1回
2024/03 訪問
美食を愛する者なら、ここの完成されたフレンチを堪能することが運命づけられていると思います。究極、至高、最上級の形容詞が相応しいフレンチです。
Restaurant DESTINA
2024/05/02
先日はRestaurant DESTINA (レストラン デスティナ銀座)にご来店いただきましてありがとうございました。
詳細なご説明とお写真の素晴らしいレビューを投稿いただきまして重ねてお礼申し上げます。
口コミのお礼の返信が大変遅くなってしまい申し訳ない事でございます。
素敵な口コミに恥じないレストランを目指して精進して参りますので今後とも宜しくお願い致します。
2024/03/12 更新
昨年、銀座でオープンした「DESTINA」に足を運んできました。
こちらのシェフ上野氏は、本番フランスで修行後「ベージュ アラン・デュカス 東京」の副料理長に就任、その後大阪の「ル・コントワール・ド・ブノワ」、旧軽井沢ホテルでそれぞれ総料理長を歴任。
2019年銀座で開店して惜しまれながらお店を閉めた銀座「ル・シーニュ」を、強いリクエストに応えて昨年7月に再度銀座でオープンしたのがこちら「Restaurant DESTINA」です。
コースの最初、アミューズは4種。そのタイトルは「ミニョンズ現る」。小ちゃくて可愛いものをフランス語でミニョンと呼ぶことから、付けられたネーミング。
・タルト生地にコリアンダー、ライムのゼリー、イナダ、インゲン豆、ライムのクリーム
・生と火を入れたアオリイカ、ピスタチオクリーム、カリカリベーコン
・サヨリのマリネ、キュウリ、酢橘、えんどう豆のピューレを入れたおっとっとのような四角い生地、クミン
・黒いパン粉でクリームを合わせたジャガイモ、トリュフを包んで揚げたトリュフ風コロッケ。
アミューズのどれもが絶品、見た目は小さくて可愛いけど、味は主役級お美味しさです。
ウドの肩にとっても良い感じ・・・ミネラルウォーターに見立てた海藻のゼリーに木の芽を浮かべ、その下に千切りの生ウド、ウドのムース、ウニとツブガイと塩昆布のボイルで合わせたウド、と漢方にも使われるウドを様々な調理法で盛り込んだ7層構造からなる一品。
関節にとても良く、何より極上の美味しさに仕上がった素晴らしいお料理でした。最高です✨
銀座・・・新鮮なジャージー生クリームの上に銀箔、その上に「ウソー???」と思うぐらいたっぷりのオシェトラキャビア。生クリームにはキャビア程よく調和、旨味の余韻を長く感じさせてくれる効果があるとのこと。
キャビアを脇役的使い方をしてメインの料理に味が負けてしまうことが多い中、キャビアをメインとして銀(箔)の上に鎮座したキャビアは神々しい。
キャビアが世界三大珍味であることを強烈に思い出させてくれる、素晴らしく美味しい一品でした。
焼きたてのパンと、バター職人ボルディ氏の12種類から選ぶバターをつけていただきます。熱々、ザクっ、ふっくらのパンにつけるバターの美味しさ!
1590,145km離れてても・・・ホタテ貝の産地北海道とタケノコの産地鹿児島県の県庁所在地の距離がタイトルになったお料理。ホタテ貝とタケノコの料理。青さ海苔のチップ、筍、ベーコンとネギのコンディメント、タケノコとホタテ貝を合わせたベニエ、ベルモットを煮詰めたソース。
ホタテの旨味とタケノコのとうもろこしのような香りと甘味が、パリッとした海苔の食感と香りと合わさって絶妙な美味しさ。
63.9m上昇・・・のタイトルの由来は、伊勢海老は海底30mくらいのところに生息していて、お店が10階(3m×10)、銀座は海抜3.9m、その合計で63.9mの「DESTINA」まで運ばれて調理された伊勢海老ということ。
ハーブ風味のバターで焼いた伊勢海老に、アスパラを添えてアメリケーヌソースでいただく一品。この伊勢海老、最上級の美味しさ、絶品です。
5尾に1尾は・・・天然のキジハタの皮をパリッと中はしっとりした焼き上がり。付け合わせにたら豆のフリット、うるいのサラダ、うるいのマリネ。
溶かしバターを煮詰めたキノコのソース、イカ墨を混ぜた茄子のソースの2種のソースでいただきます。
幸せの青かった鳥・・・フランス、ラカン産のハト料理。付け合わせはきんぴらごぼうの春巻き状のもの。
ペースト状にしたレバーをハトの出汁で伸ばし、バルサミコやシェリービネガーを足したソース。
フランス産のハトは日本のものとは格段に異なり、火を入れてパリッとさせた皮が分厚く実に美味しい。
生前は青かった鳥(ハト)、焼き上がったそのお肉は濃い赤身。食材の王国日本がフランス産に勝てない素材の一つですね。
牡蠣のご飯・・・メニューにはなかった牡蠣の炊き込みご飯、もちろんいただきます。これがまた美味い! 終盤でお腹がかなり膨れていましたが、美味しいものを前にすると胃が動いて別腹が空いてきます。
黒雪・・・ここでデザートの一品目。アイスクリームに黒い宝石、凍らせたトリュフを削りおろして振りかけた一品。温かい料理に使うトリュフは、常温から高い温度の料理に乗せることで温度変化で香りが舞い上がるという性質から、冷凍された状態から口の中で急激に温められたトリュフに同じ効果が生じるというもの。
「銀座」で使われたキャビアも驚く量でしたが、ここでもトリュフがふんだんに使われて、削っているときから良い香りが漂い、口に運ぶと素晴らしい芳香が鼻腔をくすぐります。絶品スイーツです。
いちびこ ふすだしゅう・・・日本書紀に「いちびこ」として登場していたらしく、「ふすだしゅう」とはピスタチオのことで、諸説あるものの数百年前から登場していたとのこと。日本に昔から馴染みのある素材を使ったスイーツです。
トップにメレンゲ、その上にキャラメリゼしたピスタチオ、真ん中に博多あまおう、その下にピスタチオのアイスクリーム。全体の上からイチゴソース、周りにラズベリーのソースで飾り付けしたもの。
見た目にも可愛らしいですが、スイーツとしても上品で「黒雪」に続き、とても美味しいデザートでした。
全体として、洗練された料理で素材も調理も一流、これ以上を望むことができないくらいのパーフェクトなコースでした。フランスで訪問した本場のミシュラン店や、過去に足を運んだ日本フレンチの中でもベスト5に入る、素晴らしいコースでした。
ペアリングのワインも、料理を更に美味しくしてくれる極上のものが合わせられていて、ペアリングしたコースの完成度の高さは感動レベル。
シェフの上野氏も料理だけでなく、軽快なトークで良い雰囲気を演出しており、敢えてしめの食事をコースにいれずに提供したり、適度な距離感のサービスも素晴らしかった。
「DESTINA」とは「運命」を意味する言葉。ボクがこちらへ足を運んで完成された料理を堪能するに至ったのも運命だと思えるし、このクオリティが高いお店が今後数々の賞を受賞していくもの運命だと思います。
素晴らしいお店、今後のますますの発展に注目し、また足を運びたいと思います。