34回
2025/09 訪問
秋の訪れを感じる
九月の京天神野口。この季節ならではの食材がふんだんに使われ、秋の入り口を彩るような贅沢なひとときでした。
冒頭は蒸し鮑に芋・蛸・銀杏を添え、キャビアを散りばめた華やかな一皿。柔らかな鮑とキャビアの塩味が重なり、奥行きのある旨味を堪能しました。続く筋子・車海老・剣先烏賊の手巻き寿司は、海の幸の濃厚な甘みと海苔の香ばしさが一体となり、思わず笑みがこぼれます。御椀は鱶鰭に地鶏、湯葉を合わせ、優しい旨味が体に沁み入るよう。
造りは目一鯛と梭子魚。目一鯛は澄んだ甘み、梭子魚は焼き霜の香ばしさが際立ち、味わいのコントラストが鮮やかでした。蒸し車海老に雲丹を添えたひと皿は濃厚で力強く、焼き物の稚鮎は菊花と土佐酢でさっぱりといただき、秋の訪れを感じさせます。毛蟹はジュレ酢で身の甘みを際立たせ、焼霜穴子と胡瓜は香ばしさと爽やかさが絶妙でした。
締めは三種。とろりとした卵黄と鶏肉の旨味が広がる親子丼、胡麻と辣油が爽やかに効いた冷製担々麺、香ばしい秋刀魚の塩焼きと土鍋ご飯。趣向を凝らした組み合わせに大満足。デザートは無花果と白ワインのソルベで、瑞々しい甘みと酸味が口をさっぱりと整え、優雅な余韻を残しました。
――この日は日本酒も魅力的な顔ぶれ。
「蒼空 純米酒」は澄んだ香りと優しい旨味で、鱧や白身の造りと好相性。
「妙泉 特別純米」は落ち着いたコクと安定感があり、鮑や穴子などしっかりとした味わいの料理に寄り添います。
「杜来 超辛口 特別純米」はキレの良さが際立ち、脂ののった秋刀魚や和牛の旨味を引き締める存在感。
「日高見 純米 秋あかり」は熟成由来のまろやかさと透明感が共存し、毛蟹や稚鮎といった秋らしい一皿を柔らかく包み込んでくれました。
料理と酒が互いに引き立て合い、季節の移ろいを一層鮮明に感じられる、忘れがたい夜となりました。
2025/10/06 更新
2025/07 訪問
夏の陣 野口の鱧を食べないと夏は乗り切れない!
七月に訪れた京天神野口。この日の主役はやはり鱧。熱々に茹で上がった身はふっくらと弾力に富み、ぷるんとした口当たりが心地よい。葛でととのえられた姿は氷の上に美しく盛られ、真夏の涼を目でも舌でも感じさせてくれます。酢橘の爽やかな香りが広がり、自家製梅肉の優しい酸味が寄り添うことで、鱧の魅力が一層際立っていました。
鮎は立派な大きさで、筒焼きに仕立てられ香ばしさたっぷり。とうもろこしの揚げ物と合わせることで、香りと甘みが絶妙に調和します。さらに芋茎を自家製の胡麻ダレでいただく趣向も面白く、素材の持ち味を大切にした工夫が光ります。鰻の炭火焼きは力強い旨みがあり、蒸しアワビに雲丹を添えた贅沢な取り合わせも印象的。
続いて登場した和牛とキャビアの手巻き寿司は華やかで贅沢な逸品。白甘鯛ともずくのお椀は滋味深く、体を優しく包み込むようでした。締めには牛丼と梅のお蕎麦という遊び心のある組み合わせで、満足感を高めてくれます。最後はマンゴーと白ワインのソルベで清涼感ある余韻を残し、真夏の宴を締めくくりました。
この日いただいた日本酒
「蒼空 山田錦 純米吟醸」
柔らかく上品で、鱧と梅肉の相性抜群。
「東洋美人 Asian Beauty Premium」
華やかでフルーティー、雲丹や鮑の濃厚な旨みを爽やかに引き立てます。
「初亀 べっぴん」
キレのある旨味で、香ばしい鰻にぴったり。
「浦霞 夏酒」
清涼感にあふれ、氷にのせた鱧の涼やかさと響き合います。
「玉川 特別純米 辛口」
力強い飲み口で牛丼や和牛寿司を引き立てる
「黒龍 しずく」
透明感と奥行きのある旨味で全体を贅沢にまとめ上げました。
料理と酒が互いを引き立て合い、真夏ならではの涼と力強さを感じる、忘れがたいひとときでした。
2025/09/27 更新
2025/06 訪問
季節により変化してゆく魅力
若手会で2回目の訪問となった「京天神 野口」
今回もお料理、お酒、雰囲気すべてにおいて素晴らしく、季節の魅力を五感で堪能できるひとときとなりました。
スタートは、車海老と甘エビの土佐酢ジュレ。
ほどよい酸味と涼やかな口当たりが、暑さを忘れさせてくれる夏らしい一品。
続いてのアモーレトマトの胡麻酢和えも、トマトの甘みと胡麻のコクが絶妙で、口の中に心地よい余韻が広がります。
焼き物では、特大のまる穴子の焼き霜が登場。
ふっくらとした身に香ばしさが加わり、シンプルながら印象深い味わい。
続く鴨の炭火焼き 味噌仕立ては、コク深く豊潤で、思わず日本酒をひと口。そこから酒と料理のペアリングの世界に一気に引き込まれました。
とうもろこしの揚げ物は衣がサクッとしていて、中の粒は甘くてジューシー。
おでんは前回同様、すべて少しずつ盛り合わせで。
優しい出汁が具材にしみわたり、じんわりと体に染み込むような一皿です。
そして締め。
だし巻きはふわふわでさすがプロの味。
焼きはらす、ポークジンジャーを選択。
ご飯ものながら、すべてが“酒のあて”のようで、最後まで杯が進んでしまいました(笑)
デザートの抹茶最中は見た目も涼やかで、食後の余韻を整えてくれる一品でした。
そして、日本酒のラインナップ
酔鯨 TYPE 25(高知・酔鯨酒造)
すっきりとしたキレ、ジュレ系前菜や海老と相性抜群。
初亀 べっぴん 純米吟醸(静岡・初亀醸造)
優しい香りと旨みのバランスが良く、胡麻和えやおでんと好相性。
黒龍 大吟醸(福井・黒龍酒造)
繊細な香りと澄んだ味わい。穴子や焼き物に品よく寄り添う。
九頭龍 大吟醸(福井・黒龍酒造)
ほんのりとした甘みと丸みがあり、鴨の炭火焼と絶妙な組み合わせ。
黒龍 火いら寿(福井・黒龍酒造)
火入れを行わない生酒。フレッシュなのに深みもあり、締めの一杯にぴったり。
醴泉 純米吟醸 播州山田錦(岐阜・玉泉堂酒造)
清涼感ある香りと優しい米の旨み。揚げ物や焼魚と調和。
黒龍 水仙ラベル(福井・黒龍酒造)【超限定酒】
見た目も華やかな特別感ある一本。すっきりした中にしっかりとした味わいがあり、食中酒として秀逸。
料理の一つひとつと、それに寄り添う日本酒のペアリングが見事で、「京料理×日本酒」の真髄を感じられる素敵な夜になりました。
2025/07/16 更新
2025/05 訪問
やさしさと挑戦が並ぶ夜。京天神野口 若手の宴
初めて「京天神 野口」さんの若手会に参加しました。
現在は大将が大阪店に出店中とのことで、京都店は若い職人さんたちが中心に切り盛りされています。
そのぶん、いつものコースとは少し雰囲気が違い、若手ならではの工夫や挑戦が感じられる会でした。
おでんは、すべて少しずつ盛り合わせでいただけて、一品ずつ丁寧に味わえる構成。
定番の優しい味わいに加え、締めにはトンカツや唐揚げ、にしんなど、驚きと遊び心のある新メニューも登場。
伝統に寄り添いながらも、自由な発想で料理と向き合う姿勢が伝わってきました。
そして何より、大将が弟子たちに実践の場を託していることが素晴らしい。
成長の機会を惜しみなく与え、見守る姿勢に、人としての魅力も感じました。
若い職人さんたちの手で、温かくて芯のある「野口」の味はしっかり受け継がれていました。
これからの進化も楽しみなお店です。
2025/06/05 更新
2025/02 訪問
冬の味覚を極めた、至高のひととき
「京天神野口」にて
今月も素晴らしいお料理を堪能しました。
季節感溢れる食材と
熟練の技が光る一品一品に、ただただ感嘆。
◆ いただいたお料理 ◆
✅ 甘鯛の蕪摺り流し
甘鯛のふっくらとした身に、やさしく絡む蕪の旨み。冬の滋味を感じる一椀。
✅ まながつおの手巻き寿司
脂の乗ったまながつおフライを手巻きで。海苔の香ばしさが引き立てる贅沢な味わい。
✅ のどぐろ白味噌椀
白味噌の甘みと、のどぐろの芳醇な脂が溶け合う、極上の汁物。ゆずの風味も最高です♡
✅ 河豚身の白子がけ
河豚の身の繊細な旨みに、とろける白子の濃厚さ。一味が良い仕事しています。
✅ 熊肉しゃぶしゃぶ
熊肉ならではの力強い旨みと、しっとりした口溶け。冬の醍醐味を堪能。
✅ とろ造り、大根おろしポン酢で
脂ののったとろを、大根おろしとポン酢でさっぱりと。バランスの妙が光る組み合わせ。
✅ 茹で雲子
ふわふわ、とろりとした食感に、優しい甘みと深いコク。まさに冬の宝石です。
✅ 鰻、海老芋
香ばしく焼かれた鰻と、ほくほくの海老芋。旨みの掛け算がたまらない。
✅ 唐墨、生卵、海苔のお蕎麦
濃厚な唐墨の旨みをまとった蕎麦に、生卵のまろやかさ。お酒が進んてしまいます。
◆ 〆の逸品 ◆
今回は…
✅ 親子丼 – ふんわり卵と絶妙な出汁。究極の親子丼。
✅ ソースカツ丼 – じゅわっと広がる甘辛ソースとサクサク衣。
✅ エビフライカレー – プリプリの海老フライが主役の贅沢カレー。
◆ デザート ◆
✅ 苺、白ワインのソルベ
爽やかな酸味とワインの芳香が広がる、大人のデザート。
◆ 合わせた日本酒 ◆
✅ ゆきの美人(純米)完全発酵 – クリアな旨みとキレ。
✅ 鳳凰美田(出羽高畠)亀の尾 – ふくよかな甘みと上品な酸味。
✅ 初亀(純米吟醸)からからべっぴん – ほんのり甘やかで飲みやすい。
✅ 早瀬浦(ひやしさけ)特別純米 – しっかりとした米の旨みと冷酒の爽快感。
どの料理も、日本料理の奥深さを再認識させられる逸品ばかり。食材の魅力を最大限に引き出す「京天神野口」、今回も心から堪能しました。
野口は大阪に店舗展開されるため、4-6月は野口大将が不在となり若手だけでお店を任されます。後進の成長のために、このような機会を与えられる野口さん、素晴らしいですね。
次回の訪問がどのような時間になるのか、今から楽しみにしています。
ご馳走様でした〜(*˘︶˘*).。.:*♡
2025/03/01 更新
2024/11 訪問
ますますパワーアップ!2025年は大阪にも支店を出されます♡
今年最後の野口さん!
来年2025年は大阪に支店を出される予定ですので
4月~6月は京天神野口には大将が不在になります。
その間は野口absenceとして、若手だけが作るコース料理を提供。
私も2回予約させて頂きましたので、今から楽しみです♪
若手の教育にも力を入れておられる野口さん。
来年も魅了され続けることと思います!
これからもよろしくお願いいたします(*^-^*)
11月の内容)
✔なめこ、香茸
✔子持ち鮎の手巻き寿司
✔すっぽんの玉とじ
✔お造り(キジハタ、白甘鯛、かます)
✔焼き松茸、酢橘
✔ビフカツ、バルサミコ酢
✔お蕎麦、キャビア、海胆
✔甘エビ、イカ、このこ
✔鯨ベーコン
✔鴨、銀杏、山椒味噌
〆(2人で)
✔豚カツ丼
✔自家製カレー
✔松茸雑炊
✔蟹の和え麺
デザート
✔白ワインのソルベ、梨
頂いた日本酒
✔正雪
✔初亀
✔美丈夫
✔早瀬浦
2024/11/30 更新
2024/08 訪問
夏野口。この鱧を食べないと夏は超えられない~♡
大好きな京天神 野口の定期訪問です。
今回は8月、夏真っ盛りに行ってきました♡
この時期は唯一無二の”野口の鱧”が何よりの楽しみ。
葛を纏ったぷるんぷるん、熱々の鱧を自家製梅肉で。
ほんとサイコーです♡
足し算のお料理は非常にダイナミックですが
味付けの緩急があって最後まで食べ疲れることはありません♪
この日も大大満足な時間となりました。
次回は11月、今年最後の野口さんを堪能したいと思います。
御馳走様でした~♡
頂いたもの
・車海老、茆、海素麺
・雲丹、イカ、キャビアの手巻き寿司
・鮑、白ズイキ 餡掛け椀
・鯛、つぶ貝、メジマグロ
・ニシン、ナス
・鱧湯引き
・鰻、すっぽんの小鍋仕立て
・サーロイン、自家製胡麻しゃぶで
・まながつお、蓮根フライ
〆
・焼肉韓国冷麺
・すっぽん玉締め丼
・鉄火丼
日本酒
・日高見 超辛口 純米酒
・瀧自慢PROUD EXTREME DRY
・えしこと(さかほまれ 純米大吟醸 生酒)
・えしこと(五百万石 純米大吟醸 生酒)
2024/09/01 更新
2024/01 訪問
24年野口初めは、熊肉から(*˘︶˘*).。.:*♡
24年京天神野口初め。
1月は熊しゃぶが楽しめる内容でワクワク。
熊肉は繊細な旨味と優しい脂。
芹と一緒にお出汁も楽しみました٩(♡ε♡ )۶
あとは
穴子焼霜、真名鰹天ぷらも白眉の美味しさ。
いつも新しい感動がある野口さん。
年始からありがとうございます。
今年もよろしくお願いします(*˘︶˘*).。.:*♡
2024年1月の内容
✔蒸し鮑、海老芋、白味噌椀
✔鮪ねぎとろの手巻き寿司
✔蟹と帆立のしんじょうお椀
✔キャビア、アオリイカ、唐墨、車海老
✔白甘鯛の松笠揚げ、蕪おろし
✔熊しゃぶ、葱、芹
✔穴子の焼霜、山葵
✔河豚、自家製ポン酢、白子ソース
✔まながつお、蕗の薹の天ぷら
食事
✔いくらご飯
✔全粒粉麺、菊菜
✔熊ラーメン
✔野口特製かつ丼
水物
✔苺、白ワインソルベ
頂いたお酒
✔雨後の月 超辛口 特別純米
✔山形正宗 辛口純米
✔土佐しらぎく斬辛 特別純米 八反錦
✔亀齢 辛口純米八拾 生原酒
✔三井の寿 純米吟醸 山田錦 +14 大辛口
2024/02/06 更新
2022/10 訪問
秋の野口も好きだなぁ
秋の野口。
この初秋の食材は魅力的。
鰤や秋刀魚はもちろんですが
脂ののった肥えたカマスがほんと大好き。
シーズン最後の子持ち鮎も頂くことが出来ました。
広島県の松茸もたっぷり。
見た目はダイナミックなお料理が多いですが、
素材を活かした優しい味わいです。
来年もすでに満席。
季節ごとの訪問、これからも楽しみにしています。
○松茸、蒸し鮑の茶碗蒸し
○いくら、キャビア、剣先烏賊の手巻き寿司
○のどぐろのお椀、白味噌仕立て
○お造り(平目、カマス、海胆)
○子持ち鮎、菊花
○佐賀牛、松茸
○大穴子、生このこ
○秋刀魚、おろしポン酢
○松茸、雲子
食事(2人で)
○生卵、いくらご飯
○親子丼
○唐墨蕎麦
○ハラス茶漬け
水物
○無花果、白ワインソルベ
日本酒
○日高見
○古伊万里、前
○上喜元
2022/11/04 更新
2022/04 訪問
春の美しさを感じに
2022年4月 訪問
この日は満月。
ピンクムーンがくっきり見えました。
野口さんは春の食材をしっかり揃えます。
ホタルイカ、新たまねぎ、春野菜、筍…
春の息吹を感じる内容。この時期は本当に大好き。
2022年4月の内容)
・新玉ねぎと稚鮎
・ホタルイカ、白魚、生このこ
・穴子天ぷらの手巻き寿司
・桜鱒、さより、明石鯛の造り
・伊勢海老のあんかけ、キャビア
・海胆(バフン海胆&紫海胆)、アスパラガス
・ヤイトガツオ、大根おろし
・佐賀牛、花山椒、筍
・春野菜の天ぷら
・野口特製かつ丼
・あおさ海苔の出汁茶漬け
・わらび餅
・お抹茶
日本酒
・酔鯨(純米吟醸)
・義侠(はるか)
2022/04/24 更新
2022/01 訪問
2022年 野口初め
2022年1月
今年初めての京天神 野口
このようなご時世ですので
今回は個室でお願いしました。
ダイナミックなカウンター席も良いですが、
個室もゆっくり過ごせて良い感じ。
2022年1月のお料理
○蒸し蚫、丸大根、唐墨
○赤貝の手巻き寿司
○蟹と海老しんじょうのお碗
○子持ち昆布、氷魚、蕗
○ドラゴン太刀魚
○蕎麦、海胆、唐墨、キャビア
○熊肉、実山椒
○河豚唐揚げ、白子ソース
○鮭
○野口特製牛丼
○野口特製カレー
○野口特製角煮
○いちご、白ワインソルベ
○お薄
頂いた日本酒
○黒龍(干支ラベル)
○雨後の月(特別純米)
○酔鯨(純米吟醸)高育54号
○農口尚彦研究所(JUNMAI)
蟹、赤貝、太刀魚、鮭といった特選の魚介類に加え
河豚、馬肉まで堪能出来ました。
この時期だけの素晴らしいラインナップ。
いつもに増して好みのお料理でした。
次は花山椒の季節。
今より世の中が落ち着いてくれている事を祈っています。
2022/01/28 更新
京天神野口さん、秋の陣。
この日は越前港の黄色タグ付き蟹が主役で、登場した瞬間から胸が高鳴ります。まずは茹で蟹を爽やかなお酢で。身はほどけるように甘く、蟹本来の香りがまっすぐ届く一皿でした。続く甲羅酒は濃厚なかに味噌が贅沢に溶け込み、香りだけでお酒が欲しくなるほど。コッペはジュレ酢と合わせて軽やかで、箸が止まらない美味しさです。
先付は鼈の茶碗蒸し。滋味深い出汁が体に染み渡る、秋らしい温かさ。穴子の炭火焼きは香ばしさとふっくら感のバランスが素晴らしく、和牛とキャビアの手巻き寿司は思わず声が出る贅沢さ。お造りは脂の乗った鰤を大根おろしでいただく“野口流ぶり大根”の趣で、重たくならない絶妙な仕上がりでした。
終盤は名物の連続。ふわっと軽いとろろ蕎麦、香り高い松茸雑炊、そして締めの親子丼。最後の一口まで丁寧さが伝わる、秋を満喫するコースでした。
【日本酒】
黒龍 大吟醸は澄んだ香りで蟹の甘みをより鮮明に。
酔鯨 しぼりたてはフレッシュな旨みと酸が料理を引き立て、
澤の花 ささらは軽やかで食中酒として最適。
醴泉 特別純米は落ち着いた米の厚みがあり、蕎麦や雑炊と相性抜群。
料理と酒の流れが美しくつながる、満足度の高い夜でした。