23回
2023/08 訪問
隙無し
夏の上質な料理を目当てに松川さんに。
鮑と雲丹
鱚の飯蒸し(ベルーガキャビア)
お造り(鯛・雲丹・蓴菜)
椀物(鰻・冬瓜)
玉蜀黍の天ぷら・車海老の湯葉巻き・炙りバチコ
毛ガニとオクラ
鮎の塩焼き(久多川・安曇川)
鼈のつけ焼き(牛蒡の天ぷら)
焼き無花果
鱧しゃぶ(湯葉)
冷麦
ご飯(イクラ、海苔、唐墨、ちりめん山椒)、香の物、赤出汁
鰻のつけ焼き
水羊羹
お薄
鮑と雲丹は夏定番のスターター。鮑の質・炊き方ともに秀逸。煮凝りも優しい味わいで、毎回唸らされる逸品です。
お椀の出汁は例年よりもやや濃いめとも。鰻の処理や冬瓜の炊き方は素晴らしく、完成度は高いと思います。
毛蟹とオクラは酸味の効いたジュレで。暑い日でも食べやすいですし、コースの中盤に丁度良い抑揚をつけてくれます。
鱧しゃぶの出汁は、昆布と鱧の骨を使ったしっかりしたもの。より淡く・ストイックな出汁の鱧しゃぶの方が個人的には好みですが、コース終盤に食べるなら当店位の塩梅の方が広く受け入れられる気はします。
冷麦で火照った身体を冷まして〆のご飯に。鰻のつけ焼きもGOOD。
使用される食材は非常に上質。うま味・塩味等は若干しっかりしています。そこまで薄味だとは思わないのですが、コースの構成、とりわけ酸味や味の濃淡の付け方が素晴らしく、最後まで飽きずに食べることができます。
器や盛付含め、料理のレベルは非常に高く、サービスも細かい所まで行き届いています。キャパの決して小さくないお店(個室3つにカウンター6席)でこのレベルを維持しているのですから驚きです。
2023/08/20 更新
2023/06 訪問
隙無し
初夏の松川さん。
鮑、雲丹、ずいき(煮凝り)
鱚の飯蒸し(ベルーガキャビア)
あ造り(甘手鰈、雲丹、いんげん)
お造り(鳥貝)
椀物(虎魚、賀茂茄子、梅肉)
毛ガニともずく
鱧の焼霜、炙りバチコ、トウモロコシの油物
鮎(美山)の塩焼き
焼き賀茂茄子
鰻の付け焼きと揚げ牛蒡
トマトと蓴菜
鱧しゃぶ(湯葉)
そば(オクラと鶉卵)
ご飯(ちりめん山椒、いくら、海苔、生の唐墨)、赤出汁、香物
水羊羹
お薄
さくらんぼ、マンゴー
鮑と雲丹は当店の定番料理ですが、炊き方・味付けが高いレベルで安定しています。お造りではアマテカレイが特に美味しかったです。
椀物の出汁は昆布主体で、終盤のピークアウトも特に気になりませんでした。鱧しゃぶの出汁は若干しっかり目ですが、コース終盤なのでこれ位の濃淡の塩梅も心地よく感じられます。
単に一皿ごとのクオリティが高いだけでなく、コースを通しての味の濃淡の付け方や酸味の利かせ方が秀逸。構成がとにかく素晴らしいと思います。
2023/07/02 更新
2022/10 訪問
隙無し
松茸の時期の松川さん。この日の松茸は信州産でした。
先付け(伊勢海老、栗、零余子)
蟹とベルーガキャビアの飯蒸し
お造り(鯛、雲丹)
椀物(松茸と紅ズワイ蟹の真薯)
お造り(カワハギ)
松茸と鮑のソテー
ぐじと蓮根の蒸し物
落鮎の塩焼き
鼈のタレ焼き
松茸のフライ
焼き無花果
おろしと鰹節のそば
松茸と和牛のしゃぶしゃぶ
松茸ご飯
ご飯(ちりめん山椒、いくら、海苔、生の唐墨)、赤出汁、香物
焼き栗の菓子
お薄
食材はどれも上質で、味付けも素材の味を覆わないもの。洗練された料理だと思います。
特に好印象だったものはお造りの鯛と蒸し物。お造りの鯛(淡路)は非常に上質。食感、うま味、香りと全てがハイレベルでした。
出汁は昆布主体で、椀種の味わい・香りを損ないません。食べ進めるうちに吸い地と椀種が合わさり豊かな味わいに。究極の引き算との印象こそ受けませんが、終盤のピークアウトはそれほど気になりません。
蒸し物の餡は淡すぎず濃すぎずの塩梅で、甘鯛のうま味・塩味や蓮根の甘味とのバランスが秀逸。甘鯛はしっとりと、蓮の実はサクっと。潰しきっていない蓮根はねっとり・もっちりした食感の中にもシャキシャキ感が残されています。素材の食感・香りまで愉しめる料理です。
個室まで含めると20名前後のお客さんを相手にすることになります。それでいて、料理・サービスともに常に高いレベルで安定しています。私が知る限りでは、こうしたお店としてのトータルの能力は当店が一番なのではないかなと。
2022/11/14 更新
2022/08 訪問
隙無し
夏の松川さん。紹介制にも関わらず、長きにわたって予約困難店として人気を集めています。私が東京の和食屋で唯一リピートしているお店です。
鮑と雲丹
鱚の飯蒸(ベルーガキャビア)
お造り(鯛、いか、雲丹)
アコウと新銀杏のすり流し
毛蟹ともずく
焼き鱧、炙った口子、玉蜀黍の天ぷら
鮎の塩焼き
鼈のタレ焼き
焼き無花果
冷や麦
鱧と湯葉のしゃぶしゃぶ
鰻の付焼き
ごはん、赤だし、香物
いくら、生の唐墨、海苔、ちりめん山椒
水羊羹
お薄
鮑と雲丹は煮凝りや鮑の肝のソースと一緒に。暑い日でも食べやすいこの時期定番のスターター。鮑の炊き方も良いですし、煮凝りが鮑はもちろん雲丹の味わいも妨げません。
お造りも毎回上質なもの。新銀杏のすり流しは滋味深く、アコウの味わいに寄り添うもの。梅肉が程良いアクセントになってくれます。
鮎の塩焼きはパリッと焼かれており、身のしっとり感もそれなりに感じられます。当店の鮎は骨ごといただけるサイズのもの。
鱧しゃぶは終盤でも美味しいと感じる絶妙な塩梅。コースの組み立ても含め、素晴らしいと思います。
食材はどれも上質で、味付けも食材の味を覆わないもの。万人受けする料理だと思いますが、決して没個性的ではありません。非常に洗練された料理です。
そして料理以上に感心するのがサービス。細かい所まで行き届いており非常にハイレベルです。このハコの大きさで常にこのクオリティを維持しているのは本当に凄いと唸らされます。
2022/09/21 更新
2022/04 訪問
隙無し
春の松川さん。
先付(鮑、雲丹)
渡り蟹の飯蒸し(ベルーガキャビア)
お造り(鰈、伊勢海老)
椀(虎魚、茄子)
ミル貝、半生バチコ、蕗の薹天ぷら
桜鱒の昆布締め
炊合せ(筍、蛤)
稚鮎の焼物
筍の焼物
近江牛の焼物(花山椒、トマト)
サザエ壺焼き
鮑と若布のしゃぶしゃぶ
そば(叩いたオクラ、ウズラの卵)
筍、熊、花山椒
ごはん(じゃこ、いくら、海苔、生の唐墨)、赤出汁、香の物
水羊羹
お薄
苺のゼリー
お造りの伊勢海老は非常に上質で美味。椀の出汁は程よく抑制的。椀種に寄り添うもので、食べ進めるうちに虎魚の味わいと一体となって豊かな吸い地に。
焼き筍は香りよく美味。定番の筍と蛤の炊合せ、鮑と若布のしゃぶしゃぶもGood。こちらでサザエの壺焼きをいただいたのは初めてでしたが、このような料理でも品のあるものに仕上げるのは流石の一言でしょう。
冷酒をちょっといただいて支払額は60,000円強。絶対額は高いですが、上質な食材を使用しており、調理・サービスともにハイレベル。予約困難なのも納得です。
2022/06/03 更新
2022/02 訪問
隙無し
冬~早春にかけての松川さん。間人蟹や河豚がまだメインの時期でした。
間人蟹の飯蒸し
焼き蟹(脚)
柚子釜(河豚の白子と雲丹)
お造り(鯛、伊勢海老、サヨリ)
椀物(帆立真薯、口子、木耳、木の芽)
てっさの白子和え
蟹刺身(爪)
唐墨餅・大根おろし
焼きモロコ
甘鯛の菜の花餡掛け
鮑のしゃぶしゃぶ
白魚・蕗の薹の天ぷらそば
ご飯(いくら、唐墨、海苔、じゃこ)、赤出汁、香の物
黒豆羊羹
苺、レモン、シャーベット
お薄
出汁はインパクト重視ということもなく、ホタテ真薯の甘味・うま味に寄り添うもの。口子は吸い地に程良い塩味を与え、木の芽の爽やかさが椀の味わいを引き締めてくれます。
お造りもどれも上質。中でも海鼠腸で食べる鯛と味噌でいただく伊勢海老は特に好印象でした。間人蟹や河豚も良いものなのは間違いないでしょう。相変わらず高いレベルで安定していると思いました。
その一方で、活モロコはそれほどとも。松川さんはどの食材も良いものを使っていると感じるのですが、モロコは私の嗜好とは合わないようです。
サービスも実に行き届いています。和食屋の高額化が止まりませんが、使用している食材の質や量、サービスの水準、立地といった諸々の要素を考慮すれば、価格も妥当なのでしょう。
2022/03/13 更新
2021/10 訪問
隙なし
10月の松川さん。この時期のメイン食材である松茸がふんだんに使用されていました。
先付(伊勢海老、ムカゴ、栗)
渡り蟹の飯蒸(キャビアと)
お造り(鯛、はりいか、塩雲丹)
松茸と蟹真薯の椀
お造り(カワハギ)
松茸と鮑のソテー
落ち鮎の塩焼き
蒸し物(甘鯛、加賀蓮根、蓮の実)
近江牛のステーキ(針松茸、銀杏)
松茸のフライ
焼き無花果
蕪と口子
そば(鰹節と辛味大根)
近江牛と松茸のしゃぶしゃぶ
松茸ご飯
ご飯、赤出汁、香の物、おかず(いくら、海苔、唐墨)
栗菓子
水羊羹
お薄
高いだけあって、良い食材を使われています。松茸も良かったですが、それ以上にお造り(鯛)と蒸し物が好印象でした。
蒸し物の餡は淡すぎず濃すぎずの塩梅で、甘鯛のうま味・塩味、蓮根の甘味とのバランスが良好。上質な甘鯛はしっとりと、蓮の実はサクっと、潰しきっていない蓮根はねっとり・もっちりした中にもシャキシャキ感が少し残されています。素材の食感・香りまで愉しめます。
昨年同様、椀の吸い地は魚介系のインパクトが気持ち強めだと感じました。ピークアウトするほどではありませんでしたが、個人的には一昨年のものの方が良かったかなと。
万人ウケする味わいでありながら、洗練された奥深い料理だと思います。この席数でこの味・サービスを維持していることにも驚かされます。
2021/11/20 更新
2021/07 訪問
隙なし
再度、夏の松川さんにお邪魔しました。訪問の間隔が詰まっていたこともあり、虎魚のお造り、アコウと新銀杏のすり流し、焼き鰻以外は前回とほぼ同じ内容でした。
料理は一品ごとのクオリティはもちろん、コースの組み立てもGood。特にこの時期の鱧しゃぶには毎回感心させられます。過大な味わいということもなければ、物足りなさも感じません。供される終盤のタイミングでは丁度良い塩梅だと思います。非常に美味しかったです。
2021/09/04 更新
2021/07 訪問
隙なし
夏の松川さん。
先付(鮑と雲丹)
鱚の飯蒸(ベルーガキャビア乗せ)
お造り(鰈、雲丹)
椀(鰻・冬瓜)
炙りバチコ、鱧、玉蜀黍の油物
焼き賀茂茄子
鮎の塩焼き
焼き鼈
鱧しゃぶ
笹の冷や麦
ご飯(いくら、海苔、生唐墨)と赤出汁
水羊羹
お薄
書ける範囲ではこんな感じでした。
カウンター6席と個室3部屋が常時満席ながら、味・サービスどちらも細部に至るまで気が配られており、誰もが納得する高級店だと思います。全てが非常に高いレベルで安定しており、お見事の一言に尽きます。
2021/09/04 更新
2021/03 訪問
最大公約数的
早春の松川さん。周年祝いの花が沢山届けられていました。
蟹の飯蒸し
焼き蟹
柚子釜(河豚白子と雲丹)
お造り(鯛、赤貝)
椀物(ホタテ真薯、口子、木耳、木の芽)
炊合せ(筍、蛤、蕗)
蟹刺し
甘鯛の菜の花餡かけ
焼きモロコ
焼き鼈
鮑とワカメのしゃぶしゃぶ
白魚と蕗の薹の天ぷらそば
ご飯、赤出汁、おかず(ちりめん山椒、いくら、海苔、唐墨)
水羊羹
お薄
お土産にちりめん山椒と筍ご飯
冬の名残りの食材だけでなく、春の食材もチラホラ。特に好印象だったのが、この時期の定番料理である筍と蛤の炊合せや甘鯛の菜の花餡かけ。どちらも素材の味を覆わない塩梅に仕上げられており、非常に美味しかったです。
椀物もこの時期定番のホタテ真薯。出汁は魚介のインパクトがそれほど強くなく、ホタテ真薯のうま味・甘味に寄り添うものでした。吸い口の木の芽が、香りや味わいを引き締め整えてくれます。お造りの質も高いレベルで安定しており、鯛(淡路)、赤貝(閖上)とどちらも美味しかったです。
その一方で、間人蟹や河豚といった冬の高級食材は他の方が褒めるほどでもないのでは?というのが本音。また、活モロコは今年もイマイチだと感じてしまいました。
この箱の大きさで料理・サービスともに高水準を維持しているのは本当にすごいことだなと。人気なのも頷けます。
2022/03/13 更新
2020/11 訪問
最大公約数的
端境期の松川さん。
伊勢海老と栗
渡り蟹の飯蒸し(キャビアと菊花)
お造り(鯛・カワハギ)
椀物(松茸と紅ズワイ蟹の真薯)
河豚のお造り
唐墨餅(大根おろしと)
車海老、マナガツオ、銀杏、零余子
鼈タレ焼き
蕪とバチコ
なめこおろしそば
ご飯・赤だし
栗菓子
水物(グレープフルーツのゼリー、柿、ざくろ)
お薄
こんな感じだったと思います。椀の吸い地はインパクト重視ということはありませんでしたが、昨年の方が抑制的で美味しかったかなと。紅ズワイ蟹の甘味は印象的でしたが、松茸は時期もあってかあまり良いものだとは感じませんでした。
お造りの鯛は上質で非常に美味しかったですが、それ以外はやはり端境期との印象も拭えませんでした。この手の高額店では端境期にはどうしてもそれほど良い印象を受けません。訪問の時期をあまり自由に選べないのが悲しいところです。
サービスは行き届いて入り非常に良好。味・サービスともにこのキャパでこのクオリティを維持しているのは凄いと思います。食べログでの高評価も頷けます。
2020/12/01 更新
2020/09 訪問
最大公約数的
秋の松川さん。松茸が出始めていました。
伊勢海老と栗
渡蟹とキャビアの飯蒸し
お造り(鯛、雲丹)
椀(アコウと新銀杏すりながし)
鱧背ごし
焼き松茸
落ち鮎の塩焼き
鮑と口子
甘鯛・蓮根・蓮の実
鼈のタレ焼きとごぼう天
焼き無花果
鱧・松茸のしゃぶしゃぶ
そば(鶉と叩いたオクラ)
ご飯(ちりめん山椒、生唐墨、いくら、海苔)・赤出汁
栗菓子
水羊羹
お薄
岩手の松茸は焼物やしゃぶしゃぶでいただきました。お造りの鯛は相変わらず上質。鮑も香り・うま味と芳醇でしたし、炙った口子の香りが食欲をそそる料理でした。しっとりとした甘鯛も非常に美味。味付けはもちろん、蓮と蓮の実の食感のコントラストが見事な料理でした。この日一番印象に残った料理だったかなと。コロナ禍でも予約が埋まってしまうのは、さすがは人気店・予約困難店といったところでしょう。
2022/03/13 更新
2020/08 訪問
最大公約数的
夏の松川さん。鮎、鱧、鮑、鰻等々、夏らしい食材が勢ぞろいしていました。
鮑と雲丹の先付
鱚の飯蒸し(ベルーガキャビア)
お造り(鰈・雲丹)
鮎の背ごし
椀物(鰻・冬瓜)
毛蟹(噴火湾)とキクラゲ
炙り車海老・炙りバチコ・玉蜀黍の揚物
鮎の塩焼き(上桂)
すっぽんタレ焼き
焼き無花果
鱧しゃぶ(瀬戸内)
冷や麦
鰻の蒲焼き
ご飯(ちりめん山椒、生唐墨、いくら、海苔)・赤出汁
水羊羹
お薄
鰻は椀物と蒲焼きで。野趣ある鰻を品の良い椀種に仕上げていました。吸い地も椀種を引き立ててくれます。蒲焼きはパリッとジューシーな仕上がりで、非常に美味しかったです。上桂の鮎は塩焼きとせごしで。塩焼きはねっとり濃厚な蓼酢と、背ごしは山葵と一緒に美味しくいただきました。鱧しゃぶも終盤に食べても物足りなさを感じない塩梅でした。
松川さんの料理は万人受けする味わいながらも、没個性的ではないところが魅力なのかなと。味の抑揚はもちろん、煮凝りやジュレをちょくちょく使用しているため、品数やボリュームに比して食べやすくなっています。この席数でこのクオリティを保っているのは凄いことだと思います。
2020/09/22 更新
2020/06 訪問
最大公約数的
初夏の松川さん。夏の食材が出始めていました。
鮑と雲丹の先付
鱚の飯蒸し(ベルーガキャビアと)
お造り(鰈・雲丹)
お造り(とり貝)
椀物(虎魚と賀茂茄子)
噴火湾の毛蟹と黒もずく
鱧・炙った口子・玉蜀黍の天ぷら
鮎の塩焼き(一匹は美山、もう一匹は失念)
賀茂茄子の焼物
鰻(宍道湖)とごぼう
箸休め(トマトと蓴菜)
鱧しゃぶ(瀬戸内)
オクラとウズラのそば
熊と花山椒
ご飯(ちりめん山椒、生唐墨、いくら、海苔)と赤出汁
水羊羹
お薄
お造りは相変わらず上質で素晴らしいものでした。椀の吸い地も魚介系のインパクトに頼っておらず、虎魚の味わい・賀茂茄子の甘味を引き立ててくれていました。ここの塩焼きは焦げ目がしっかり目の焼き加減ですが、この日はさすがに少し焼きすぎだと感じました。熊は品よく、野暮ったさを感じない仕上がりでした。
いつも落ち着いて食事をいただくことができるのもgood。給仕の方々は、目配り・気配り・心配りが揃っていますが、それを客に気付かれるように振舞ったりしないのも好印象です。
2020/09/22 更新
2019/10 訪問
最大公約数的
秋の松川さん。松茸のシーズンに訪問しました。
先付(伊勢海老と零余子)
渡り蟹とキャビアの飯蒸
お造り(鯛・雲丹)
椀物(松茸と蟹真薯)
お造り(かわはぎ)
落ち鮎の焼物
甘鯛と加賀蓮根
近江牛と松茸
松茸のフライ
御凌ぎ(無花果)
なめこおろしそば
熊と松茸の鍋物
松茸ごはん
ご飯(いくら、生唐墨、海苔、ちりめん山椒)と赤出汁
栗のお菓子
お薄
信州産の松茸がふんだんに使われていました。椀物はこの時期定番である松茸と蟹真薯。何度かいただいたことがありますが、今回の吸い地は従来より抑制的で好印象でした。食材の質は以前ほどではないと感じることもありますが、良いものが使われているのは間違いないと思います。
2022/03/13 更新
2019/05 訪問
端境期
晩春の松川さんを訪問しました。食材的にはまさに端境期。
鮑と雲丹の先付
とげくり蟹の飯蒸し(キャビアを掛けて)
鰈と雲丹のお造り
鳥貝(舞鶴産)のお造り
椀物(虎魚)
鮎の塩焼き
焼き筍
焼物(鰻)とごぼうの油物
鱧、炙ったバチコ、玉蜀黍の油物
甘鯛と豆腐
おくら蕎麦
鍋物(近江牛と花山椒)
ご飯
水羊羹
お薄
もちろん美味しかったのですが、この手のお店は食材的に端境期だとどうしても満足度が下がってしまうかなと。花山椒を喜ぶ方も多いようですが、鮎や鱧等は良いものが期待できる時期ではないでしょう。本音を言うと積極的に訪問したいシーズンではないのですが、予約が一杯過ぎて訪問時期を自由に選べないのが辛いところです。
2021/05/16 更新
2019/02 訪問
最大公約数的
冬から早春にかけての松川さん。蟹、河豚白子、もろこ、ジビエ等を堪能しました。
飯蒸し(間人蟹)
焼き蟹
蟹刺し
河豚白子と雲丹の柚子釜
お造り(鯛と伊勢海老の昆布〆)
椀物(帆立真薯、口子、きくらげ、木の芽)
もろこ
大根と唐墨餅
真鴨
甘鯛の菜の花餡掛け
そば(白魚天ぷら)
牡丹肉
ご飯(ちりめん山椒、唐墨、いくら、海苔で)
水物
インパクト重視ではない出汁が、ホタテ真薯のうま味・甘味を引き立ててくれます。甘味を強く感じますが、口子が塩味を付加し、木の芽が味を引き締めてくれます。口子が香りという点でプラスに働いているのかは少々疑問ではありますが、味わい深い椀物です。
どの料理も美味しかったですが、特に好印象だったのがお造りと真鴨。その一方で、間人蟹、河豚の白子、もろこといった食材は唸るほどではなかったというのが本音です。また、以前と比べると、お土産のちりめん山椒の質が下がったとも感じています。
シャンパーニュのハーフボトル等を頼んで二人で11万円台半ば。3月を前に年内の夜の予約が埋まってしまっているそうです(苦笑)。細かい気配り含め、良いお店であることは間違いありませんが、さすがに過熱しすぎでしょう。予約の難易度を考慮すると、CPは悪いと思います。
2022/03/13 更新
2018/07 訪問
夏の松川さん
鮑と雲丹
鱚とキャビアの飯蒸
鳥貝
鰈、雲丹
虎魚と冬瓜の椀
バチコ、揚げとうもろこし
焼き賀茂茄子
鮎の塩焼き(美山)
鱧しゃぶ
笹の冷麦
ごはん
水羊羹
マンゴー・サクランボ
大体こんな感じだったと思います。訪問日やその前日なども含め、天候に恵まれなかったと思いますが、良い食材が供されました。出汁や味付けはギリギリの線という印象こそありませんが、鰹が前に出すぎた出汁ではありませんし、素材の味を覆うような味付けでもありません。
人気の過熱ぶりには驚く限りです。良いお店だとは思いますが、さすがに使い勝手が悪すぎかなと。
2020/09/22 更新
2017/10 訪問
最大公約数的
秋の松川さん。
この時期のメインである松茸はソテー(鮑と)、フライ、しゃぶしゃぶ(近江牛と)、松茸ご飯等でたっぷりといただきました。松茸以外では蟹の飯蒸、落ち鮎の塩焼き等も供されました。食材の質が高く、調理も万人受けするものだと思います。
また、サービスも高いレベルで安定しています。この日は久しぶりに個室でいただきましたが、カウンター同様行き届いたサービスは健在でした。人気が出るのも納得です。
その一方で、CPという点では疑問符も。松茸の価格が高騰していたとはいえ、支払額はさすがに高すぎるのではないかと感じました。予約困難なのもCPという点ではマイナスでしょう。
2022/03/13 更新
秋の松川さん。この時期のメイン食材はもちろん松茸。岩手産のものが使用されていました。
先付(伊勢海老・零余子・栗)
渡り蟹とベルーガキャビアの飯蒸し
お造り(カワハギ・いか)
椀物(松茸と紅ズワイ蟹の真薯)
松茸と鮑のソテー
甘鯛と蓮根の蒸し物
子持ち鮎の塩焼き
近江牛のフィレ肉と針松茸・銀杏
松茸のフライ
焼き無花果
蕪と口子
そば
松茸と近江牛のしゃぶしゃぶ
松茸ご飯
ご飯、赤出汁、香の物、おかず(イクラ、海苔、唐墨、ちりめん山椒)
焼き栗
水羊羹
お薄
こんな感じだったはずです。
一品目の伊勢海老は中心部がミディアムレアの火入れ。栗や零余子の歯切れの良さとの食感の差もGood。お造りも相変わらず質が良く、美味しかったです。
椀の出汁は昆布主体で、蟹真薯と合わさると豊かな味わいの吸い地に。個人的にはもう少し淡い塩梅の方が好みですが、椀種の味わい・香りは損なわれておらずレベルは高いと思います。
今年は不作の松茸。香りは例年ほどではないと感じましたが、同時期に訪問した宮坂よりも良かったですし、上質なものを仕入れられているとは感じました。
伊勢海老と並んで好印象だったのが甘鯛と蓮根の蒸し物。甘鯛のうま味や蓮根の甘味と餡とのバランスが良好。甘鯛はしっとりと、蓮の実はサクっと。潰しきっていない蓮根はねっとり・もっちりした食感の中にもシャキシャキ感が残されており、素材の食感・香りまで愉しめました。
一皿ごとの質もさることながら、コースの構成もお見事。サービスも細かい所まで行き届いており、文句なしなのではないかなと。客席の数を考えると、料理やサービスは驚くほど高いレベルで安定していると思います。