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埼玉・上尾に本店を構える名店「寿製麺 よしかわ」。煮干しラーメンで知られるこのお店は、ラーメンファンの間でも一目置かれる存在。今回はその看板メニューのひとつ「煮干しそば白醤油」を取り寄せて味わってみた。 まずスープをひと口。白醤油のまろやかさに包まれつつ、しっかりと煮干しの旨みが広がるのに驚く。エグミや雑味は一切なく、繊細な出汁感がありながらも、芯にはしっかりと魚介の輪郭が感じられる。白醤油の軽やかさと煮干しの深みが高次元で融合していて、強い煮干しが苦手な人でもすっと受け入れられそうな、やさしくて整ったスープだ。 麺は低加水寄りで、噛みしめた瞬間に小麦の香りがふわっと立ちのぼる。ほどよいコシと喉越しの良さを兼ね備えていて、スープとの相性も抜群。見た目は素朴なのに、食べ進めるごとに「丁寧に作られてるな」と感じさせるクオリティで、最後まで飽きることなく箸が進む。 具材も申し分ない。チャーシューは脂控えめであっさりとしていながら、旨みがじんわり広がってくるタイプ。スープを邪魔しないどころか、味の輪郭をよりくっきりと引き立ててくれる。穂先メンマは柔らかく、ほんのりとした甘さと食感が絶妙なバランス。 全体として、スープの完成度、麺の香りと食感、上品な具材の三位一体で構成された完成度の高い一杯だった。飲み干したくなるスープというのはこういうことか、としみじみ実感。 煮干しラーメンと聞くとハードルが高く感じる人もいるかもしれないが、この白醤油の煮干しそばはむしろ“煮干し初心者”や“上品なラーメンが好きな人”にこそ試してほしい。静かな迫力のある、完成された一杯だった。
2025/11訪問
1回
埼玉・川口の名店「麺屋 桐龍」。二郎系インスパイアの中でも特に熱狂的なファンを持つお店で、宅麺での販売も常に人気上位に入る存在です。今回はそんな桐龍を自宅で調理し、家にいながら二郎の迫力を体験できるか試してみました。 まず特筆すべきは麺。極太のワシワシ・ガシガシ系で、しっかりと噛み応えがありながら小麦の風味も感じられる。量も宅麺とはいえ控えめではなく、二郎系らしい「お腹いっぱいになる満足感」をしっかり残してくれるのが嬉しいポイントでした。スープは豚骨醤油ベースながら、第一口の印象は意外にもコク深さ。ジャンク感で押すタイプではなく、最後まで味の濃さや脂の重さが変わらず安定していて、無理なく食べ切れるのが好印象です。 トッピングは自分で用意したもやしとキャベツを追加。茹で加減を少しシャキ感が残る程度にしたことで、スープと麺に良いリズムを与え、一体感を増してくれました。ニンニクを投入した瞬間、スープの表情は一変し、一気にパンチが増して「これぞ二郎」と唸らせる仕上がりに。アブラは増さなかったものの、足せばさらにジャンキーさが前に出るのだろうと想像でき、好みに応じて調整できるのも宅麺ならではの楽しみです。 調理自体は思ったよりシンプルで、特に難しい工程もなく、手間が少ないのに完成度は驚くほど高い。盛り付けに凝らなくても、丼に山盛りの麺と野菜をのせるだけで「お店感」が漂い、家で食べているのに自然と気分が高まります。 食べ終えた後は「達成感のある満腹」。ガッツリ系にありがちな重たさではなく、満腹なのに後味がしつこく残らないバランスの良さが光ります。宅麺としては間違いなく「家ラーメンの限界突破」と言える完成度で、ここまで仕上がるなら現地の一杯はどれほどなのか…と期待が高まるばかり。次はぜひ川口の本店で、本物の桐龍を体感してみたいと強く思いました。 二郎系が好きな人にとっては、自宅で手軽に楽しめる贅沢な一杯。宅麺の中でも桐龍は特におすすめできる存在です。
2025/09訪問
1回
埼玉・八潮の名店「Handicraft Works」。本来は肉盛り油そば「ワイルドパレット」などが看板の店ですが、今回宅麺で取り寄せたのは、あえての「ザ・ラーメン」。見た目は極めてシンプル。しかし、箸を運ぶごとにその一杯の奥深さに引き込まれていきました。 まず、スープをひとくち。これは驚きました。鶏の旨みが非常に強く、それでいてくどさがまったくない。澄んだ醤油ベースに、鶏のコク、魚介の香りが重なり、まさに「旨味の多重奏」。油っこさではなく、出汁の力で押してくるタイプのラーメンです。飲み進めるほどにじんわりと染み入る美味しさで、まるで優しくも芯のある一杯。 麺は中細ストレート。茹で時間の記載はありますが、1分強で仕上げると、ちょうど良い歯切れの良さとコシが生まれました。ザクっとした食感とスープの繊細な絡み具合が絶妙で、非常に完成度が高い。見た目の印象以上に「麺の輪郭」がしっかりと感じられました。 具材はチャーシューが2枚。薄めながらサイズはしっかり、赤身と脂のバランスが良く、しっとりと仕上がった逸品。噛むほどに旨みがにじみ出て、脇役ながら丁寧な仕込みが伝わります。メンマも細めで控えめですが、シャキ感が残っていてスープの邪魔をしない好バランス。 全体を通じて、「ラーメンとは出汁と麺で勝負する料理だ」と再確認させられるような、原点回帰の一杯でした。 見た目の派手さやパンチは控えめながら、素材の良さ、組み立ての丁寧さ、味の余韻、どれを取っても非凡。まさに「ザ・ラーメン」の名にふさわしい、職人のプライドを感じる一杯です。 これでお店クオリティが冷凍宅配で味わえるというのは、やはり宅麺の底力。鶏清湯系が好きな方、油そばの印象で敬遠していた方にも、ぜひ一度試していただきたいです。
2025/06訪問
1回
埼玉県川島町の名店「中華そば 四つ葉」の「手火山式鰹節と伊吹いりこの中華そば（醤油）」を、宅麺を通じて自宅で味わいました。このラーメンは、自宅にいながらお店で食べるような本格的な味わいが楽しめる逸品で、一口ごとにその完成度の高さを実感しました。 まず、スープの香りに心を掴まれます。袋を開けた瞬間に広がる魚介の香ばしさ。特に伊吹いりこの風味が強く感じられ、スープ全体に豊かな深みを与えています。それだけでも十分に濃厚なのですが、手火山式鰹節が加わることで、まろやかさと上品さがプラスされています。いりこの強い個性を鰹節が見事に引き立てており、バランスが絶妙です。醤油ダレの香りも程よく、出汁の旨味を損なうことなく調和しているのが印象的です。スープの透明感のある黄金色が、見た目にも味わいの繊細さを物語っています。 麺は中太のストレートタイプで、スープとの相性が抜群です。茹で上がりも非常に滑らかで、しなやかな弾力と心地よい歯切れ感が特徴的。スープをしっかりと持ち上げてくれるので、すすった瞬間に麺とスープが一体となり、口の中に豊かな味わいが広がります。家庭で茹でてもこのクオリティを再現できるのは驚きです。 チャーシューは薄切りながらも存在感があり、口の中でとろけるような柔らかさ。脂身の甘さが程よく、スープと一緒に食べることで、その旨味がさらに引き立ちます。薄切りだからこそ、スープとの一体感があり、食べやすさも抜群でした。また、付属のメンマも香り高く、程よい歯ごたえがあり、スープや麺とのバランスをうまく整えています。 そして、付属の海苔も良いアクセントとなり、スープとの相性が抜群でした。ほんのり香ばしい風味がスープの旨味を引き立て、麺やトッピングとの一体感を生み出していました。スープにひたした海苔を麺に絡めながら食べると、またひと味違う美味しさを楽しめます。 さらに今回は自分で煮卵をトッピングしてアレンジしましたが、このラーメンのベースの完成度が非常に高いため、どんなトッピングでも引き立て役として機能してくれると感じました。次回はシンプルに、素材の味をより堪能する形でいただくのもいいかもしれません。 この「手火山式鰹節と伊吹いりこの中華そば（醤油）」は、魚介系の深い味わいと洗練された醤油の風味が見事に調和した一杯です。いりこの力強さと鰹節の繊細さを最大限に活かしたスープ、歯切れの良い中太麺、そしてとろけるチャーシューが三位一体となり、ラーメンの完成度をさらに高めています。 宅麺で手軽にこのクオリティのラーメンを楽しめるのは本当に贅沢で、次回はぜひ他のメニューも試してみたいと思いました。「中華そば 四つ葉」のラーメンは、一度食べたら忘れられない味わいです。自宅で贅沢な一杯を楽しみたい方には、間違いなくおすすめです。
2025/02訪問
1回
1回
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東岩槻の住宅街にひっそりと佇む「オランダ軒」。 初めて訪れたときの衝撃はいまでも忘れられない。丼の前に立った瞬間に感じたのは、生姜の香りがふわりと立ち上がるあの独特の湯気。そしてレンゲを口に運ぶと、まるで醤油と出汁の旨みが波のように広がってくる。しょっぱさではなく、包み込むような丸みのある味。食べ進めるほどに身体の芯が温まり、スープの一滴まで飲み干したくなるほどの完成度。「ここが日本一の醤油ラーメンだ」——そう感じた瞬間だった。 それからというもの、東岩槻という決して便利とは言えない場所にもかかわらず、どうしても足が向いてしまう。電車を乗り継ぎ、店に着くとすでに長い行列。平日でも一時間は待つのが当たり前だ。それでも、店の前に立っただけで生姜醤油の香りがかすかに風に乗って届き、その瞬間に「今日も食べられるんだ」と思うと自然と気持ちが高まる。二度訪れたが、どちらも満席。丼を前にしたときのあの高揚感、レンゲを入れた瞬間に広がる香り、全てが記憶に刻まれている。 そして今回、あの味を自宅で再現できる「宅麺」で注文してみた。正直なところ、最初は半信半疑だった。あの店の熱気、湯気、音、そして空気の密度までは再現できないだろうと思っていた。しかしいざ届いて、湯煎を終えてスープを丼に注いだ瞬間、その考えは一瞬で変わった。立ち上がる香りがまさにオランダ軒のそれ。生姜の清涼感がふわっと広がり、醤油の甘みがすぐに追いかけてくる。香りだけで、もう満足してしまいそうになる。 実際に口に運んでみると、スープのキレはやや穏やかになっているものの、味の方向性は完全にあのまま。生姜の辛みが穏やかになった分、醤油のコクがより際立ち、家庭で食べるにはむしろちょうど良いバランスになっている。出汁の厚みと醤油の甘みが共存し、体にすっと馴染むようなやさしさがある。それでいて、きちんと芯が通っている。スープをひと口、またひと口と重ねるたびに、記憶の中の東岩槻が蘇る。 麺は中太ストレート。つるっとした喉ごしとしっかりした弾力があり、スープとの相性が抜群だ。口に含んだ瞬間に小麦の香りが広がり、飲み込むたびにスープの旨みを引き連れていく。レンゲでスープをすくっては麺をすすり、そしてまたスープを飲む——その繰り返しのリズムが心地よい。 チャーシューも見事だった。冷凍とは思えない柔らかさで、脂の部分はとろりと溶け、赤身はしっかりとした旨味を残す。スープに沈めて少し温めると、さらに風味が増して、口の中でとろけるよう。お店で食べた時とほとんど変わらない完成度に驚かされる。 この一杯を家で食べながら、ふと笑ってしまった。 「なんでこんなに遠くの店の味を、家で再現できるんだろう」と。立地が微妙でなかなか行けないけれど、こうして家で食べられるなら、それだけで幸せだ。生姜の香りが部屋に満ち、食べ終わる頃には体も心もぽかぽかになる。食後の余韻も変わらない。まるで現地で食べたかのような満足感に包まれる。 何よりこのラーメンには、「特別な派手さ」はないのに、心に残る深さがある。キレでも、濃厚さでもなく、“調和”で勝負している。それができる店は本当に少ない。結局のところ、また食べたくなるのはこういう一杯なんだと思う。 オランダ軒は、やはり自分の中で日本一の醤油ラーメンだ。店で食べても、宅麺で食べても、その本質は変わらない。いつかまた現地で、あの生姜の香りに包まれながら、静かにレンゲをすくう日を楽しみにしている。