロヴァンスバージンオリーブオイル

　　　　紅蜜柑は炭火焼きに。
　　　　牛乳と合わせてブラマンジェに。

　　　　合わせるお茶は、
　　　　高梨茶園　香駿烏龍茶
　　　　コーヒー、バニラ、ジャスミン、玄米

　　　　このバランス、想像できますか？
　　　　コーヒーがたちすぎず、でも奥に
　　　　コーヒーの香り。
　　　　デセールの香りとお茶の香りの
　　　　みごとなマリアージュ。

　　③　山下新壽園　玉露
　　　　海老芋　
　　　　Herd Stand 筍皮
　　　　黒トリュフ、金柑

　　　　これが、この日衝撃だった
　　　　「余白」を残す料理です。
　　　　これは、料理なのか、デセールなのか、
　　　　解釈は、食べ手にゆだねられます。
　　　　
　　　　日本料理屋さんで
　　　　これまでいただいた海老芋も脱帽な
　　　　秀逸な海老芋料理でした。
　　　　海老芋の新たな地平、とでも
　　　　いいましょうか。
　　　　田中シェフでなくては、できなり料理に
　　　　なっています。
　　
　　　　海老芋をマッシュして、麩を
　　　　つけて揚げ、
　　　　筍皮を煮出してソースに。
　　　　蜂蜜で発酵させた金柑が
　　　　旨味を引き立てます。

　　　　合わせるお茶は、
　　　　辻喜　碾茶あさひ
　　　　山下新壽園　玉露
　　　　「碾玉」

　　　　もともと京田辺で生まれた
　　　　「玉碾」が、宇治にいって「碾玉」
　　　　となったそう。
　
　　　　あさひの香りが抜けたあと、
　　　　玉露が香る、というなんとも
　　　　贅沢なお茶

　　④　シルバーベル　甘酒

　　　　山形　ひかり農園の
　　　　洋梨、シルバーベルを
　　　　土器を使った灰焼きに。
　　　　皮目は高温になっていますが、
　　　　中は、わすかに火が通っただけ。

　　　　他の洋梨に比べ、酸味があるので、
　　　　あえてこれを使用。
　　　　乳酸発酵させた米のソースに、
　　　　フィンガーライム、レモン、
　　　　マリーゴールド、
　　　　ビチペリペッパーを。

　　　　合わせるお茶は、
　　　　高梨茶園　萎凋北命
　　　　生ローリエ、生姜、カカオニブ
　　　　生ローリエから、シャインマスカットの
　　　　香りが。

　　⑤　井上農園　秋王
　　　　カカオパルプ　ニッキ

　　　　柿のタルトタタンです。
　　　　カカオパルプとニッキは
　　　　アイスに。
　　　　金木犀と柿の皮をソースに。

　　　　合わせるお茶は、
　　　　坂本園　青心烏龍和紅茶

　　　　なんと、「青心烏龍」は
　　　　品種名とのこと。
　　　　なので、その和紅茶。
　　　　キャラメル感がありますが、
　　　　余韻は、メントール

　　⑥　宮古島メロン
　　　　ネズミサシ
　　　　乳酸発酵させたネズミサシと
　　　　ヨーグルトでムースを。
　　　　このムースがただのムースではなく、
　　　　口の中で、ほどける仕掛けが。
　　　　メロンのグラニテを。

　　　　合わせるお茶は、
　　　　山科茶舗　抹茶せいめい
　　　　Herd Stand 黒文字　
　　　　アーモンドミルク
　　　　を、ソースで。

３，〆
　　大山製茶園　長崎県品評会1等1席茶
　　露光
　　熟成品評会茶　１芯２葉
　　田代ライス　龍の瞳　
　　白川茶屋　赤味噌

　　の五平餅です。
　　この秀逸なお茶の茶殻を中に
　　忍ばせて。
　　この2年半で、最高の五平餅でした。

　　味噌汁は、茶の出汁。
　
　　香の物は、
　　共人参、赤カブ、雪菜

４，茶室
　　茶室に移動し、

　　大山製茶園　SONOGI抹茶

　　茶菓子は、
　　コーヒー、ブラックペパー、大徳寺納豆の
　　琥珀糖


たくさん書きましたが、

もはや言葉では、語りつくせません。

五官で味わう余白。
　　　　
　　　　

神楽坂から数百メートル離れた

新しい建物に、11月に移転。

今度は、ウェイティングスペースに、

お茶室まであります。

メインの部屋は、アールを描くカウンター席で、

中央に設えられた花卉に、天井から

管を伝って、水流が落ちるような設え。

まさに、「茶湊流水」の具現化です。

さらには、炭火焼きまで設置。

デセールコースのお店で、炭火を設置しているのは、

日本初だと思います。

さて、田中シェフ、移転で多忙なうえに、

各地でのイベント、茶畑の視察と飛び回っていた

はずなのに、いったい、いつこれを考えるの？

というくらい、完成度の高いコース。

昨年あたりから、デセールコースという概念を

超越していますが、さらに超えてきました。

そして、今月は、シグネチャーのタルトタタンが。

シェフも自信をもっていますが、

これを超えるタルトタタンに、お目にかかったことが

ないです。

では、内容です。

１，汲み出し
　　かりんとう饅頭
　　白味噌、木酢

　　合わせるお茶は、
　　令和6年　辻喜　碾茶あさひ

２，甘味
　　①　城昌史　きらり31
　　　　齋藤守　ラフランス
　　　　大葉、松、パルメザンチーズ
　　
　　　　自家製ヨーグルトに大葉の香りを。
　　　　そのときできたホエイをラフランスと
　　　　合わせてムースに。
　　　　ラフランスは、玉露と大葉でマリネ。

　　②　シャルルドゴール
　　　　プリンセスドモナコ
　　　　キルギス共和国生蜂蜜
　　　　ボードプロヴァンスバージン
　　　　オリーブオイル
　　　　
　　　　十勝の非加熱ミルクのアイス
　　　　ミルクと薔薇のブラマンジェ
　　　　非加熱のミルクと、
　　　　非加熱の生蜂蜜を合わせてみる、
　　　　という試み

　　　　合わせるお茶は、
　　　　和田長治商店　朝比奈玉露
　　　　ルージュロワイヤル

　　③　吉田茶園　みかん
　　　　いつもの、3段ゼリー＆羊羹。
　　　　なんと、吉田茶園でなる青みかんの
　　　　果肉、皮、皮ごと発酵させて絞り
　　　　白餡と合わせたもの。

　　　　合わせるお茶は、
　　　　高梨茶園　奥はるか　奥緑
　　　　ゴールドクレストウィルマ
　　　　（クリスマスツリーの黄色バージョンで
　　　　　熟れたみかんの香り）
　　　　バジル

　　　　バジルが主張しすぎず、いい着地。

　　④　須山農園　　西条柿
　　　　なんと、これを炭焼きです。
　　　　冷蔵庫で〆て、常温に戻してから
　　　　炭焼きに。
　　　　農園の干し柿に海藻の香りを
　　　　感じた、とシェフ。
　　　　ソースは、一晩常温にした柿と、
　　　　赤味噌、焦げた皮、みかん。

　　　　合わせるお茶は、
　　　　雲ノ南農園　釜炒り茶
　　　　ラベンダー、バニラ

　　⑤　四万十栗　城昌史　ローゼル
　　　　米麹
　　　　栗の竜田揚げ
　　　　ソースは、鬼皮のローストと、
　　　　米麹と発酵させたローゼル

　　　　合わせるお茶は、
　　　　茶ノ蔵　中煎り焙じ茶202
　　　　松雪園　浅煎り焙じ茶

　　⑥　ひらっち農園　紅玉
　　　　カカオパルプ
　　　　Herb Stand 森のハーブ
　　　　
　　　　これがシグネチャーのタルトタタン
　　　　2日寝ずに焼いているそう。
　　　　下には、
　　　　カカオパルプ、発酵させた葡萄、
　　　　かりんの酵素シロップの
　　　　イタリアンメレンゲ

　　　　ソースは、発酵させたリンゴの皮と
　　　　レモンマリーゴールド
　　　　
　　　　合わせるお茶は、
　　　　駄農園　和紅茶からべに
　　　　la piantagione figfarm 無花果

　　　　初登場の蓋付グラスに、
　　　　スモークを投入して美しい仕上げ

　　⑦　吉田茶園　米
　　　　秋芽いずみ生葉

　　　　発酵させた米のアイスです。
　　　　
　　　　合わせるお茶は、
　　　　吉田茶園　IZUMI 2022
金木犀
　　　　米の味がする夏芽

３，〆
　　Kamikatsu Tea Mete 阿波番茶
　　柚香
　　吉原誠人　天然きのこ（えのき）
　　龍のひとみ
　　
　　えのきのご飯
　　天然えのきと阿波番茶で
　　炊いています。
　　卵黄の塩漬けを。

　　香の物は、
　　ラフランス、春菊、メークインのぬか漬け
　　それぞれ漬ける時間を変えて。

４，茶室
　　ここで、茶室に案内されます。
　　照明を落とした空間で、
　　シェフがお茶をたててくれます。

　　辻喜抹茶　早緑
　　チョコレート
　　大徳寺納豆
　　喜界島白胡麻
　　

通い始めて2年半。

このミラクルな進化に、

この日は、本当に感じ入りました。