グルメ大家さんさんが投稿した蒼(東京/六本木)の口コミ詳細

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グルメ大家さんのグルメ日記

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グルメ大家さん (40代後半・男性・東京都) 認証済

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六本木、乃木坂、広尾/イノベーティブ、フレンチ

1

  • 夜の点数:5.0

    • ¥60,000~¥79,999 / 1人
      • 料理・味 5.0
      • |サービス 5.0
      • |雰囲気 4.9
      • |CP 5.0
      • |酒・ドリンク 4.9
1回目

2025/10 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気4.9
    • | CP5.0
    • | 酒・ドリンク4.9
    ¥60,000~¥79,999
    / 1人

カウンターのわずか8つの特別席で繰り広げられる非日常の晩餐。素材、技術、空間が融合し、一皿ごとに鮮烈な記憶を刻む。“国宝級”とも言える至高のコース。

グルメな知人にお誘いをいただき、西麻布にある「蒼」に訪問してきました。六本木駅から徒歩7分、六本木通り沿いのスタイリッシュな低層建築物の2階。螺旋階段を2階に上がると洗練された佇まいのカウンターが現れ、非日常の世界が始まります。

席数はわずか8席のみ。完全予約制で予約は非常に困難、毎日限られたゲストだけが味わえる特別な空間になっています。

この店を率いるのは峯村康資氏。名店での研鑽を経て2020年に独立し、「蒼」を立ち上げました。全国の生産者から食材を直接仕入れ、料理には必ず産地や生産者の名前が添えられます。

これは単なる演出ではなく、実際に生産者と密に関係を築きながら一皿を組み立てている証であり、食べる側も食材の背景を感じながら味わうことができます。使われる食材は正に最高峰の食材ばかり。そしてその食材のポテンシャルを、余すところなく1皿に仕上げる技術が最大の特長です。

オープンしてすぐに食べログシルバー、直近では3年連続でゴールドを獲得しています。


この日いただいたコースの内容は以下の通りです。

鱧と松茸のコンソメ・・・愛媛の藤本漁師から仕入れた新経締めのハモを使用。頭、骨、皮で出汁を取り、ハモの身を加えて、ハモ自体の塩分だけで味付けしている。青森の松茸を添えての提供。
ハモだけでここまで味の濃さ、旨みが出るとは驚き。

赤雲丹の冷製フェデリーニ・・・同じく藤本さんから届いた濃厚な赤雲丹をたっぷり乗せ、銚子の貝の出汁をたっぷり吸わせた冷製パスタ。
赤雲丹は今季の漁はこれで終わり、滑り込みでいただけて幸せでした。

鱸の藁焼きとヴィネグレットソース・・・田幸一氏より届いた5kg近い、明石の一番札(その日の最高値)のサワラ。レモングラスの藁で炙ることで香ばしさが加わり、中国甘酒と米のヴィネグレットソースが独自の甘みを添えていました。
ソースを付け、島根の山葵を乗せたサワラの極上の美味しさ。

北あかりのグラタン トリュフ・・・尾藤農産より丸3年雪の下で熟成させた北あかりを使用。甘みが凝縮されたジャガイモを低温でゆっくり火入れし、更に甘みを引き出しています。上にかかる白トリュフの香りと一体化。
シンプルながら強い記憶を残す一皿。ホームランが続きます。

赤座海老のビスクとブリオッシュ・・・長井・長谷川さんから届く赤座海老、火入れが絶妙で生で食べているかのように柔らかな食感。そして塩も味付けもせず、6時間濃縮された海老のスープ、濃厚な旨味が口中に広がります。
添えられた焼きたての無加加水ブリオッシュは焼き目がカリッ、ザクッと心地よい歯触り、中はふんわりと美味しい。
切った海老とブリオッシュはそのままでも美味しいが、濃厚スープにディップしても更に美味しい。

毛蟹のリゾット・・・金沢の最高級毛蟹1.6kg分の旨みが一合のゴハンにすべて溶け込んで。腹から取った出汁で蒸して濃厚なリゾットに。
甲殻の香ばしさと米の食感の調和が素晴らしく、力強い旨味に満ちた一品。

パプリカのムース・・・飛騨高山・東農園より。パプリカを丁寧に裏ごしした滑らかな口当たり。甘さと酸味のバランスが良く、濃厚な皿が続いた中盤で清涼感を与えていました。

黒むつの仕立て(ヤマドリ茸とともに)・・・長井・長谷川さんより。船の上で1本ずつ神経〆された最高級の黒むつ。火入れの妙でしっとりと仕上げられ、骨から取った出汁と国産の天然ヤマドリ茸(ポルチーニ)を合わせたアクアパッツァ風仕立て。

水晶文旦のグラニテ・・・酸味と苦味の爽やかさで口中をリセットし、サッパリさせてくれます。

特別長期肥育但馬牛「但馬玄」の炭火焼・・・上田畜産45か月肥育の「特別な但馬玄」。この但馬玄は中の脂が固まっておらず、フニャフニャでこんにゃくのような肉質で焼きづらい、ロゼで焼いても赤身が残る小豆色の色の濃い肉質。これが上位3%の「特別な但馬玄」。
ソースには肉の塩分だけで仕上げたもので、スプーン1杯に但馬玄の筋や肉が100g以上溶け込んだもの。
付け合わせの茨城産「れんこん三兄弟」は質が高く断面が糸を引き、口に運ぶとお芋のようなホクホク感と大蒜のような風味で実に美味。

天使音マスクメロン・・・浜松から直送の高糖度メロン。メロンは苦手なので、知人に食べていただきました。
それを聞いた峯村シェフが、素早くプリンを出してくれました。比内地鶏の卵を使ったプリン、準備万端、備えあれば憂いなし、流石です。もちろん美味い。

国産カカオのガナッシュとジュレ・・・超希少な宮崎産のカカオを使用。酸味が強く、フランス産カカオとは一線を画す独特の風味。軽やかさと奥深さを両立した皿です。
カカオの果肉の部分でジュレを作り、種子の部分をがナッシュ、チョコレートにしたもの。クリームもバターも使わないカカオと水で作ったチョコレート、非常に高いクオリティのチョコレートです。

ジャージー牛乳のアイスクリーム・・・グラスフェッドのジャージー牛乳を使用。自然な甘みとコクが口に広がり、出来立てならではの鮮度と素晴らしい純度。

小菓子とコーヒー・・・シュークリームやカヌレ、焼き菓子を選べるスタイル。最後まで遊び心を感じさせてくれました。


全体として、「蒼」の峯村シェフの料理は大谷翔平がホームランを連発しているような、大きな花火を打ち上げ続けるようなコースでした。

使われている食材はどれも国内最高峰。愛媛の鱧、明石の鱸、金沢の毛蟹、但馬の黒毛和牛まで、どの素材も主役級。しかし本当に驚かされるのは、それらの素材が持つポテンシャルを一点の狂いもなく料理として昇華させているシェフの技術です。

素材の力をただ“活かす”のではなく、“引き出し切る”。その上で香り、温度、火入れ、食感の全てが緻密に計算されており、どの皿も独立した芸術作品のようでした。

赤座海老のビスクのように旨味の密度で圧倒する皿があれば、北あかりのグラタンのようにシンプルな構成で感動を呼ぶ皿もある。派手さではなく、素材の生命力を最大限まで高める構築力がこの店の真髄です。

峯村シェフの料理は、単なる高級食材の饗宴ではなく、素材・技術・感性のすべてが噛み合った芸術の領域に達しています。

いつかこちらのお店と同じ、「アオ」の名前名を持つボクの1歳の息子君を連れて訪れたいと思います。

2025/10/14 更新

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